愛すれどTigers


青柳がプロ入り初のシーズン10勝目

 今節はまず京セラドーム大阪でベイスターズ3連戦。初戦は青柳の好投と久々にスタメンに復帰した木浪の活躍などで先勝。2戦目は伊藤将が立ち上がりを攻められ牧にサイクルヒットを許して完敗。3戦目はガンケルが好投し、苦手の坂本裕を攻略して、2勝1敗。マツダズームズームスタジアムでのカープ3連戦は、初戦は西勇がまたも集中打を浴びて敗れると、2戦目は新人の村上がいいように打たれて連敗。3戦目は秋山が初回に2本のホームランを浴び、打線も野村の前に沈黙し、0勝3敗。今節は2勝4敗。今季通算55勝41敗3分で勝率.573となりついに勝率で首位の座を陥落して3位に。首位のジャイアンツとは-1.0ゲーム差、2位のスワローズとは-0.5ゲーム差と勝敗差だけならまだ上にいるが、引き分けの数の関係で勝率で下回ることになった。3位陥落といっても、勝利数では両チームをかなり上回っているのだ。これからは日替わりで順位が上下することだろう。

◎ベイスターズ19回戦……8-2
 タイガースの先発は青柳。1回表、森にレフト前ヒットを打たれるも神とを二塁ゴロ併殺に取る。しかし佐野の四球とソトのレフト前ヒットでまたもピンチを作るが、宮崎を二塁ゴロに打ち取り立ち上がりを乗り切る。ベイスターズの先発は濱口。2回裏、2死からロハスJr.がレフト前ヒットで出ると、木浪の左中間を破る二塁打でロハスJr.が一気に生還して先制。三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。3回裏、近本がライトスタンドにソロホームランを放ち2点差に。中野のヒットとサンズの四球、佐藤輝の一塁ゴロで2死二三塁とし、ロハスJr.の打席で濱口は暴投。中野が生還して3点差に。4回表、佐野への四球と宮崎のセンター前ヒットで1死一二塁とされるも関根を見逃し三振に取ると柴田はレフトへのフライでここもピンチを切り抜ける。5回裏、近本のヒットと中野のバントヒットで無死一二塁とし、サンズの左中間の頭を越す2点タイムリー二塁打で5点差に。ここで濱口は降板。二番手は櫻井。大山の右中間スタンド最前列に飛びこむツーランホームランで7点差に。6回裏は続投の櫻井に抑えられる。7回表、1死から柴田の四球と代打倉本のセンター前ヒット、代打楠本の二塁内野安打で満塁に。森の一塁ゴロはサンズが判断よく本塁でアウトに。しかし神里のセンター前2点タイムリーヒットで完封は阻止された。7回裏、三番手伊勢の前に三者凡退。青柳は7回2失点で交代し、8回表は二番手アルカンタラが抑える。8回裏、四番手平田からロハスJr.がライトスタンドにソロホームランを放ち、6点差に。木浪の二塁打と近本の四球で2死一二塁とし、中野のセンター前ヒットで木浪が一気に本塁を狙うも憤死。矢野監督のリクエスト申請も覆らず。9回表は今季初登板の小川が2死から楠本に内野安打を打たれるも、森を投手ゴロに打ち取り試合終了。ヒーローインタビューは先制打の木浪とプロ入り後初めての10勝目をあげた青柳。
◎ベイスターズ20回戦……2-10
 ベイ鈴の先発は大貫。1回表、1死から中野がセンター前ヒットで出ると、サンズの打席で二盗。しかしサンズは三塁ゴロで進塁できず、大山は歩き、佐藤輝は見逃し三振で先取点を奪えず。タイガースの先発は伊藤将。1死から宮崎のセンター前ヒットと牧のライトフェンスに当たる二塁打で二三塁とされ、2死後、大和を申告敬遠して満塁に。そして大貫に再三外角を攻めてはヒット性のファールをライトら打たれながらもやはり外角の球をライト前2点タイムリーヒットにされる。3回表、蝦名と宮崎のヒットで2死一三塁とされ、牧に右中間スタンドにスリーランホームランを打たれて5点差とされる。3回裏、代打北條が歩き、近本のライト前ヒットで一三塁に。中野の打席で近本が二盗し二三塁とすると、中野のレフト前のタイムリーヒットで1点を返す。サンズの打席で中野が二盗。捕手伊藤光の二塁送球がそれる間に近本が生還して2点目をあげたが、反撃もここまで。