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高橋遥人、プロ入り初完封のG倒

 今節はロードで6連戦。鬼門バンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。初戦は秋山と柳の投手戦で、最後はリリーフのA・マルティネスから木浪が決勝犠飛を放つ。2戦目は青柳と松葉の投手戦で、惜しくも敗れる。3戦目は伊藤将と笠原の投手戦となったが、スアレスで逃げ切るところが追いつかれ、福留に打たれた決勝打がエンタイトル二塁打となる幸運もあり引き分け、1勝1敗1分。東京ドームに移り、ジャイアンツ3連戦。初戦は西勇が打たれたがマルテのホームラン、サンズの同点打で引き分け。2戦目は高橋遥が菅野に投げ勝ちプロ入り初完封。打線も糸原のホームランと中野の二塁打で少ないチャンスをものにして菅野をマウンドから引きずり降ろした。第3戦はガンケルがリベンジマッチで好投。大山のホームランと糸井の満塁走者一掃の適時打で連勝し、2勝0敗1分け今節は3勝1敗2分け。今季通算65勝48敗7分で勝率.575となり2位に陥落したが首位のスワローズとは0.0ゲーム差、3位のジャイアンツとは4.0ゲーム差。ジャイアンツは現時点で自力優勝が消滅と後退。スワローズとのデッドヒートという形になった。

