今節はバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ３連戦。鬼門ナゴヤでの初戦は大野雄に佐藤輝のホームラン以外はほぼ完璧に抑えられ、西勇の好投も虚しく破り、第２戦は勝野にやはり完璧な投球をされてしまい連敗。しかし第３戦は移籍初登板となったチェンが得意のナゴヤドームでドラゴンズ打線を手玉にとり、１勝２敗。甲子園に戻りカープ戦。初戦は九里を攻略し、降雨ノーゲームをはさんだ２戦目は野村からプロ入り初の４番打者に起用された佐藤輝が逆転満塁ホームランをライトスタンドに叩きこみ逆転勝利で２勝０敗。今季通算２１勝９敗で勝率．７００の首位。２位のジャイアンツとは３．０ゲーム差と変わらず。
◎ドラゴンズ４回戦……１－２
ドラゴンズの先発は大野雄。２回表、佐藤輝のライトスタンド中段に飛ばすソロホームランで先制。しかし、このあと大野は危なげない投球でタイガース打線を完全に封じてしまう。タイガースの先発は西勇。５回まで絶妙のコントロールでドラゴンズ打線を封じる。しかし６回裏、根尾にライト前ヒットを打たれると、１死後、大島のライト前ヒットで一三塁とされ、京田のレフトへの犠牲フライで同点にされる。７回裏、ビシエドと高橋周の連打で無死一二塁とされ、阿部のバントは一塁マルテが判断よく三封したが、ここで西勇は脇腹を押さえて一度ベンチに下がり、再度マウンドに戻ったが、コースが甘く入るようになり木下拓にレフト前タイムリーヒットを打たれて勝ち越しを許す。それでも根尾、大野雄と連続三振に取り追加点は許さず。８回表、２死から三塁ゴロを高橋周のエラーで出塁した近本が糸原の打席で二盗。タッチよりも足が先にベースに触れたと思われたが判定はアウト。矢野監督のリクエストに対して判定は覆らず。このアウトはドラゴンズの流れ。８回裏は二番手小野が２死から四球とヒットで一二塁とされたが高橋周をレフトフライに打ち取り、１点差のまま９回表に。二番手のＲ．マルティネスが登板。２死から大山がレフト前ヒットを放つもサンズが空振り三振で試合終了。やはり大野雄は強敵だった。
◎ドラゴンズ５回戦……１－６
タイガースの先発は青柳。２回裏、１死から高橋周を歩かせ、阿部の二塁ゴロで二進。木下拓に右中間を破るタイムリー二塁打で先制されると、根尾にはライト前にタイムリーヒットを打たれて２点差にされる。ドラゴンズの先発は勝野。４回表、マルテのヒットと佐藤輝の四球で２死一二塁とするも梅野は空振り三振でチャンスを逸する。この後は投手戦。５回裏、木下拓の三塁ゴロを大山が一塁へ悪送球するも二塁を狙った木下拓をバックアップの糸原が好送球で刺すという珍しいプレーもあったが、試合はなかなか動かず。７回表、２死から梅野と代打陽川の連打で一三塁とし、代打糸井。ここで勝野は交代し、二番手福の前に糸井はショートゴロに倒れて得点できず。７回裏は二番手小林が三者凡退に抑える。８回表、三番手祖父江に対し近本と糸原の連打で無死一三塁にし、糸原の代走に熊谷。マルテのセンターへの犠牲フライで１点差に詰め寄る。大山のセンター前ヒットでなおも一三塁とし、大山の代走に中野。祖父江に代わり四番手又吉がマウンドへ。サンズはショートゴロ併殺に倒れ、同点機を逸した。８回裏、勝ちパターンの岩貞を投入したのが裏目に。１死から代打福田にレフトスタンドにソロホームランを打たれて２点差とされ、大島のヒットと京田への四球で１死一二塁とされると、新外国人ガーバーは空振り三振に取るも、ビシエドにライトスタンドにスリーランホームランを打たれて決定的な５点差に。９回表、クローザーのＲ．マルティネスの前に三者凡退に終わり、連敗。
◎ドラゴンズ６回戦……６－２
