今節は甲子園球場でスワローズ戦。初戦はまたも大量得点のチャンスをつぶして敗れる。2戦目は大山のサヨナラホームランでとり、3戦目は西勇がスワローズの足攻によって大量失点したが、打線がよく粘って梅野のホームランで逆転勝利で、2勝1敗。1日おいてマツダズームズームスタジアムでのカープ戦。秋山が好投してカープ打線を封じると、大山のホームランなどで援護して、1勝。今節は3勝1敗。今季通算59勝52敗7分で勝率.532で今季の2位が確定した。優勝したジャイアンツとは7.5ゲーム差。3位ドラゴンズとの差は1.5ゲーム。
◎スワローズ22回戦……1-4
タイガース青柳、スワローズ高梨の投手戦。2回表、エスコバーにライト前ヒットを打たれるが、宮本を二塁ゴロ併殺にとる。藤井に三塁内野安打、中村にセンター前ヒットを打たれるも高梨を二塁ゴロにとり、走者は出しても得意のゴロアウトで切り抜ける。4回表、1死からエスコバーのライトフライは陽川が落球してエラーで出塁。宮本と藤井を歩かせて1死満塁とされるも、ここも中村をショートゴロ併殺に打ち取り得点を許さない。4回裏、糸原がセンター前にこの試合のチーム初安打を放つと、マルテのレフトの頭上を襲うあたりは青木に好捕されてしまうが、大山のレフト前ヒットとサンズの四球で1死満塁とし、陽川の二塁ゴロは二封のみで一塁はセーフと併殺崩れに。この間に糸原が生還して先制。木浪も四球でまた満塁としたが、坂本は見逃し三振に倒れ大量得点のチャンスを逃す。6回裏、大山とサンズがよく粘って連続四球。陽川のライト前に落ちるテキサスヒットで無死満塁に。ここで高梨は降板し、二番手は星。木浪はいい当たりのショートライナーに倒れ、代打原口、代打梅野隆は連続空振り三振でまたも満塁機の得点機を逸する。青柳は6回無失点で降板。7回表、二番手岩崎が代打廣岡にバックスクリーン左に同点のソロホームランを打たれてしまう。2死後、青木のヒットと盗塁で村上とは勝負を避けて歩かせる。エスコバーを二塁へのフライに打ち取って逆転は許さず。スワローズは7回裏は三番手清水、8回裏は四番手マクガフ、9回裏は五番手梅野雄とつないでタイガース打線を封じれば、タイガースは8回表は三番手エドワーズ、9回表は四番手スアレスがきっちり抑えて試合は延長戦に。10回表、五番手岩貞が青木を歩かせ、代走に田代。村上市エスコバーを打ち取って2死までこぎつけたが、代打山田哲を歩かせると、代打西浦に初球をレフトスタンドに運ばれてスリーランホームラン。岩貞はマウンドでがっくり。10回裏、抑えの石山が登板。2死から大山がヒットを放つも、島田がレフトフライに倒れて試合終了。3度の満塁のチャンスの打ち、1度だけ併殺崩れでしか得点できなかったのが響いた。
◎スワローズ23回戦……3-2
タイガース藤浪とスワローズ石川の投手戦。3回表、2死から宮本と塩見、村上を歩かせ満塁のピンチを招くも西田を見逃し三振にとり切り抜ける。3回裏、木浪がレフト前にチーム初安打を放つと、梅野隆は三振に倒れたが、藤浪が送り2死二塁とし、近本のセンター前タイムリーヒットで1点先制する。5回裏、木浪が左中間に二塁打を放ち、梅野の二塁ゴロで三進。しかし今度は後続を断たれて追加点ならず。6回表、村上の二塁打と西浦への四球、藤井の二塁ゴロで2死一三塁とされるも、上田を空振り三振に取ってここも切り抜け、藤浪は6回無失点で勝利投手の権利をもって交代。7回表、二番手岩崎は2死から宮本を歩かせ、塩見にレフト線にタイムリー二塁打を打たれて同点に。三塁を狙った塩見をホームから梅野隆が刺して逆転は許さず。7回裏、二番手清水から陽川がレフトスタンドに勝ち越しのソロホームランを放つが、8回表、三番手エドワーズが西田にレフトスタンドに同点のソロホームランを打たれてしまう。8回裏は三番手マクガフに抑えられ、9回表は四番手スアレスが三者凡退にとり、試合は動かず。9回裏、五番手梅野雄から大山が左中間スタンドにサヨナラのソロホームランを放ち、サヨナラ勝ち。ヒーローインタビューはサヨナラホームランの大山と、勝利投手のスアレス。
◎スワローズ24回戦……8-7
タイガースの先発は西勇。1回表から乱調。山崎にショート内野安打を打たれると、塩見は空振り三振に取ったが、青木を歩かせ、村上のライト前タイムリーヒットで1点先制される。一三塁とされて宮本の投手ゴロを西勇は本塁に送球するが送球がそれて梅野隆が弾いてしまい、2点目をエラーで献上。一二塁となり西浦のセンター前タイムリーヒットで3点差に。一三塁で一塁に牽制球を投げるがマルテが後ろにそらし、さらに1点を与え4失点。スワローズの先発は若手金久保。1回裏、近本がヒットと盗塁で無死二塁とし、糸原の投手ゴロで三進。マルテの一塁ゴロの間に近本は生還、3点差とする。2回表、金久保にプロ入り初安打となる二塁打を打たれると、山崎のバントは投手ゴロとなり走者は進めず。しかし塩見に右中間を越すタイムリー三塁打を打たれ、青木の二塁ゴロで塩見にも生還されて5点差に。