◎ドラゴンズ18回戦……3-2
 タイガース秋山、ドラゴンズ柳の投手戦。先制したのはタイガース。3回表、死球の梅野を秋山がバントで送り、近本がライト線にタイムリー二塁打を放つ。続く中野もセンター前タイムリーヒットで2点差に。糸原のライト前ヒットでチャンスは続いたが、マルテ、ロハスJr.と凡退して大量点は取れず。4回裏、福田の四球、木下拓のセンター前ヒット、加藤翔の四球で2死満塁とされたが、柳は見逃し三振でピンチを脱する。5回裏、京田を歩かせるが、三ツ俣の打席で梅野が一塁へ牽制し、京田はタッチアウト。三ツ俣と大島の連打でピンチを作るも後続を断ち、秋山は最多勝に向けて、勝利投手の権利を持って降板。6回裏、二番手小川が高橋周への四球と木下拓のレフト前ヒットでピンチを作り、加藤翔の一塁ゴロはマルテが三塁に送球してアウトに。ここで小川から三番手及川に代打の福留は二塁ゴロで走者を進める。京田のセンター前2点タイムリーヒットで同点とされる。柳は6回2失点で降板。7回表は祖父江に抑えられる。7回裏は続投の及川が無失点で抑え、8回表は三番手又吉から中野の二塁打と糸原の四球で1死一二塁と攻め立てるが、マルテはショートゴロ併殺に倒れ、勝ち越せず。8回裏は岩崎が三者凡退に抑え、9回表、クローザーのR・マルティネスがマウンドに。島田のセンター返しは三ツ俣が止めるので精いっぱいの内野安打。サンズの打席で島田は二盗。サンズは二塁ゴロで島田を三塁に進め、木浪の犠牲フライでついに決勝点が入る。9回裏はスアレスが三者凡退で締めた。勝利投手は岩崎。ヒーローインタビューは決勝の犠飛を放った木浪。
◎ドラゴンズ19回戦……1-2
 タイガース青柳、ドラゴンズ松葉の投手戦。洒落みたいな組み合わせの先発投手となった。1回裏、京田がショートへの内野安打で出るも、高松の二塁ゴロで二封。大島をセンターフライに打ち取ったが、ビシエドに右中間を破るタイムリー二塁側は後続を断ち、打を打たれて先制を許す。3回表、2死から近本のレフト前ヒット、中野のレフト前ヒットで一三塁とし、糸原の打席で中野が二盗。糸原は四球で満塁としたが、マルテは三塁ゴロで逆転のチャンスをつぶした。6回裏、高橋周にレフトの頭を越す二塁打を打たれると、1死後、木下拓にライトを越すタイムリー二塁打を打たれて2点差とされた。松葉は6回無失点で交代。7回表、二番手の祖父江に抑えられる。青柳も6回2失点で交代。7回裏は二番手小川が高松を売るかせるが、大島の打席で高松の二盗は梅野が強肩で阻止。小川は後続を断ち、前日のお返しとなる無失点。8回表、三番手又吉に対し近本のヒットと糸原の四球で糸原に代走熊谷。ここでやっとマルテにレフト前タイムリーヒットが出て1点差に迫るが、大山の大きなセンターフライで近本は三進。しかしサンズが見逃し三振で得点できず。8回裏、三番手の岩貞に対し、福留の右中間のフライはフェンスぎりぎりで近本が捕球するも、フェンスに当たってから捕球したと判断され一度は三塁打とされるも、矢野監督のリクエスト申請で覆りアウトに。後の打者には危なげない投球を見せる。9回表、クローザーのR・マルティネスに対し1死から梅野が歩き、代走に植田。代打糸井は捕手へのゴロで植田は二進。近本のハーフスイングは塁審はボールと判定したが、球審がファールチップの三振と判定を下し、すっきりしない形で試合終了。中軸の不振はこの試合も続く。
◎ドラゴンズ20回戦……3-3
 タイガース伊藤将、ドラゴンズ笠原の投手戦。先制したのはタイガース。1回表、近本がセンター前ヒットで出ると、2死後、マルテの打席で二盗。マルテのレフト前タイムリーヒットで1点を奪う。4回表、大山のヒットで無死一塁とし、佐藤輝のライトポール際の大きな当たりはスリーランホームランの判定。しかし与田監督のリクエスト申請でボールはわずかにファールゾーンに出ていると判定は覆り、打ち直しは一塁ゴロで二封。梅野は四球で一二塁としたが、伊藤将はレフトフライで得点できず。5回まで走者を出しても落ち着いた投球で無得点に抑えていた伊藤将だったが、6回裏、代打伊藤康にライト線に二塁打を打たれ、京田のバントで三進。代打堂上のライト犠牲フライで同点に追いつかれた。笠原は6回1失点で交代。7回表は二番手田島の前に三者凡退。8回表、三番手又吉に対し、近本は二塁ゴロエラーで出塁。中野のバントと糸原の一塁ゴロで近本は三進。マルテが歩いて代走に小幡。大山の打席で小幡が二盗を決め、大山はセンター前に落ちる2点タイムリーヒットでついに勝ち越し。8回裏は二番手岩崎が三者凡退に抑える。9回表は四番手藤嶋に対し梅野と木浪の連打で1死一二塁とするも、後続を断たれて追加点はならず。9回裏、スアレスで試合を締めるはずが、京田に二塁打を打たれると、堂上にもライト前ヒットで無死一三塁とされ、堂上の代走に加藤翔。大島のライト前タイムリーヒットで1点差とされると、ビシエドのショートゴロで二封も併殺はならず、ビシエドの代走に三ツ俣。代打福留のレフトフェンス直撃の当たりはフェンスについているドアに挟まりタイムリーエンタイトル二塁打となり同点に追いつかれた。高橋周は申告敬遠で満塁に。木下拓の三塁ゴロは本封のあと梅野が一塁に強烈な送球で併殺とし、なんとか引き分けで試合終了。久々の一軍で、佐藤輝のホームラン性のファールが非常に惜しかった。
◎ジャイアンツ20回戦……6-6
 ジャイアンツの先発はメルセデス。1回表、近本が二塁内野安打で出ると、中野は死球。マルテがセンター前に落ちるタイムリーヒットで先制すると、無死一三塁で大山がショートゴロ併殺の間に中野が生還して2点差とする。3回表、西勇と近本の連打で無死一二塁とし、中野のバントで二三塁に進む。マルテが歩いて満塁とし、大山のセンターへの犠牲フライで3点差とした。タイガースの先発は西勇。援護点をもらい2回までは快調に投げていたが、3回裏につかまる。代打八百板にセンター前ヒットを打たれたが、吉川は当初ゴロ併殺。しかし松原を歩かせ、坂本勇のレフト前ヒットで一二塁とされると、岡本和の同点スリーランホームランをバックスクリーンに放りこまれる。さらに二塁打の亀井を置いて丸にライトスタンドにツーランホームランを打たれて2点のリードを許す。メルセデスは3回3失点で降板。4回表は二番手桜井の前に三者凡退。西勇も3回5失点で降板。4回裏、二番手馬場が吉川に右中間を破る二塁打を打たれると、1死後、坂本勇にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ、3点差とされる。しかし5回表、続投の桜井から坂本誠がセンター前ヒットで出。2死からマルテが右中間スタンドに1点差に迫るツーランホームランを放つ。5回裏は続投の馬場が抑える。6回表と7回表は畠に、8回表は中川に抑えられる。タイガースは6回を及川、7回をアルカンタラ、8回を小川の継投でジャイアンツ打線を無失点に抑える。9回表、クローザーのビエイラが登板。糸原を歩かせ代走に植田。サンズの打席で植田が二盗すると、サンズがセンターのフェンスに当たるタイムリー二塁打を放ち、ついに同点に追いついた。9回裏はスアレスが登板。松原は三振に取ったが、坂本勇に二塁打を打たれ、代走に増田大。岡本和はセンター前ヒットで一三塁とされ、岡本和の代走に若林。亀井の打席で若林が二進し、亀井は申告敬遠。丸の三遊間の鋭い当たりのゴロは中野が横っとびに好捕し、バックホーム。増田大はフォースアウトに。原監督のリクエスト申請も判定は覆らず。なおも二死満塁で中田翔のショートライナーを中野が難なく捕球して引き分け。西勇の乱調が誤算だったが、よく土壇場で追い付き、守り切った。
◎ジャイアンツ21回戦……3-0
 タイガース高橋遥、ジャイアンツ菅野の投手戦。1回表、近本が左中間を破る二塁打で出るが、中野のバントは捕手への小フライとなり、マルテはセンターフェンス前まで飛ばしたがセンターフライに。大山のセンター前に抜けるかと思われた打球は二塁吉川に好捕され二塁ゴロと先制点ならず。高橋遥は速球の切れ、コントロールとも抜群。2回裏から4回裏にかけ、中田翔、小林、菅野、吉川、松原、坂本勇と6人連続三振を奪う。3回表、2死から中野が三塁とショートの間に落ちるテキサス性の二塁打を放つもマルテは凡退に終わる。5回表、今度は佐藤輝、梅野、高橋遥が三者三振を食らう。均衡が敗れたのは7回表、糸原がライトスタンドへソロホームランを放ち、ついに1点先取。8回表、1死から高橋遥がレフト前ヒットで出ると、近本のライト線の二塁打で二三塁とし、中野の左中間に落ちる2点タイムリー二塁打で3点差に。ここで菅野は降板。二番手デラロサの前に後続を断たれ、追加点はならず。9回表は三番手高梨の前に三者凡退。9回裏、完封をかけて高橋遥がマウンドに。松原、坂本勇と連続内野安打を打たれ、岡本和は一塁ファールフライにしとめるが、ウィーラーのライト前ヒットで満塁に。ウィーラーの代走に増田大。ここで高橋遥は踏ん張り、丸を空振り三振に取ると、代打亀井をライトフライにしとめてプロ入り初の完封勝利を飾った。ヒーローインタビューは完封した高橋遥。
◎ジャイアンツ22回戦……4-3
 ジャイアンツの先発は山口。2回表、糸井のセンター前ヒットと佐藤輝の四球で無死一二塁とするも、梅野は見逃し三振。ガンケルのバントで2死二三塁としたが、近本は一塁ゴロに倒れ先取点はならず。タイガースの先発はガンケル。2回裏、1死から丸に二塁打を打たれるも、中島のショートゴロで丸が飛び出し二三塁間で狭殺。大城も一塁ゴロに打ち取る。3回表、2死から大山がレフトスタンド上段に先制のソロホームランを放つと、糸原の四球で山口は早くも降板。二番手の戸根の前に糸井は二塁ゴロ。続投の戸根は5回裏に1死から中野とマルテを歩かせたところで降板。三番手鍵谷の前に大山は三振に倒れたが、糸原も四球で2死満塁に。ここで糸井がライト線に走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち、4点差に突き放す。5回までていねいな投球で無失点のガンケルだったが、6回裏、松原にソロホームランをライトスタンドに運ばれて3点差に。ガンケルは6回1失点で交代。タイガース打線は7回は高梨に、8回はビエイラに、9回は中川にそれぞれ抑えられて追加点は奪えず。タイガースは7回裏は及川が三者凡退に抑えたが、8回裏、三番手の岩崎が若林のレフト前ヒット、代打ウィーラーのレフト前ヒットで無死一二塁とされ、吉川にセンターフェンス直撃のタイムリー二塁打を打たれて2点差に。松原の犠牲フライで1点差にされたが、坂本は空振り三振に取り、岡本和を申告敬遠し満塁にしたところで代打中田翔を三塁ゴロに打ち取り、リードは保つ。9回裏、スアレスが三者凡退で逃げ切り34セーブ。ガンケルが久々の8勝目。ヒーローインタビューは満塁で走者一掃の二塁打を放った糸井。

