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青柳がやっと開幕、Gに連勝

 鬼門バンテリンドームナゴヤに移動して、ドラゴンズ戦。初戦は西勇が完封目前で交代し、リリーフした湯浅が打たれて逆転負け。2戦目は先発予定の伊藤将が新型コロナウィルス感染症のため登録抹消され、代役の小川が好投、リリーフ陣もドラゴンズ打線を封じたが、苦手の勝野の前に得点できず完封リレーで敗れる。3戦目は藤浪が新型コロナウィルス感染症の陽性者となり、代役の桐敷が打たれて、0勝3敗。甲子園球場仁戻ってジャイアンツ戦。初戦は今季初登板の「幻の開幕投手」青柳が見事なピッチングでジャイアンツ打線を抑え、佐藤輝とロハスJr.のホームランで連敗を止め、2戦目は来日初登板のウィルカーソンが好投し、相手のミスなどもあって連勝。3戦目は赤星加瀬糸井が先制ホームランを放ったもののガンケルが逆転ホームランを打たれて3連勝はならず。このカード2勝1敗。今節は2勝4敗。今季通算3勝16敗1分で勝率.158の単独最下位。首位のカープとは9、5差。

◎ドラゴンズ1回戦……1-2
 タイガースはドラゴンズの先発大野雄に対し、島田、山本泰、近本、佐藤輝、大山、中野、豊田、坂本と大きく打線を変更。しかし、一二番が機能せず、この試合も得点不足に泣く。タイガースの先発は西勇。1回裏、新人の鵜飼に二塁打を打たれたが、無失点の立ち上がり。2回表、豊田の四球と坂本のセンター前ヒットで2死一二塁とするも、西勇は一塁ゴロ。3回裏、大島のレフト前テキサスヒットと岡林への四球で2死一二塁とされ、ビシエドにセンターの頭上を襲う大きな当たりを打たれるが、近本のジャンピングキャッチがピンチを救った。6回表、山本泰はショートゴロエラーで出塁したが、近本は二塁ゴロで二封。京田の一塁送球が悪送球となり、近本は二塁を狙うがタッチアウトで走者なしとなる。直後に佐藤輝がライトスタンドへ先制のソロホームランを放った。7回裏、京田にレフト前ヒットを打たれ、代打溝脇の三塁ゴロで二進。大島に死球を当て1死一二塁とされたが、岡林の二塁ライナーで二走の京田が飛び出し二封となり併殺。大野雄は7回1
失点で交代。8回表は今季初登板の祖父江から近本が歩いて今季初盗塁を決めたが、佐藤輝が空振り三振で追加点ならず。8回裏、二番手は湯浅。1死からビシエドに二塁打を浴び、阿部にセンター前にタイムリーヒットを打たれて同点とされる。返球の間に阿部は二進し、代走に高松。木下の打席でフォークボールが暴投となり、高松は三進。木下は四球。石川昂にレフト前タイムリーヒットを打たれて逆転されてしまった。9回表、クローザーのR・マルティネスから大山がライト前ヒットを放ち、代走は植田。中野のバントで二進したが、代打糸原は一塁ゴロ、代打糸井は二塁ゴロといずれも力負けして連敗を止められず。
◎ドラゴンズ2回戦……0-1
 タイガースの予告先発は伊藤将だったが、新型コロナウィルス感染症が発症し、緊急で小川が先発。他にも藤浪、馬場らが登録抹消で、加治屋や尾仲が急遽一軍登録された。ドラゴンズの先発は勝野。中野がヒットと盗塁、捕手木下の悪送球で三塁まで進むも、佐藤輝が空振り三振で先取点が取れない。タイガースの先発小川は、ヒットの大島を岡林のバントで送られ、A・マルティネスには死球とピンチを作るが、ビシエドをセンターフライに打ち取ると、阿部を空振り三振に取って立ち上がりを乗り切った。3回表、2死から近本がヒットと盗塁で二塁まで進むが中野はショートフライで得点ならず。5回裏、石川昂にライト前ヒットを打たれ、京田のライトライナーは佐藤輝がスライディングキャッチを試みるもショートバウンド。しかし石川昂は一塁に一度帰塁していたので、佐藤輝は二封しライトゴロに。勝野のバントで京田が二進すると、小川はここで交代して二番手岩貞が大島を二塁ゴロに打ち取る。タイガースはここから小刻みな継投に入り、6回裏はアルカンタラが、7回裏は浜地が、8回裏は湯浅が、9回裏は加治屋がそれぞれ無失点。ドラゴンズは8回表はロドリゲスが抑え、9回表はR・マルティネスに対し、2死から中野がレフト前ヒットで出、R・マルティネスの牽制悪送球で二進するも糸井は空振り三振。延長戦に入り、10回表は清水の前に三者凡退。10回裏、続投の加治屋は1死から京田に左中間に二塁打を打たれると、代打根尾を歩かせ、大島にライトの頭を越すサヨナラタイムリーヒットを打たれてしまい、またも惜しい試合を落としてしまった。
