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甲子園開幕戦で西勇輝が今季初完封

 甲子園に戻り、ベイスターズ戦。今季の甲子園開幕戦は西勇が完封勝利。初回には佐藤輝が今季第1号ホームランを放った。2戦目は伊藤将が9回2死まで無失点で完封目前というところで牧に同点打を打たれ、延長12回表に齋藤が打ち込まれて連勝ならず。予定されていた3戦目はベイスターズに新型コロナウィルス感染症の陽性者が多数出て、中止になり、1勝1敗。続く甲子園球場のカープ戦は、初戦は藤浪が先制されたが1点ずつ返して追いつき延長12回引き分け。2戦目は秋山が集中打を浴び、大敗。3戦目はガンケルが1失点に抑えたが打線が遠藤淳の前に沈黙し、惜敗。、このカード0勝2敗1分。今節は1勝3敗1分。今季通算1勝12敗1分で勝率.077の単独最下位。首位のカープとは8、5差。

◎ベイスターズ1回戦……4-0
 今期甲子園の開幕戦。ベイスターズの先発はロメロ。1回裏、近本がセンター前ヒットで出ると、中野の打席でロメロが暴投し、近本は二進。中野のライト前タイムリーヒットで先制すると、1死後、佐藤輝がライススタンド最前列に、浜風に押し戻されながらもツーランホームランを放ち、3点差とする。タイガースの先発は西勇。2回表、宮崎にレフト前ヒットを打たれ、関根の一塁ゴロで二封。大和にレフトを越える二塁打を打たれて1死二三塁とされる。しかし山本祐を空振り三振に取り、ロメロは二塁ゴロでピンチを脱した。ピンチらしいピンチはこの回のみ。以後は走者は出しても後続を断ち、打たせて取るていねいな投球でベイスターズ打線を寄せ付けない。2回裏、小幡がライト線に二塁打を放つと、西勇のバントで三進。近本の打席でロメロが暴投。山本祐が後ろらそらす間に小幡は本塁を狙う。ロメロのタッチも及ばずホームインし、4点差に。三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。4回表、1死から関根がヒットで出るも、大和の打席で西勇のワンバウンド投球を見た関根が二塁を狙うも、坂本の好送球でタッチアウト。大和はレフトフライに打ち取る。ロメロは4回4失点で降板。5回裏、二番手砂田から近本が四球をえらび、1死後、糸井のライトファールフライを楠本がフェンス際で好捕。佐藤輝もセンターフライに倒れて追加点はならず。6回裏は三番手入江が糸井に振り逃げを許すなど苦しい投球をするも無得点。7回裏は田中健に三者凡退に抑えられ、8回裏には伊勢に抑えられた。9回表、西勇は牧、宮崎、関根を凡退させ、今季初勝利を完封で飾り、開幕からの連敗も9で止めた。ヒーローインタビューは完封勝利の西勇と今季第1号ホームランで突き放した佐藤輝。
◎ベイスターズ2回戦……1-6
 タイガース伊藤将、ベイスターズ石田の投手戦。3回表、1死から戸柱にレフト前ヒットを打たれ、石田のバントで二進。桑原を歩かせ一二塁とされたが、楠本はレフトフライでピンチを切り抜けた。4回裏、2死から糸井がチーム初安打を放つも、佐藤輝はショートフライでつながらず。5回裏、四球の大山とセンター前ヒットの坂本を置いて、2死一二塁から伊藤将がレフト前に落ちるタイムリーヒットを放ち、1点先制。伊藤将はこれがプロ入り初打点。近本が歩いてつなぐも、中野は空振り三振で追加点はならず。6回裏、糸井の四球と大山の内野安打で2死一三塁とするも、坂本は空振り三振でチャンスを逸した。石田は6回1失点で降板。7回裏は二番手砂田。小幡のヒット、伊藤将のバント、近本の内野安打で1死1三塁とするも、中野はショートライナーを大和に好捕され、糸井の一塁ゴロでまたも追加点ならず。8回裏、三番手エスコバーに対し2死から糸原がライト前ヒットを放つも、代走の熊谷が2盗失敗。9回表、プロ入り初完封をかけたマウンドで、伊藤将は桑原を歩かせ、楠本のバントで二進。佐野は三塁ゴロに打ちと取ったが、牧のセンター前の当たりは近本がスライディングキャッチを試みるも無情にもその手前に落ち、同点タイムリーとなる。それでも伊藤将は宮崎をセンターフライに打ち取り、9回の攻撃に賭ける。