今節もセ・パ交流戦。甲子園球場での6連戦となった。のずは「関西ダービー」のバファローズ戦。初戦は西勇は好投したが、リリーフの岩崎が打たれて敗れる。第2戦は秋山が前回同様好投し、久々に昇格した北條の活躍で勝ったが、第3戦はアルカンタラがやはり突如打ちこまれて敗れ1勝2敗。ホークス戦の初戦は青柳が完全にホークス打線のタイミングを外して4勝目をあげる。第2戦は伊藤将が甲斐のホームランに沈み、リリーフした湯浅が打ち込まれて敗れる。この敗戦でデーゲームでの連勝記録は16でストップ。第3戦は先発予定のガンケルが体調不良で急遽先発した西純が立ち上がり打たれ、そのままホークスのペースで敗れる。しかし、終盤マルテと佐藤輝がホームランを放つなど最後まであきらめない姿勢が光った。「ヌケヌケ」状態も崩される連敗で1勝2敗。今季通算33勝19敗2分で勝率.635の首位。2位のジャイアンツとは3.5ゲーム差と少し近づかれた。交流戦首位はこの時点ではドラゴンズとベイスターズ。タイガースは5勝7敗で単独9位。
◎バファローズ1回戦……2-5
タイガース西勇、バファローズ山岡の投手戦。2回表、2死からヒットの福田を置いて紅林に右中間にタイムリー二塁打を打たれて先制を許す。4回表、1死からT-岡田のレフト前ヒット、安達のライト前ヒット、福田への四球で満塁とする。紅林のショートゴロ併殺で切り抜けたかと思われたが、中野と木浪の最高のコンビネーションにもかかわらず中嶋監督のリクエスト申請で判定が覆り、一塁セーフの併殺崩れでその間のT-岡田の本塁生還で2点差とされる。この試合、全体に西勇には両サイドのボールを辛く、山岡の両サイドのボールを甘く判定されていたように感じられた。5回裏、サンズが歩き、佐藤輝は三振。梅野のレフト前ヒットで一二塁とするも木浪は見逃し三振。ここで西勇がレフト前にタイムリーヒットを放つと、近本もライト前タイムリーヒットで続き同点に。7回表、佐藤輝の一塁ゴロエラーと代打原口のレフト前ヒットで2死一三塁とするも近本はレフトフライに倒れ、これで流れはバファローズに二。西勇は7回2失点で交代。8回表、二番手岩崎が1死から吉田正にセンター前ヒットを打たれると、代走に小田。杉本のショートゴロは二塁への送球をわずかにそらし、一二塁とされる。2死後、安達にセンター前タイムリーヒットを打たれると、福田を歩かせ満塁に。ここで岩崎は降板。三番手の馬場は紅林にライト前2点タイムリーヒットを打たれて3点差とされる。タイガースは9回表は石井大が無失点に抑えたが、バファローズも8回はヒギンス、9回裏は平野を投入。9回裏はサンズが二塁打で出るも佐藤輝、梅野、陽川が三者三振。追い上げもできずに終わる。審判の微妙な判定に左右される試合となった。
◎バファローズ2回戦……2-1
タイガース秋山、バファローズ宮城の投手戦。1回表、福田にライト前ヒットを打たれるも、安達、吉田正を連続三振に取る。ところが杉本とモヤを歩かせて満塁にしてしまう。伏見の二塁左を抜けようかという当たりを、今季初スタメンの二塁北條が好捕してアウトにし、先制は許さず。3回裏、内野安打の中野を秋山が送り、2死後、北條が;2s前にタイムリーヒットを放ち、先制。4回表は1死から伏見と宗の連打でピンチを作るが紅林を投手ゴロ併殺に打ち取る。5回表は1死一三塁の場面で吉田正を三振に取ると、杉本もライトフライに抑えて切り抜ける。5回裏、死球の近本を秋山が送り、近本のセンター前ヒットで一二塁とし、北條のレフト前に打ち返すタイムリーヒットで2点差とする。6回表、モヤにヒットを打たれるも伏見の三遊間の当たりを中野が好捕して二封。宗の一塁ゴロで三進。紅林のタイムリーヒットで1戦差に迫られる。ここで秋山は交代。二番手岩貞が後続を断つ。6回裏、能見がマウンドに。梅野や代打糸井を空振り三振に取られる。7回以降、バファローズは村西、K-鈴木とつないでタイガース打線を抑えたが、タイガースも7回以降、馬場、岩崎、スアレスの必勝リレーで逃げ切った。ヒーローインタビューは5勝目をあげた秋山と、全打点をたたき出した北條。
◎バファローズ3回戦……3-7