ドラゴンズの先発は福谷。１回表、２死からマルテがセンターのフェンスに当たる三塁打を放つと、大山のレフト前タイムリーヒットで先制。タイガースの先発は移籍後初登板のチェン。２回裏、高橋周にヒットを打たれるも阿部をショートゴロ併殺に取り、木下拓に二塁打を打たれたが根尾を空振り三振に取って走者は出すが要所を締める投球。３回裏、二塁打の糸原と四球のマルテを置いて大山がレフトスタンドにスリーランホームランを放ち４点差とする。６回裏、二塁打の井領を大島の卒泣きね二塁ゴロで三進させられ、京田のレフト犠牲フライで１点返される。レフトのサンズは捕球後送球しようとして落球したが、これはアウトにしてからという判定で、走者を残すことなく流れを断ち切ったのも大きかった。７回表、二番手谷元から糸井が二塁打を放つも得点にはつながらず。７回裏、二番手小林はビシエドをショートゴロに打ち取るが中野が捕り切れずエラーで出塁。高橋周のヒットと代打福留の四球で無死満塁に。木下拓は注文通りのショートゴロ併殺でその間に１点は許したが、根尾を空振り三振に取って最少失点にとどめた。８回はドラゴンズが藤嶋、タイガースが岩崎を投入してともに抑える。９回表、四番手鈴木博から１死後佐藤輝が四球を選び、代走の熊谷が梅野の打席で二盗。梅野の右中間を破るタイムリー二塁打で３点差とすると、続く中野もライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で４点差に。五番手橋本に後続を断たれるも、９回裏はスアレスがガーバーにヒットはゆるしたが、ビシエドをショートゴロ併殺に取り、高橋周も浅いフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューはドラゴンズ時代以来のＮＰＢでの勝利を上げたチェン。
◎カープ６回戦……４－２
カープの先発は九里。１回裏、１死から糸原が歩き、２死後、大山の打席で糸原は二盗。大山は四球。サンズのレフト前タイムリーヒットで１点を先制する。２回裏、１死から中野がライト前ヒットで出ると、秋山のバントで二進。近本は歩いて、糸原がライト前タイムリーヒットで２点差に。５回裏、ライト前ヒットの大山と四球のサンズを置いて佐藤輝がライト前にタイムリーヒットを放ち３点差に。梅野のセンター前ヒットでサンズが二塁から一気にホームをついて４点目。タイガースの先発秋山はテンポよく際どいところに投げこむ自分の投球にカープ打線を引っ張りこむ。６回表、代打田中広にライト線に二塁打を打たれ、菊池涼は空振り三振に取ったが羽月のバントを秋山がジャッグルしてしまい１死一三塁に。しかしここは鈴木誠をショートゴロ併殺に打ち取ってしのいだ。６回裏からは二番手高橋樹の前にタイガース打線は抑えられる。８回表、完投ペースの秋山は、１死から代打クロンにレフトスタンドにソロホームランを打たれると、田中広と菊池涼の連打で二三塁とされる。ここで二番手岩崎に交代。代打會澤にはライト犠牲フライを打たれて２点差に迫られるが、鈴木誠を歩かせたものの西川をショートゴロに打ち取り、リードを保つ。８回裏は三番手菊池保の前に三者凡退。９回表、クローザーのスアレスは２死から坂倉にヒットを打たれるもクロンをセンターフライに打ち取り、逃げ切って７セーブ目。ヒーローインタビューは３勝目の秋山。無観客の甲子園でもタイガースの選手たちはいつもの野球をやり遂げた。
◎カープ７回戦……０－０（降雨ノーゲーム）
タイガースの先発は伊藤将。１回表、菊池涼にレフト前ヒットを打たれるも羽月のショートゴロで二封。鈴木誠の打席で羽月は二盗。鈴木誠の一塁ゴロをマルテが後逸するも糸原がよくバックアップして一塁送球も判定はセーフ。すかさず矢野監督がリクエストし、判定は覆り二塁ゴロアウトに。羽月は三進。西川を二塁ゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。２回表は會澤の二塁打とクロンへの死球で１死一三塁とされるが小園をショートゴロ併殺に打ち取ってここもピンチを脱した。カープの先発、高橋昂の前に打線は振るわず、３回表は伊藤将も三者凡退と投手戦の様相を見せてきたところで豪雨。甲子園はあっという間に水が浮いてしまい、ノーゲームが宣告された。
