愛すれどTigers


スワローズとの直接対決に敗れマジック点灯を許す

 今節は関東遠征。横浜スタジアムでのベイスターズ3連戦。初戦は坂本裕を序盤に打ちこみ先勝。2戦目は西勇が好投し連勝。3戦目は伊藤将が好投したが、岩崎を温存するために起用した及川がソトに逆転ホームランを打たれる痛い敗戦で、2勝1敗。いよいよ神宮球場でのスワローズとの首位決戦。初戦は高橋遥が立ち上がりを攻められて敗れ、スワローズにマジックナンバー11が点灯した。2戦目は秋山からリリーフ陣がよくつないで勝ち、マジック減らしを食い止める。第3戦はガンケルが立ち上がりを狙われてリードを許し、一度は逆転したもののリリーフ陣が打たれて逆転負けで、1勝2敗。今節も3勝3敗。今季通算71勝54敗7分で勝率.568となり2位。首位のスワローズとは3.0ゲーム差。スワローズの優勝マジックナンバーは9。

◎ベイスターズ23回戦……5-2
 ベイスターズの先発は坂本裕。1回表、近本がセンター前ヒットで出ると、中野の右中間を破るタイムリー二塁打で先制。マルテは三塁ゴロに倒れたが、大山がレフト前タイムリーヒットを打って2点目が入る。2死後、小野寺が歩いて一二塁とすると、佐藤輝がついにライト前にタイムリーヒットを放ち、連続打席ノーヒットの記録を止めた。なおも一三塁で梅野の打席、佐藤輝が二盗を試みると、捕手戸柱は二塁送球。佐藤輝は一塁に戻りかけて狭殺をされる前に小野寺の本盗が決まり、4点差とした。タイガースの先発は青柳。1回裏、2死から牧に二塁打を打たれ、オースティンを歩かせて一二塁とされるも宮崎をセンターフライに打ち取り立ち上がりを無事に投げる。3回表には大山がライトスタンドにソロホームランを放ち、5点差に。坂本裕は3回5失点で降板。4回表から5回表までは二番手の櫻井に抑えられる。5回裏、1死から森にセンター前ヒットを打たれ、続く戸柱にはセンターの頭を越す二塁打を打たれて二三塁とされる。代打関根の二塁ゴロの間に森が生還して4点差に。戸柱も三進。桑原将のレフト線のタイムリー二塁打で3点差とされるが、佐野はレフトフライに打ち取って踏ん張る。6回表から7回表は三番手ピープルズに抑えられる。6回裏、1死から楠本に二塁打を打たれるも、後続を断って青柳は6回2失点で交代。7回裏は二番手及川が三者凡退に抑える。8回表、四番手三上から大山が猛打賞となるセンター前ヒットを放ち、糸原もライト前ヒットで続くが、代打糸井、佐藤輝は凡退で追加点はならず。8回裏、三番手の岩崎は佐野のセンター前ヒットと牧への四球で1死一二塁とされ、楠本にセンターの頭上を襲う大きな当たりを打たれたが、近本の好捕でセンターフライに。宮崎をショートゴロに抑えて切り抜ける。9回表、五番手田中健に抑えられたが、9回裏は吸うレスが柴田と森を連続空振り三振に取るなど3人でぴしゃりと抑えて37セーブと独走。青柳が久しぶりの勝利で自己最高となる11勝をあげた。ヒーローインタビューはホームランを含む3安打2打点の大山。
◎ベイスターズ24回戦……2-0
 タイガース西勇、ベイスターズ大貫の投手戦。3回表、1死から西勇と近本の四球でチャンスをもらうが、中野とマルテがともに打ち上げて得点できず。4回表、センター前ヒットの大山を置いてロハスJr.が右中間スタンドにツーランホームランを放ち、先制する。これがこの試合の両チームの唯一の得点となる。4回裏、楠本と牧の連打で無死二三塁とされるが、宮崎の痛烈な当たりは一塁マルテの正面。ランナーを目で抑えつつ一塁を踏む。ソトの投手ゴロでホームに突っこんできた楠本は三本間で狭殺。2死一三塁となり、大和をレフトフライにしとめてピンチを脱した。6回表、糸原とロハスJr.が連続四球で出るも、佐藤輝は逃げるスライダーに手を出し空振り三振。梅野はショートゴロ併殺で追加点は取れず。6回裏、楠本のセンターの頭上を越えるかと思われた当たりは近本が好捕。牧は空振り三振。宮崎のレフトフェンスに当たるヒットはロハスJr.