◎ドラゴンズ3回戦……1-4
 タイガースの先発は桐敷。1回裏、大島とA・マルティネスのヒットで2死二三塁とされ、阿部のライト線への2点タイムリー二塁打で先制される。2回裏、石川昂のヒットと柳のバント、大島への申告敬遠で2死一二塁とされるも、ここは岡林を空振り三振に打ち取り、追加点は許さず。桐敷き2回2失点で降板。3回裏、二番手の尾仲がビシエドのヒットと阿部の二塁打で1死二三塁とされ、木下に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれて4点差とされたところで試合はほぼ決まった。ドラゴンズの先発は柳。3回まで走者を出せず。4回表、この試合1番に入った中野がレフト前に初安打を放つが、2番に入った佐藤輝は二塁ゴロ併殺。3番の近本はセンターフライでせっかくの走者を生かせない。尾仲は4回まで投げ、5回裏は三番手齋藤がマウンドに。石川昂にヒットを打たれたものの、無失点に抑える。6回表、梅野とロハスJr.のヒットで1死一二塁とするも、中野はショートゴロで二封。佐藤輝は二塁ゴロでここも得点ならず。6回裏、続投の齋藤は柳のヒット、岡林のバントを内野安打にし、A・マルティネスのヒットで1死満塁とされるも、ビシエドから空振り三振を取ると、安倍も空振り三振でなんとか切り抜けた。7回裏、四番手石井が三者凡退に抑えると、8回表、梅野とロハスJr.のヒットで2死一三塁と柳を攻め立てたが、中野はショートゴロでここも得点できず。8回裏も石井が抑え、9回表、佐藤輝のセンター前ヒットと近本のライト前ヒットで無死一三塁とし、大山のセンターライナーが犠牲フライとなって1点を返し、なんとか完封負けだけは免れた。しかし代打豊田が投手ゴロ併殺で試合終了。2勝目はまだまだ遠い。
◎ジャイアンツ4回戦……4-1
 タイガースの先発は今季初登板の青柳。今季の開幕投手がコロナ禍のため遅れてしまい、ついに登板。1回表、センター前ヒットの吉川を若林が送り、ポランコの二塁ゴロで三進。坂本勇のタイムリーヒットで先制点を許した。しかし、2回以降は本来のゴロに打ち取る投球でジャイアンツ打線を翻弄。ジャイアンツの先発は菅野。1回裏、中野と大山のヒット、ロハスJr.の死球で2死満塁とするも、糸原は二塁へのフライを打ち上げ、逆転のチャンスにまたも1本が出ない。4回表、ポランコと坂本勇の連打で無死一二塁とされるが、丸を二塁ゴロ併殺に打ち取ると、三塁に走者を残しながらもウィーラーを空振り三振に打ち取った。4回裏、大山の四球とロハスJr.のヒットでチャンスを作るも、糸原はレフトに打ち上げてフライアウト。梅野の投手ゴロ併殺でチャンスを生かせず。5回裏、2死から中野がライト前ヒットで出るとすかさず二盗。佐藤輝がライトスタンドに突き刺さるツーランホームランを放ち、ついに逆転。6回表、吉川にセンター前ヒットを打たれるも、若林は体に当たるスライダーを空振り三振。若林は死球と思い歩こうとしたが、空振りのストライクは死球にはならないのがわからなかったようである。ポランコにヒットを打たれて一二塁とされたが、坂本勇はセンターライナー、丸はショートゴロで逆転を許さず。7回裏、小幡がセンター前ヒットで出ると、青柳のバントは一塁中田がファンブルして一塁に投げられず、エラーで出塁。中野のバントで1死二三塁としたところで、菅野は降板。二番手には高梨。佐藤輝と近本は連続空振り三振で追加点はならず。8回表、1死後、吉川の背中に当たる死球で走者を許したが、若林は二塁ゴロ併殺。8回裏、三番手畠に対し、大山はショートゴロを打たされたが坂本勇が弾いてエラーで出ると、ロハスJr.がバックスクリーン右に大きなツーランホームランを放つ。1死後、畠に代わり四番手は直江。ここは梅野、小幡と凡退。9回裏、クローザーとして岩崎がマウンドに上がり、2死から丸に内野安打を打たれたが、ウィーラーをセンターフライに打ち取り、ついに連敗ストップ。今季2勝目をあげた。岩崎は今季初セーブ。ヒーローインタビューは勝利投手の青柳と、逆転ホームランの佐藤輝、勝利を確定したダメ押しのホームランを放ったロハスJr.。
