今節よりリーグ戦再開。甲子園球場でジャイアンツ3連戦。初戦はサンズの満塁ホームランなどで序盤に大量リードし、西の好投で先勝。第2戦は伊藤将や藤浪が相手のホームランに泣いて落とす。第3戦は秋山がホームラン1本のみの失点で抑えながらも原監督のシーズン終盤のようななりふり構わぬ選手起用で佐藤輝のホームランのみに抑えられ1勝2敗。今季通算40勝21敗2分で勝率.656の首位。2位のジャイアンツとスワローズは6.0ゲーム差と少し縮んだ。
◎ジャイアンツ10回戦……7-1
この試合は医療従事者への感謝の意を示すため、帽子のつばとマークを青くし、ベースも青くした形で行われた。タイガースの先発は西勇。1回表、2死から丸を歩かせ、岡本和のライ氏前ヒットを佐藤輝が弾き、二三塁に。坂本勇を歩かせ満塁とされたが、中島は三塁ゴロに打ち取り、切り抜ける。2回表は先頭の大城にヒットを打たれるも、1死後、メルセデスがスリーバントを失敗し走者を送れず、松原もレフトフライに打ち取り、このバント失敗で流れがタイガースに来た。ジャイアンツの先発はメルセデス。2回裏、佐藤輝がライト線に二塁打を放つと、サンズが左中間を深々と破るタイムリー二塁打で先制。1死後、梅野の三塁線のゴロは岡本和のまずい守備もあってレフト線へのタイムリー二塁打となる。2死後、近本も左中間を破るこの回4本目のタイムリー二塁打で3点差とした。3回表、2死から岡本和を歩かせ、坂本勇のショートゴロは中野が一塁に投げをうとしてから二塁糸原にトスしたので糸原との呼吸が合わず落球。中野の失策で一二塁とされる。しかしここでも中島を空振り三振に打ち取って味方の失策を救った。3回裏、マルテが歩き大山のヒットと佐藤輝の内野安打で満塁に。ここでメルセデスは降板し、二番手は田中豊。サンズが右中間スタンドに満塁ホームランを放ち、7点差をつけた。4回表、2死から亀井のヒットと松原の四球で一二塁とされ、ウィーラーの三遊間を破るタイムリーヒットで1点を返されたが、反撃もここまで。5回裏からはジャイアンツの左腕戸根に3イニングを抑えられる。西勇は7回1失点の好投で8回表は及川が三者凡退の好投を見せ、8回裏は育成から支配下に上がってきた戸田に抑えられる。9回裏は岩貞が三者凡退で締めくくった、ヒーローインタビューは苦しみながらも4勝目をあげた西勇と、先制点と満塁弾のサンズ。
◎ジャイアンツ11回戦……2-6
前夜からの降雨もあり、グラウンド整備のため18分遅れで開始。タイガースの先発は伊藤将。1回表、1死からウィーラーと丸の連打で二三塁とされ、岡本和のライトへの犠牲フライで1点先制される。ジャイアンツの先発は戸郷。1回裏、近本のライト前ヒットと中野のセンター前ヒットで無死一二塁とし、マルテのレフトフライをウィーラーが緩慢な返球をする間に走者はそれぞれタッチアップで進塁し二三塁とする。大山のライト前タイムリーヒットで同点としいたが、佐藤輝とサンズは連続三振でリードできず、これが響いてくる。4回表、大城にライトスタンドにソロホームランを打たれてリードされると、5回裏には梅野の二塁打を伊藤将が送ることができず、近本の二塁ゴロで梅野は三進するが、中野はショートゴロに倒れて同点機を逸する。6回表、丸にヒットを打たれるも岡本和の二塁ゴロ併殺で流れを断ったかに見えたが、坂本勇に低めの変化球をうまくすくい上げられて通算250号となるソロホームランで2点差に。6回裏、2死から佐藤輝が右中間スタンドに軽い振りでソロホームランを叩きこみ、1点差に戻す。伊藤将は7回3失点で交代。二番手藤浪は8回表、松原を歩かせるもウィーラーを三塁ゴロに打ち取り二封するも併殺はならず。代走に立岡。そして丸にバックスクリーンにツーランホームランを打たれ、3点差に。8回裏は二番手中川皓から中野がヒットを放つもマルテは二塁ゴロ併殺。9回表は三番手エドワーズ。1死から北村にヒットを打たれ代走に湯浅大、代打亀井の打席で牽制悪送球。湯浅大は一気に三進。亀井のセンター犠牲フライで4点差に。9回裏は三番手ビレイラの前に佐藤輝、サンズが空振り三振、糸原はレフト前ヒットで出るも、梅野が見逃し三振で反撃もそこまで。戸郷をつかまえきれず、すっかり苦手にしてしまった。
