3週間のオリンピックブレークの間、チームはエキジビションマッチとして、マリーンズ、ライオンズ、バファローズ、イーグルスと3試合ずつ行った。甲子園球場ではマリーンズに2勝1敗、ライオンズに3勝0敗。京セラドームではバファローズに1勝1敗1分。楽天生命パークでは雨で2戦目を流し0勝2敗。次第に打線のつながりが悪くなっていった。オリンピックでは青柳、岩崎、梅野が出場。特に岩崎は決勝での好リリーフが光って、金メダルに輝いた。
そしていよいよ公式戦の再開。今節は京セラドーム大阪でカープ3連戦。初戦は西勇が初回に打ちこまれ、打線も挽回できず敗れる。2戦目は九里からサンズが2打席連続の特大ホームランを打てば、大山も九里と塹江から2打席連続のホームランを放ち、二保が移籍後初勝利。3戦目は秋山の粘りの投球を及川、馬場、アルカンタラ、岩崎がつないで完封リレーで勝利。今節は2勝1敗。今季通算50勝34敗3分で勝率.595となんとか首位を守った。2位のジャイアンツとは1.0ゲーム差と接近。
◎カープ11回戦……3-9
オリンピックブレーク明けのシーズン再開初戦の先発は、タイガース西勇、カープ大瀬良。1回表、西勇が打たれる。野間のヒット性のレフトフライはロハスJr.が好捕。しかしレフト前ヒットの菊池涼を置いて、小園に右中間を破る先制タイムリー三塁打を打たれる。鈴木誠を歩かせ、坂倉のショートゴロは二封のみの併殺崩れ。その間に小園が生還し2点差。林のライト前ヒットで2死一二塁とされ、松山に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれて4点差とされる。西勇は2回以降は立ち直り、4回まで一人の打者も許さなかったが5回表に野間にライトスタンドにソロホームランを打たれて5点差に。大瀬良に対しては4回まで完全に抑えられていたが、5回裏に大山がレフトスタンド最上段にソロホームランを放ち、一矢報いる。6回裏には代打島田のヒットも近本の一塁ゴロ併殺で走者なしとなり、直後に糸原の三塁打が出るというちぐはぐぶり。その糸原もサンズが内角高めを空振り三振で返せず。7回表、二番手岩貞は1死から大瀬良を歩かせ、野間の三塁ゴロは大山の一塁への悪送球で1死二三塁に。菊池涼にセンターへ犠牲フライを打たれてまたも5点差に。8回表は三番手エドワーズが三者凡退に抑え、8回裏は二番手島内に抑えられる。9回表、四番手齋藤が西川、代打田中広、野間の三連打で6点差とされると、菊池は三振に取ったが小園を歩かせて2死満塁とされ、鈴木誠にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれて8点差。9回裏、三番手フランスアからサンズと大山が連続四球。佐藤輝のレフト線への2点タイムリー二塁打で6点差としたが、四番手ケムナの前に三者凡退で反撃もそこまでに終わった。
◎カープ12回戦……9-3
タイガースの先発は二保。1回表菊池涼と鈴木誠への四球で2死一二塁とし、さかくらのレフト前タイムリーヒットで先制される。カープの先発は九里。2回裏、先頭のロハスJr.がライト前ヒットで出ると、中野の投手ゴロは九里の二塁への送球がそれて小園が球をこぼし九里にエラーがついて無死一二塁に。梅野のライト前タイムリーヒットで同点に追いつくと、無死一三塁から二保はスリーバント失敗に倒れたが近本のレフト犠牲フライで勝ち越す。3回裏、サンズのレフトスタンドへのソロホームランで2点差とし、4回裏には梅野がライト前ヒットで出て二保のバントで二進。近本のライト前ヒットで梅野が本塁を突くも憤死。しかし糸原がライト前ヒットでつなぎ、サンズのレフトスタンド最上段に飛びこむスリーランホームラン、大山のレフトスタンド―のソロホームランで6点差に突き放す。九里はこの回限りで降板。5回裏から6回裏は二番手高橋樹に抑えられ、6回表、1死から坂倉にはライトスタンドに、林にはバックスクリーンに連続ソロホームランを浴びて、4点差とされたところで二保は交代。二番手及川が後続を断ち、流れを止める。及川は7回表、代打石原にホームラン性のファールを打たれ、佐々岡監督のリクエスト申請でも覆らず命拾い。三者凡退で流れをつなぐ。7回裏、三番手塹江から大山がバックスクリーンにソロホームランを放つと、2死後、ヒットの中野が二盗を決め、梅野のライト線へのタイムリーヒットで6点差に。8回表は三番手アルカンタラが来日初リリーフで抑え、8回裏はフランスアに抑えられたが、9回裏は四番手馬場が三者凡退で締め、連敗を止めた。ヒーローインタビューは移籍後初勝利の二保と、二打席連続ホームランを放ったサンズと大山。