◎ジャイアンツ5回戦……2-1
 タイガースの先発は来日初先発のウィルカーソン。1回表、ヒットの吉川に牽制悪送球で二進を許し、ポランコには四球で1死一二塁とされたが、岡本和と丸を外野フライに打ち取り先制点は許さず。ジャイアンツの先発は新外国人のシューメーカー。2回までは打ちあぐねていたが、3回裏、レフト前ヒットの梅野を1死後、ウィルカーソンがバントで送り、中野のショート内野安打は坂本勇の一塁悪送球を誘い、梅野が一気に生還して先制点をもらう。4回裏は近本がセンターの頭を越す二塁打で出ると、大山もレフトの頭を越すタイムリー二塁打で近本を返して2点差とする。2回以降はチェンジアップが決まり、好投していたウィルカーソンは、6回表、四球の吉川とレフト前ヒットのポランコを一三塁に置き、岡本和にレフト前タイムリーヒットを打たれて1点差とされるが、丸を見逃し三振に取ると、中島はセンターフライに打ち取り、6回1失点で交代。6回裏、近本がヒットとシューメーカーの暴投で無死二塁とし、大山の大きなセンターフライで三進。ロハスJr.が歩き走者をためたが、高山は捕邪飛、梅野はショートゴロで追加点はならず。7回表、二番手のアルカンタラは1死から大城を歩かせるも代打若林の二塁ゴロ併殺で無失点。この試合でも小幡の二塁守備が光った。シューメーカーは6回2失点で降板し、7回裏は二番手山崎伊の前に三者凡退。8回表はセットアッパーの湯浅京が登板し、吉川にセンター前ヒットを打たれ、暴投で二進を許すも坂本勇は空振り三振、ポランコは見逃し三振、岡本和はセンターフライと後続を完全に断つ。8回裏も続投の山崎伊に抑えられたが、9回表はクローザーの岩崎が丸にヒットは許したが後続は三者凡退で2試合連続のセーブ。ヒーローインタビューは来日初勝利のウィルカーソンと、決勝点となるタイムリーを放った大山、セットアッパーとして好投した湯浅京。
◎ジャイアンツ6回戦……1-3
 タイガースガンケル、ジャイアンツ赤星の投手戦。先制したのはタイガース。2回裏、糸井のバックスクリーンに飛びこむソロホームランで1点を奪う。3回裏には2死から佐藤輝が二塁打を放ち、近本が歩いて一二塁としたが、大山はサードゴロに倒れて追加点はならず。4回表、坂本のライト前ヒット、丸の四球で2死一二塁とされ、ウォーカーに左中間スタンドにスリーランホームランを打たれて逆転を許す。ガンケルは5回3失点で降板。6回表と7回表は二番手の浜地が抑える。6回まで赤星の投球にタイミングが合っていなかったタイガースだったが、糸井の三塁内野安打のあと2死を取ったところで二番手高梨が登板。代打山本泰のライト前に落ちるヒットで2死一二塁とするも、中野は二塁ゴロでチャンスを逸した。8回表は岩貞が、9回表は馬場がそれぞれ抑え、打線の奮起を待つ。ジャイアンツは8回裏は今村、9回裏は大勢のリレーで逃げ切られ、タイガースは3連勝は成らず。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 新型コロナウィルスに感染して出遅れていた青柳だったが、ついに今季初登板。これでやっとチームも開幕したような気分になった。先シーズンの最多勝投手らしい落ち着きと貫録でジャイアンツ打線を牛耳って連敗を止めたのはさすが。先発の軸が2人そろった。逆襲はこれからだ。
野手……佐藤輝明
 ジャイアンツ戦の低い弾道の鋭いホームランは佐藤輝だけのもの。そして彼が打つと球場の空気が変わる。2番打者で起用されているが、やはり中軸を打つ選手なのだ。佐藤輝を2番に置いているところに矢野監督の迷いを感じる。 

 次節は完投遠征。まずは横浜スタジアムでベイスターズ戦。湿っている打線も、お得意のハマスタで勢いをつけてくれそうな気がする。神宮球場に移ってスワローズ戦。思えば、京セラドームで開幕戦に逆転負けしたつまづきが現在の低迷を引き起こしたと言えなくもない。ならば、神宮で3連勝して自信を取り戻せばいい。ベイスターズ戦では齋藤を先発テストするらしい。投手陣の整備はできた。後は打線がいかにつながるか、だ。「超積極野球」の原点にもどってほしい。

(2022年4月18日記)


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