今節は9連戦のうちの最後の3試合。甲子園球場でベイスターズ3連戦。初戦はクローザーの三嶋から連打で3点差をひっくり返し、最後は大山のサヨナラ打でけりをつけ、首位をキープ。第2戦はアルカンタラが打たれて敗れ、第3戦はガンケルが打たれたが1点差に詰め寄る惜敗で、1勝2敗。ジャイアンツr@r0\\r@i2連敗したため。今季通算48勝33敗3分で勝率.593の首位で前半戦を折り返した。2位のジャイアンツとは2.0ゲーム差と少しだけ開く。ここからはオールスター戦とオリンピックブレイクで3週間開く。これだけ間隔があくのはプロ野球史上初。パ・リーグのチームとのエキジビションマッチを含め、後半戦に向けてどう調整していくか。
◎ベイスターズ13回戦……4-3
ベイスターズの先発は大貫。2回裏、ロハスJr.と梅野の連打で2死一二塁とするも、中野は見逃し三振で先制できず。タイガースの先発は青柳。3回表、伊藤光にライト前に落ちるヒットを打たれると、大貫のバントは青柳が二塁に送るも中野がこぼしてセーフに。桑原将が歩いて無死満塁に。森は浅いセンターフライに打ち取り、佐野の二塁ゴロの間に伊藤光が生還して先制される。しかしオースティンを三塁ゴロに打ち取り最少失点で切り抜けた。3回表、2死から糸原のショートゴロを森が悪送球し、ソトが後ろにそらす間に糸原は二進。マルテが歩くも、大山はライトフライに倒れる。その後は投手戦が続くが、7回表に1死から伊藤光を歩かせ大貫のバントで二進。桑原将を歩かせ、森に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれる。さらにサンズがもたつく間に桑原将も一気に生還して3点差に。大貫は6回無失点で交代。7回裏、二番手エスコバーか背中のがヒットを打つが後続を断たれる。8回表は二番手藤浪がオースティン、宮崎、牧を三者空振り三振に取る回答で流れを引き寄せる。8回裏は三番手山崎の前にマルテが四球で出るも大山は投手ゴロ併殺。サンズは三振とチャンスを生かせない。9回表、三番手及川は三者凡退で締め、9回裏、クローザーの三嶋に打線が襲いかかる。1死から梅野がライト前ヒットで出ると、中野はヒット性の当たりがのびすぎてライトフライに。2死一塁から代打佐藤輝がレフト前ヒットでつなぎ、2死一三塁に。佐藤輝の代走に江越。近本のレフト前タイムリーヒットで2点差とし、またも一三塁に。糸原のセンター前タイムリーヒットで1点差としてなおも一三塁に。糸原の代走に植田。マルテのセンター前タイムリーヒットでついに同点に。またも一三塁としてマルテの代走に山本泰。そして大山がセンター前に抜けるサヨナラタイムリーヒットを放った。9回2死から怒涛の連打でのサヨナラ勝利に、インタビューに答える矢野監督は目を潤ませ言葉にもならなかった。好投の及川が2勝目。ヒーローインタビューはサヨナラタイムリーヒットの大山。できれば近本、糸原、マルテと4人そろえてあげたい位であったし、大山も全員でつかみ取った勝利と答えた。
◎ベイスターズ14回戦……2-8
タイガースの先発はアルカンタラ。1回表、桑原将、森、佐野の三連打で1点先制されると、オースティンの打席で暴投して二三塁とされ、オースティンは空振り三振に取るも、宮崎とソトにタイムリーヒットを打たれていきなり3失点。3回表にはオースティンにソロホームランを打たれて4失点でこの回限りで降板。4回表と5回表は二保が走者を出しながらも危なげない投球で抑える。ベイスターズの先発は坂本裕。コースをうまく投げ分け、タイガース打線に的を絞らせない。5回裏、2死から中野のセーフティバントヒットと代打陽川のレフト線へのヒットで一三塁とするも近本のヒット性の当たりは二塁ライナーに終わり得点できず。6回表は馬場が抑え、7回表は及川が抑える。7回裏、二塁打のサンズを佐藤輝のライト前タイムリーヒットで返して2点差に。8回表、五番手の藤浪が打たれる。四球の佐野を置いてオースティンにセンターの頭を越すタイムリー二塁打で4点差に。オースティンの代走は関根。宮崎はセンターオーバーのタイムノー二塁打で5点差とされ、牧のレフト前ヒットで一三塁に。ソトのショート強襲タイムリーヒットで6点差に。ソトの代走は知野。伊藤光と代打楠本は連続空振りの三振に取るも、桑原将のレフト前タイムリーヒットで7点差とされてしまった。8回裏、二番手シャッケルフォードに対し、振り逃げの近本と四球の糸原を出すが、マルテはショートゴロ併殺。三塁に近本が残ったが、大山もショートゴロで得点できず。9回表は岩田稔が抑え、9回裏、三番手櫻井からサンズが左中間スタンドにソロホームランを放つが、反撃はそこまで。佐藤手根は見逃し三振。梅野は死球を選ぶが、中野は空振り三振、代打山本泰も空振り三振で完敗。ただ、ジャイアンツがスワローズに大敗したことで前半戦の首位折り返しが決まった。