◎カープ13回戦……3-0
タイガースの先発は秋山。1回表、菊池涼への四球と鈴木誠のレフト前ヒットで2死一二塁とされるも坂倉を一塁ゴロに打ち取り、先取点は許さず。カープの先発は大道。1回裏、近本がライトスタンドに先頭打者ホームランを放ち先制。3回表、野間のレフト線に切れていくフライをロハスJr.がダイビングキャッチ。菊池涼を空振り三振に取るも、小園にライト線へ二塁打を打たれ、鈴木誠には秋山の右腕を直撃する強襲ヒットで2死一三塁のピンチを招くが坂倉をショートゴロに打ち取る。3回裏、近本がセンター前ヒットで出ると、糸原との間のヒットエンドランで投手ゴロの間に二進。サンズがセンター前タイムリーヒットで2点差とする。大山とロハスJr.の四球で2死満塁と攻め立てるも中野はショートゴロで追加点はならず。大道は3回2失点で降板。4回裏から5回裏は二番手ケムナに抑えられ、秋山は5回無失点で交代し、6回表は及川が抑える。カープは6回裏と7回裏を三番手森浦で抑え、緊迫した展開に。7回表は馬場が登板。野間の鈍い二塁ゴロを糸原が攻守でアウトにしたが、佐々岡監督はリクエスト申請。判定は覆らずアウトと、バックの好守に盛りたてられる。8回表は四番手アルカンタラが三者凡退に抑える。8回裏、四番手島内からサンズがレフト前ヒットほ放ち、代走に植田。大山のライト前ヒットで無死一二塁とし、佐藤輝は空振り三振に倒れたが、ロハスJr.がライト前タイムリーヒットで三点差とする。大山が三塁を狙うが二三塁間の狭殺プレーとなる。ここで三塁田中広が二塁へ送球ごそのままお大山と衝突し、走塁妨害で一三塁に。中野が歩いて満塁と攻め立てるが、梅野は空振り三振、代打原口は一塁へのフライで大量点のチャンスをものにできず。9回表、五番手は岩崎。1死から西川にセンター前ヒットを打たれ、暴投と代打上本の二塁ゴロで2死三塁とされるも代打松山を見逃し三振に切って取り、今季初せ―プ。秋山が8勝目。ヒーローインタビューは先頭打者ホームランの近本とクローザー役を果たした岩崎。
愛すれどTigers週間MVP
投手……二保旭 移籍後2度目の先発で初勝利。立ち上がりに不安が残るのと、6回に崩れたのが気になるけれど、敗れると2位に転落という試合を、谷間の先発というポジションながらよく投げてくれた。今後も先発とリリーフどちらでも起用できる貴重な存在になりそうだ。
野手……ジェリー・サンズ 第2戦の2本のホームランには度肝を抜かれた。1本目は5階席、2本目は最上段。これで初戦の大敗という嫌なムードを払拭してくれた。第3戦では貴重な追加点となるタイムリーヒットを放つなど、後半戦も頼りになりそうだ。
次節は東京ドームでベイスターズ3連戦と、バンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。高校野球のための長期ロードの始まりである。ベイスターズは横浜スタジアムがオリンピックとパラリンピックで使用されるため東京ドームでホームゲームを行う。タイガースとすれば、いつもと勝手が違う戦い方になるだろう。ドラゴンズはいきなりジャイアンツに3連敗するという最悪の再スタート。それだけに落としたくない相手だ。ジャイアンツが今にも首位をとらえるところまで気ながら、それでも追いつけない状態が続く。もし順位をひっくり返されるにしても、じらしにじらすべし。首位を守りに入ったら、そのチームは地滑りを起こしてしまう。長年プロ野球を見てきたけれど、たいていのチームがそのパターンにはまりこんでしまう。ここで一時的に首位を明け渡しても、すぐに取り戻せるという気持ちで、各カードすべて勝ち越すというペースを保っていってほしい。
(2021年8月16日記)