サンズ、大山が連続見逃し三振、佐藤輝が二塁ゴロと中軸でチャンスをつぶしてしまった。4回表、二番手の齋藤が2死から佐野の二塁内野安打とソトと宮崎への連続四球で満塁とされ、牧のセンター前2点タイムリーヒット、伊藤光のセンター前タイムリーヒットで6点差とされてしまう。5回表から7回表までは小川が好投して無失点。大貫は6回2失点で交代。7回裏、二番手シャッケルフォードの前に三者凡退。8回表、四番手岩貞は桑原将に左中間を破る二塁打を打たれると、蝦名にレフト前タイムリーヒットを打たれて7点差とされる。そのあとの佐野、ソト、宮崎という中軸は凡退に抑えているのだが。8回裏は三番手エスコバーの前に三者凡退。9回表、岩貞が続投。牧のライト線へのフライはフェアゾーンに落ち、三塁打に。牧はプロ野球史上初の新人によるサイクルヒットを達成した。伊藤光の犠牲フライで10点目を失う。9回裏、四番手の伊勢の前にこれも三者凡退。ベイスターズ牧のための試合となってしまった。
◎ベイスターズ21回戦……9-3
 ベイスターズの先発は坂本裕。1回裏、近本が初球をライトスタンドへ先頭打者ホームランで先制した。タイガースの先発はガンケル。2回表、オースティンにバックスクリーンに同点のソロホームランを打たれる。3回裏、ガンケルがセンターの手前にショートバウンドで落ちるヒットを放つと、近本がライトフェンス最上部に当たる二塁打で無死二三塁に。中野の二塁ゴロの間にガンケルが生還して勝ち越すと、近本も三進。ここでサンズがレフトスタンドにツーランホームランを放ち3点差と突き放す。大山がセンターの頭を越す三塁打でチャンスをつなぐと、佐藤輝のセンターへの犠牲フライで4点差に。坂本裕は4回5失点で降板。5回裏、牧のセンター前に抜けるかという二塁ゴロ保木浪が好捕してアウトに。三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。伊藤光にレフト前ヒットを打たれ、2死後。桑原将の三塁ゴロは大山の一塁送球がそれてエラーとなり一三塁に。森には四球で満塁とされたが、佐野を二塁ゴロに打ち取りなんとか切り抜けた。5回裏と6回裏、二番手櫻井には三者凡退に抑えられる。6回表、オースティンを歩かせ、宮崎のレフト前ヒットはロハスJr.が後逸しオースティンが一気に生還し3点差に。しかしガンケルはよく粘り、ソト、牧、伊藤光をいずれもフライに打ち取ってここも切り抜けた。7回表、1死から桑原将にライト前ヒットを打たれると、ここでガンケルは交代。二番手の及川は代打蝦名を一塁ゴロ併殺に打ち取り3点差を守る。7回裏、三番手平田に対し代打糸原が歩き代走に植田。近本のセンター前ヒットで一二塁とし、中野はバントを2回ファールにしてしまうが、ライト前タイムリーヒットで植田が生還し4点差に。無死一三塁としてサンズの打席で中野がリーグ単独トップとなる二盗を成功させると、伊藤光の送球がそれて、それを見た近本が悠々生還し、5点差に開く。2死後、佐藤輝は申告敬遠。途中から守備についていた島田がライト前タイムリーヒットで6点差に。8回表は三番手馬場が2四球を与えながらも併殺などで切り抜けて無失点。8回裏、四番手伊勢に対し、梅野のヒットと植田の四球、近本の一塁ゴロで1死二三塁とし、中野のセンター前タイムリーヒットで7点差をつける。9回表、四番手は今季初登板の浜地。牧、代打楠本、倉本の3連打で1点を返されるも、楠本は三塁で憤死。桑原将、代打関根を打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは先頭打者ホームランを含む猛打賞の近本とオリンピックブレーク後初登板で7勝目をあげたガンケル。
◎カープ14回戦……4-6
