スワローズのマジック点灯で1つも負けられなくなった中での、東京ドームでのジャイアンツ3連戦。初戦は青柳の好投でとり、。2戦目は西勇の好投もあり引き分け。3戦目は高橋遥がジャイアンツキラーぶりを発揮して勝ち、2勝0敗1分。2日間開けた甲子園でのカープ戦では、初戦カープキラーのはずの秋山がホームランを3本も打たれて落とすが、2戦目は伊藤将の好投で1勝1敗。今節は3勝1敗1分。今季通算74勝55敗8分で勝率.574で2位以上を確定させた。首位のスワローズとは2.5ゲーム差。スワローズの優勝マジックナンバーは4。
◎ジャイアンツ23回戦……2-1
ジャイアンツの先発はメルセデス。2回表、1死からロハスJr.がレフト前ヒットで出ると、佐藤輝がライト前ヒットで続く。坂本誠はセンターフライに倒れたが、青柳がライト前にキー弾き返し、ライトゴロを狙われるも青柳は全力疾走しておりヒットで2死満塁に。近本のライト前2点タイムリーヒットで先制する。5回表、近本が二塁打で出ると、中野のバントは投手のメルセデスが一塁へ悪送球。その間に近本は三進。一三塁のチャンスにメルセデスは故障を訴え降板。二番手は田中豊。小野寺の打席で中野が二盗。しかし小野寺はショートゴロで走者は釘づけ。マルテは申告敬遠で、1死満塁としたが、糸原は捕邪飛、ロハスJr.は空振り三振で追加点は取れず。6回表、三番手高木に対し坂本誠の二塁打と青柳のバントで2死三塁としたが、近本は二塁ゴロで追加点はならず。タイガースの先発は青柳。5回まではゴロを打たせてとる持ち前の投球が冴えて抑えていたが、6回裏、松原にライト前ヒットを打たれると、立岡の一塁ゴロはマルテが判断よく二封する。坂本勇の三塁ゴロで二封するも一塁はセーフで走者を残す。岡本和にライト前ヒットを打たれると、丸のタイムリー二塁打で1点差とされる。代打亀井には左ふくらはぎに当ててしまい2死満塁に。しかし大城を空振り三振に取ってリードを保つ。7回表は四番手の高梨に三者凡退に抑えられる。7回裏、1死から代打ウィーラーにヒットを打たれ、2死後、立岡の三塁ゴロは、この試合欠場した大山の代わりに三塁を守る佐藤輝がグラブに当ててこぼし、エラーで一二塁とされた。それでも坂本勇をショートゴロに打ち取り、7回1失点で交代。8回表、五番手中川に対して糸原がショートへの内野安打で出るが、後続を断たれる。8回裏、二番手の岩崎は岡本和を歩かせ、代走に増田大。1死後代打中田翔にレフト前ヒットを打たれる。2死後、代打若林を歩かせて満塁に。ウィーラーを迎えたところで三番手のスアレスを投入。ウィーラーはショートゴロで無失点で切り抜ける。9回表はデラロサに抑えられたが、9回裏、スアレスは立岡と坂本勇を連続空振り三振に取り、逃げ切った。これでジャイアンツに今季勝ち越し。青柳が九里(C)と並ぶ12勝目をあげてハーラーダービートップにまたも並ぶ。ヒーローインタビューは呉昇桓以来の40セーブを記録したスアレス。
◎ジャイアンツ24回戦……2-2
タイガースの先発は西勇。1回裏、松原にライト線に二塁打を打たれ、坂本勇のセンターフライで三進。丸を歩かせ、岡本和にはセンターへの犠牲フライで先制点を許す。ジャイアンツの先発は菅野。2回表、糸原と木浪がヒットで出ると、坂本誠がレフト前タイムリーヒットを放って同点とする。2死後、島田の一塁ゴロを中田翔が好捕し、一塁は惜しくもアウト。矢野監督のリクエスト申請も実らず。2回裏、ウィーラーの四球と若林のレフト前ヒット、菅野のバントで1死二三塁とされ、松原の二塁ゴロの間にウィーラーが生還してまた1点のリードを許す。ここで西勇は手首の異常を訴えて降板。2番手の馬場は坂本勇を三塁ゴロに打ち取り追加点を防ぎ、3回裏まで無失点の好投。4回表、2死から坂本誠がレフトスタンドにソロホームランを放ち同点に。タイガースは4回裏から6回裏まで伊藤将が、7回裏と8回裏はアルカンタラが好投。菅野も7回2失点で降板。8回表は中川に、9回表はビエイラが抑える。9回裏、スアレスが登板。ウィーラーの二塁打でサヨナラの走者を出すと、代打中島の三遊間のゴロは中野が好捕するも三塁タッチはできず1死一三塁のピンチを招くが、吉川、松原を連続空振り三振に取ってサヨナラ負けを阻止して、CS2位以上を確定した。