◎ジャイアンツ12回戦……1-2
タイガース秋山、ジャイアンツ高橋優の投手戦。4回裏、マルテの四球、佐藤輝のレフト前ヒットで1死一二塁のチャンスを作るもサンズはショートゴロ、糸原はレフトフライに倒れ、先制ならず。6回表、北村にレフト前ヒットを打たれ、代走は湯浅大。代打の香月にはインコースいっぱいのストライクで見逃し三振をとり、味をしめたか続く松原への決め球にも同じコースを投げて狙い打ちされライトスタンドに先制のツーランホームランを打たれる。動揺したか、秋山はウィーラーのヒットと丸への四球で1死一二塁としてしまうが、岡本和と坂本勇をライトフライに打ち取り、追加点は許さず。6回裏、二番手の畠から佐藤輝がレフトスタンドにソロホームランを放ち、1点差とする。7回表、二番手及川が1死から大城を歩かせ湯浅大にもヒットを打たれて走者をためるが、代打石川のセンターフライで二塁走者大城が飛び出し、近本の返球で併殺に。7回表、三番手高梨に対し1死から梅野が歩き代打は原口。原口はレフトフライに倒れたが、近本がユニフォームをかする死球で一二塁とし、代打北條の打席で暴投。二三塁として2ストライク2ボールになったところで高梨は交代。四番手鍵谷がマウンドに。北條は空振り三振。8回表は岩崎が久々に登板し、0点に抑えられてよかったです。8回裏、続投の鍵谷に対しマルテ、大山が連続三振を取られるも、なんと佐藤輝は敬遠気味の四球。サンズは凡退したが、佐藤輝はジャイアンツ投手陣にとって脅威になってきたことがわかる。9回表は馬場が三者凡退に抑え、9回裏、抑えのビエイラが登板。1死から梅野が歩き、代走に植田。代打糸井の打席で植田は二盗。しかし、糸井、近本と連続三振で逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝 しばらく勝ち星から見放されていたが、味方の援護もあり、今季G戦3勝。この3連戦の頭をとったことで、後の連敗もそれほどいたいものとはならなかったのは大きい。もっとも、西勇が先発というだけでジャイアンツの選手たちの覇気がなくなっていたと感じたのは私だけだろうか。
野手……佐藤輝明 2戦目のバックスクリーン弾にしても、3戦目のレフトスタンドへの流し打ちにしても、軽打という感じのバッティングであそこまで飛ばすとは驚き。まだシーズン折り返しにくる前に、岡田彰布の球団新人記録第2位の18に並んでしまった。それもラッキーゾーンのない甲子園で10本打っているのだ。残念ながら勝利には結び付かなかったが、ジャイアンツの投手陣を震え上がらせたことは間違いない。
次節はバンテリンドームでのドラゴンズ3連戦。鬼門のドームで、調子をあげてきているドラゴンズということもあるが、代走陣と強肩の木下拓との勝負が見もの。そして甲子園に戻り、ベイスターズ戦。オースティンらが調子をあげてきていて、打ち合いになることが予想される。伊藤将や秋山らコントロール勝負の投手たちがいかにタイミングを外した投球をするかがポイントになるか。まだ2位とのゲーム差を考えず、1試合ずつきっちりと今季のタイガースのつなぐ野球をしていけば心配することはないと思うが。
(2021年6月21日記)