今節は首位争いをしている相手との直接対戦。まずは神宮球場でスワローズ2連戦。初戦は9回にマルテが3点差を追い九同点ホームランを放ち、引き分け。2戦目は伊藤将がまたも好投するも打線が小川泰の前に沈黙して接戦を落とし、0勝1敗1分。甲子園球場に戻り、ドラゴンズ戦。初戦は台風で中止。2戦目は大野雄から糸原が打った虎の子の1点を高橋遥が守り抜き約1年ぶりの勝利を飾り1勝。翌日はジャイアンツ戦。ガンケルがまたも一発攻勢に敗れ、1敗。今節は1勝2敗1分け。今季通算62勝47敗5分で勝率.569となり辛うじて首位キープ。2位のスワローズとは1.5ゲーム差、3位のスワローズジャイアンツとは2.5ゲーム差。じわりと近づいてこられたが、しぶとく残っている。
◎スワローズ19回戦……4-4
スワローズの先発はA・スアレス。2回表、大山のヒットとロハスJr.の四球で2死一二塁と攻め立てるも梅野は空振り三振で先制気を逸する。タイガースの先発は青柳。2回裏、村上宗にヒットを打たれるも、オスナをショートゴロ併殺に打ち取る。しかし続く中村を歩かせ、サンタナのライト前ヒットで一三塁とされ、元山に先制のセンター前タイムリーヒットを打たれてしまう。3回裏、青柳と近本の連打、中野のバント、糸原の四球で1死満塁とチャンスを作るがマルテと大山は連続三振で逆転機を逸した。4回表、糸井のレフト前ヒットのあと雨が強くなり、21分の中断。再開後、梅野のヒットで1死一二塁とするが、青柳のバントで三封。一塁はセーフで併殺は免れ、高津監督のリクエスト申請も覆らず。しかしここも近本がセンターフライに倒れる。4回裏、村上のレフト線へのヒットはオスナの三塁ゴロで二封。しかし併殺はならず、中村の左中間を越えるタイムリー二塁打で2点目を失う。5回表、中野の頭に当たる死球でA・スアレスは危険球退場。二番手には大西。糸原のライト前ヒットとマルテの四球で無死満塁としたが、大山はまたも三振、糸井は二塁ゴロ併殺。またも得点できず。6回表は三番手星の前に三者三振。青柳は5回2失点で降板。6回裏、二番手小川一が村上宗に右中間スタンドにソロホームランを打たれ3点差に。7回表、四番手石山に対し、近本が右中間に二塁打を放つと、中野のテキサス性のセンター前タイムリーヒットで近本が生還して2点差とする。糸原が歩いたところでスワローズは五番手今野に交代。マルテのレフトポール上を超す大飛球は惜しくもファール。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。結局マルテは捕手へのファールフライ、大山、糸井は連続三振で追加点はならず。7回裏、三番手馬場は三者凡退に抑える。8回表、六番手清水に抑えられ、8回裏、四番手及川は1死からヒットの青木の代走渡邊を置いてオスナにセンターの頭を越すタイムリー二塁打を打たれてまたも3点差に。9回表、クローザーのマクガフに対し、近本が歩き、糸原は四球で代走に小幡。そしてマルテは今度こそ右中間スタンドに入る同点のスリーランホームランを放つ。9回裏はR・スアレスがきっちりと三者凡退で締めて引き分け。敗戦を覚悟したところから一気に同点に追いつき、ジャイアンツはベイスターズに負けたため、この引き分けは勝ちに等しい引き分けとなった。
◎スワローズ20回戦……0-1
スワローズ小川泰、タイガース伊藤将の投手戦。先制したのはスワローズ。1回裏、塩見にレフト前ヒットを打たれるも、荒木貴の三塁ゴロで二封。山田の打席で荒木貴が二盗し、山田のショートゴロで三進。村上宗のレフト前に落ちるタイムリーヒットで1点を奪われる。2回表、大山の高く上がったフライは荒木貴と西浦が薄暮で見失い、テキサス性のヒットに。サンズのショートゴロで二進。ロハスJr.は見逃し三振に倒れ、梅野は申告敬遠。伊藤将は二塁ゴロで得点できず。以降はともにピンチらしいピンチを招かず。5回裏、サンタナがレフトの頭を越すヒットを放つと、1死後、古賀のレフト前ヒットはサンズがファンブルしてサンタナと古賀はそれぞれ進塁。1死二三塁とされたが、小川泰のスクイズは捕邪飛となり、本塁に突っこんできたサンタナにタッチして併殺となる。6回表、ライト前ヒットの近本を中野がバントで送る。糸原のセンター前に落ちそうなフライは塩見に好捕され、マルテと大山が連続四球で満塁に。しかしサンズはレフトフライに終わり、またも得点できず。6回裏、センター前ヒットの塩見を荒木貴がバントで送り、1死二塁に。ここで山田をセンターフライに打ち取ると、村上宗との勝負は避けて四球。そしてオスナを空振り三振に取りピンチを脱する。伊藤将は6回1失点で無念の降板。7回裏、二番手の小川一が1死から西浦にヒットを打たれると、古賀の三塁ゴロで西浦は三進。小川泰の投手ゴロは小川一のグラブをかすめバックアップの糸原の送球も間に合わず内野安打に。塩見にはフルカウントからファールで粘られたが空振り三振で切り抜けた。8回表、2死から糸原がセンター前ヒットで出て代走は植田。マルテの打席で植田が二盗。マルテは申告敬遠。マルテの代走は小幡。大山が歩いて2死満塁とし、小川泰は降板。二番手に清水。サンズはハーフスイングを空振りと判定され、三振に倒れる。8回裏は岩崎が三者凡退で抑え、9回表はマクガフの前に三者凡退。両チームとも一歩も引かない好勝負だった。