が判断よくクッションボールを捕ってシングルヒットにとどめ、ソトはチェンジアップを効果的に使い空振り三振。7回表、代打小野寺のショートゴロは名手大和がグラブからこぼしてエラー。近本のライト前ヒットと中野のバントで1死二三塁とするも、ここで大貫から交代して二番手三上の前にマルテは歩いて満塁としながら大山は捕手へのファールフライ。さらに三番手田中健の前に糸原は一塁ゴロでまたも追加点ならず。西勇は6回無失点で交代し、7回裏は二番手アルカンタラが大和、戸柱、代打神里をいずれもショートゴロ打ち取る三者凡退。8回表、四番手ピープルズからロハスJr.がライト線に二塁打を放ち、代走に熊谷。代打島田のバントで熊谷は三進。しかし梅野のセーフティスクイズは捕邪飛となり、代打糸井も捕邪飛でここも追加点はならず。8回裏はセットアッパーの岩崎が桑原将にセンター前ヒットを打たれるも佐野の二塁ゴロは木浪が桑原将にタッチしてから一塁に送り併殺。9回表は五番手砂田から近本がヒットで出て中野のバントで二進。砂田から六番手平井に交代。マルテも大山も打ち上げて結局何度もチャンスを作っては潰す。それでも9回裏はスアレスが三者凡退で38セーブ。ヒーローインタビューは6勝目の西勇。
◎ベイスターズ25回戦……3-4
 タイガース伊藤将とベイスターズロメロが先発。3回表、タイガースが先制。1死から近本がユニフォームをかする死球で出ると、2死後、マルテのレフト線へのタイムリー二塁打で1点を奪い、続く大山が20号のツーランホームランをレフトスタンドに放りこみ、3点差とする。しかし、このあとタイガースは追加点を取ることができなかった。4回裏、ここまで無得点に抑えてきた伊藤将だったが、牧のヒットと宮崎の投手ゴロを自ら悪送球で生かしてしまい無死二三塁に。ソトのショートゴロの間に牧が生還して2点差に。1死三塁で大和は見逃し三振に取るが、山本祐の三塁ゴロは大山が三塁走者を気にして一塁送球もできず宮崎が生還してタイムリー内野安打となり、1点差に。4回表、大山は脇腹に当たる死球で悶絶。それでも一度ベンチに入り、すぐにグラウンドに戻ってきた。糸原の一塁ゴロで大山は二進。しかしロハスJr.は空振り三振に倒れ、島田はセンターフライで追加点が取れない。伊藤将は5回2失点で降板。二番手のアルカンタラは6回裏と7回裏をきっちりと抑える。8回裏、次のカードのスワローズ戦を意識してか、三番手は岩崎ではなく及川。牧を歩かせ宮崎空振り三振の間に二盗を許す。矢野監督自らマウンドに行き及川に声をかけたが、これが逆効果となったかのように、ソトにセンターふんす最上部に当たって跳ね返る逆転ツーランホームランを打たれてしまう。ここで及川は降板し、三番手小川一がなんとかしのいだ。9回表はエスコバーの前に三者凡退に倒れ、連勝はストップ。スワローズがジャイアンツにサヨナラ勝ちしたため、ゲーム差は2.0と開いた。
◎スワローズ21回戦……1-4
 タイガースの先発は高橋遥。1回裏、1死から青木にライト前ヒットを打たれると、山田はショートゴロで二封するも一塁はセーフ。村上宗に右中間を越える二塁打を打たれ、山田は一気にホームをつは、判定はセーフ。矢野監督のリクエスト申請でも判定は覆らなかったが、角度によってはアウトに見える微妙なプレーで、これがセーフになるのが今のスワローズの勢い。2回裏には西浦にレフトポール直撃のソロホームランを打たれるが、ポールに当たっていなければファールかという当たり。流れはスワローズにある。スワローズの先発は奥川。1死から梅野が二塁ゴロエラーで出、高橋遥のバントで二進。しかし近本はセンターフライに倒れる。この試合、奥川は徹底的に近本と中野をマークして塁に出さず、タイガースの得点パターンを崩しにかかっていた。4回表、大山のライトスタンドへのソロホームランで1点差に。5回裏、連打のサンタナと西浦を奥川が送り、塩見のライト前2点タイムリーヒットで3点差とされてしまう。高橋遥は6回4失点で降板。6回裏と7回裏は馬場が、8回裏は小林が抑えて試合を壊さない。7回表、マルテと糸原のヒット、島田の四球で2死満塁としたところで奥川が降板。代打糸井を送ると、二番手は左腕田口。糸井は空振り三振に倒れて同点機を逸した。スワローズは6回表清水、9回表マクガフの必勝リレーでタイガース打線を封じ、マジックナンバー11を点灯させた。
