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西純矢初アーチに初完投、伊藤将は初完封

 今節は神宮球場でのスワローズ3連戦。初戦は西勇が先制されると、サイスニードの速球に押されて打線が援護できず。、2戦目は西純がプロ入り第1号ホームランを自ら打つなどして打線が爆発し、苦手の高橋奎をノックアウトした。3戦目はまたも小川泰の投球に翻弄され好投のガンケルを見殺しにし、1勝2敗。甲子園球場でのジャイアンツ戦はチーム創設時のユニフォームをまとった「伝統の1戦」。初戦は青柳の失点を9回裏土壇場で大山のホームランで追いつき延長12回に中野のエラーからアルカンタラが崩れて悔しい敗戦。2戦目はウィルカーソンの好投と長坂のセーフティスクイズなどで僅差の勝利。3戦目は高橋優が四球で自滅し、新型コロナ感染から復帰の伊藤将がプロ入り初完封を飾って2勝1敗。今節は3勝3敗。今季通算17勝29敗1分で勝率は.370で最下位。首位スワローズとの差は10.5。5位ベイスターズとの差は3.0。

◎スワローズ10回戦……1-2
 タイガースの先発は西勇。2回裏、村上宗にライト前ヒットを打たれると、中村との間にヒットエンドランをかけられる。レフト前ヒットで村上宗は一気に三塁を狙うが、大山の好返球でタッチアウト。青木のレフト前ヒットで1死一三塁とされるもオスナの二塁フライを糸原が好捕。長岡の三邪飛は佐藤輝が好捕し、無失点で切り抜けた。スワローズの先発はサイスニード。速球に威力があり、タイガース打線は差しこまれてしまいチャンスが作れない。3回表、糸原のレフト前ヒットがチーム初安打。坂本の打席でサイスニードが暴投、糸原は二進。坂本誠のバントで三進。しかし西勇、近本がフライを打ち上げ得点できず。4回表、中野とマルテの連打で無死一二塁とするも、佐藤輝は二塁ゴロ併殺。2死三塁とチャンスは続いたが大山は一塁ゴロに倒れる。5回表、1死から糸原がライトスタンドに今季第1号となるソロホームランを放ち先制する。6回裏、1死から山崎にヒットを打たれ、西勇は仕切りに足元を気にするが、そのまま続投し、山田の三塁ゴロ併殺で無失点。西勇はこの回限りで交代。7回裏、二番手渡邉雄が村上宗を空振り三振に取り、三番手アルカンタラは中村にヒットは打たれたが後続を断ち、リードを保つ。サイスニードは7回1失点で交代。8回表に番手清水に対し1死から代打高山が死球を選び、代走は熊谷。近本の打席で熊谷は二盗を試みるもタッチアウト。近本は空振り三振で追加点が遠い。8回裏、四番手湯浅は長岡にヒットを打たれ、代打宮本のバントで二進される。塩見の三遊間のゴロは中野が好捕して一塁アウトで走者は釘づけ。山崎にはファールでかなり粘られたが、膝もとに見逃し三振を決め、リードを保つ。9回表は三番手大西の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎が山田を歩かせ、村上宗にレフトフェンスぎりぎりに大きなフライを打たれたが、島田が好捕。中村のセンター前ヒットで一三塁とされ、一塁代走に荒木。青木の右中間を破るタイムリー二塁打で同点とされ、1死二三塁でオスナに犠牲フライを打たれて逆転サヨナラ負け。岩崎で負けたのだからやむを得ず。打線が1点どまりで追加点の好機をことごとく逸したのが大きかった。
◎スワローズ11回戦……8-1
 スワローズの先発は高橋奎。1回表、マルテがレフトスタンドへ今季第1号のソロホームランを放ち先制する。タイガースの先発は西純。1回裏、2死から山田にレフト前ヒットを打たれて二盗されるが、村上宗を空振り三振に切って取る。2回表、糸原のショートゴロを長岡が弾いてエラーで出塁すると、西純がレフトスタンドにプロ入り第1号となるツーランホームランを放ち突き放す。3回表、四球の中野とレフト前ヒットのマルテを置いて大山がレフトスタンドにスリーランホームランを放ち、6点差とする。高橋奎はこの回限りで降板。4回表から5回表までは二番手のコールに抑えられる。5回裏、青木とオスナの連打と代打奥村の二塁ゴロで1死一三塁とピンチを迎えたが、内山壮を三塁ゴロ併殺に打ち取り切り抜ける。6回表は三番手木澤から佐藤輝がバックスクリーンに飛びこむソロホームランで7点差に。6回裏、ここまで無失点に抑えてきた西純だったが、山田にレフトスタンドにソロホームランを打たれて6点差に。7回表は続投の木澤に抑えられたが、8回表、四番手の田口から佐藤輝がレフト線に二塁打を放つと、1死後、代打北條がセンター塩見の前にヒット。塩見が球をそらし、球がフェンス近くまで転がる間に佐藤輝が一気に生還して再び7点差に。9回表は五番手石山に三者凡退に抑えられたが、9回裏、西純も山田を空振り三振に取ると、村上宗、他ヶ丘をそれぞれショートゴロに打ち取ってプロ入り初完投勝利をあげた。ヒーローインタビューは初ホームランと初完投勝利の西純。