 タイガースは西勇、カープは大瀬良が先発。先制したのはタイガース。2回表、ロハスJr.がレフトスタンドにソロホームランを放つ。3回裏、1死から西勇がライト前に落ちるヒットを放つと、近本もライト前ヒットで続く。中野の一塁ゴロは内野安打となり、松山の送球もそれてベースカバーの大瀬良が後逸し西勇が生還して2点差に。サンズが歩き1死満塁とするも、大山の二塁ゴロ併殺で大量得点の機会を逸した。3回裏、林がサンズの一塁ゴロエラーで出塁するも、大瀬良の打席で捕手坂本の牽制球に差される。2死後、野間がショート内野安打で出ると、西川のレフト線へのタイムリー二塁打で1点差とされる。4回裏、二塁打の鈴木誠を置いて坂倉に同点のライト前タイムリーヒットを打たれると、松山の投手ゴロで坂倉は二進。菊池涼のセンターの頭上を越す タイムリー二塁打で勝ち越しを許す。林を歩かせ、大瀬良のバントで2死二三塁に。野間のレフトへの大きなフライはロハスがランニングキャッチで大量失点を防いだ。5回表、ヒットの西勇を近本が送り、中野の一塁ゴロで三進。サンズは申告敬遠で、大山に期待がかかるがここも三塁ゴロで得点できず。大瀬良は6回2失点で交代。7回表、二番手島内に対し2死から近本がヒットで出るも中野はレフトに打ち上げチャンスを作れず。西勇も6回限りで降板。7回裏、二番手アルカンタラは野間に一二塁間にヒット性の当たりを打たれるが木浪の好捕でアウトに。西川は二遊間の当たりを放つも今度も木浪は好捕。しかし打球を弾いてしまい内野安打に。小園のセンター前ヒットで1死一二塁とされ、鈴木誠の左中間を突破する2点タイムリーヒットを打たれ3点差とされたところでアルカンタラは降板。三番手岩貞は坂倉を三振に取るも松山の内野安打と菊池涼への四球で満塁に。それでもここは代打長野を投手ゴロに打ち取ってなんとか追加点は許さず。8回表、三番手コルニエルに対し、1死から大山がライトの頭上を越す二塁打を放つと、2死後、ロハスJr.が四球。そのボールを捕手坂倉が後逸して大山は三進。ロハスJr.の代走に熊谷。代打糸井の打席で熊谷は二盗し、糸井のライト前2点タイムリーヒットで1点差に詰め寄る。さらに代打に原口を送るも空振り三振で追いつくところまでは至らず。8回裏、四番手及川が代打石原にレフトスタンドにソロホーム二を打たれて2点差に。9回裏、クローザーの栗林が登板。梅野の四球と中野のヒットで1死一二塁とし、サンズの打席で捕手石原が捕逸して走者は二三塁に進む。しかしサンズは空振り三振に倒れ、大山はこの打席も三塁ゴロで、試合終了。絶好のチャンスにことごとく大山が内野ゴロに倒れたのが大きかった。
◎カープ15回戦……6-7
 大山がスタメン落ちし、四番サンズ、三塁に糸原という布陣。カープの先発は野村。1回表、1死から中野が歩き、ロハスJr.の打席で二盗。ロハスJr.のセンター前に落ちるタイムリーヒットで生還して先制。サンズの打席でロハスJr.が来日初盗塁となる二盗。サンズも歩いてチャンスを拡大したが、佐藤輝、糸原が凡退して追加点はならず。タイガースの先発は今季2度目のチャンスをもらった村上。1回裏、1死から西川を歩かせ、小園の二塁内野安打で一二塁に。1死後、坂倉に左中間を破る2点タイムリー二塁打で逆転を許した。2回裏、ヒットの林を野村がバントで送り、野間にレフトの頭を越すタイムリー二塁打を打たれて2点差に。3回表、サンズのヒット、佐藤輝の四球、糸原のヒットで2死満塁と攻めるも木浪は二塁ゴロで逆転のチャンスを逸した。3回裏、鈴木誠と菊池涼にそれぞれソロホームランを打たれて4点差となり、村上はこの回限りで降板。4回表、梅野のレフト前ヒットと代打糸井のライト線への二塁打で無死二三塁とし、近本のライト前タイムリーヒットで3点差とすると、中野の打席で近本が二盗しまたも二三塁として中野のライトへの犠牲フライで2点差に。ここで野村は降板し、二番手は塹江。ロハスJr.は投手ゴロに倒れ、サンズは申告敬遠。佐藤輝は空振り三振で同点機を逸した。4回裏は二番手の岩貞が三者凡退に抑え、5回表は三番手ケムナに抑えられる。5回裏は三番手小川が三者凡退と試合が落ち着いたかに見えた。しかし6回表、続投のケムナに対し糸井と近本の連打で無死一二塁とし、中野のショートゴロで二封されるも一三塁の形を作り、ロハスJr.のライト前タイムリーヒットで1点差に。逆転のチャンスにサンズ、佐藤輝は連続見逃し三振。