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青柳と大野雄熱投、佐藤輝が完全試合阻止!

 今節は甲子園でスワローズ戦。初戦は西勇が立ち上がりで失点し、打線は小川泰の前に完封され連勝ストップ。2戦目はまたも石川の老獪な投球に翻弄され完封負けで連敗。3戦目は山本泰がサヨナラ押し出し四球を選んで連敗を止め、1勝2敗。バンテリンドームナゴヤに移ってドラゴンズ戦。初戦は青柳と大野雄が互いにエースの意地を見せて緊迫した投手戦となり、9回まで完全試合という展開になったが、延長戦で佐藤輝が大記録を阻止するヒットを放つも、青柳は10回裏につから尽きてサヨナラ負け。2戦目はウィルカーソンが先制され、打線は小刻みな継投の前に沈黙して連敗。3戦目は西純が一発攻勢でリードされたが大山の同点ホームランから終盤に中野の糖類などでチャンスを作ってリードし、アルカンタラ、湯浅、岩崎の必勝リレーで連敗を止め1勝2敗。今節は2勝4敗。今季通算12勝24敗1分で勝率.333の最下位。5位ベイスターズに3.5差と少し差を広げられた。首位のスワローズとは9、5差。

◎スワローズ7回戦……0-3
 タイガースの先発は西勇。1回表、ライト前ヒットの塩見を置いて、村上宗に先制のツーランホームランをレフトスタンドに運ばれた。スワローズの先発は小川泰。1回裏、1死から中野がセンター前ヒットを放つも、佐藤輝は二塁ゴロ併殺。この初回の攻防の差がそのまま勝敗につながった。2回表、太田のレフトフライは風に流されレフト高山が追うもグラブに当ててこぼし、エラーで出塁。中村の二塁ゴロで太田は三進。長岡のレフト前のテキサス性のタイムリーヒットで3点差とされる。しかしこの後はよく立ち直り小川泰のバントはピッチャーフライに。塩見を死球で出したが、山田はショートゴロで追加点は許さず。この後は両投手とも持ち味を出し、西勇は絶妙のコントロールで相手のタイミングを外し、小川泰は速球で押してタイガースの打者をことごとく詰まらせる。6回裏、坂本誠がセンター前ヒットで出るも、西勇はスリーバントをファールにして贈れず。近本のライト前ヒットで1死一三塁とし、中野の打席で二盗。しかし中野は浅いセンターフライで坂本誠はタッチアップできず。佐藤輝は内角への速球でつまらされて三邪飛とここというところで小川泰の力で押す投球に負ける。8回裏は島田のセーフティバントが決まり内野安打で出るも、坂本誠はショートゴロ併殺。代打小幡はチェンジアップに空振り三振と。走者を生かせない。西勇は8回3失点で交代。9回表は齋藤が抑え、9回裏、1死から中野がライト前ヒットで出るも佐藤輝、大山ともにライトフライに倒れ、小川泰に完封勝利をされてしまい、連勝はストップした。
◎スワローズ8回戦……0-3
 スワローズの先発は石川。1回表、近本が左中間を抜く二塁打で出るも、山本泰の投手ゴロで近本はスタートを切り、二三塁間で狭殺。その間に山本泰は二進。佐藤輝の二塁ゴロで三進するも大山は一邪飛で先制のチャンスをつぶす。これが大きく響くことになる。2回裏、中野はライト前ヒットで出るが、糸原は空振り三振。小野寺のセンター前ヒットで一二塁とするも坂本誠も秋山も内野ゴロに倒れて得点できず。タイガースの先発は秋山。長岡に二塁打を打たれ、2死後、塩見の打席で暴投して2死三塁とされる。塩見にはカウントを悪くしてストライクを取りに行く球を狙い打たれてセンター前タイムリーヒットで先制を許した。3回裏、近本がライト前ヒットで出ると、山本泰との間でヒットエンドラン。山本泰の打球は自分の顔をこすりヘルメットを飛ばすファールになり、ダグアウトに戻り治療。打席に戻るも二塁ゴロに倒れ、次の守りから熊谷に交代した。頼みの佐藤輝と大山はここでも凡退し得点できず。試合は1点差のまましばらく動かず。しかし6回表、塩見の三塁ゴロは糸原のグラブをかすめるも捕球できず、エラーで出塁。青木のレフト前ヒットで一二塁とされ、1死後、村上宗にあわやホームランというレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打を打たれて2点差とされる。ここで秋山は降板。二番手の浜地はオスナにライト前に落ちるタイムリーヒットを打たれて3点差に。石川は5回無失点で交代。6回裏、二番手梅野雄の前に三者凡退。7回表は三番手岩貞が三者凡退で抑える。7回裏、三番手今野から代打高山がレフト前に落ちるテキサス性のヒットで出るが、得点にはならず。8回表、四番手加治屋も三者凡退に抑える。8回裏、四番手田口に対し、1死から熊谷がヒットで出るも佐藤輝の強烈なライナーは一塁オスナのミットに。飛び出していた熊谷は戻れず併殺となる。9回表、五番手齋藤も三者凡退に抑えて味方の反撃を待つが、9回裏はクローザーマクガフの前に三者凡退で2試合連続完封負けを食らった。