◎スワローズ22回戦……2-1
 マジックは点灯されたが、直接対決で減らされるわけにはいかない試合。タイガース秋山、スワローズ高橋奎の投手戦。1回表、近本がストレートの四球で出塁。中野は空振り三振に倒れたが、マルテも歩き一二塁とし、大山のレフト前タイムリーヒットで1点を先制する。1回裏、青木のヒットと村上の四球で2死一二塁とされ、オスナにあわやセンターフェンス直撃という大きなフライを打たれたが、近本が好捕。ここを無失点で乗り切ったことでスワローズに流れをやらなかった。2回裏、中村とサンタナの連打で無死一三塁とされたが、西浦、高橋奎、塩見を三者三振にとって切り抜ける。3回裏、青木にライト線に二塁打を打たれ、1死後、村上を申告敬遠。オスナは浅いレフトフライに打ち取ったが、中村にセンター前に落ちる同点タイムリーヒットを打たれる。サンタナに四球で満塁とされたが、西浦をレフトフライに打ち取り、リードは許さず。ここでの秋山の粘りも大きかった。高橋奎は2回以降調子をあげ、5回裏には秋山、近本、中野が三者三振。しかし球数の関係からか5回1失点で降板。6回表は二番手石山が登板。1死から大山が打った三塁ゴロは村上宗の悪送球で出塁。しかし糸原と小野寺は連続三振。秋山も5回1失点で降板し、6回裏は二番手アルカンタラが2死から西浦のヒットと代打宮本への四球でピンチを招くが、塩見を空振り三振に取る。7回表、三番手今野からロハスJr.がライト前ヒットを放ち代走に熊谷。坂本誠のバントで熊谷は二進。島田の打球は一塁オスナの前でイレギュラーバウンドし、ライト線に転がるタイムリー二塁打となる。近本の一塁ゴロで島田は三進。追加点が期待されたが、中野のセンター前に抜けるかという当たりをショート西浦が好捕してショートゴロに。ここはまだタイガースにつきがない。7回裏は三番手岩崎が山田、村上宗を連続空振り三振に取るなどよく抑え、8回表、A・スアレスが登板。三者凡退に抑えられる。8回裏、オスナを二塁ゴロに取ったところで岩崎から四番手R・スアレスに交代。同一回の表裏で兄弟が登板という珍しい記録になった。R・スアレスはここは抑える。9回表、A・スアレスは続投。木浪は一塁ゴロエラーで出塁し、代走に植田。クマガイのバントで植田は二進。坂本誠が三塁ライナーに倒れたところで五番手田口に交代。島田はショートフライで追加点はならず。9回裏、続投のR・スアレスから代打川端がショート内野安打で出塁。川端の代走に山崎。代打荒木貴のバントは捕者へのフライとなったが塩見のライト前ヒットと青木のショートゴロを山本泰がとりそこない1死満塁に。ここでE・スアレスもギアを上げ、山田を二塁へのフライに打ち取ると、村上宗は投手ゴロでなんとか逃げ切り、点灯したマジックナンバーはそのままに。中継ぎで好投のアルカンタラが3勝目。R・スアレスは39セーブで40セーブに王手をかけた。ヒーローインタビューは決勝タイムリーの島田。
◎スワローズ23回戦……4-6
 タイガースの先発はガンケル。1回裏、塩見、山田を歩かせ、村上宗には死球で1死満塁に。オスナにレフト前に落ちるタイムリーヒットを打たれて先制を許すも後続を断ち最少失点にとどめた。スワローズの先発は石川。3回表、2死からマルテのヒット、大山の四球、糸原の投手強襲ヒットで満塁とするも、小野寺が空振り三振で得点できず。3回裏、青木にバックスクリーンに飛びこむソロホームランを打たれて2点差とされる。4回表、1死から梅野のレフト前ヒット、代打山本泰の二塁打、近本の四球で満塁とし、中野のセンター前2点タイムリーヒットで同点に。ここで石川は降板。二番手は大西。マルテが歩いてまたも満塁となり、大山の三塁ゴロを村上宗がトンネルし2点リードとなる。