しかし9回裏、四番手三嶋の前に3者凡退で延長戦に。10回表は二番手岩崎が貫録の3者凡退。10回裏、五番手の田中健から中野が二塁打を放つもう族を断たれて得点できず。11回表、三番手の湯浅が大田にライト佐藤輝のスライディングキャッチの横を抜く三塁打を打たれてピンチを招くが、桑原を空振り三振、楠本を一塁ゴロ、佐野をショートゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた。11回裏、六番手伊勢に対し、ヒットの大山を熊谷が送り、代打ロハスJr.は申告敬遠。小幡は見逃し三振、梅野はショートゴロでサヨナラのチャンスをまたもつぶす。12回表、四番手齋藤が牧のヒットと宮崎への四球で走者をため、大和の打席で牧が三盗。大和のレフト前タイムリーヒットでついにリードを許す。ここで齋藤は降板し、四番手桐敷がマウンドに。代打山下の一塁ゴロは山本泰が三塁に送るも際どいセーフ。野選が記録され無死満塁となり、戸柱は空振り三振に取ったが大田にレフトの頭上を越す走者一掃の3点タイムリー二塁打を打たれ、4点差に。桐敷はここで五番手馬場と交代。桑原のヒットと楠本のレフト犠牲フライで5点差とされる。12回裏、七番手山崎の前に三者凡退で試合終了。あと1球で連続完封勝利だったが、その1球でそこまでの好投がふいになる怖さ。その怖さを糧として、伊藤将には次回こそ完封勝利を達成してほしい。
◎カープ4回戦……3-3
 タイガースの先発は藤浪。1回表、西川を歩かせ菊池涼の投手ゴロで二進。小園にも四球で、松山のセンターフライで西川は三進。坂倉にライト前タイムリーヒットを打たれて1点先制される。カープの先発は大瀬良。中野と佐藤輝のヒットで2死一三塁としたが、大山はレフトフライに倒れて同点機を逸する。2回表、1死から上本に二塁打を打たれ、大瀬良の一塁ゴロで上本は三進。西川にライト前タイムリーヒットを打たれて2点差とされる。4回表、1死から上本を歩かせ、大瀬良のバントで二進。西川に右中間を破るタイムリー三塁打を打たれて3点差に。しかし4回裏、大山のレフトスタンドに飛びこむソロホームランで2点差とする。藤浪は4回3失点で降板し、5回表は二番手桐敷が小園と松山の連打で無死一二塁とされるが、坂倉を空振り三振に取ると、三番手浜地に交代。浜地は長野を三塁ゴロ併殺に取り、追加点は許さず。5回裏、代打木浪と近本の連打と中野のバントで1死二三塁とし、糸井の犠牲フライで1点差に。6回表、四番手の小川が上本への死球などで2死一三塁とされるも菊池涼を見逃し三振に取りここもピンチを切り抜ける。6回裏、糸原がヒットで出ると、梅野のバントで二進2死後、代打ロハスJr.のライトの頭上を越えるタイムリー二塁打でついに同点に追いついた。タイガースは7回以降はアルカンタラ、岩崎、湯浅、馬場のリレーでカープ打線を封じ、カープも塹江、中崎、、島内、黒原、菊池保、栗林のリレーで一歩もひずかず、4時間53分の熱戦は引き分けに終わった。
◎カープ5回戦……1-9
 カープの先発は森下。1回裏、ライト前ヒットの近本を中野が送り、ロハスJr,が歩いて1死一二塁とするも、佐藤輝はレフトフライに倒れ、大山は空振り三振で立ち上がりをつかまえられなかった。タイガースの先発は秋山。2回表、坂倉にセンター前ヒットを打たれると、會澤のバントで二進。堂林のレフト線のタイムリー二塁打で先制点を許す。上本のライト前ヒットで1死一三塁とされ、森下には何度かスクイズを試みられるもファールにしていたが、スリーバントのセーフティスクイズを決められ、秋山は本塁に送球するもタッチできずタイムリー野選となった、さらに西川にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、一挙3点を失う。3回表、内野安打のマクブルーム、四球の坂倉、レフト前ヒットの會澤を置いて、無死満塁とされるも、堂林はファールフライ、上本は三塁へのライナーで2死までこぎつけた。しかし森下に右中間を破る走者一掃のタイムリー三塁打を打たれ、6点差に。秋山はこの回限りで降板。4回表、二番手は今季初登板の岩貞。走者は許したが2奪三振と追加点は許さず。