◎スワローズ9回戦……3-2
 タイガースの先発はガンケル。1回表、塩見をショートゴロに打ち取るも中野が前に弾いて捕球できずエラーで出塁を許すと、青木の打席で塩見は二盗。さらに青木の一塁ゴロで三進。山田のレフトへの犠牲フライで1点を先取される。スワローズの先発は高梨。2回裏、大山の死球とロハスJr.のレフトへのヒットで無死一二塁とし、山本泰のバントで二三塁に。島田が歩いて満塁と攻め立てるが、梅野は二塁ゴロ併殺。逆転機を逸した。3回表、ヒットの長岡を高梨が送り、2死後、青木のレフト前タイムリーヒットで2点差に。青木は二塁を狙うも二封でピンチの拡大は防いだ。3回裏、1死から近本がセンター前ヒットを放つと、中野もセンター前ヒットで続き、佐藤輝のタイムリーヒットがセンター前に。1点差にはしたが後続を断たれて同点はならず。5回裏、1死から近本のセンター前ヒット、中野の内野安打、大山の四球で2死満塁とし、ロハスJr,も押し出しの四球を選び同点とする。ガンケルは5回2失点で交代。6回表、二番手渡邉が山田のヒットと村上宗への四球で1死一二塁とされ、降板。三番手は浜地。オスナをセンターフライ、宮本を二塁ゴロに打ち取り切り抜けた。7回表はアルカンタラ、8回表は湯浅、9回表は岩崎の必勝リレーでスワローズ打線を抑える。スワローズも7回裏は今野、8回裏は田口でタイガース打線を抑えるが、9回裏はまだマクガフは投入できず、大西をマウンドへ送る。超満員の甲子園は初めての体験となる大西は、近本のレフト前ヒット、中野のバント、佐藤輝の申告敬遠のたびに起こる歓声とブーイングにプレッシャーを感じたか、大山は三塁ゴロに打ち取り二封したものの一塁は大山の全力疾走で併殺が取れず、代打糸井の申告敬遠でさらに大観衆の圧力に負け、山本泰は押し出し四球でタイガースのサヨナラ勝ち。ヒーローインタビューはサヨナラ四球の山本泰と猛打賞で全得点のホームを踏んだ近本。こどもの日のスペシャルインタビューで神奈川へ帰る子どもからお薦めの食事をきかれた近本が「淡路島に寄ってもらえたらいいんですが」と返答に困り、「タコやきですかね」と答えるなど、球場は暖かい笑いに包まれた。
◎ドラゴンズ6回戦……0-1
 タイガース青柳、ドラゴンズ大野雄の息詰まるような投手戦。青柳はいつものように低目の球を打たせてゴロでアウトの山を稼ぐ。大野雄は速球を主体にツーシームとフォークでタイガース打線を寄せ付けない。2回裏、2死から木下にライト前ヒットを打たれたが、溝脇を二塁ゴロに打ち取り、以降は走者を出さず。大野雄は9回表まで27人の打者をすべて打ち取る普通なら完全試合。8回裏、高橋周がレフト前ヒットを放ち、これが両チーム2人目の走者。木下のバントで二進され、溝脇の三塁ゴロは糸原の好捕で間一髪アウト。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず、2死三塁に。石川昂は申告敬遠。むろん完全試合を狙う大野雄には代打は出せず、センターフライでピンチをしのいだ。9回裏は続投の青柳が三者凡退に抑えて試合は延長戦に。10回表2死からついに佐藤輝がセンターの頭上を越す二塁打を放ち、大野雄の完全試合を阻止するも、大山は二塁へのフライで得点できず。10回裏、1死から三ツ俣のレフトフェンスに達する二塁打で一打サヨナラ負けのピンチに。木下は申告敬遠。溝脇のライト前ヒットは前進守備で三ツ俣は三塁でストップ。1死満塁とされ、石川昂は前進守備をかいくぐるセンター前サヨナラタイムリーヒットで試合に決着がついた。両先発はともに延長10回を投げ抜く力投。サヨナラ打を打たれた青柳の力尽きた表情が印象的であった。
◎ドラゴンズ7回戦……1-2
