愛すれどTigers


才木、3年ぶりの復活勝利

 今節は全てビジター。横浜スタジアムでベイスターズ3連戦。得意のハマスタで3連勝かと期待したが、初戦は西勇が大量点を失い敗れる。2戦目はガンケルが満塁から2連続の犠牲フライを打たれて連敗。3戦目は同点で迎えた9回に岩崎が打たれてサヨナラ負け。0勝3敗と期待とは逆の結果になってしまう。バンテリンドームナゴヤに移動して前節に続いてのドラゴンズ戦。初戦は大野雄が背中の張りを訴えて登板回避し、ブルペンデーとなる。青柳が好投するも代打を出され、同点から相手の投手が尽きてしまう直前に湯浅が今季初の被本塁打でリードを許し敗れる。2戦目は松葉から先制すると、伊藤将が好投して連敗を止めた。3戦目は才木がトミー・ジョン手術から復帰し、無失点で5回を投げると、大山がプロ通算100号ホームラン、中野も援護のホームランを放ち、リリーフ陣がよく踏ん張って2勝1敗。今節は2勝4敗。今季通算36勝42敗2分で勝率は.462の4位。首位スワローズとの差は17.0と大きく広がった。スワローズに優勝マジックが点灯し、M51。3位カープとは2.0差。近本の連続試合安打は29にのび、球団記録のマートンが作った30試合にあと1試合、高橋義彦の日本記録にあと4と迫った。