◎ベイスターズ15回戦……3-4
タイガースの先発はガンケル。2回表、宮崎、ソト、大和の連打で無死満塁とされ、伊藤光は三振、今永の一塁ゴロは本封して2死までもっていったが、桑原将にライト前に2点タイムリーヒットを打たれ先制を許す。ベイスターズの先発は今永。3回裏に近本のライトスタンドへのソロホームランで1点を返すが、それ以外はツーシームに惑わされて得点できず。4回表、1死から大和のヒットと伊藤光のライト線への二塁打で二三塁とされ、今永にセンター前にタイムリーヒットを打たれる。桑原将を歩かせて1死満塁のピンチとなるが、森の一塁ゴロは本封。佐野も一塁ゴロに打ち取り、2点差にとどめた。ガンケルは5回2失点で降板。6回表から二番手として秋山が今季初リリーフ。7回まで無失点で流れを作る。8回表は三番手岩崎を繰り出すが、宮崎にレフトポール際にソロホームランを打たれて3点差に。今永は7回1失点で交代。8回裏、二番手の山崎に対し、1死から代打原口がレフト前ヒットを放ち、代走に山本泰。近本のライト前ヒットで一二塁とし、糸原のセンター前タイムリーヒットで2点差に。代打マルテは三塁ゴロで二封。しかし大山が歩いて満塁とすると、サンズも押し出し四球で1点差とする。佐藤輝を迎えたところで左腕砂田に交代。佐藤輝は空振り三振で同点まで届かず。9回表、スアレスが三者凡退に抑え、9回裏は初戦で逆転負けを食らわせた三嶋、中野が四球で出たが後続を断たれて逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……及川雅貴 勝っている展開゛も、負けている展開でも、高卒プロ入り2年目の若虎が1試合ごとに成長し、頼れる存在になりつつつある。ドラフト時は「高校ビッグ4」と呼ばれながら、他の3人が1位指名でプロ入りしたのに対し、3位指名と悔しい思いをしたが、将来のエース候補としていい経験を積んできている。
野手……大山悠輔 とにかく初戦のサヨナラ打に尽きる。佐藤輝に負けじと大きいのを狙っていた大山が、泥臭く球に食らいつき勝利をもぎ取った。勝つために最善のバッティングをする、それが四番打者だ。それに値するサヨナラヒットだった。そして、この勝利が首位での折り返しにつながった。この時の執念を忘れずに後半戦もがんばってほしい。
フレッシュオールスターでは西純が先発して無失点で優秀選手賞に選ばれた。オールスター第1戦では近本が連続打数安打の新記録を打ち立てて敢闘選手賞。第2戦では新人では5人目というホームランを放ち、同点タイムリーのマルテとともに敢闘選手賞。他の選手も、フレッシュオールスターでは小野寺がタイムリーヒット、井上もヒットを放ち、及川は味方のエラーもあって惜しくも1失点したが、タイガースの選手が躍動した。オールスターでは青柳、岩崎、スアレスがそれぞれ1回を無失点に抑え、スアレスはセーブを記録。梅野は狭殺プレーから一人で併殺を完成させるという守備面で活躍。中野はヒットこそ出なかったが、押し出し四球で1打点を稼ぎ、守備面では攻守を見せた。オールスターで活躍した選手の多いチームは後半戦への弾みをつけることが多い。首位チームの選手らしい活躍ぶりが嬉しかった。
7月末からマリーンズ、ライオンズ、8月上旬にバファローズ、イーグルスとエキジビションマッチを行い、公式戦再開は8月13日からの京セラドーム大阪でのカープ戦となる。3週間のオリンピックブレイクで、特に疲れの見え始めてきた佐藤輝などはおおいに疲れをとり、後半戦にはまたあの鋭い振りを取り戻してほしいものだ。オリンピックに出場する岩崎、青柳、梅野は無理をしてけがなどしないようにしてもらいたい。五輪も大切かもしれないが、プロ選手としては公式戦がより大切なのは言うまでもない。
(2021年7月19日記)