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大山の逆転サヨナラホームランで首位奪回

 今節は甲子園球場で6連戦の予定だったが、ドラゴンズ第3戦が雨天中止で5試合になった。まずドラゴンズ2連戦。初戦は青柳が立ち上がりを攻められて大量失点。一度は追いついたが及川が打たれてカープ戦に続く4連敗。2戦目は伊藤将が好投して連敗を止めて、1勝1敗。続くジャイアンツ3連戦は、初戦は西勇がまたも先制されるも、中野の逆転打などで原監督のマシンガン継投を突破。2戦目はガンケルと高橋優の投手戦となったが、9回裏、大山の逆転サヨナラホームランで連勝。3戦目は秋山が中島にホームランを浴び、二番手の藤浪も岡本和にホームランを打たれて6点差とされたが、相手のミスにつけこみ追いついて引き分け、2勝0敗1分。今節は3勝1敗1分。今季通算58勝42敗4分で勝率.580となり首位の座を奪回。2位のジャイアンツとは1.5ゲーム差、3位のスワローズとは3.5ゲーム差。ジャイアンツの原監督がなにか焦ったような選手起用をしているあたり、今季のジャイアンツは例年とは違う感じがする。

◎ドラゴンズ15回戦……5-8
 この試合、大山と佐藤輝をスタメンから外して、マルテ、サンズ、ロハスJr.の外国人で中軸を固める思い切った手を打つ。タイガースの先発は青柳。初回からコントロールが甘く、3回表につかまる。京田の二塁ゴロは糸原がバウンドを合わせそこね内野安打に。高松のバントで京田は二進。大島のライト前ヒットで一三塁とされ、ビシエドのレフト前に落ちるフライはロハスJr.が打球を見誤って取れずタイムリーヒットとなる。福留もライト前ヒットで続き満塁とされると、高橋周のレフト前2点タイムリーヒットで3点差に。さらに渡邊にもセンター前2点タイムリーヒットを打たれて大量5失点。大野奨は二塁ゴロ併殺に打ち取ったが、予想外の乱調となった。ドラゴンズの先発は福谷。3回裏、1死から梅野がヒットで出たが、青柳はスリーバント失敗で送れず、近本は福谷の足に当たる投手強襲ヒットで一二塁に。中野の打席で福谷は暴投し、二三塁と絶好のチャンスを作ったが、中野はファールでよく粘るも空振り三振。5回裏、糸原と小野寺の連打で無死一三塁とすると、梅野が右中間を破るタイムリー二塁打で1点を返す。代打糸井が歩いて満塁に。近本はレフト前タイムリーヒットを放ち3点差に。ここで福谷は降板。二番手は藤嶋。中野は浅いレフトフライに倒れたが、マルテが右中間フェンス前まで飛ぶ走者一掃のタイムリー二塁打を放ち、同点に追いついた。さらに逆転のチャンスだったが、サンズは三塁フライに倒れ、ロハスJr.はライトフライに打ち取られて同点どまり。6回表は二番手小川が三者凡退に抑える。6回裏、三番手田島から糸原が内野安打で出ると、小野寺は投手前にバント。しかし田島は素早く二封でバント失敗。後続を断たれて得点できず。7回表、三番手の及川は1死から高松が内野安打となる三塁前のセーフティバントを決められる。大島の一塁ゴロはサンズが判断よく二封。ビシエドのレフト前ヒットで一二塁とされると、福留にライトの頭上を越すタイムリー二塁打を打たれて1点差とされ、高橋周にもライトを越える2点タイムリー二塁打を打たれて3点差に。渡邊のセンター前ヒットで高橋周が一気に本塁を突くも、近本の好返球で憤死。7回裏、四番手福から近本が四球を選ぶが、代打大山は三振。ここで五番手祖父江にスイッチ。マルテのショート内野安打で一二塁と攻め立てるが、サンズと代打佐藤輝は連続空振り三振。8回表、四番手小野は京田と溝脇の連打で2死からピンチを作ったが大島を二塁ゴロに打ち取り、切り抜けた。8回裏は六番手又吉に抑えられ、9回表は五番手岩貞がビシエドにヒットを打たれるも後続を断つ。9回裏、クローザーのR・マルティネスの前に三者凡退で連敗は止まらず。
◎ドラゴンズ16回戦……2-1
