愛すれどTigers


西勇輝が1失点完投でGに惜敗

 今節は9連戦のうちの6試合。まずは神宮球場でスワローズ3連戦。初戦は青柳が好投し、田口を打ちこんで先勝。第2戦はホークスから移籍してきた二保を先発に起用、初回に打ちこまれたが以降は好投。ただ初回の4失点は大きく敗れる。第3戦はガンケルが好投するも、リードを許したがスワローズのリリーフ陣を打って逆転勝利し、2勝1敗。甲子園球場に戻りジャイアンツ戦。初戦はマルテのホームランや秋山の好投で降雨コールド勝利。2戦目は伊藤将がめった打ちをくらい大敗。3戦目は西勇と高橋優の息詰まる投手戦で西勇は1失点完投するも高橋優に完璧に抑えられた打線が完封リレーを食らい惜敗し1勝2敗。今節は3勝3敗1分。今季通算47勝31敗3分で勝率.618の首位。2位のジャイアンツとは1.5ゲーム差と変わらず。今節末も首の皮一枚で首位をキープしている。

◎スワローズ13回戦……5-1
 タイガースの先発は青柳。2回裏、村上を歩かせるも、オスナをショートゴロ併殺に打ち取る。しかし吉田大成を歩かせると、サンタナにはセンター前ヒットを打たれる。古賀の打席でサンタナが釣りだされて一二塁間の狭殺プレーに。吉田大成がその隙をついて本塁に突入するも青柳がバックホームし、吉田大成は憤死。これで流れがきた。スワローズの先発は田口。3回表、大山がレフトスタンドに先制のソロホームランを打ちこむと、4回表は1死からサンズが歩きマルテがレフト前ヒットでつなぐと、佐藤輝のライトフェンス最上部に当たるタイムリー二塁打で2点目。二三塁から梅野隆のレフトライナーでマルテが生還して犠飛となり3点差に。大山は申告敬遠。中野が高めの初球をとらえてライト前タイムリーヒットを放ち4点差とする。田口は5回4失点で降板。6回と7回表は二番手大下に抑えられる。8回表、三番手大西からサンズが四球。しかし代走江越は牽制死。それでもマルテも歩いて代走は植田。佐藤輝の二塁ゴロは併殺崩れで二封。梅野のセンター前ヒットで2死一二塁とし、ここでなぜか大山に対し左腕の坂本光が登板。レフト前タイムリーヒットで5点差とした。青柳は打たせて取る投球が光り、危なげない投球で8回無失点で降板。9回表は五番手吉田大喜に抑えられる。9回裏、二番手は馬場。山田とオスナのヒットと吉田大成への四球で1死満塁とされ、R・スアレスに交代。サンタナにセンター犠牲フライを打たれて完封リレーは逃したが、代打内川をライトフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューはリーグトップタイとなる8勝目をあげた青柳。
◎スワローズ14回戦……4-6
 スワローズの先発は高梨。1回表、ヒットの近本が糸原の打席で二盗。糸原の二塁ゴロで三進。サンズの左中間スタンドに入るツーランホームランで先制した。タイガースはホークスから移籍したばかりの二保。1回裏、ヒットの塩見と四球の青木を置いて山田にレフトスタンドに逆転のスリーランホームランを打たれる。二塁打の村上宗はオスナの一塁ファールフライで三進。中村のセンター前タイムリーヒットで2点差とされる。しかし2回以降は落ち着いて自分の投球を取り戻し、安定した投球。4回表、レフト前ヒットのマルテを置いて、佐藤輝がライトスタンドに同点の20号ツーランホームランを放つ。5回表、二保が歩き、近本の一塁強襲ヒットが外野に転がり二塁打となる。無死二三塁として、糸原は浅いライトフライで二保は動けず。ここで高梨は降板し、二番手は星。サンズは見逃し三振に倒れ、マルテが歩いて満塁としたが、佐藤輝も空振り三振で得点機を逸する。6回表、三番手坂本光に対し1死から大山の二塁打と中野の四球でチャンスを作るも、代打ロハスJr.は空振り三振。近本は二塁ゴロでまたもチャンスを逸する。二保は5回4失点で降板。二番手は藤浪。6回裏、中村とサンタナを連続三振に取るも吉田大成を歩かせ代打宮本には死球。代打川端のレフト線の長打となるような当たりをサンズがダイビングキャッチしてピンチを救った。