◎ベイスターズ11回戦……2-6
 ベイスターズの先発は大貫。1回表、いきなり中野がセンターを越す二塁打で出ると、島田がライト前ヒットで続き、ライト楠本がこれをファンブルする間に中野が生還して1点先制。近本の一塁ゴロで島田は三進。佐藤輝の浅めのセンターフライが犠牲フライとなり、2点目を追加した。3回表、中野の三塁前のゴロはライン際で止まり、内野安打に。近本が24試合連続ヒットとなるライト前ヒットで2死一三塁としたが、佐藤輝は二塁ゴロに倒れ追加点は取れず。タイガースの先発は西勇。3回裏、ソトのヒットと嶺井の二塁打で無死二三塁とされたが、大貫と蝦名を内野ゴロに仕留めて走者は釘づけ。ここで代打桑原にセンターの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれて同点にされてしまう。さらに5回裏にはソトにライトスタンドにソロホームランを打たれてリードを許すと、6回裏には二塁打の佐野と申告敬遠の宮崎を置いて大和のセンター前タイムリーヒットとソトのライトフェンスに当たる2点タイムリーヒットを打たれて4点差に広げられ、西勇はここで降板。二番手の石井が嶺井をセンターフライに打ち取り、追加点を防ぐ。大貫は尻上がりに調子がよくなり、2回以降はチャンスを作れず、7回2失点で交代。8回表は二番手エスコバーの前に三者凡退。石井は7回裏も抑え、8回裏は三番手齋藤が三者凡退で打線の逆転を待つ。しかし9回表、クローザーの山崎に対し、佐藤輝の二塁打と糸原の内野安打で逆襲のきっかけを作るが、糸井は見逃し三振で試合終了。3回表に追加点を取れなかったところが勝敗の分かれ目になったか。
◎ベイスターズ12回戦……2-4
 ベイスターズの先発は石田。1回表、中野がレフト線にヒットを放つと、島田の二塁ゴロは牧が一塁に送球したあと進塁しようとする中野と接触し、中野が転倒し守備妨害で1死二塁に。近本は三振に倒れたが、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで先制する。タイガースの先発はガンケル。死球の桑原を置いて佐野にライトスタンドに逆転のツーランホームランを浴びた。しかし2回表、山本泰もライトスタンドにソロホームランを放りこみ、同点に。3回表、島田と近本の連打で1死一三塁としたが、佐藤輝はショートフライ。大山の打席で近本が二盗し二三塁と絶好のチャンスを作るも大山は一塁へのファールフライで得点できず。4回裏、牧、宮崎、大和の連打で無死満塁とされ、ソトと嶺井の連続犠牲フライで2点リードされる。ガンケルはこの回限りで降板。5回裏は二番手岩貞が三者凡退に抑え、6回表、佐藤輝の四球と糸原のライト前ヒットで1死一二塁としたところで石田は交代。二番手クリスキーの前に山本泰は見逃し三振、代打ロハスJr.はショートフライに倒れ、得点できず。6回裏から8回裏までは加治屋、ケラー、石井がそれぞれ好投して追加点は許さなかった。しかしベイスターズも7回表は三番手エスコバーが島田のセーフティバントと盗塁でかき回しても近本を見逃し三振に取って無失点。8回表は四番手伊勢から大山の二塁打でチャンスを作るも後続を断たれ、9回表はクローザーの山崎の前に三者凡退で逃げ切られ、まさかの連敗。
◎ベイスターズ13回線……5-6
 ベイスターズの先発は東。1回表、中野と島田の連打で無死一二塁とチャンスを作るも近本と佐藤輝はファールフライ、大山は見逃し三振で走者を進めることすらできず。タイガースの先発はウィルカーソン。1回裏、桑原と大田、佐野の三連打で1点を先制されると、牧のピッチャー返しの打球は身を張って止めて二封。しかし宮崎に左中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれ、本塁返球の間に宮崎は三進。2死後、森にもライト前タイムリーヒットを打たれていきなり4点を献上した。2回裏も東の内野安打と佐野、牧への連続四球で2死満塁とされたが、宮崎をレフトフライに打ち取って追加点は許さず、3回以降は安定した投球を取り戻した。3回表は2死から近本が25試合連続となるヒットを放ったが、得点には結びつかず。5回表、代打北條がセンター前ヒットで出ると、続く中野もレフト前ヒット。島田は見逃し三振に倒れたが、近本の二塁ゴロを牧が後ろにそらし、北條が生還して1点を返す。さらに1死一三塁として佐藤輝の犠牲フライで2点差に迫った。ウィルカーソンは4回限りで降板し、5回裏は二番手ケラーが三者凡退の好投。6回表、二塁打の山本泰を置いて代打ロハスJr.がセンター前タイムリーヒットを放ち1点差に追い上げた。ここで東は降板。二番手田中健に中野がショートゴロに打ち取られて同点にはならず。6回裏は三番手岩貞が抑えると、7回表、三番手エスコバーから佐藤輝がライトスタンド上段に同点のソロホームランを放つ。7回裏は四番手浜地が抑え、8回表、四番手伊勢に対し糸原が四球で出て代走は植田。山本泰の打席で伊勢の暴投で植田は二進。山本泰のバントで三進。梅野の一二塁間の当たりは二塁牧が一塁アウトにするのがやっとで植田が生還してついに勝ち越す。8回裏は五番手湯浅が宮崎のヒットや伊藤光のショート内野安打などで2死一三塁とされるも代打大和を空振り三振に取り切り抜けた。9回表は六番手平田の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎が桑原と太田の連打で同点にされ、2死一二塁から嶺井にライト前サヨナラ安打を打たれて逆転負け。大田の本塁へのスライディングと梅野のタッチが微妙だったため、矢野監督がリクエスト申請をしたが、判定は覆らず負けが確定し、得意の横浜スタジアムで3連敗を喫した。
◎ドラゴンズ12回戦……1-3
 ドラゴンズの予告先発は大野雄だったが背中の張りを訴えて当番回避で藤嶋に変更。それでも1回表、タイガースは三者凡退。タイガースの先発は青柳。1回裏、大島と高橋周のヒットで1死一二塁とされるもA・マルティネスを三塁ゴロ併殺に取る。2回表、佐藤輝が二塁打で出、糸原の一塁ゴロで三進し2死三塁とチャンスを作るが山本泰は二塁へのフライで得点できず。3回裏、代打山下にバックスクリーン右にソロホームランを打たれて先制点を許すも、以降は青柳は調子を取り戻し、ドラゴンズ打線を抑えこむ。4回以降はドラゴンズは小刻みな継投。4回表、二番手福に対し島田の四球と、近本の27試合連続となるセンター前ヒットで無死一二塁とするが、佐藤輝は二塁ゴロ併殺で2死三塁に。ここで三番手谷元と交代。大山と糸原の四球で満塁としたが、山本泰はセンターフライでチャンスを逸した。5回表、四番手山本拓から坂本が歩き青柳が送り、島田が歩いて2死一二塁とするも、ここで交代した五番手根尾の前に近本は三塁ゴロでここも得点できず。6回表、六番手清水の前に三者凡退。7回表、ヒットの山本泰を坂本がバントで送り、代打糸井を出すが空振り三振。中野の二塁ゴロは安部が弾いて2死一三塁としたが、島田は投手ゴロに倒れ、青柳を降ろしてまでしたのに得点できず。7回裏、二番手浜地は三者凡退に抑える。8回表、七番手Y?ロドリゲスに対し、近本が内野安打で出て、佐藤輝の打席で二盗。セーフのタイミングだったがスライディングで二塁ペースを一瞬通り過ぎてしまい、タッチアウトに。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。佐藤輝は右中間フェンスに当たる二塁打。大山のセンターフライで三進し、糸原のセンター前に落ちるタイムリーヒットでついに同点に追いつく。8回裏、三番手湯浅が二塁打の岡林を置いてA・マルティネスにレフトスタンドにツーランホームランを打たれてまたもリードを許すと、9回表、クローザーのR・マルティネスに対し1死から代打ロハスJr.が死球。中野も歩いて一二塁とチャンスを作るが島田は空振り三振。近本は一塁ゴロでドラゴンズのブルペン総動員の継投にやられてしまった。
◎ドラゴンズ13回線……5-2
 タイガースの先発は伊藤将。1回裏、1死から岡林のレフト前ヒットと山下のショートゴロエラーで1死一二塁とされるが、A・マルティネスをショートゴロ併殺に打ち取り先制点は許さず。2回裏、阿部に二塁打を打たれ、1死後、高橋周の一塁ゴロを大山が後逸しバックアップの山本安も一塁へ悪送球し一三塁とされる。京田の投手ゴロで飛び出した阿部を三本間で狭殺。2死二三塁となり、松葉は見逃し三振でここも切り抜けた。ドラゴンズの先発は松葉。3回表、四球の梅野を伊藤将がバントで送り、中野の打席で梅野が三盗。中野はレフトフライに倒れたが、島田のライト前先制タイムリーヒットで梅野が生還。近本が28試合連続となるレフト前ヒット、佐藤輝が死球で満塁とし、大山のセンター前のヒットは大島が後ろにそらして走者一掃のタイムリー三塁打となり、4点差をつけた。5回裏、2死から大島と岡林の連打でピンチになるが、山下を二塁ゴロに打ち取る。7回裏、高橋周のヒットと代打伊藤康のレフト線の二塁打で1死二三塁とされ、大島の一塁ゴロの間に高橋周が生還。さらに岡林のライト前タイムリーヒットで2点差に迫られる。松葉は7回4失点で降板。8回表、二番手根尾から近本がライト前ヒットで出ると、佐藤輝の打席で二盗。佐藤輝三振時に根尾が暴投し近本は三進、1死三塁に。大山が歩き、山本安が一塁線にセーフティスクイズを決めて近本が生還し、3点差に戻す。伊藤将は7回2失点で交代。8回裏、二番手湯浅はA・マルティネスを速球で空振り三振に取り前日のお返しをするなどして無失点。9回表は三番手の森に抑えられたが、9回裏、クローザーの岩崎は2死から大島にヒットを打たれたが岡林を空振り三振に取って逃げ切った。ヒーローインタビューは5勝目をあげ連敗を止めた伊藤将。
◎ドラゴンズ14回戦……3-0
 タイガースの先発はトミー・ジョン手術を受けて3年ぶりに一軍マウンドに立った才木。1回裏、一軍のマウンドに立ち、全力投球ができる喜びを見せるように速球を梅野のミットに投げ込み、岡林、溝脇を連続空振り三振に取る。大島も速球に押されたレフトフライ。再起のマウンドをまずは三者凡退で飾った。ドラゴンズの先発は柳。2回表、四球の佐藤輝を置いて大山がバックスクリーン右にプロ入り通算100号となる先制ツーランホームランを放つ。3回裏には中野がライトスタンドにソロホームランを放ち、才木を援護する。3回裏、岡林にヒットを打たれるも、二盗を仕掛けた岡林を梅野が刺す。勝利投手のかかった5回裏、阿部と木下の連打と石岡の一塁内野安打で1死満塁とされたが、柳を空振り三振に取ると、岡林を三邪飛に打ち取り、5回無失点で交代し、リリーフ陣に後を託す。6回表、2死から近本がライト前ヒットを放ち、29試合連続ヒットを記録。6回裏、二番手岩貞が溝脇、大島を凡退させると、三番手加治屋に交代。A・マルティネスにはヒットを打たれたが阿部を二塁ゴロに打ち取る。7回裏は才木の同期同学年の浜地が抑える。柳は7回3失点で交代。8回表、二番手谷元から代打ロハスJr.、中野の連打と近本の四球で2死満塁とするも、三番手福の前に佐藤輝はショートへのフライに倒れて追加点はならず。8回裏はケラーが三者凡退に抑える。9回表、四番手森の前に三者凡退。9回裏はクローザーの岩崎が2死から木下にヒットを打たれるも高橋周をセンターフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは復帰戦で3年ぶりの勝利をあげた才木。

