今節は神宮球場でスワローズ2連戦。本来は3連戦の予定だったが、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、1試合は予備日に延期となり、残る試合も無観客で行われた。まだスワローズに一度も負けていないという相性の良さで、初戦は西勇が不調で厳しい展開になったが、リリーフ陣の差がもろに出て、サンズ、佐藤輝のホームランで圧勝。第2戦は青柳が好投するもスワローズも勝ちパターンのリリーフをつぎこみ今季初の引き分けで1勝1分。横浜スタジアムに移ってベイスターズ戦。こちらは有観客で行われた。初戦はチェンが途中から打ちこまれ、リリーフ陣も追加点を許して大敗。2戦目は伊藤将が横浜高校時代以来の凱旋投球でベスターズ打線を手玉にとり、3戦目は接戦を糸井の一発で制して2勝1敗。今季通算24勝10敗1分で勝率.706の首位。2位のジャイアンツとは3.5ゲーム差と少しだけ開いた。
◎スワローズ6回戦……11-5
スワローズの先発は田口。2回表、サンズと佐藤輝の連打でチャンスを作るも梅野隆のショートゴロ併殺で先取点はならず。3回表、近本のショートゴロは西浦がこぼして一塁に送球するもセーフ。糸原のセンター前ヒットで無死一三塁とし、マルテの打席で糸原が二盗。マルテはセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットで先制。しかし大山三振のあとサンズの併殺打で大量点はならず。タイガースの先発は西勇。3回までは快調に飛ばしていたが、4回裏、山田にレフト線に二塁打を打たれると、村上宗にも左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ同点に。5回表、1死から近本が二塁打で出ると、田口の二塁牽制悪送球で三進。マルテの三塁ゴロは新外国人オスナの一塁への悪送球で近本が生還してまたも1点リード。5回裏、西浦にバックスクリーンに同点ソロホームランを打たれると、田口の内野安打と山崎のバントで1死二塁とされ、中村の三塁ゴロは大山が二塁走者田口が三塁に走るのを見てあわてて三塁へ悪送球し、田口はそのまま生還してリードを許すと、山田のレフト線へのタイムリー二塁打で2点差とされる。西はこの回限りで降板。6回表、2死から梅野隆が歩き、中野のレフト前ヒットで一二塁とし、代打陽川の同点となる2点タイムリー二塁打が左中間を破る。6回裏、二番手馬場が2死をとり、代打松本友を歩かせたところで岩貞に交代。岩貞は山崎をレフトフライに打ち取る。7回表、二番手近藤からマルテがレフトスタンドにソロホームランを放ち勝ち越す。7回裏は岩崎が抑え、8回表、三番手坂本光から佐藤輝が死球で出ると、梅野隆が送り、中野のプロ入り第1号となるスリーランホームランで4点差に。8回裏、五番手小林が二塁打の青木がサンタナのショートゴロで三進。西浦のセンター前タイムリーヒットで3点差に。9回表、四番手杉山からヒットの糸原の代走熊谷がマルテの一塁ゴロで二進。大山の右中間フェンスに当たるタイムリー三塁打で4点差とすると、サンズのレフトスタンドへのツーランホームラン佐藤輝のレフトスタンドに飛びこむソロホームランで6点差に。なおも中野のヒットで2死一塁と攻め立てると、杉山は降板して梅野雄に交代。代打木浪は打ち取られる。9回裏、六番手の小野が2死一三塁のピンチを作りながらもなんとか無失点で締めて4連勝。岩貞が2勝目。ヒーローインタビューはプロ入り初ホームランなどで猛打賞の中野。
◎スワローズ7回戦……2-2