バファローズの先発は山崎福。1回裏、ヒットの北條を置いて大山がバックスクリーン右に先制のツーランホームランを放つ。2回裏には佐藤輝が右中間スタンドにソロホームランを放ち、3点差に。タイガースの先発はアルカンタラ。3回までは一人の走者も許さない好投を続けていたが、走者が出ると弱いという弱点をまたも見せてしまう。4回表、先頭の福田を歩かせ、1死後、吉田正に右中間を破る二塁打を打たれて二三塁とされると、杉本のレフト前タイムリーヒットとT-岡田のレフトへの犠牲フライで1点差とされる。5回表には2死から山崎福に二塁打を打たれると、福田のセンター前タイムリーヒットで同点に。山崎福は5回3失点で降板。6回裏、二番手比嘉から大山が二塁打を放つと、サンズのセンターフライで三進。佐藤輝は申告敬遠。梅野の打席で佐藤輝が二盗して二三塁と攻め立てたが、梅野は空振り三振に倒れる。7回表、アルカンタラは2死一二塁で吉田正を迎え、なんとか三塁ファールフライに打ち取って同点のまま降板。7回裏、三番手富山に対し、中野がヒットで出るも代打熊谷のバントは捕邪飛に。近本の二塁ゴロで中野は二進。ここで四番手村西に交代。北條は死球で代走に小幡。マルテに期待がかかるが空振り三振で得点できず。8回表、二番手岩崎がまた打たれる。ヒットのT-岡座を置いて紅林に左中間スタンドにツーランホームランを打たれてしまった。岩崎に代わる三番手石井大は後続を断つ。8回裏はヒギンスの前に三者凡退。9回表、プロ初登板の湯浅が中川圭の内野安打、宗のヒットなどで1死一三塁とされ、吉田正の左中間を破る2点タイムリー二塁打で突き放される。9回裏は六番手能見の前に三者凡退。アルカンタラは中継ぎ向きなのかもしれない。
◎ホークス1回戦……6-1
ホークスの先発は石川。1回表、レフト前ヒットの近本を置いて北條が左中間を深々と破るタイムリー二塁打で一塁から近本が一気に生還して先制。マルテの一塁ゴロで北條は三進。大山のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。タイガースの先発は今期甲子園初登板となった青柳。2回表、ヒットの柳田、四球の中村晃を置いて界の二塁ゴロで二三塁とされる。上林は空振り三振に取り、松田を申告敬遠して2死満塁とする。石川を投手ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。2回裏 、佐藤輝がレフト線に二塁打を放つと、1死後、中野が歩き青柳のバントで二三塁とすると、近本がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち4点差とする。青柳は両サイドの低めをつく好投でホークス打線を寄せ付けず、石川も3回以降は立ち直る。6回表、栗原を歩かせ、柳田の一塁ゴロはマルテが二封しようとした送球が走者の栗原に当たり、無死一二塁とされる。中村晃をセンターフライに打ち取ると、甲斐には梅野の配球が勝り見逃し三振。代打明石をショートゴロに打ち取って切り抜けた。6回裏、マルテのセンターの頭を越す二塁打、大山のセンターフライでマルテは三進。1死後、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで5点差とする。石川は6回5失点で降板。二番手は育成から昇格した大関がプロ入り初登板。7回裏は抑えられる。8回表、栗原にライトスタンドにソロホームランを打たれると、1死後、中村晃にセンター前ヒットを打たれる。甲斐はやはり梅野の配球で見逃し三振に取ったが、真砂は三遊間へ内野安打。それでも松田を空振り三振に取り最少失点にとどめた。8回裏には続投の大関から大山が左中間スタンド最前列に飛びこむソロホームランを放ち再び5点差に。9回表は岩崎と交代で一軍に再昇格した藤浪が登板。ヒットは許すも後続を断って締めた。
◎ホークス2回戦……2-10
ホークスの先発はマルティネス。2回裏、サンズのヒットと梅野の三塁ゴロエラーで1死一二塁とチャンスを作るも中野はレフトフライに倒れ、伊藤将が見逃し三振で得点ならず。3回裏、ヒットの北條を置いてマルテが左中間スタンドに先制のツーランホームランを放つ。5回裏には内野安打の近本を北條が送り1死二塁としたが、マルテの打席で近本が牽制球に吊りだされ、二三塁間でタッチアウトに。これで流れがホークスに。タイガースの先発は伊藤将。5回までは持ち味のコンビネーションでホークス打線を抑えていたが、6回表、1死から柳田にセンター前ヒットを打たれると、真砂に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、柳田は一気にホームイン。中村晃のショートゴロは中野の好捕で三塁走者は動けず。しかし甲斐にレフトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれてしまう。6回裏、佐藤輝と中野のヒットで2死一二塁とし、代打原口はファールでよく粘ったが外角に逃げる球を空振り三振に倒れる。7回表、二番手小林は代打三森を歩かせ、川島の三塁ゴロを大山が後逸して無死一二塁に。今宮のバントで二三塁とされ、栗原の投手ゴロは小林が一瞬バックホームしようとしたところ、間に合わずに反転して一塁でアウト。三森が生還して2点差に。小林は反転した際に足首を痛めて降板。三番手岩貞は柳田をショートゴロに打ち取るが、一塁への送球が高投となり、悪送球エラーでセーフに。この間に川島が生還して3点差とされる。7回裏は二番手板東に抑えられる。8回表、四番手のユアサが中村晃にセンター前ヒットを打たれ、代走に周東。甲斐が送り、松田のショート内野安打で一三塁に。松田の代走は高田。三森の打席で高田が二盗。三森のセンター前タイムリーヒットで4点差に。1死二三塁とされて代打長谷川に左中間を破る2点タイムリーヒットを打たれ、2死後、栗原のタイムリー三塁打で7点差とされてしまった。8回裏、三番手津森に抑えられると、9回表は五番手及川が甲斐にバックスクリーンにソロホームランを打たれて8点差に。9回裏、尾形で締められ、デーゲームの連勝記録はストップ。「ヌケヌケ」状態はまだまだ続く。
◎ホークス3回戦……3-8
タイガースの予告先発はガンケルだったが、発熱のために急遽ファームで先発予定だった西純が先発。ここで勝てたらたいした大物であったが、なかなかそうはいかない。1回表、センター前ヒットの三森を今宮に送られ、栗原のレフト前タイムリーヒットで1点先制される。2死後、真砂のヒットと中村晃への四球で満塁とされ、甲斐のレフト前2点タイムリーヒットで3点差とされる。しかし2回以降は立ち直り、まずまずの投球。ホークスの先発は2007年以来の甲子園というベテランの和田。2回裏、大山がヒットで出るも、サンズ、佐藤輝、梅野が三者三振と完全に手玉に取られてしまった。4回表、二番手は齋藤。2死から三森の三塁ゴロを大山の悪送球で生かしてしまい、今宮の打席で二盗を許し、今宮のレフト前タイムリーヒットで4点差に。4回裏、マルテの内野安打と大山のセンター前ヒットで無死一二塁とするもサンズはレフトフライに倒れ、佐藤輝、梅野はまたも連続三振。和田の術中にはまっていた。5回表、ヒットの柳田を真砂のバントで送られ、中村晃の二塁ゴロで柳田は三進。甲斐が歩き、松田の打席で齋藤が暴投。柳田が生還して5点差に。6回表からは三番手及川が好投。しかし8回表に中村晃を歩かせ、代走に周東。甲斐の打席で周東は二盗。梅野と交代で守っていた捕手の坂本が二塁へ悪送球して周東は三進。甲斐のライト前タイムーヒットで6点差に。2死後、三森のタイムリー三塁打で7点差とされると、今宮のショートゴロは中野が弾いてタイムリーエラーとなって8点差。和田は7回無失点で降板し、二番手は嘉弥真。1死から代打原口が左中間を破り、原口は三塁へヘッドスライディングする三塁打。落ちこみ加減のチームにカツを入れた。2死後、マルテがレフトスタンドにツーランホームランを放ち6点差とする。ここで三番手の板東に交代。大山は空振り三振。9回表は四番手石井大が抑え、9回裏、四番手泉から1死から佐藤輝がバックスクリーン右へソロホームランを放ち5点差に。2死後、中野と木浪が連打で続いたが、原口は空振り三振で試合終了。大敗していたはずが、投入した投手は同じ人数という、和田が降板したあとのリリーフはとらえていたということ。失点はエラーがらみが多く、若い投手の足を引っ張ったような展開であった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋 ホークスの強打者たちが全くタイミングが合わず。もう少しで完投できたのだが、それは次回のイーグルス戦に取っておこう。試合前はもう少しで降雨中止かという豪雨もあったが、無事今季甲子園初勝利を飾れてよかった。
野手……北條史也 故障のためファームで調整していたが、一軍昇格即スタメンで連続タイムリー。ムードメーカーとしての役割も果たした。ファームで出番を待つ高山や中谷らにもいい刺激になったことだろう。。
次節で交流戦も終了。まずは札幌ドームでファイターズ戦。リーグ下位に沈んでいるチームだけに、取りこぼしはできない。勝敗の繰り返しのループが連敗という形で途切れたのだから、今度は連勝で取り返したい。最後はパ・リーグで首位争いをする好調イーグルス。パの新人王候補の早川と佐藤輝の対決は見もの。なんとか5割で交流戦を締めてほしいものだ。
(2021年6月7日記)