◎ジャイアンツ25回戦……3-0
タイガース高橋遥、ジャイアンツ山口の投手戦。2回裏、1死からウィーラーを歩かせ、中田翔の大きなレフトフライでウィーラーは二進。ヘッドスライディングでファイトを見せるが、若林はレフトフライでジャイアンツ打線はつながらない。4回表、1死から中野がライト線に二塁打を放ち、近本のセーフティバントが内野安打となり一三塁と攻め立てたが、マルテ、糸原は凡退。みちらもあと1本が出ない。5回表、ロハスJr.がセンター前ヒットで出ると木浪との間でエンドランを仕掛け、木浪は三塁ゴロに倒れたがロハスJr.は二進。しかし坂本誠は空振り三振。高橋遥の打席でロハスJr.が釣りだされて二三塁間で狭殺。5回裏、中田翔にレフト前ヒットを打たれ、これがこの試合唯一の被安打。この後、若林、小林。山口を三者三振にって相手を寄せ付けず。6回裏、1死から坂本勇を歩かせたが丸と岡本和を連続見逃し三振に取る。7回表、2死からロハスJr.が左中間に二塁打を 放ち、代走に板山。板山はこの後レフトの守備につく。木浪は二塁ゴロでまたも得点できず。山口は7回無失点でマウンドを降りた。8回表、二番手畠から坂本誠、代打佐藤輝が連続三振。島田が歩くと、三番手は中川。中野の打席で島田が釣りだされて二三塁間で狭殺。8回裏は岩崎が三者凡退に抑え、9回表、クローザーのビエイラがマウンドへ。中野がレフト前ヒットで出ると、近本の三塁ゴロは岡本和がどこにも送球できず内野安打に。しかしマルテは二塁へのインフィールドフライ、糸原は空振り三振に倒れる。矢野監督は代打を出さずあえて板山で勝負。ファームでの勢いそのままに、ライト頭上フェンス直撃たいむりーにるいだを放ち、ついに先制点。木浪もレフト線に2点タイムリー二塁打で追加点を上げる。ビエイラは降板し、高梨が後続を断つも、9回裏はスアレスが坂本勇、丸を連続三振にとると、岡本和はレフト板山のグラブに吸い込まれるようなレフトライナー。スワローズがドラゴンズと引き分け、2ゲーム差に。岩崎が3勝目。スアレスが41セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の板山。
◎カープ22回戦……2-4
タイガース秋山、カープ玉村の投手戦。先制したのはカープ。3回表1死から林にレフトスタンドへソロホームランを打たれると、2死後、宇草にライトスタンドにソロホームランを打たれ、2点を失う。3回裏、坂本がレフト前ヒットで出ると、秋山のバントで二進。近本のライト前ヒットで一三塁とするも、中野の捕手へのゴロで坂本が三本間で狭殺。しかし、近本と中野はその間に二三塁に進塁。マルテはショートゴロで走者を返せず。4回表、1死から鈴木誠に左中間スタンドに飛びこむソロホームランを打たれて3点差とされてしまう。4回裏、1死から糸原とロハスJr.のヒットで2死一二塁とするも、坂本は空振り三振でまたも走者を返せず。秋山は5回3失点で降板。6回表、二番手は及川。卯木差にレフト前ヒットを打たれ、小園のバントは三塁大山が二塁に送球するもセーフ。一塁に転送されたがこちらもセーフで、犠打野選となる。西川のバントで1死二三塁とされ、鈴木誠は申告敬遠で満塁に。ここで及川は坂倉、菊池と浅い外野フライに打ち取り、なんとか切り抜ける。7回表、三番手小川は林のヒットと玉村のバントなどで2死二塁とされたが宇草をショートゴロに打ち取り、なんとかしのいだ。7回裏、玉村に疲れが見え、ヒットの小野寺を置いてロハスJr.が左中間スタンドに1点差に迫るツーランホームランを放つ。坂本も大きなライトフライ。ここで玉村は降板。二番手森浦から代打木浪がレフト前ヒットを放ち、代走に島田。近本の打席で島田が二盗。近本は二塁ゴロで島田は三進。とかと中野はライトフライに倒れ、またもチャンスを逃す。8回表、四番手アルカンタラが鈴木誠に左中間スタンドにこの試合2本目となるソロホームランを浴び、2点差に。8回裏は三番手島内の前に三者凡退。9回表は馬場が抑えて打線の奮起を待つも、9回裏、クローザーの栗林から代打板山の四球と代打糸井のライト前ヒットで1死一二塁とするも代打佐藤輝は空振り三振。近本はショートゴロに打ち取られ、逆転優勝から遠のいてしまった。