スワローズの先発は奥川。3回表、ヒットの梅野隆を青柳が送り、近本と糸原の四球で2死満塁とすると、マルテがライト前に落ちる2点タイムリーヒットで先制。しかし、この後は奥川の力のある速球に押されて得点できず。タイガースの先発青柳は4回までは走者を背にしながらも得意のゴロを打たせる投球で併殺に取るなど好投。5回表、サンタナと古賀の連打で無死一二塁とされるも、奥川のバントはマルテが機敏に動き三封。元山の二塁ゴロで二封し2死一三塁に。ここで山崎に一二塁間を破るタイムリーヒットを打たれて1点差に。奥川は6回2失点で交代し、7回表は今野が登板。ヒットの佐藤輝を梅野隆が送り、中野三振のあと代打は糸井。しかし糸井の打席で二塁走者佐藤輝は牽制死。このチャンスを生かせなかったことが大きく響いてくる。7回裏は二番手岩貞が、8回表は三番手清水がそれぞれ好投。8回裏、必勝を期して四番手岩崎が登板。山崎と山田の連打で無死一二塁とされ、村上宗は二塁ゴロ併殺に取って2死三塁までこぎつけたが青木の二遊間のゴロは中野が好捕するも青木の足が一瞬早くベースを駆け抜けタイムリー内野安打となり同点に。オスナは三振に打ち取ったが、ついに追いつかれてしまった。9回表はクローザーの石山の前に三者凡退。9回裏はこちらもクローザーのスアレスを投入して三者凡退で今季初の引き分けとなった。
◎ベイスターズ7回戦……6-12
ベイスターズの先発は若手の中川。3回表、ヒットの中野がチェンの打席で二盗。チェンのバントはショート前に転がり内野安打に。近本が歩いて無死満塁とするも、糸原の二塁ゴロ併殺の間に中野が生還して1点先取。なおも三塁走者を残していたが、マルテは三塁ゴロで1得点のみ。4回表、佐藤輝のライトスタンド最上段に運ぶ10号ホームランで2点差とする。4回裏球が高めに浮き始めたチェンの速球がとらえられる。四球のオースティンと佐野と牧の連打で無死満塁とされ、ソトのライトフェンス直撃のタイムリーヒットで1点差とされると、宮崎にはセンター前に逆転の2点タイムリーヒットを打たれる。なおも無死一三塁から嶺井は三振に取ったが代打山下のライト前タイムリーヒットで2点差とされ、ここでチェンは降板。桑原将に対し馬場が登板。桑原将を三塁ファールフライに打ち取ると、大和を空振り三振に取り、流れを断ち切る。5回表は石田に抑えられ、5回裏は続投の馬場が三者凡退にしとめる。6回表、三番手エスコバーから糸井が今季第1号のソロホームランで1点差に迫る。6回裏、三番手桑原謙は宮崎のヒットと代打乙坂の内野安打で2死一二塁とされ、桑原将の左中間の頭を越す2点タイムリー二塁打で3点差に引き離される。7回表、四番手は新外国人のシャケルフォード。中野の背中を直撃する死球、代打原口のライト前ヒットで無死一三塁とし、原口の代走に熊谷。近本の打席で熊谷は二盗。近本が歩いて満塁とし、シャケルフォードは降板。四番手は砂田。糸原の打席で暴投し、労せずして2点差に。さらに無死二三塁で糸原の犠牲フライで1点差に。砂田が降板し六番手の三上がマウンドに。マルテはレフト線にタイムリー二塁打を放ち同点に。マルテの二塁での判定に三浦監督がリクエスト申請したが、マルテはタッチをうまくよけてペースタッチしており判定は覆らず。佐藤輝は申告敬遠。しかしサンズと糸井が連続見逃し三振で逆転はならず。7回裏、四番手小林はオースティンに勝ち越しのソロホームランをを打たれ、1死後牧の四球とソトのヒットで一二塁とされ、宮崎にタイムリー二塁打を打たれる。小林に代わり小野が登板したが、嶺井に2点タイムリー二塁打を、桑原将に5点差とされるタイムリーヒットを打たれる。8回表、七番手山崎から梅野と中野の連打でチャンスを作るが代打陽川はショートゴロ併殺、近本は二塁ゴロで得点できず。8回裏、六番手守屋が今季初登板を果たすが、オースティンを歩かせ、2死をとる間に三塁まで進まれ、ソトにタイムリーヒットを打たれてとどめを刺された。9回表は伊勢に締められ、連勝ストップ。
◎ベイスターズ8回戦……4-1
タイガースの先発は伊藤将。1回裏、桑原将にセンター前ヒットを打たれると、田中俊のバントで二進。オースティンのショートゴロは中野の一塁送球をマルテがこぼして1死一二塁となる。しかし佐野をレフトフライ、牧を一塁へのフライに打ち取り、踏ん張った。2回裏には1死から宮崎に二塁打を打たれたが、嶺井の投手ゴロで飛び出した二塁走者宮崎を二三塁間の狭殺プレーに持ちこみ、宮崎はスリーフィートライン越えでアウトに。ロメロを一塁ゴロに打ち取り、ここも踏ん張る。ベイスターズの先発は新外国人ロメロの初登板。3回までは打ちあぐねていたが、4回表、近本が歩くと糸原の打席で二盗。