◎スワローズ12回戦……0-3
 タイガースガンケル、スワローズ小川泰の投手戦。1回裏、ショート内野安打の塩見が山崎の二塁ゴロで二進。2死後、村上宗に死球を与え、中村のショートゴロエラーで満塁とされるも、青木をセンターフライに打ち取って切り抜けた。3回表、レフト前ヒットのガンケルを坂本誠が送り、近本の一塁ゴロで三進するも、中野はセンターフライで得点できず。4回表、佐藤輝の二塁打も、後続を断たれてこれも得点できず。5回裏、2死から山崎を歩かせて山田に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれて先制点を許した。ガンケルは6回1失点で降板。7回裏、二番手の岩貞は長岡と代打濱田を連続三振に取るも、塩見にセンター前ヒットを打たれる。山崎の意表を突くセーフティバントは佐藤輝が焦って一塁へ悪送球。球がファールグラウンドを転がる間に塩見が一気にホームインして2点差とされる。2死三塁となり、岩貞は三番手加治屋と交代。山田に右中間を破るタイムリー二塁打を打たれて大きな追加点を入れられた。小川泰は7回無失点で交代。8回表は二番手今野の前に三者凡退。8回裏、四番手齋藤は2死から代打太田を三塁ゴロに打ち取るが、佐藤輝がまたも一塁へ悪送球して出塁を許す。しかし塩見は空振り三振で最終回の反撃を待つ。9回表、クローザーのマクガフの前にマルテと大山のヒットと糸井の二塁ゴロで2死二三塁とチャンスを作ったが、糸原は三塁ゴロに倒れ、またも完封リレーをされてしまった。
◎ジャイアンツ10回戦……2-6
 タイガース青柳、ジャイアンツ戸郷の投手戦。1回裏、近本が死球で出るも中野は三塁ゴロ併殺。2回裏、1死から大山がセンター前ヒットで出るも、糸井は一塁ゴロ併殺。戸郷の速球に押されて連打が出ない。青柳も5回までゴロの山を築く。6回表、丸の一塁線ゴロはベースに当たりライト線へ。丸はその間に二塁を陥れて二塁打となる。ウォーカーは2度バントを失敗したあとショートゴロ。これを中野が取り損ね、内野安打となる。吉川のバントで1死二三塁とされ、岡本和にレフト前に2点タイムリーヒットを打たれて先制される。6回裏は代打高山のセンター前ヒットと二盗で2死二塁としたが、中野は三塁ゴロで得点できず。青柳は6回2失点で交代。7回表は岩貞、8回表は加治屋、9回表は齋藤がそれぞれ抑える。7回裏、佐藤輝がヒットで出るも、大山は三塁ゴロ併殺。3
℃も併殺打を打っていては得点は難しい。8回裏、糸井と糸原が連続四球で出、糸井の代走に植田。代打熊谷のバントで1死二三塁と同点機を作るも長坂は空振り三振。近本はセンターフライでまたも得点できず。戸郷は8回無失点で交代。9回裏、二番手今村から佐藤輝のレフト前に落ちるヒットで2死一塁とすると、三番手デラロサに交代。大山が土壇場でレフトスタンドに同点ツーランホームランを放つ。延長10回表、五晩手岩崎は代打増田陸、丸を歩かせ立岡のヒットで1死満塁とされるが、吉川は三塁ゴロで本封。岡本和を二塁ゴロに打ち取った。10回裏、四番手畠に対し糸原の四球と熊谷のバントで1死二塁としたが、長坂は空振り三振。五番手高梨と交代し、近本も空振り三振。11回表は湯浅京が三者凡退に抑える。11回裏、続投の高梨に対し中野が三塁ゴロエラーで出るも、マルテの三塁ゴロで二封。佐藤輝はレフトふたライに倒れ、交代した六番手平内に対し大 山も一塁ゴロで走者を返せず。12回表、七番手アルカンタラは中山をショートゴロに打ち取るも中野がはじいた上に一塁悪送球で走者を許すと、代打岸田にはバントの構えをしている内角に投げて死球。丸のライト前ヒットで無死満塁に。立岡のセンターえタイムリーヒットでついにリードを許した。アルカンタラは失意の降板。八番手渡邉は代打中田にセンター前2点タイムリーヒットを打たれる。さらに交代した九番手石井大の暴投で4点差とされる。12回裏は戸田の前に三者凡退。スワローズ戦に続き連敗。
◎ジャイアンツ11回戦……2-1