 タイガースの先発はウィルカーソン。1回裏、2死から石川昂とビシエドの連打で一二塁とされると、阿部にセンター前にタイムリーヒットを打たれて先制される。ドラゴンズの先発は松葉。2回表、佐藤輝が左中間を深々と破る三塁打でチャンスを作ると、1死後、大山のレフトとショートの間に落ちるタイムリーヒットで同点とする。小野寺もライト前ヒットで続いたが、梅野は二塁ゴロ併殺で同点どまり。3回裏、ヒットの三ツ俣を置いてビシエドにレフト線にタイムリー二塁打を打たれてまたもリードを許す。ウィルカーソンは5回2失点で降板。4回表、中野の二塁打と佐藤輝の四球、山本泰のバントで1死二三塁としたが、大山は三塁ゴロに倒れ、小野寺は空振り三振で逆転機を逸した。松葉は5回1失点で交代。6回以降、タイガースはアルカンタラ、岩貞、加治屋の継投でドラゴンズ打線を無失点で抑えて打線の奮起を待つが、ドラゴンズも6回以降、清水、祖父江、ロドリゲスとつなぐ。8回表、ロドリゲスに対し、2死から近本がセンター前ヒットで出るも、代打ロハスJr.は空振り三振で得点できず。9回表はクローザーのR・マルティネスの前に三者凡退で連敗。
◎ドラゴンズ8回戦……4-3
 ドラゴンズの先発は柳。2回表、佐藤輝の当たり損ねの投手ゴロは内野安打となり、ロハスJr.のライト前ヒットで無死一三塁のチャンスを作る。糸原の三塁ゴロで佐藤は三本間で狭殺。1死一二塁から大山の打席で柳が暴投し、二三塁に。しかし大山と梅野は連続三振で先取点は取れず。3回表、2死から島田がライト線に三塁打を放ち、中野のショートゴロは三ツ俣の一塁送球をビシエドが弾き、その間に島田が生還して1点を先取する。タイガースの先発は西純。4回裏まで快調な投球で無失点抑えていたが、5回裏、レフト前ヒットの高橋周を置いて鵜飼にレフトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれてしまった。さらに6回裏、同学年の石川昂にレフトスタンドにソロホームランを打たれて6回3失点で降板となった。7回表、センター前ヒットの糸原を置いて大山がレフトスタンドに同点のツーランホームランを放った。7回表、二番手のアルカンタラは鵜飼のヒットと岡林への四球で2死一二塁とされたが三ツ俣を空振り三振に取って切り抜ける。柳は7回3失点で交代。8回表、二番手ロドリゲスに対し、1死から中野が歩いてソト打てるの打席で二盗。佐藤輝はセンター前ヒットで一三塁とし、ロハスJr.の三遊間の当たりはショート三ツ俣に好捕されるも二封がやっとで、中野が生還して1点リード。8回裏は三番手湯浅が三者凡退で抑え、9回表、三番手の山本拓に対し2死から山本泰が歩き近本の打席で二盗するも、近本は一塁ゴロで追加点はならず。それでも9回裏、クローザーの岩崎が2死から自らのエラーで走者を出すも代打郡司をショートゴロに打ち取って逃げ切った。アルカンタラが今季初勝利。岩崎は4セーブ目。ヒーローインタビューは中継ぎで好投した湯浅。この日は母の日で、ベースや審判の道具、選手の手袋やリストバンドなどがピンク色のものを使用した。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 大野雄との緊迫した投手戦は、代打も許さないほどのもの。負けてしまったからといって誰が彼を責められるだろうか。パーフェクトピッチングの大野雄を前に一歩も引かない。これこそエースである。
野手……山本泰寛
 前節、古巣ジャイアンツ戦で移籍後初ホームランを放ったあたりから打席での迫力が増した。スワローズ戦でのサヨナラ押し出し四球の時の目力の強さ。ドラゴンズ戦ではプロ入り初の5番でのスタメン起用と、存在感を増している。タイガースに来てよかったよなあ。ジャイアンツのままだと気まぐれ監督の原に飼殺しにされているところだ。

 次節は甲子園球場に戻りカープ戦。打線好調で首位争いの勢いを保っている上に、今季はまだ1勝もできていない。西勇、秋山とカープを得意としている投手が続くだけに、なんとか勝ち越したい。横浜スタジアムに移ってベイスターズ戦。青柳、ウィルカーソン、西純ならば、決して好調と言えないベイスターズ打線をきっちり抑えてくれるだろう。前回は得意のハマスタで打線爆発といかなかったが、今度こそやり返してもらいたい。6連勝の後の連敗でどうなるかと思わけたが、連続でカード負け越しはしていても、先発投手陣はクオリティスタートを保っているし、リリーフ陣は無失点が続いている。
 さらに、二軍ではマルテが復帰に向けて十ランで調子をあげてきている。つながらない打線もマルテ昇格で少しは良くなるはずだ。
 また、トミー・ジョン手術から復帰の才木投手が育成枠から支配下登録を勝ち取った。及川も実践復帰をしているし、北条も一軍に復帰した。陽川や江越もいつでも上からお呼びがかかってもいいところまで調子をあげてきている。ダウンしていた戦力はかなり上向きだ。交流戦に向けて少しでも調子を上げていってほしい。

(2022年5月9日記)


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