2死後、小野寺の内野安打で満塁とするも、佐藤輝はレフトフライに倒れてさらなる大量得点にはつながらず。4回裏、二番手馬場が抑えると、5回表は三番手A・スアレスから中野の二塁打などで2死二三塁とするもマルテが一塁ゴロに倒れて追加点はならず。5回裏、続投の馬場が塩見にバックスクリーンへソロホームランを打たれて1点差とされる。ここで三番手及川を投入。青木に死球、山田に四球、村上宗に死球と無死満塁として、降板。四番手小川一はオスナにセンター犠牲フライを打たれて同点に追いつかれる。6回表、四番手石山から大山が二塁打、糸原がレフト前ヒットで無死一三塁とするも、小野寺の投手ゴロで大山が本塁に突入したが石山の好守の前にタッチアウト。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。代打糸井に対して五番手田口が登板し、糸井は空振り三振。梅野隆が歩いて満塁とするも、島田が空振り三振でこれだけチャンスを作りながら得点できず。6回表、五番手アルカンタラが元山のヒットと代打嶋のバントで1死二塁とされ、塩見のセンターオーバーのタイムリー二塁打で勝ち越しを許す。青木を歩かせ、山田にレフト前タイムリーヒットを打たれて2点差に。7回表は六番手今野に抑えられ、7回裏は小林が中村のヒット、代打川端と塩見への四球で2死満塁とされるも青木をセンターフライに打ち取り、辛くも抑える。8回表は七番手清水に抑えられ、8回裏は七番手岩崎がオスナと中村にヒットを打たれながらも無失点で切り抜ける。9回表、クローザーのマクガフに対し島田と中野の内野安打で2死一二塁と食い下がったが、マルテは見逃し三振に倒れ、スワローズの優勝マジックを9に減らしてしまった。ふたケタ安打もふたケタ残塁ではどうしようもなく、ホームランでやすやすと得点するスワローズとの勢いの差を感じた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 負けられない完投遠征の初戦を任され、好投。自己最多を更新する11勝でハーラートップ。競争相手の高橋優(G)が一時の思い切りがなくなっているだけに、初のタイトル獲得も視野に入ってきた。
野手……中野拓夢
 他の選手たちが緊張のあまり打席でがちがちになっているのに、中野だけは前半戦同様超積極的野球であきらめていないところを見せてくれた。他の選手も負けてられんぞ。

 次節は関東遠征の締めくくり。東京ドームでジャイアンツ3連戦。現在6連敗中と元気のないジャイアンツだけに、ここで1つでも負けるわけにはいかない。実はこのジャイアンツの失速は予想していて、それでタイガースの優勝間違いなしと踏んだのだが、スワローズがここまで勢いをつけてくるとは思わなんだ。2日間明け、甲子園球場でカープ2連戦。実はそのあと休む間もなく甲子園でスワローズ、ドラゴンズと試合を消化しなければならない。シーズン終了は目の前にきている。
 荒木郁也内野手、伊藤和雄投手、石井将希投手、育成の鈴木翔太投手、藤谷洸介外野手が戦力外通告。石井、鈴木の両投手はまだ現役続行を希望しているという。トライアウトを受けることになるのだろうが、独立リーグでもいい、社会人野球でもいい、最後まで納得がいくまでプレーを続けてほしいものだ。
 そしてドラフト会議では森木投手(高知高)、鈴木勇斗投手(創価大)、桐敷投手(新潟医療福祉大)、前川外野手(知辯学園高)、岡留投手(亜細亜大)、豊田外野手(日立製作所)、中川勇斗(京都国際高)、育成枠で伊藤稜投手(中京大)を指名した。森木や前川は将来性をかっての指名だろうが、及川や西純のように2年目くらいでもう一軍に上がれるようになってほしい。そして、下位指名の選手には、岩崎、青柳、小川、中野のように指名順など関係ない活躍を期待している。

(2021年10月11日記)


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