糸原はレフトフライに倒れたが、マルテの打席でロメロの暴投により近本は三進。マルテは内野フライに倒れたが、佐藤輝がセンター前タイムリーヒットで先制した。4回裏、牧にレフトスタンドにソロホームランを打たれてすぐに同点にされたが、5回表、1死から中野がライト前ヒットで出ると、伊藤将のバントを警戒したロメロはストレートの四球を与え、1死一二塁から近本のライト前タイムリーヒットで勝ち越し、返球のもたつきを見て近本は二進し二三塁に。糸原のセンターへの犠牲フライで伊藤将が生還して2点差とすると、マルテは歩き、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで3点差とする。6回以降、ベイスターズは国吉、砂田、三上とつないでタイガース打線を抑えたが、伊藤将は8回までベイスターズ打線を手玉にとり、9回裏はスアレスにつなぐ。スアレスはオースティンにヒットを許し代走は知野。佐野は二塁ゴロで二封。牧の二塁への小フライで一塁走者の佐野が飛び出し、二塁山本泰の機敏な一塁送球で併殺。ヒーローインタビューは開幕から3連勝の伊藤将。
◎ベイスターズ9回戦……3-2
タイガースの先発はガンケル。1回裏、先頭の桑原将に一塁へ鋭いライナーを打たれ、マルテが弾く間に二塁を陥れられ、一塁強襲二塁打となる。倉本の二塁ゴロで桑原将は三進。オースティンのショートゴロで生還と、1点を先制された。3回裏、ピープルズの二塁打と桑原将のヒット、二盗で無死二三塁に。大和とオースティンを打ち取ったあと佐野を申告敬遠して満塁策をとり、牧を見逃し三振に取ってなんとか粘り切る。ガンケルは3回限りで降板。4回裏からは二番手馬場が好投。ベイスターズの先発はピープルズ。4回までは打ちあぐねていたが、5回表、佐藤輝が歩き、サンズの左中間を深々と破る二塁打で佐藤輝は一気にホームインし、同点に。返球の間にサンズは三進。糸井が右中間スタンドにツーランホームランを放ち、勝ち越す。ベイスターズは6回以降、石田、エスコバー、山崎、三嶋という勝ちパターン継投でタイガース打線を封じる。タイガースは7回裏に三番手岩貞を投入。桑原将に左中間スタンドへソロホームランを打たれて1点差に。しかし8回裏は岩崎が、9回裏はスアレスが抑えて1点差試合をもぎ取った。ベイスターズも9回裏2死から代打山下の二塁ゴロが微妙な判定となり三浦監督がリクエスト申請をしたが、判定は覆らず。調子の上がってきているベイスターズの執念を感じさせた幕切れだった。二番手で好投した馬場が今季初勝利。ヒーローインタビューは勝ち越しのホームランを放った糸井。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ロベルト・スアレス 今節ではリードされている展開でのリリーフに府おかーんが生じたが、クローザーのスアレスは盤石。4点差での登板などで伸びていなかったセーブ数も9を数えてリーグトップに並んだ。。
野手……糸井嘉男 本来なら5試合トータルで決め、近本か中野かというところだったけれど、大山の故障離脱などなかったかのように満を持して打ちまくる糸井に。選手層の薄いチームなら連日先発出場していてもおかしくない。今後はロハスJr.との定位置争いとなるか。
次節は甲子園球場に戻りドラゴンズ戦。打線が調子を落としている上に、昨シーズンは甲子園がドラゴンズの鬼門となっていた。油断は禁物だが、ここはがっちりと勝ち続けおきたい。東京ドームに移動してジャイアンツ戦。まだ首位決戦と呼ぶには早すぎるが、前回のお返しで勝ち越してほしいものだ。
大山が故障離脱。復帰は予想以上に早いようだが、ここで糸井が待ってましたと活躍し、さらには二軍で高山が調子をあげてきているし、一軍昇格のロハスも一軍に慣らしておきたい。ガンケルが肩の張りで二軍落ちしたが、藤浪が少しずつ調子を戻し、新外国人のアルカンタラも出番を待っている状態だ。野手では植田、島田が一軍昇格。足のスペシャリストがまたまた揺さぶってくれることを期待しよう。
(2021年5月10日記)