今節はまずバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。初戦は青柳と大野雄の緊迫した投手戦で、ワンチャンスをものにしたタイガースが競り勝った。第2戦はアルカンタラは好投したが、リリーフが打たれて敗れ、第3戦はガンケルの好投に打線もこたえて圧勝し、2勝1敗。甲子園に戻りベイスターズ戦。とにかくオースティンと桑原将が絶好調で、どの試合でも打たれまくった。初戦は西勇がいきなり初回にオースティンホームランを打たれ、打線は振るわず敗れる。2戦目は伊藤将が桑原の一発に沈む。3戦目は秋山がオースティン、桑原将、ソトにホームランを打たれて大敗し0勝3敗。今季通算42勝25敗2分で勝率.627の首位。2位のジャイアンツが7連勝して2.5ゲーム差と急接近。ベイスターズはジャイアンツに3連敗のあとタイガースに3連勝している。三浦大輔監督の現役時代もジャイアンツに打たれてタイガースをかもにしていたなあ。タイガースファンの父君が泣いていると思うぞ。
◎ドラゴンズ9回戦……2-1
タイガース青柳、ドラゴンズ大野雄の投手戦。タイガースは2回表、1死から佐藤輝がレフトフェンス最上部に当たる二塁打を放つ。ホームランではないかと矢野監督がリクエスト申請したが、判定は覆らず。サンズが歩いて一二塁とし、糸原のライト前タイムリーヒットで先制。一三塁として梅野がセンター前タイムリーヒットを放ち2点差とする。魚八木のバントは空振り三振となり、近本のライト前ヒットで糸原がホームをつくも憤死。2点どまりとなった。しかも、この後大野雄はペースを取り戻し、チャンスらしいチャンスはほとんどなかっただけに、この2点は大きかった。3回裏、1死後、桂の打球は青柳のグラブを弾くも、ショート中野がよくバックアップして捕球。一塁へぎりぎりの送球でアウトにする。バックの守りに助けられて失点は許さず。4回裏、高松が二塁内野安打で出ると、高橋周の打席で高松は二盗。梅野の送球がそれてセンターに届く間に高松は三進。高橋周のショートゴロの間に高松が生還して1点差とされる。6回裏、大野雄がヒットで出ると、大島のレフトフライはサンズが背面を向いて捕球し、それを見た大野雄はタッチアップで二進。高松のライト前ヒットで1死一三塁とされたが、高橋周をショートゴロ併殺に打ち取り得点を許さず。青柳は7回1失点、大野雄は8回2失点で交代。8回裏、二番手岩崎が三者凡退で抑えると、9回表は二番手谷元に佐藤輝のヒットだけで抑えられる。9回裏、スアレスが三者凡退で締めて逃げ切った。スアレスは連続セーブを22とのばす。ヒーローインタビューは大野雄に投げ勝ち、セ・リーグ防御率トップに立つ青柳。
◎ドラゴンズ10回戦……2-6
タイガースの先発はアルカンタラ。1回裏、2死から高橋周にライトスタンドにソロホームランを打たれて先制される。ドラゴンズの先発は福谷。2回表、1死からサンズと糸原に連打が出るが、サンズが三塁を欲張り大島の返球で楽々タッチアウト。チャンスをつぶす。2回裏、堂上がセンター前ヒットで出ると、溝脇の一塁ゴロはマルテが二塁に悪送球してアウトが取れず、加藤翔のバントは失敗して一塁フライになったが、桂のレフト線のタイムリー二塁打で2点差をつけられる。3回表、中野のヒットとサンズの二塁打で2死二三塁のチャンスを作るが、大山の右中間への当たりはライト加藤翔に好捕されて得点できず。4回表、佐藤輝がセンター前に落ちるヒットで出ると、サンズの打席で福谷が暴投し、佐藤輝は二進。サンズのレフト前ヒットで無死一三塁とし、糸原のショートゴロ併殺の間に佐藤輝が生還して1点差に。5回表、近本がライト前ヒットで出ると、中野のバントは福谷が一塁へ悪送球。近本は一気に本塁をつくが、バックアップした二塁溝脇の好返球で憤死。6回表、佐藤輝のバックスクリーン左に飛びこむソロホームランでついに同点とした。アルカンタラは3回以降は尻上がりによくなり、6回2失点で交代。7回表、二番手藤浪が乱調。桂を歩かせ、大島のヒット、代打福留への四球で満塁にする高橋周は見送り三振に取ったが、ビシエドへの押し出し死球と 堂上の走者一掃の三塁打で4点差をつけられた、藤浪はここでで降板し、三番手石井大が溝脇をショートライナーに打ち取りやっとチェンジ。福谷は7回2失点で降板し、8回表は祖父江に抑えられる。8回裏は四番手齋藤が抑えたが、9回裏は又吉の前に三者凡退で試合終了。サンズ、近本の暴走で流れを断ち切ったことが敗因か。
