今節は甲子園のドラゴンズ戦の初戦と東京ドームのジャイアンツ戦の2戦がともに球団創設以来の2000試合目。ドラゴンズとの初戦は先制したが西勇が逆転されてしまうもじりじりと追い上げ引き分けに持ち込んだ。雨で2試合流し、第2戦は秋山の好投と故障で戦列を離れた大山の代役糸井の活躍で1勝1分。ジャイアンツ戦は青柳の好投とマルテの活躍で先勝。記念の2戦目は伊藤将がスモークに一発を浴びたが9回表あと一歩で逆転というところまで粘った。3戦目はドラフト1位の平内を打ちこみ、新外国人投手のアルカンタラが1点差で踏ん張って、必勝リレーで逃げ切り2勝1敗。今季通算27勝11敗2分で勝率.711の首位。2位のジャイアンツとは4.5ゲーム差とまた開いた。
◎ドラゴンズ7回戦……4-4
球団創設以来2000試合目の対戦。ドラゴンズの先発は小笠原。1回裏、近本が右中間を破る二塁打を放ち、糸原の二塁ゴロで三進。マルテのセンター前タイムリーヒットで先制する。タイガースの先発は西勇。2回表、ヒットのビシエドを置いて高橋周にバックスクリーンに逆転のツーランホームランを打たれてしまう。さらに4回表、四球の高橋周を置いて木下拓にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、3点差に。4回裏、マルテが歩き、佐藤輝のライトの頭をこえる二塁打で無死二三塁とすると、1死後、ロハスJr.の二塁ゴロの間にマルテが生還し、2点差に。さらに梅野が瀬田―前に落ちるタイムリーヒットで1点差に詰め寄った。6回裏にはマルテのヒットと佐藤輝の四球で無死一二塁とチャンスを作るも、サンズはショートゴロ併殺。この間にマルテは三進。しかしロハスJr.はライトフライに倒れて逆転機を逸する。小笠原は6回3失点で交代。7回裏、二番手祖父江に対し、2死から代打原口が二遊間へ打ち京田が捕球し切れず内野安打となる。代走は熊谷。祖父江に代わり三番手福がマウンドへ。近本の打席、初球に熊谷が二盗。近本が歩いて一二塁とし、糸原のライト前に落ちるヒットで熊谷が一気に生還して同点に追いつく。四番手谷元の前にマルテは空振り三振でリードは奪えず。西勇は7回4失点で交代し、8回表は岩崎が、8回裏はドラゴンズも又吉が抑え、9回表はスアレスが抑える。9回裏、R.マルティネスが登板。ヒットの梅野の代走植田が二盗。与田監督のリクエスト申請も覆らず無死二塁に。中野のバントは捕手木下拓の前に落ち、植田は三封。ここで代打は糸井。中野はすかさず盗塁し1死二塁のチャンス。糸井の鋭いライナーは二塁阿部にダイレクトで捕球され、飛び出していた中野も切るいがかなわず併殺となり、惜しくも引き分けに終わった。
◎ドラゴンズ8回戦……2-1
ドラゴンズの先発はロドリゲス。1回裏、糸原の四球とマルテのヒットなどで2死二三塁としたが、サンズの一塁へのファールフライはビシエドがカメラマン席に手をのばす好捕で得点ならず。タイガースの先発は秋山。2回表、木下拓にレフトスタンドにソロホームランを打たれて先制点を許す。この後は両投手とも好投。5回表、木下拓にレフト前ヒットを打たれ、阿部と根尾はそれぞれ内野ゴロで木下拓は三進。ここでロドリゲスを空振り三振に取ってピンチを脱した。5回裏、梅野がヒットで出るも二盗を試みて失敗。2死から秋山が三塁の頭を越すヒットを放つと、近本のライト線の二塁打で二三塁とする。しかし糸原は二塁ゴロでここもチャンスを生かせず。7回表、ビシエドの内野安打と高橋周のセンター前ヒットで無死一二塁とされるが、木下拓、阿部、根尾と3者とも浅い外野フライに打ち取って進塁すら許さず。7回裏、2死から代打原口が四球で出ると、代走の熊谷が二盗。近本のセンター前タイムリーヒットで同点に追いついた。ロドリゲスはここで降板。二番手谷元には糸原が空振り三振で勝ち越しはならず。8回表、二番手岩崎は代打福田を歩かせて代走に高松。大島の打席で暴投し、高松は二進。大島の強い当たりは二塁山本泰の正面のライナー。京田のセンターフライで高松は三進。ガーバーを空振り三振に取って切り抜ける。8回裏、三番手又吉の前に2死となったが、ここでサンズが左中間スタンドにソロホームランを放りこみ、ついに勝ち越す。9回表はスアレスが三者凡退で逃げ切り10セーブ目。ヒーローインタビューは好リリーフで今季初勝利の岩崎と血書あホームランのサンズ。
◎ジャイアンツ7回戦……3-1
タイガース青柳、ジャイアンツ畠の投手戦。試合が動いたのは3回裏、1死から梶谷を歩かせ、ウィーラーのライト前ヒットで一死二三塁とされると、丸を歩かせ満塁に。岡本和のレフトフライで梶谷がホームを衝き、微妙な判定でホームイン。1点を先制される。4回表、マルテが右中間スタンドに同点ソロホームランを放つ。さらに佐藤輝が二塁打ででるとサンズと梅野の連打で1点勝ち越す。畠は7回2失点で