4回裏、佐藤輝がレフトポール際にソロホームランをなはって5点差としたが、結局このホームランが唯一の得点となる。5回表は浜地が抑える。5回裏、1死から2シーズンぶりに一軍昇格した高山が代打でセンター前ヒットを放つも、続く近本は二塁ゴロ併殺。6回表、四番手の小川がヒットの西川を菊池涼のバントで送られ、小園を歩かせると、マクブルームにタイムリー二塁打を打たれまたも6点差に。坂倉は一塁ゴロに取り、小園は三本間で狭殺。しかし二三塁と走者を残し、會澤に2点タイムリーヒットをライト前に打たれて8点差に。8回表からは五番手齋藤がカープ打線を封じた。しかし森下に完全に手玉に取られた打線は沈黙。9回裏、佐藤輝と梅野のヒットで2死一二塁としたが、代打山本泰は二塁へのフライを打ち上げてしまい、完投勝利を許してしまった。
◎カープ6回戦……0-1
 カープの先発は遠藤淳。1回裏、近本がセンター前ヒットで出るも、中野はショートゴロ併殺。糸井がすぐにライト前ヒットを放つというちぐはぐな攻撃となり、佐藤輝は見逃し三振で先取点は取れず。タイガースの先発はガンケル。2回表、マクブルームにレフトポール際にソロホームランを打たれたが、それ以外は得意のゴロアウトでカープ打線にチャンスを与えない。遠藤淳も速球とチェンジアップのコンビネーションでタイガース打線を翻弄。5回裏、糸原が久々にヒットを放つも、小幡のヒット性の打球はライトフライに。どちらのチームにも流れがこない。6回表、西川にヒットを打たれるも菊池涼を投手ゴロ併殺に取る。7回裏、佐藤輝が右中間に二塁打を放つも、大山のショートゴロで三進したものの糸原は二塁へのフライで同点機を逸した。ガンケルは7回1失点で無念の降板。8回表は湯浅が、9回表は岩崎がカープ打線を封じこめるが、8回裏は1死から代打島田に今季初安打が出るも、代打ロハスJr.はレフトフライ。ここで二番手塹江がマウンドに上がり、近本はショートフライに打ち取られる。9回裏、クローザーの栗林に対し、中野がヒットと暴投、糸井の二塁ゴロで三進し、1死三塁と同点のチャンスを迎えるが、佐藤輝は空振り三振、大山も空振り三振で試合終了。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝
 今季唯一の勝利は西勇の完封勝利のみ。ベスターズ打線をていねいに打ち取り連打を許さない投球で、これは私も直に甲子園で見ていたのだが、胸のすく投球だった。時点でガンケルと伊藤将。打線の援護があれば勝っていたはず。西勇の場合は序盤に打線の援護があったのも大きかった。
野手……高山俊
 2年ぶりに一軍昇格し、その初打席で代打で放ったヒットに、泣きそうになった。怪我をしているわけでもなく、二軍では試合に出続けて出番を待っていたのに、昨年は一度も一軍に上がることがなかった。矢野監督は高山を飼殺しにする気かと本気で思っていた。新人王にも輝いた天才的なヒットメーカーを、球団が寄ってたかってつぶしにかかっているようにしか見えなかった。一軍で常時出場してこそ値打ちのある打者だ。今後は不安定なロハスJr.よりも高山をスタメン起用してもらいたいと、切に願う。 

 次節はバンテリンドームでドラゴンズ戦。西勇、伊藤将、藤浪が先発予定。ただでさえ苦しい時に鬼門ナゴヤとは厳しいことだが、逆にロースコアの投手戦で岩崎、湯浅の勝ちパターンを確立させるチャンスかもしれない。甲子園に戻ってジャイアンツ戦。秋山が二軍落ちしたが、ついに幻の開幕投手青柳と、新外国人ウィルカーソン、そして今節好投したガンケルがジャイアンツ打線を押さえこむはずだ。打線もそろそろ上向きになってくるころ。今は負けがこんでいるので選手たちがみな焦ってボールの見極めもできていないという状態なので、もう一度徹底的にバットを振りこんで好逑必打でいってほしい。矢野監督途中解任をサンスポや産経新聞が紙面に書きだしている。彼らは岡田監督の再出馬を願っているようだ。そろそろそれにあおられるファンも出てくることだろう。
 だからこそ書く。
 今こそ頑張れ、矢野監督!

(2022年4月11日記)


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