◎ドラゴンズ11回戦……6-0
ドラゴンズの先発は岡野。3回表、ライト前ヒットの梅野をガンケルが送り、近本のレフト前ヒットで一三塁とし、中野の打席で近本が二盗。中野のセンター犠牲フライで1点先取する。タイガースの先発はガンケル。3回裏、郡司にヒットを打たれるも、岡野はバントできず三進。大島の二塁ゴロで二封。高松にライト前ヒットを打たれるも高橋周は二塁ゴロに仕留めて切り抜けた。4回表、大山がヒットで出るも佐藤輝、サンズと凡退し2死一塁とされたところで糸原が右中間を深々と破るタイムリー二塁打でサンズが生還して2点差に。5回表、近本と中野の連打で無死一三塁とし、岡野は降板。二番手藤嶋に対し、マルテがセンター前に落ちるタイムリーヒットで3点差とし、なおも一三塁から大山のレフト犠牲フライで3点差に。6回表は三番手山本拓に抑えられたが、続投の7回表、中野がショートへの内野安打で出ると、マルテがレフトフェンス直撃のヒットで一差三塁とし、大山のセンターへの犠牲フライで5点差に。ガンケルは7回無失点で交代。8回表、四番手のロサリオには抑えられるが、8回裏は二番手の及川が抑える。9回表、五番手の橋本に対し、1死から中野がセンター前ヒットで出ると、マルテはライトの頭上を越すタイムリー二塁打で6点差に。9回裏は岩貞が2死から代打桂にヒットを打たれるも福田を一邪飛に打ち取って完封リレーを決めた。ヒーローインタビューは無傷の6勝目をあげたむガンケル。
◎ベイスターズ10回戦……0-3
タイガースの先発は西勇。1回表、桑原将の二塁ゴロを糸原が取り損ねてエラーで出塁。柴田に送られて桑原将は二進。さらに佐野の二塁ゴロで三進。そしてオースティンにライトポール際に入るツーランホームランで先制される。タイガース打線はベイスターズ先発濱口の前に凡打の山。西勇も2回以降は立ち直って投手戦となる。5回裏、1死からサンズが歩き、ここで濱口が故障があったか一度ダグアウトに。戻ってきた濱口に対し糸原は空振り三振。梅野も二塁に打ち上げ走者を進められず。濱口はこの回限りで降板した。6回表、桑原将にセンター前ヒットを打たれると、柴田のバントで二進。佐野を歩かせ、オースティンにライト前タイムリーヒットを打たれ3点差に。宮崎にもライト前ヒットを打たれて満塁とされるが、後続を断ちなんとか1失点で切り抜けた。ベイスターズは6回を砂田、7回をエスコバーとつなぐ。8回表、2死から宮崎のヒットとソトへの四球でピンチを作るも、山本祐をショートへのフライに打ち取り、西勇は8回3失点で降板。8回裏、四番手山崎に対し、1死から糸井がレフト前ヒットを放ち、代走に植田。近本の欄田―前ヒットで一三塁とチャンスを作るも中野は二塁ゴロ併殺でチャンスを逸した。9回表、二番手藤浪は2死から桑原将への内野安打、柴田のライト前ヒット、関根への四球で満塁とされるも、山下を見逃し三振に取ってピンチを脱する。9回裏、クローザーの三嶋に対し、1死から大山がライト前ヒットで出ると、佐藤輝の打席で三嶋は暴投。捕手山本祐の二塁への悪送球で大山は三進。しかし佐藤輝は空振り三振。サンズは二塁ゴロで完封リレーを喫してしまった。
◎ベイスターズ11回戦……1-3
ベイスターズの先発は阪口。2回裏、大山がレフト前にチーム初安打となるヒットを放つも、佐藤輝は一塁ゴロ併殺。しかしサンズのライト前ヒットと糸原の四球で再度走者を出し、梅野のセンター前タイムリーヒットで1点先制。ただ、この試合は得点シーンはこれだけ。タイガースの先発は伊藤将。2回以降、毎回のように先頭打者の出塁を許す苦しい投球ながらも併殺をとるなどして得点を許さない粘りの投球。5回裏、1死から梅野がヒットで出るも伊藤将のバントは捕手ゴロ併殺に終わり、自らチャンスをつぶす。6回表、佐野にレフト前ヒットを打たれると、ここで伊藤将は降板。二番手は馬場。オースティンにヒットを打たれるも、宮崎をライトフライに打ち取ると、牧の二塁ゴロで二三塁とされる。