村上にライト前ヒットを打たれ、二盗を許し、宮本には四球。西浦の打席で重盗を決められて2死二三塁とされると、二塁牽制球の間に村上に本盗をされて6点差とされる。村上は1イニング3盗塁という記録を作られてしまった。西浦には死球で西勇はここで降板。二番手馬場がエスコバーを二塁ゴロに打ち取り追加点は許さず。3回表、三番手谷川が三者凡退で流れを断ち切ると、3回裏、1死から糸原が三塁打。マルテが歩き、大山は三振するがサンズのレフト前タイムリーヒットで5点差に戻す。4回表も谷川が好投。4回裏、木浪のレフト前ヒットと梅野の内野安打で無死一二塁とし、代打原口がセンター前タイムリーヒットで4点差に。一三塁として近本のセンター前タイムリーヒットで3点差に。金久保は降板し、二番手は大下。糸原は空振り三振に倒れるが、最後の球が暴投となり1死二三塁に。マルテのショートゴロの間に原口が還り2点差とすると、大山のレフト前タイムリーヒットで1点差に。サンズが歩き、陽川のライト前タイムリーヒットでついに同点に追いついた。5回表、ガンケルが三者凡退に抑えると、5回裏、三番手星から梅野隆が勝ち越しのソロホームランを左中間スタンドへ叩きこむ。ガンケルは6回表も抑え、6回裏は四番手大西の前に大山、サンズが連続空振り三振に倒れるなどして三者凡退。7回表、続投のガンケルは塩見にヒットを打たれ、廣岡の投手ゴロで二封。ここで六番手岩貞と交代。村上は三塁フライに倒れ、代打山田哲は歩かせるが西浦を見逃し三振に仕留める。スワローズは星を7回まで投げさせ、8回裏は寺島の前に三者凡退。タイガースも8回表はエドワーズが、9回表は岩崎がきっちり抑えて逆転勝利。ヒーローインタビューはリリーフで2勝目のガンケルと決勝ホームランを放った梅野隆。
◎カープ24回戦……2-0
タイガース秋山、カープ中村祐の投手戦。1回表、近本が二塁打で出るも、後続を断たれて先取点はならず。4回表、1死から陽川が歩き、木浪の右中間を破るタイムリー二塁打で陽川が一気に生還し、先制する。木浪は三塁を狙うも憤死。6回表、大山がこの時点でジャイアンツ岡本に1本差に迫る28号ソロホームランをレフトスタンドに放つ。もつともこの日のナイトゲームで岡本が31号まで本数をのばしたため、3本差をつけられてしまったが。ともかく2点差。中村祐は6回2失点で降板。7回表は菊池保に抑えられる。秋山はピンチらしいピンチを作ることもなく。完封ペースで7回裏まで無失点に抑える。8回表は二番手中田廉に三者凡退に抑えられる。8回裏、降雨が強くなってきた中、中のにレフト前ヒットを打たれ、途中出場の石原慶が打席に入ると、同い年の能見が二番手で登板。石原慶の最後の打席はライトフライ。松山を迎えて三番手エドワーズがマウンドに。ショートゴロ併殺で締める。9回表はケムナの前に三者凡退。しかし9回裏、スアレスが1死から菊池涼に内野安打を打たれたものの後続を断ち、完封リレー。タイガースはこの勝利で今季2位を決定づけた。ヒーローインタビューは石原慶引退セレモニーのためなし。
愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳 カープ戦で11勝目をあげ、西勇と並んだ。そのまま完封というペースだったが、石原対能見という演出のために途中降板したのは残念。来季は規定投球回数に達して防御率争いに加わっていけるんじゃないかという期待が持てる。
野手……大山悠輔 スワローズ戦のサヨナラホームラン、カープ戦の場外ホームランは特筆もの。たとえジャイアンツの岡本にホームラン王を取られたとしても、東京ドームを本拠とする岡本の31本と甲子園球場を本拠地とする大山の28本では、大山に軍配をあげたい。そう考えるとナゴヤドームでホームラン王を取ったT・ウッズというのはすごい打者だったのだなあ。
いよいよ次節で公式戦は終了。タイガースは甲子園でジャイアンツ、ベイスターズと連戦。ジャイアンツ戦は藤川球児の引退試合だ。先発青柳はぜひとも規定投球回数を突破してほしいし、球児に最後のセーブをつけてほしい。大山は岡本の前で3連発くらい放りこんでほしい。最終戦は藤浪の先発予定。甲子園の申し子と言われた藤浪に、久々に甲子園での勝利を記録してもらいたい。ジャイアンツ戦は兵庫と大阪エリアではサンテレビが、全国ネットではBS朝日が中継するので、みなさん藤川の雄姿を目に焼き付けましょう。甲子園のラストゲームはNHKBS1のサブチャンネルでの中継。最後までテレビで見られるのはありがたいことです。ああ、甲子園に行きたいなあ。来季こそはなんとかと思うけれど、新型コロナウィルスが沈静化しないとちょっと行くのは避けた方がいいのだよなあ。
伊藤隼、岡崎、横山が戦力外に。いずれもドラフト1位もしくは自由枠で入団し、タイガースの柱となることを期待された選手ばかり。また、独立リーグからの入団であった福永も戦力外。二軍で結果を残しても、一軍でそれを発揮できなかった。スカウティングの難しさを感じさせる秋である。
(2020年11月9日記)