 タイガース伊藤将とドラゴンズ松葉の投手戦。1回裏、センター前ヒットの近本は中野の二塁ゴロで二進。マルテは三振に倒れ、サンズは四球。糸原の打席で松葉は暴投、近本は三進して一三塁に。糸原も四球を選び満塁のチャンスを作ったが、大山は投手ゴロで得点できず。3回まで一人の走者も許さなかった伊藤将が、4回表1死から高松が三遊間へゴロを打つと中野が好捕したが内野安打に。さらに中野の一塁送球がそれて高松は二進。大島のレフト前タイムリーヒットで先制を許した。4回裏、1死から糸原がレフト前ヒットで出るが、大山は二塁ゴロ併殺でまたもチャンスを生かせない。6回裏、近本がライト前ヒットで出ると、中野が送り、マルテのセンター前に落ちるタイムリーヒットで同点に。サンズのショートゴロは京田のトンネルで一二塁とし、松葉から二番手田島に交代。糸原の二塁ゴロで二封され2死一三塁に。大山はパットを真っ二つに折られながらもライト前に落とすタイムリーヒットで逆転した。7回表、ビシエドがヒットで出塁。1死後、高橋周は空振り三振し、二盗を試みたビシエドは楽々アウトに。7回表は三番手三ツ間が梅野を三振に取ると、代打佐藤輝に対しては四番手福が登板して三振。近本もショートゴロと継投策にはまる。伊藤将は7回1失点で交代。8回表は岩崎が抑え、8回裏は五番手祖父江に対し1死からマルテがセンター前ヒットを放つと、代走に植田。サンズの打席の途中で祖父江はアクシデントで降板。六番手岡田の前にサンズは三塁ゴロ併殺。1点差で9回表はクローザーのスアレス。内野安打の京田は高松の一塁ゴロで二進、大島のショートゴロで三進。一打どうたんの場面でビシエドを迎えるも、ショートゴロに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは7勝目をあげた伊藤将と決勝打の大山。
◎ジャイアンツ16回戦……7-3
 矢野監督は一番に中野、二番に島田、三番に近本という思い切った打線の組み換えをしてきた。タイガース西勇、ジャイアンツ戸郷の投手戦。先制したのはジャイアンツ。5回表、亀井のセンター前ヒットと大城のライト前ヒットで1死一三塁とされ、松原にセンターのフェンスに届く2点タイムリー三塁打を打たれる。さらに戸郷はセーフティバントをしかけたが、投手西勇の真正面で三塁走者は動けず。丸をショートフライに打ちとって2点差にとどめた。6回表、2死から岡本和にレフト線に二塁打を打たれると亀井に右中間を破るタイムリー三塁打を打たれて3点差とされる。中田翔に四球を与え、代走は廣岡。廣岡には二盗を許すが、大城を空振り三振に取ってあと1点はやらず。6回裏、それまでパーフェクトに抑えられていた打線に火が付く。センター前ヒットの大山を置いて代打糸井が右中間を破るタイムリー二塁打を放ち2点差とする。西勇は6回3失点で降板。7回表、二番手岩貞は松原を歩かせ戸郷のバントで二進。丸の投手ゴロの間に三振。坂本は申告敬遠で一二塁とされるも吉川を投手ゴロに打ち取ってなんとか切り抜けた。7回裏、1死からマルテがライト線に二塁打を放つと、糸原のセンター前ヒットで満塁とし、大山のレフト線に抜ける2点タイムリー三塁打で同点に追いつく。ここで戸郷は降板し、二番手の高梨は代打サンズにストライクが入らず途中で申告敬遠で満塁に。代打原口は三番手の鍵谷をぶつけてきて捕邪飛に倒れる。中野に対しては四番手大江を投入。中野はライトフェンスを直撃する走者一掃の3点タイムリー三塁打を放ち、3点勝ち越す。8回表はセットアッパーの岩崎が三者凡退に抑える。8回裏、五番手戸根がマウンドに。2死からロハスJr.の左足に死球で代走は植田。小幡のレフト前ヒットで一二塁とし、大山のセンター前タイムリーヒットで4点差に。9回表はクローザーのスアレスが三者凡退で締めて首位攻防戦の初戦を取った。岩貞が勝利投手。ヒーローインタビューは決勝三塁打の中野と、猛打賞の大山。
◎ジャイアンツ17回戦……4-3
 タイガースガンケル、ジャイアンツ高橋優の投手戦。先制したのはジャイアンツ。4回表、吉川にセンター前ヒットを打たれ、1死後、中田翔の打席で二盗を許す。中田翔はレフトフライに打ち取ったが、大城にレフト前にタイムリーヒットを打たれてしまう。しかし5回裏、センター前ヒットの大山を置いて梅野がレフトスタンドに逆転のツーランホームランを放った。直後の6回表、坂本勇にレフト線に二塁打を打たれると、吉川の三塁ゴロで坂本勇は三進。岡本和にレフトスタンドに逆転ツーランホームランを放りこまれた。中田翔を歩かせたものの、大城は二塁ゴロ併殺で追加点は許さない。7回表、1死から松原にセンター前ヒットを打たれ、代打若林のところでガンケルは二番手及川に交代。若林を歩かせ、丸は三振に取ったが、暴投で二三塁とされる。坂本勇は申告敬遠で2死満塁に。ここで代打中島を落ちる球で空振り三振に取りピンチを切り抜けた。高橋優は6回2失点で交代。7回裏は二番手のデラロサの前に三者凡退。8回表、三番手小川は中田翔にヒットを打たれるも後続を断つ。8回裏、三番手中川に対し、代打小野寺は背中に死球を受ける。代走は島田。近本のライト前ヒットと中野のバントで1死二三塁とし、サンズはスリーボールになったところで申告敬遠。マルテに期待がかかったが、ショートゴロ併殺で大きなチャンスを逸した。9回表は岩貞が三者凡退で締める。9回裏、クローザーのビエイラに対し、ファールで粘った糸原がレフト前ヒットで出塁。ここで大山がレフトスタンドに逆転サヨナラツーランホームランを放ち、劇的な逆転勝利でジャイアンツに連勝。岩貞が連日勝利で4勝目。ヒーローインタビューはサヨナラホームランの大山。