◎ドラゴンズ17回戦……1-0
タイガース高橋遥、ドラゴンズ大野雄の投手戦。2回表、ビシエドの三塁ゴロを大山が弾くもショート中野がうまくバックアップして一塁アウト。福留を空振り三振に取ったが、高橋周には右中間を破る二塁打を打たれる。それでも堂上をショートゴロに打ち取り、先制点は与えず。4回裏、1死から糸原がレフト前に落ちるヒットを放つと、マルテもレフト前ヒットで続き、一三塁とする。しかし大山はよく粘ったが一塁へのファールフライに倒れ、ロハスJr.も二塁へのフライで先制点は取れず。6回裏、近本のライト前ヒット、中野のバントで1死二塁とし、糸原がライト線にタイムリー二塁打を放ち先制。結局この1点が決勝点となる。7回裏、ロハスJr.がレフト前ヒットを放ち、代走は熊谷。陽川は空振り三振に倒れたが、梅野がバントで熊谷は二進。高橋遥の代打サンズで追加点を取りにいくも、センターフライに倒れて追加点は取れず。8回表はセットアッパーの岩崎が高橋周にヒットを打たれるも堂上にはバントをさせずライトフライに打ち取り、木下拓、大野雄の代打A・マルティネスを連続空振り三振に取る。8回裏、二番手福に対し2死から糸原が歩き代走は植田。マルテに対しては三番手田島を送り、暴投で植田は二進。マルテも四球で一二塁としたが、大山は一塁ゴロに倒れて追加点はここでも取れず。9回表、クローザーのスアレスは京田を歩かせ福田のレフト前ヒットで無死一二塁に。福田の代走は高松。大島のバントはスアレスが機敏に処理して三封。ビシエドを一塁フライに打ち取ると、福留を空振り三振に取って逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝打の糸原と今季初勝利の高橋遥。
◎ジャイアンツ19回戦……1-8
ジャイアンツの先発は菅野。1回裏、近本がライト線に二塁打を放つと、中野がバントで三塁に送り、糸原のセンター前タイムリーヒットで先制した。タイガースの先発はガンケル。2回表、亀井のセンター前ヒットと丸のライト前ヒット、ウィーラーの三塁ゴロで1死二三塁とされ、大城にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれて逆転を許す。菅野のバントはガンケルが二塁へ送球するもベースカバーの中野がそらし、1死一三塁に。吉川のバックスクリーンへのスリーランホームランで4点差に。センター前ヒットの松原を置いて坂本勇に左中間スタンドにツーランホームランを浴びる。6点差とされ、なおも岡本和のヒットと亀井への四球で1死一二塁とされたが、丸を三振に取ると、ウィーラーは二塁ゴロでやっとチェンジ。ガンケルは2回7失点で降板。二番手浜地は3回表から4ん位表を、三番手岩貞は5回表を無失点の好投で追加点は許さない。しかし大量リードに守られた菅野の前にタイガース打線は振るわず。4回裏、1死から大山が二塁打を放ち、サンズのショートゴロで三進するも、梅野は二塁ゴロに打ち取られ、得点できず。三番手馬場は6回表は抑えたが、7回表にウィーラーにレフトスタンドにソロホームランを打たれて7点差とされる。8回表と9回表は五番手齋藤が走者を出すも無失点で切り抜ける。菅野は7回1失点で交代。8回裏は二番手中川に対し近本の四球と糸原のヒットで2死一二塁としたが、マルテは三塁ゴロに倒れ、得点できず。9回裏は三番手桜井の前に糸井、大山、サンズが三者三振。ガンケルは初回から球が高めに浮き、2回に2発食らうなど本来の打たせて取る投球ができず、ここで試合が決してしまった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……高橋遥人 もっともいい形の時の遥人が帰ってきた。前節打たれた時、「この試合は試運転かも」と書いたけれど、どうやらそれがあたったようだ。優勝争いに頼もしい左腕が帰ってきた。
野手……糸原健斗 大野雄から決勝のタイムリーヒット、菅野から先制のタイムリーヒットと、三番打者としての活躍が光る。中軸があとに続いてくれないのが苦しいが、近本、中野、糸原で1点という形ができつつある。
次節はバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。後半戦最も好調なチームと鬼門のドームなのだ。青柳に調子を戻してもらわねば困る。続いて東京ドームでジャイアンツと3連戦。甲子園で大敗したお返しを、特に菅野には負けてほしくない。とにかく首位をキープしてさえくれればよいのだ、今は。二軍はマジックナンバー点灯。佐藤輝も一軍復帰は近い。二軍の勢いを持ったままで一軍人え追ってきてもらいたい。
俊介外野手と桑原投手が引退会見を開いた。俊介はスーパーサブとして、桑原は遅咲きながらセットアッパーとして個性あふれるプレースタイルで楽しませてくれた。両者とも肩の故障が完治せず引退という結論を出したという。お疲れ様でした。まずは治療に専念してください。
(2021年9月13日記)