◎カープ７回戦……７－３
タイガースの先発はガンケル。珍しく毎回先頭打者を出塁させる苦しい投球。３回表、ヒットの菊池涼を羽月がバントで送り、鈴木誠のレフト線へのタイムリー二塁打で先制される。サンズがリバウンドした球の処理をもたつく間に鈴木誠は三進。しかし西川を浅いライトフライに打ち取ると、會澤は空振り三振で最少失点にとどめる。カープの先発は野村。３回裏、センター前ヒットの近本が糸原の空振り三振の間に二盗。マルテのセンター前タイムリーヒットですぐに追いつく。４回表、四球の安部、センター前ヒットの小園、四球の野村を置いて１死満塁で菊池涼はショートゴロ。ショート中野は自ら二塁ベースを踏み二封して一塁に送球するが、その間のためらいがプレーを遅らせ菊池涼は一塁に頭から飛び込んでセーフに。安部が生還してまた１点のリードを許す。５回表、鈴木誠を歩かせると、１死後、會澤の投手ゴロで二封。一塁に転送し併殺の判定が下るも佐々岡監督のリクエスト申請で覆り、會澤が一塁に残る。安部を歩かせると、２死一二塁からクロンのライトま前に落ちるタイムリーヒットで２点差に。５回裏、ヒットの近本が二盗、糸原が歩き、マルテのセンター前ヒットで無死満塁に。この試合、プロ入りはじめて四番打者として起用された佐藤輝がライトスタンドに満塁ホームランを放ち、一気に逆転した。野村は降板し、二番手中田廉は後続を３人で抑える。６回表、二番手の馬場が三者凡退で抑えると、６回裏は三番手のコルニエルが登板。ヒットの中野を代打板山が送ると、コルニエルが二塁に悪送球して無死一三塁に。近本のショートゴロは小園が送球をそらして満塁に。糸原は二塁ゴロで本封に終わったが、マルテの打席で坂倉が捕逸。板山が生還して３点差に。マルテが歩き、佐藤輝はレフト前にテキサス性のタイムリーヒットで４点差に。７回表、三番手の小林は西川と松山の連打で交代し、四番手の岩貞が後続を断ち無失点で切り抜ける。７回裏と８回表はそれぞれ森浦と岩崎が抑え、８回裏は菊池保を１死二三塁と攻め立てるもダメ押し点はならず。９回裏はスアレスで締め。ガンケルは５勝目。ヒーローインタビューは猛打賞と二盗塁の近本と、初の四番で満塁ホームランを放った佐藤輝。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……チェン・ウェイン 外国人枠の問題もあり移籍初登板がかなりずれこんだが、ファームでしっかり調整してきた成果が出た。しかもドラゴンズ時代、相性のよかったナゴヤドーム（ネーミングライツなどチェンには関係ないのだ！）での初先発ということもあり、落ち着いて投げていた。ファームではフルカンタラが好調、一軍ではガンケルが５勝と外国人枠の競争が激しい。ナゴヤドーム専任投手として起用し続けるのも面白いかもしれない。
野手……佐藤輝明 広いバンテリンドームナゴヤの中断にエース大野から一発を放てば、大山の休養のため「体験入部」で座った４番では野村から逆転満塁ホームラン。ただホームランを打つだけではないのだ。末恐ろしい巨砲である。
次節は神宮球場でスワローズズ戦。本来なら移動日のない９連戦の予定が、緊急事態宣言のため１日目が延期となり、２連戦となった。相手は今季まだ負けなしということで、ここで叩いて徹底的にお客さんにしておきたい。横浜スタジアムでのベイスターズ戦は予定通り行われる。外国人レギュラーがそろい脅威は感じるが、チーム全体に負け癖がついてしまっているためとにかく先制あるのみ。１試合休んだ大山が佐藤輝など問題にしない様な活躍を見せてくれることに期待したい。
（２０２１年５月３日記）
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