愛すれどTigers週間MVP
投手……高橋遥人
 しびれた。坂本勇は空振り三振した時にバランスを崩して転倒。いかに低目のスライダーに威力があったか、それだけでわかる。ここ一番でこんな投球ができる胆力にも恐れ入った。前節に続いてMVPは文句なしだろう。
野手……中野拓夢
 ジャイアンツ戦でサヨナラの危機に見せた丸のショートゴロをホームでアウトにした守備。これだけでホームランのマルテや大山、満塁打の糸井以上の価値がある。ここで引き分けるのと負けるのとでは天と地ほどの違いがあった。

 次節は甲子園球場にもどって6連戦。まずはカープ3連戦。ベイスターズ相手に連敗し、鈴木誠以外は不調であるようなので、ここは1戦も落とせない。続いてドラゴンズ3連戦。なんとスワローズに3試合連続完封を食らっている。戦意喪失している相手に負けるわけにはいくまい。下位に沈んでいる相手に取りこぼすようだと優勝はおぼつかない。
 二軍はついに優勝決定。平田監督のもとで鍛え上げられた選手たちが一軍の座を狙い虎視眈々としている。ファーム選手権の相手はマリーンズ。一軍もマリーンズがマジックナンバー点灯目前。一二軍そろってマリーンズを撃破してダブル日本一といきたいね。
 岩田稔投手が戦力外構想にという報道。確かにここ数年は一軍での登板も減り、勝ち投手になることも少なかった。糖尿病という病を抱えながらここまでプロ生活を送ってきたベテランに、それにふさわしい花道を飾らせてほしい。

(2021年9月27日記)


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