6回裏、続投の小川は四球の菊池涼を置いて林に右中間スタンドに飛びこむツーランホームランを打たれてまたも3点差に。7回表、四番手森浦に対し、二塁打の糸原を代打大山が二塁ゴロで三進させ、梅野の犠牲フライで2点差とする。7回裏は四番手馬場が西川のヒットと鈴木誠への申告敬遠で1死一二塁とされるも後続を断つ。8回表、五番手コルニエルは近本と中野に連続四球。佐々岡監督はたまらずコルニエルを降ろして六番手バードをマウンドに送る。ロハスJr.はショートゴロ併殺に倒れ、2死三塁に。サンズの投手強襲タイムリーヒットで1点差とし、代走に植田。代打原口が送られたが、投手ゴロに倒れ、同点には届かず。8回裏は岩崎が三者凡退と貫録の投球を見せる。しかし9回表、クローザーの栗林の前に三者凡退と逃げ切られた。
◎カープ16回戦……0-5
 カープの先発は床田。1回表、近本が初球を叩きセンター前ヒットを放つも、中野、ロハスJr.、サンズが三者三振。タイガースの先発は秋山。2死から小園の一塁ゴロをサンズが後逸し、小園は二進。鈴木誠の左中間スタンドに入るツーランホームランで先制されると、続く坂倉にも右中間スタンドにソロホームランを打たれてしまう。しかし2回以降は調子を取り戻し、床田との投手戦の様相を見せる。6回裏、近本とサンズのヒットで2死一二塁とするも、糸原は空振り三振で、数少ないチャンスを逸した。6回裏、2死から代打堂林にヒットを打たれるも、野間の打席で二盗を企てた堂林を梅野が刺す。床田は6回無失点で交代。7回表、二番手森浦から大山がライト前ヒットで出るが、小野寺、梅野、代打北條と三者三振。秋山も6回限りで降板。7回裏、二番手及川は1死から西川を歩かせ代走に曽根。2死後、鈴木誠を申告敬遠で一二塁とし、坂倉にレフトの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれ、5点差とされる。及川に代わり三番手の馬場は會澤を一塁へのファールフライに打ち取る。8回表は三番手塹江の前に三者凡退。8回裏は四番手の小野が三者凡退に抑える。9回表、四番手の島内に対し、1死から糸原がセンター前ヒットを放ち、大山もライト前ヒットで続く。代打糸井の一塁ゴロで2死二三塁と進塁するが、代打佐藤輝は空振りの三振で久しぶりの同一カード3連敗を喫して3位に陥落してしまった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 ついに10勝の壁を破った。この時点では単独でセ・リーグり最多勝。今節の終わりにジャイアンツの高橋優に並ばれてしまったが、勝率、防御率ではトップを走っている。自信がついて、エースの風格さえ感じられるようになってきた。
野手……近本光司.
 今節は先頭打者ホームランや猛打賞など打ちまくり、打率も3割に乗せた。盗塁数はチームメイトの中野が22、近本が20と差をつけられているけれど、二人して盗塁王を競ってほしい。問題は近本と中野が出塁しても中軸で返せないところにあるのだが。それでもセ・リーグの得点王。この調子でチームを引っ張っていってほしい。

 次節は甲子園球場に戻り、6連戦。まずはドラゴンズ3連戦。バンテリンドームでは弱いが、甲子園では逆にドラゴンズが鬼門。我が家に帰って気分一新。青柳とガンケルで2つは確実に取っておきたい。続いていよいよジャイアンツ3連戦。今度こそ西勇の通算100勝目が見たい。秋山も甲子園ならフライアウトをたっぷりとることができるだろう。問題は大山と佐藤輝。糸井が好調なだけに、スタメンで使ってもらいたいし、ムードメーカーのマルテの一軍昇格は必須。中継ぎでも好不調がはっきりしているアルカンタラを抹消してマルテ、サンズ、ロハスJr.を軸にした打線を組むのも効果的なのではないか。勝率では3位でも、ゲーム差では首位なのだ。まだ失速したとか大騒ぎする必要はまったくなかろう。

(2021年8月30日記)


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