◎カープ23回戦……2-1
タイガース伊藤将、カープ九里の投手戦。先制したのはタイガース。3回裏、佐藤輝が右中間を破る二塁打。ライト鈴木誠が返球を焦りファンブルする間に三進。坂本のセンターへの犠牲フライで1点を先取した。伊藤将は4回表まで一人の走者も出さず。4回表には宇草の一塁横を襲うゴロをマルテが好捕し、ベースカバーに入った伊藤将が送球を素手で捕るという必死のプレーも。4回裏、中野のライト前ヒットとマルテのレフトフェンスに当たる二塁打で無死二三塁のチャンスを作る。大山三振のあと、糸原が歩いて満塁とするが、ロハスJr.、佐藤輝が連続空振り三振で追加点は取れず。5回表、坂倉にライト前に初安打を打たれ、菊池涼にもライト前ヒットを打たれるが、堂林をセンターフライに打ち取ると、林は空振り三振で切り抜ける。7回表、西川にライト前ヒットを打たれるが、鈴木誠をショートゴロ併殺に打ち取り、坂倉には投手直撃の強襲ヒットを打たれ、ベンチで治療したあと菊池涼を三塁ゴロに打ち取ってここも無失点で切り抜けた。7回裏、糸原とロハスJr.の連打でチャンスを作り、ロハスJr.の代走に板山。代打島田はバントを失敗したあと見逃し三振に倒れたが、坂本のレフト前ヒットで満塁とし、代打糸井のレフト犠牲フライで2点目を追加。ここで九里は降板。二番手は高橋樹。近本は二塁ゴロに倒れ、大量得点にはならず。8回表、二番手の岩崎は堂林に二塁打を打たれると、代打長野のセンター前タイムリーヒットで1点差に詰め寄られる。無死一塁で、代打會澤のレフト前へのライナーは板山が地上すれすれでダイレクトキャッチし、飛び出していた代走大盛は帰塁できず一塁返球で併殺に。佐々岡監督のリクエスト申請も判定は覆らず。8回裏、三番手コルニエルに対し中野が歩くと、マルテの三塁ゴロで二進。大山は三振に倒れ、ここでコルニエルは降板し、バードがマウンドに。糸原はショートゴロに倒れて追加点はならず。9回表はスアレスが三者凡退で締めて、カープ戦の連敗を4で止めた。ヒーローインタビューは先制犠飛と好リードの坂本と、9勝目をあげた伊藤将、42セーブを記録して今季のセーブ王のタイトルを確定したスアレス。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ロベルト・スアレス 42セーブを記録し、タイガースの外国人投手では呉昇桓の記録を越えた。さらにカープせなのセーブで2位の栗林が残り試合すべてセーブをつけてもスアレスを抜くことができなくなったので、最多セーブも確定。疲れは見えているが、それでも抑えるのはさすが。
野手……坂本誠志郎 今節は梅野に代わって全ての試合で先発マスクをかぶり、好リードで投手戦を制した。打撃でも菅野からホームランを放つなど、梅野に負けない活躍。まさか梅野がFAで退団した時のことを考えての起用、ではないと思うが、来季の正捕手争いも楽しみになってきた。
次節は甲子園でスワローズとの最終対決2連戦と、ドラゴンズ戦。1日置いてマツダスタジアムでカープ2連戦。最終戦はさらに1日置いて甲子園でドラゴンズ戦。優勝の可能性はかなり低くなってきたが、スワローズの胴上げを目の前で見たくはない。奇跡的に逆転優勝を……と、ここにきてまだそんな夢が見られるのはありがたいことである。
育成選手の奥山皓太外野手が戦力外に。静岡大出身ということで話題になったが、支配下登録を勝ち取ることはできなかった。退団後は現役を引退する模様。新たなステージでの活躍を祈っている。
(2021年10月18日記)