愛すれどTigers週間MVP
投手……才木浩人
 肘を傷め、トミー・ジョン手術を受け、長いリハビリ期間を過ごし、育成契約から支配下に這いあがり、そしてついに一軍のマウンドに帰ってきた。そして5回無失点で復帰の勝利。今節は伊藤将も好投したが、ヒーローインタビューで涙をこらえきれなかった才木以外に誰をMVPにできようか。しばらくは登板間隔をあけての先発ということになるだろうが、来季は先発投手陣に欠かせない存在になると確信している。
野手……大山悠輔
 カープ戦では徹底的にマークされ勝利に結び付けられる一打を放つことができなかったが、ドラゴンズ戦で調子を取り戻しついにプロ通算100号ホームランを記録。大山が打たないと勝てないけれど、打てば勝つ。まさに中軸打者としての存在感を示している。連続試合安打で球団記録2位まで来た近本も候補だったけれど、彼は次節に、ということになるだろうし、なってほしい。

 次節は甲子園でカープ3連戦。まだ今季はカープから勝つことができないでいるけれど、甲子園のファンを味方につけてほしい。西勇のあと、藤浪、桐敷が先発予定。藤浪にはここで一気にローテーションに入るくらいの投球を見せてもらいたいものだ。続いては神宮球場でスワローズ戦。長い間対戦がなかったが、その間にあれよあれよと勝ち星をのばし、なんとマジック点灯。青柳や伊藤将ならば、そう簡単に打ちこまれたりはしないだろう。昨年優勝を争ったチームとして、ここは他のチームとは一味違うところを見せつけてもらいたいものだ。。

(2022年7月4日記)


目次に戻る

ホームページに戻る