◎ジャイアンツ18回戦……6-6
 タイガースの先発は秋山。1回表、松原を歩かせ、坂本勇のレフト前ヒットで松原は三進。坂本勇は二塁を狙うが三塁大山の好判断の二塁送球でタッチアウト。吉川にライト前にタイムリーヒットを打たれて先制されると、2死後、中島にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、3点差に。秋山は2回3失点で降板。ジャイアンツの先発はメルセデス。近本と中野の連打で無死一三塁とするもサンズは浅いレフトフライ、マルテはショートゴロ併殺で得点できず。タイガースの二番手藤浪は3回表と4回表は抑えたが、5回表に松原のセンター前ヒットと吉川の内野安打で1死一二塁とされ、岡本和にレフトスタンドにスリーランホームランを打たれて6点差とされた。6回表は三番手の馬場が松原を歩かせ二盗されて1死二塁とされるも坂本勇、吉川をいずれも内野ゴロに打ち取る。メルセデスは5回無失点でなぜか降板。6回表、二番手鍵谷に対し、中野のセンターへの大きな当たりは丸がグラブに当てるも捕球できず三塁打に。サンズのショートゴロは、これもなぜか坂本勇に代わってショートに入っていた若林がファンブルしどこにも投げられず。その間に中野が生還して1点を返す。マルテが歩き無死一二塁とすると、マウンドには三番手大江が。糸原のショートゴロは二封のみで1死一三塁に。大山が歩き代打原口のライト前に落ちるタイムリーヒットで2点目。ここで四番手畠が登板。梅野の二塁ゴロは二封のみの併殺崩れで糸原が生還して3点差に。ロハスJr.のセンター前タイムリーヒットで2点差に詰め寄る。近本は死球で満塁としたが、中野はショートゴロに倒れ、同点にはならず。7回表は四番手小川が三者凡退に切り抜け、7回裏、五番手デラロサからサンズがレフト前ヒットを放つ。マルテのショートゴロは交代していたショート廣岡が二塁へ悪送球し、サンズは三進。糸原の二塁ゴロは二封のみでサンズが生還して1点差に。大山は三振に倒れたが、代打糸井の左中間を破るタイムリー二塁打でついに同点に追いついた。8回裏は岩崎が三者凡退に抑える。8回裏、六番手中川に対し、2死から中野のひっ里とサンズの四球でチャンスを作るがマルテは二塁ゴロで得点できず。9回表はスアレスが三者凡退でこの試合、敗戦なしという状況を作る。9回裏、ビエイラに対し、1死から大山がレフト線に二塁打を放ち、代走に小幡。島田の三遊間の当たりは廣岡が捕球はできなかったがなんとか内野安打にとどめ、一三塁に。梅野は浅いライトフライに倒れ、木浪の四球で満塁に。サヨナラのチャンスで近本のセンターへの強い当たりは丸へのライナーに終わり、引き分け。この引き分けでタイガースは首位を守った。

愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司
 勝ったり負けたりを繰り返しているが、今節の勝利は連敗を止める貴重な勝利。打線の援護も少ないなか、よく投げてくれた。
野手……大山悠輔.
 ドラゴンズの初戦まで全く打てそうになかったのに、2戦目で猛打賞を記録すると、ジャイアンツ戦では逆転サヨナラホームランを含む大活躍。3試合連続のヒーローインタビューは調子に乗った時の大山の凄さをあらわしている。ほんとに好不調の波が激しい打者だ。もうしばらくはこの好調を維持してもらいたい。それにしてもあのサヨナラホームランにはしびれた!

 次節は変則日程。まず甲子園球場で3位スワローズ3連戦。相手が苦手意識を持ってくれている間に突き放しておきたい。続いてマツダスタジアムでカープと2連戦。前回3タテのお返しをしてほしい。移動日なしで横浜スタジアムに移動してベイスターズ戦。Bクラスのチームとの試合を取りこぼしたチームから脱落していくだろうから、ここは踏ん張りどころ。首位を守るというよりも頂を目指して攻めていってほしい。そのためには佐藤輝の復調が不可欠なのだが……。期待するしかない。

(2021年9月6日記)


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