山本祐の強烈な三塁ライナーは三塁走者佐野を直撃したが、その後空振り三振で切り抜ける。7回表、大和にセンター前ヒットを打たれると馬場は交代。三番手の及川は代打関根にバントを決められ、桑原将にバックスクリーンへ飛び込む逆転ツーランホームランを打たれてしまう。阪口が6回1失点で降板すると、7回裏は二番手エスコバーの前に三者凡退。8回表、四番手は齋藤。宮崎のショートゴロはイレギュラーバウンドし中野は捕り損ねてエラー。牧の三塁線の当たりはベースに当たり二塁打に。山本祐にレフト前タイムリーヒットを打たれて2点差とされる。ここから齋藤は踏ん張り、大和、代打楠本、桑原将を連続三振に取る。8回裏、三番手山崎に対し、糸原がセンター前ヒットを放って代走は植田。1死後、糸井のショートゴロは大和がトンネルし一三塁に。しかし近本は二塁ゴロ併殺に倒れ、得点機を逸した。9回表は岩貞が1死から佐野にヒットを打たれると、交代した石井大がオースティンをショートゴロ併殺に取る。しかし9回裏はクローザーの三嶋の前に三者凡退で試合終了。中軸がそろって不振のため、得点できない。
◎ベイスターズ12回戦……3-8
タイガースの先発は秋山。1回表、ヒットの桑原将を塁に置き、オースティンにバックスクリーンに先制のツーランホームランを打たれてしまう。4回表にはオースティンと宮崎に連打を浴び、ソトに左中間スタンドにスリーランホームランを打たれ、5点差に。さらに5回表、桑原将にバックスクリーン左にソロホームランを打たれ、6点差でこの回限りのマウンドとなった。ベイスターズの先発は大貫。走者を出しても中軸の不振でなかなか点が取れない。5回裏、1死から近本がライトの頭上を越す二塁打を放つと、糸原の右中間を破るタイムリー二塁打で1点を返す。マルテもレフト線にタイムリー二塁打を放ち、4点差に縮める。しかし大山と佐藤輝は凡退で大量得点機を逸した。6回表、二番手石井大は2死から代打関根に二塁打を打たれると、桑原に左中間を破るタイムリー三塁打を打たれ5点差に。6回裏は二番手シャッケルフォードの前に三者凡退。7回表は三番手齋藤が三者凡退に抑える。7回裏、続投のシャッケルフォードから四球の近本の盗塁などで2死三塁と攻めるもマルテは三塁ゴロで得点できず。8回表、齋藤はソトにライトスタンドへソロホームランを打たれまたも6点差。8回裏、三番手三上からソト打てるのライト線二塁打とサンズのレフト前ヒットで1死一三塁とし、四番手砂田がマウンドに。代打糸井の犠牲フライで5点差とするが、反撃もそこまで。9回表は岩貞が抑えたが、9回裏、五番手平田に対し2死から糸原とマルテが歩きチャンスを作るも大山はセンターフライに倒れて反撃もそこまで。今季初の同一カード3連敗を喫してしまった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋 いまやタイガースで最も安定したエースになった。防御率はセ・リーグの1位。岩崎、梅野とともに五輪大会の代表選手にも選ばれた。沢村賞投手の大野雄に投げ勝ったのだから、ガンケルには申し訳ないけれどここはもう青柳しかいないだろう。
野手……糸原健斗 ベイスターズ戦の打線の湿り具合から該当者なしも考えたけれど、下肢の故障から復帰した糸原が本領を発揮し、2番打者の定位置に戻ってきた。近本を生かす打撃術はベテラン並み。主軸が打ってくれなかったために目立たなかったが、近本と糸原はよくがんばっている。
次節は甲子園での川ローが3連戦。野村監督の追悼試合も行われる。ノムさんの追悼試合、神宮ではタイガースの圧勝だったが今回はどうかな。ジャイアンツに3タテくらってるから、調子がいいわけではないようだが。そしてマツダスタジアムに乗りこんでカープ戦。ダントツ最下位に沈んでいるカープだけに、ここで今節吐き出した白星を挽回しておきたいところ。ただ、2.5差はひっくり返りそうでなかなかひっくり返せないゲーム差で、投手陣の踏ん張りに期待したい。とりあえず勝ち越し20に戻すというところを目標にしていれば、ジャイアンツだってそうそう連勝をのばし続けられるものではない。
(2021年6月28日記)