 タイガースウィルカーソン、ジャイアンツシューメーカーの投手戦。1回裏、まだコントロールの定まらないシューメーカーを攻める。近本がセンター前ヒットで出ると、中野の空振り三振時に二盗。マルテのセンター前タイムリーヒットで先制する。2回裏、糸井がライトの頭を越す二塁打で出ると、糸原の一塁ゴロは一塁中島が捕球できずエラーで生きて無死一三塁に。長坂の一塁へのセーフティーバントで糸井がホームを突き、中島の本塁送球も一瞬遅れて犠打野選で2点目を加えた。3回裏、マルテと佐藤輝の連打で無死一二塁とするも後続を断たれて追加点はならず。4回表、1死からウォーカーにレフト前ヒットを打たれるも、吉川のセンター返しの打球を中野が好捕して二封。岡本和はライトフライで得点を許さず。シューメーカーは5回2失点で降板。6回裏と7回裏は二番手鍬原に抑えられる。7回表、吉川にセンター前ヒットを打たれるが、岡本和は二塁ゴロ併殺。ポランコはセンターフライに打ち取り、ウィルカーソンは7回無失点で交代。8回表は二番手湯浅京が登板。中島を歩かせ代走に増田大。大城はセンターフライに打ち取り、中山の打席で増田大が二盗を試みるも長坂が前日に続いて強肩を見せ、タッチアウト。原監督のリクエスト申請も判定は覆らず。8回表、三番手デラロサに対しマルテがセンター前ヒット。代走に熊谷。佐藤輝の一塁ゴロで二進。大山のセンターフライで三進と足でチャンスを広げたが、糸井はショートゴロに倒れて追加点は取れず。9回表、クローザーの岩崎は代打増田陸と丸の連打で無死一二塁とされ、丸の代走に湯浅大。ウォーカーにセンター前タイムリーヒットを打たれて1点差とされる。しかし吉川がスリーバントを失敗すると、岡本和の投手の頭を越えるゴロを二塁熊谷が好捕して二塁ゴロに。走者はそれぞれ進塁して2死二三塁とピンチは続き、代打中田にはよく粘られて歩かせ、満塁に。それでもジャイアンツの反撃はここまで。代打北村をショートゴロに打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは3勝目をあげたウィルカーソン、先制タイムリーと猛打賞のマルテ、好リードとセーフティスクイズを決めた長坂。長坂は「しびれました」と繰り返し答えて、今後のキャッチフレーズを発見した模様。
◎ジャイアンツ12回戦……4-0
 ジャイアンツの先発は高橋優。1回表、近本のセンター前ヒットと中野の投手前バントを高橋優が一塁へ悪送球し無死一二塁としたが、後続を断たれて先制点はならず。しかし、2回裏、陽川と糸原の連続四球を長坂のバントで二三塁と進め、伊藤将も四球で満塁に。近本のセンター前ヒットで1点先制すると、中野の三振のあと大山のレフト前2点タイムリーヒットで突き放す。レフトのウォーカーがボールを弾く間に近本は三進。ここで高橋優は降板し、二番手は戸田。佐藤輝は一塁強襲のタイムリーヒットで4点差とする。タイガースの先発は伊藤将。初回から持ち味の打たせて取る投球が冴える。3回表、2死から丸にあわやホームランというライトフェンス直撃の三塁打を打たれたが、ウォーカーをショートゴロに打ち取り失点せず。4回表は吉川にショート内野安打を打たれたが岡本和をショートゴロ併殺に打ち取る。ジャイアンツの戸田は4回まで好投し、三番手の畠も5回から好投。7回裏、近本がライト前ヒットを放ち、大山の打席で二盗し、プロ入り通算100盗塁を記録した。8回裏は四番手平内に抑えられたが、伊藤将は全く危なげない投球で9回表もマウンドに。1死から吉川と岡本和の連打で一二塁とされたが、ポランコと中田をセンターフライに打ち取り、今季初勝利をプロ入り初完封で飾った。ヒーローインタビューは先制タイムリーヒットと猛打賞、通算100盗塁の近本と、完封勝利の伊藤将。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西純矢
 苦戦しているスワローズ相手に1失点でプロ入り初完投勝利。しかもプロ入り第1号を放つなど、若者の勢いの凄さを感じさせた。交流戦で同学年であるマリーンズの佐々木朗と対戦させてみたい。ローテーション上では無理みたいだが。西純と及川のリレーで佐々木朗と対抗するなんてのは、どうかな、矢野監督。
野手……大山悠輔
 傷めた足はまだ完全ではないようだが、スワローズ戦のスリーラン、ジャイアンツ戦のツーランは実に効果的な一発。ジャイアンツ戦ではこれまで出なかった「あと1本」で試合を決した。今季初の3番打者もいい感じだったし、交流戦に向けて上昇気流に乗っていけるか。

 次節からはセ・パ交流戦。まずは甲子園でイーグルス戦。ここのところ調子が下降気味の相手だが、田中将の登板が予想されるだけに粘り強く対抗してほしい。ZOZOマリンスタジアムに移動してマリーンズ戦。ここでは青柳と佐々木朗の対決が予想される。敵地で不利だが、ここは佐藤輝が佐々木朗の超速球を幕張の空にかっとばしてもらいたい。矢野監督はこの交流戦をきっかけにしたいと語ったが、投打がかみ合いつつあり、離脱した梅野の穴を埋めて余りある長坂の活躍など戦力の厚みをも感じさせてきている。セ・リーグとの試合と雰囲気も違うので、気持ちの切り替えにはうってつけだろう。

(2022年5月23日記)


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