降板。8回表、二番手高梨からマルテが二塁打を放つも後続を断たれる。9回表は鍵谷に抑えられ追加点は取れなかったが、タイガースも8回から岩崎、スアレスの必勝リレーで逃げ切った。ヒーローインタビューは3勝目をあげた青柳。
◎ジャイアンツ8回戦……3-5
ジャイアンツの先発はサンチェス。1回表、近本と糸原の連打で無死一二塁とするが、マルテの三塁ゴロ併殺で2死三塁に。ここで佐藤輝が左中間を破るタイムリー二塁打を放ち、先制。タイガースの先発は伊藤将。梶谷とウィーラーの連打で無死一二塁とされ、丸の一塁ゴロで二封。2死後、スモークの打席で一塁走者丸が飛び出し、一二塁間の狭殺プレーの間に梶谷が生還して同点に。2回裏、スモークと若林の連打でまたも無死一二塁に。吉川の投手ゴロで二封したが、炭谷のセンター前タイムリーヒットで1点差とされる。3回表、1死から糸原の四球とマルテのヒットで1死一二塁とし、佐藤輝の右中間を破る走者一掃の2点タイムリー二塁打で逆転。この後は試合は動かず。5回裏、2死から丸と岡本和の連打で2死一三塁とされ、スモークにレフトスタンドに逆転のスリーランホームランを打たれてしまった。伊藤将は6回で降板。7回裏は岩貞が梶谷ヒットを打たれるも盗塁死で難を逃れる。サンチェスは7回2失点で降板。8回表、二番手中川から佐藤輝がこの試合3本目となる二塁打を放つもロハスJr.は三振。8回裏、三番手小林慶が走者を背負いつつも失点で切り抜ける、9回表、四番手鍵谷から梅野の二塁打と陽川、近本の四球で
2死満塁とチャンスを作ると、ジャイアンツは大江を投入し、マルテの二遊間の当たりは吉川が好捕。二封して試合終了。
◎ジャイアンツ9回戦……6-5
タイガースの先発は新外国人投手のアルカンタラ。2回裏、岡本和にバックスクリーン左に先制のソロホームランを打たれる。スモークにもヒットを打たれたが若林は二塁ゴロで二封。吉川のセンター前ヒットで1死一三塁とされ、大城の一塁ゴロは二封のみの併殺崩れでその間に若林が生還して2点差とされる。ジャイアンツの先発は今村。3回表、ヒットの中野をアルカンタラが送り、近本のライト線へのタイムリーヒットで1点差とする。2死後、マルテのショートゴロは吉川の悪送球がタイムリー内野安打となり、近本が生還して同点に。4回表、ジャイアンツは早くも二番手平内を投入。四球のサンズを置いて陽川がライトスタンドにツーランホームらを放つ。1死後、内野安打の中野をアルカンタラが送り、近本のセンターの頭を越すタイムリー二塁打で3点差に。ここで三番手の戸根がマウンドに。糸原のセンター前タイムリーヒットで4点差とした。戸根には5回は抑えられ、6回以降は、田中豊、野上、鍵谷、中川の継投に一人の走者も出せず。6回裏、梶谷、ウィーラー、丸の連打で1点を返されると、岡本和にもヒットを打たれて無死満塁に。スモークは捕邪飛に打ち取り1死をとるが、若林の二塁ゴロは二封のみの併殺崩れでウィーラーが生還して2点差に。2死一三塁で代打松原の打席で重盗をしてきたのに対し、梅野は三塁へ悪送球。丸が生還して1点差に。それでも松原は二塁ゴロに打ち取ってなんとかリードは保つ。7回裏は二番手岩貞が三者凡退に抑え、8回裏は岩崎が2死から岡本和にヒットを打たれるも、代走増田大を牽制球で釣りだし、タッチアウト。9回裏はスアレスが三者凡退で締め、12セーブを記録。ヒーローインタビューは来日初勝利のアルカンタラ。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩崎優 スアレスにつなぐセットアッパーとして、2005年のジェフ・ウィリアムスを思い出させる安定ぶり。走者を出しても牽制球でアウトにするなど冷静なマウンドさばきが光る。「0点に抑えられてよかったです」とコメントも毎回安定していて、ネット上でも話題になるほど。
野手……梅野隆太郎 リードされていてもその差を広げさせない工夫したリードが今節も勝ち越しに導いた。FA権を獲得したが、絶対に流出はさせてはいけない。嶌村本部長は今から白紙の小切手を用意して梅野に好きな額を書き入れさせてやるべきだ。
次節は甲子園球場でスワローズ戦。神宮では必死で食らいついてきた。とにかくタイガース戦初勝利に向けて何が何でも勝ちにくるだろう。その執念に負けないように。マツダスタジアムに移動してカープ戦。しかし梅雨入りしているので青柳が雨柳さんの本領をまたも発揮しそうでこわい。今季はカープ戦は苦戦しているので、調子を落としている今はもう一気に突き落すくらいの気持ちで延びんでほしい。。
ジャイアンツ戦で不発だったロハスを今後どのような形で起用するかも矢野監督の腕のみせどころである。
(2021年5月17日記)