7回表は四番手今野に抑えられる。7回裏は三番手及川が青木に右中間を破られるが二塁に走った青木を佐藤輝がダイレクトで刺す。山田のセンター返しは中野が好捕してショートゴロに。しかし村上宗とオスナを歩かせ、中村のショートゴロは中野がこぼしてしまい満塁に。それでもサンタナを見逃し三振に取って切り抜ける。8回表は五番手清水に抑えられる。8回裏、四番手齋藤が吉田大成にヒットを打たれ、山崎に送られ、渡邊にレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打を打たれてリードを許す。ここで齋藤は降板し、五番手は今季初登板の岩田稔。青木の打席で暴投し、渡邊は三進。青木には死球で石井大に交代。石井大は山田に犠牲フライを打たれて2点差とされる。9回表、クローザーのマクガフに対し代打原口がリフト前ヒットで出、代走は熊谷。近本のライト前ヒットで熊谷は三塁まで突っ込むが渡邊の返球に刺される。矢野監督のリクエスト申請も判定は変わらず。糸原のライトフライで近本は三進。サンズが歩き代走に植田。しかしマルテはショートゴロに倒れ、神宮球場で今季初めてスワローズに敗れた。
◎スワローズ15回戦……6-5
 スワローズの先発はA・スアレス。2回表、マルテがレフトスタンドにソロホームランを放ち先制。3回表、中野がライト線へ二塁打を放ち、ガンケルのバントで三進。近本の投手ゴロで中野が飛び出し三本間で狭殺。その間に近本は二進。糸原のレフト線へのタイムリー二塁打で2点差とする。タイガースの先発はガンケル。3回までは安定した投球。4回裏、青木と山田の連続二塁打で1点を返されると、村上にもライトフェンス最上部に当たるタイムリー二塁打を打たれて同点に。1死後、吉田大成のセンター前タイムリーヒットで逆転された。5回表、四球の中野が二盗と近本のショートゴロで三進するも糸原はショートゴロに倒れ、同点はならず。A・スアレスは6回2失点で交代。7回表は二番手今野に抑えられる。ガンケルも6回限りで降板し、7回裏は二番手馬場が抑える。8回表、三番手清水に対し糸原のレフトフライは青木が落球してエラーで出塁。糸原は二進し、代走に植田。サンズのセンターフライで三進。マルテは死球で代走に山本泰。2死後、梅野がレフト線に同点タイムリーヒットを放つと、大山がライトスタンドに勝ち越しのスリーランを叩きこむ。清水は降板し、大下が登板。中野を打ち取ってチェンジにすると、9回表も続投して抑える。8回裏、三番手岩崎が上がり、三塁山本泰の悪送球で青木を出すと、山田に1点差に迫るツーランホームランをレフトスタンドに打たれる。それでもその後は三者凡退に抑え、9回裏はR・スアレスが代打中村にヒットを打たれるも後続を断ち、逃げ切った。中継ぎで好投した馬場が3勝目。ヒーローインタビューは決勝のスリーランホームランを放った大山。
◎ジャイアンツ13回戦……4-1
 タイガース秋山、ジャイアンツ戸郷の投手戦。しかし戸郷は味方に足を引っ張られる。3回裏、佐藤輝の強い一塁ゴロをウィーラーが後逸。佐藤輝を一塁に置いて中野は併殺コースのショートゴロ。これを坂本勇がトンネルし、無死一三塁に。秋山は三振。近本の二塁ゴロの間に佐藤輝が生還してノーヒットで先制。糸原がこの試合チーム初安打となるライト前タイムリーヒットで中野を返して2点差に。5回表、先頭のウィーラーにレフトポールを直撃するソロホームランを打たれ1点差とされると、松原と戸郷のヒットで2死一二塁とされるが、ここは落ち着いて梶谷をライトフライに打ち取る。5回裏、1死から中野のセンター前ヒットと秋山のバントで1死二塁とし、近本がフォークをうまく拾ってセンター前タイムリーヒットを放ち再び2点差に。6回表、坂本勇、丸、岡本和を三者凡退に打ち取ると、6回裏、マルテのレフトスタンドへのソロホームランで3点差をつける。それでも戸郷は大山、梅野、佐藤輝を三者三振に取るなど必死の投球。7回表、ウィーラーのヒットと松原の二塁打で無死二三塁のピンチになったところで豪雨となり主審の真鍋が試合を中断。30分後は雨はあがっていたが、主審が阪神園芸の金沢さんから意見をもらうなどして試合終了を宣告。コールドゲームで勝利した。ヒーローインタビューは球場内で行われ、タイムリーヒットの糸原と完投勝利の秋山が呼ばれた。
◎ジャイアンツ14回戦……1-8
 タイガースの先発は伊藤将。1回表、松原を歩かせ坂本勇にレフト線に二塁打を打たれる。丸には四球で満塁とされ、岡本和は空振り三振に取ったが、ウィーラーりライト前タイムリーヒットで1点を先制される。梶谷には右手に押し出しとなる死球。梶谷は骨折し代走に亀井。北村の二塁ゴロは二封のみで丸が生還して3点差に。大城の打席で北村が二盗し、梅野の送球を中野が取れずその間にウィーラーが生還して4点差とされる。ジャイアンツの先発はメルセデス。2回裏、2死から梅野と中野の連打でチャンスを作るも伊藤将がそのまま打席に入り、見逃し三振で得点できず。3回表、続投の伊藤将はウィーラーにレフトスタンドにソロホームランを打たれて5点差。4回表は坂本に左中間スタンドにソロホームランを打たれて6点差と、じわりじわりと広げられていく。伊藤将は5回6失点で降板。6回表、二番手石井大が岡本和にソロホームランを打たれて7点差に。6回表、三番手の齋藤は三者凡退に抑え、6回裏、サンズのレフトスタンドに入るソロホームランで完封は免れた。7回表、続投の齋藤は坂本勇と丸の連打で無死一三塁とされ、岡本和に犠牲フライを打たれてまた6点差に。8回表と9回表はベテラン岩田稔が無失点に抑えたが、8回2死からマルテが歩き、代走に江越。大山のヒットで一三塁とし、大山の代走は植田。ここでついにメルセデスは降板して二番手は鍵谷。サンズは投手ゴロに倒れて、得点できず。9回裏、三番手高梨に対し1死から代打坂本誠が二塁打を放つも、中野も北條も凡退して試合終了。伊藤将を見切って勝負に徹するか、続投させて成長の糧にするかという場面で代打を送らなかった矢野監督の采配は、大一番はここではなく秋口であるという確信のものだったか。
◎ジャイアンツ15回戦……0-1
 タイガース西勇、ジャイアンツ高橋優の投手戦。3回裏、中野がセンター前ヒットを放ち、西勇のバントで二進。近本の一塁ゴロで三進。しかし糸原は二塁ゴロに倒れ、先制できず。結局タイガースのヒットはこの回のみ。4回表、松原にセンター前ヒットを打たれ、1死後、丸の打席で松原は二盗。丸のセンターフライで松原は三進。ここは岡本和をショートゴロに打ち取って切り抜けた。試合が動いたのは8回表、亀井にライトフェンス直撃の二塁打を打たれ、代走は増田大。北村のバントで三進。大城を追いこみながら外した球が甘く入ってレフト前にタイムリーヒットを打たれてしまった。大城の代走に重信、高橋優の代打に中島。それでも中島をショートゴロ併殺に打ち取り、1失点にとどめる。8回裏は二番手大江に抑えられる。西勇は9回表もマウンドに上がり、1失点完投。しかし9回裏、三番手ビエイラの前に三者凡退と惜敗。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 前回早々と降板させられたのに対し、ジャイアンツ初戦という大切な場面で力投。降雨コールドとはいえ完投勝利は立派。自分の打席も忘れて投球に集中する姿に鬼気迫るものを感じた。
野手……ジェフリー・マルテ
 今節は大山が調子を取り戻してきたが、それでも打線を引っ張るところまではいかず。前節に引き続き、マルテが打線を引っ張る。頼りになる助っ人である。

 次節は9連戦締めの3試合。甲子園球場でベイスターズ3連戦。前回の対戦では3連敗しているだけに、ここはお返しをしたい。青柳が中5日での先発。頭を取れば、あとの2試合も流れを作れる。そしてオールスターからオリンピックにかけて2週間の空白期間があるるパ・リーグとのオープン戦を実施するとはいえ、ここでどれだけ佐藤輝や中野の疲れを取ってやれるかがカギとなるだろう。

(2021年7月11日記)


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