愛すれどTigers


近本、マートンと並ぶ30試合連続安打

 今節は甲子園球場でカープ戦。1日、雨で中止になり、初戦は西勇が好投し、打線も床田からワンチャンスをものにし、北條、山本ら脇役の活躍でついにカープ戦今季初勝利。2戦目は桐敷が好投したがアンダーソンの前に打線が沈黙してプロ入り初勝利はお預けで1勝1敗。神宮球場に移動し、スワローズ戦。初戦は青柳が今季二度目の完封勝利。打線も高梨を打ち崩して勝つ。しかし翌日からスワローズに新型コロナウィルス感染症陽性者が大量に出てのこり2試合は中止に。よってこのカードは1勝0敗。今節は2勝1敗。今季通算38勝43敗2分で勝率は.469で、試合のない間にジャイアンツに連勝したベイスターズに抜かれて5位。首位スワローズとの差は15.5と少し縮まる。スワローズの優勝マジックはM49。3位カープとは2.5差。4位ベイスターズとは0.5差。近本の連続試合安打は30でストップし、球団記録のマートン、球界全体では張本(G)、福本(B)と並ぶ歴代5位タイ。

◎カープ12回戦……3-2
 タイガース西勇、カープ床田の投手戦。先制したのはカープ。2回表、マクブルームのショートゴロを中野が弾きエラーで出塁を許すと、坂倉にライトスタンドに先制のツーランホームランを打たれてしまう。失点したのはこの回のみで、ホームランのあとはいつもの打たせて取る絶妙のコントロールを取り戻す。4回裏、ここまでノーヒットに抑えられていた床田に対して、2死から近本が30試合連続となるマートンの球団記録と並ぶセンター前ヒットを放つと、佐藤輝はライト前に落ちるヒットで一二塁に。大山とは勝負を避けたような四球で満塁となり、久々のスタメン出場の北條がレフト前に落ちるテキサス性の2点タイムリーヒットで追いつくと、続く山本泰はショートのグラブの下をすり抜けるセンター前タイムリーヒットで勝ち越し。しかし床田もこの回に乱れただけで後は落ち着きを取り戻す。6回表、床田にヒットを打たれるも後続を断つ。7回表、マクブルームを空振り三振に取ったところで西勇は交代。二番手渡邉は坂倉を二邪飛、小園を空振り三振ときっちり役割を果たす。7回裏、2死から代打ロハスJr.が歩くと代走は小幡。しかし中野の打席で小幡は牽制死。追加点のチャンスもない。8回表は三番手湯浅が三者凡退に抑える。床田は7回3失点で交代。8回裏は二番手中座の前に中野、島田、近本が三者三振。9回表、クローザーの岩崎が三者凡退で逃げ切り、カープから今季初勝利。ヒーローインタビューは5勝目をあげた西勇、同点打の北條、決勝打の山本泰。北条がいつもの天然ボケのような受け答え。「手ごたえは?」という質問に「詰まっていたんで手が折れたかと思いました」といった調子。この後質問をされた生真面目な山本泰が気の毒で仕方なかった。
◎カープ13回戦……0-3
 タイガース桐敷、カープアンダーソンの投手戦。2回表、マクブルームに不用意に投げた失投を左中間スタンドに放りこまれ、ソロホームランで先制される。2回裏、佐藤輝がセンターを越す二塁打で出、大山の一打は右中間を破る長打になるかに見えたが、ライト中村健の回転レシーブに阻まれライトフライに。タッチアップで佐藤輝は三進。しかし糸原は浅いレフトフライで佐藤輝は帰れず。北条もライトフライに倒れ、同点機を逸した。大山の長打を阻む中村健の守備で流れはカープに。5回裏、2死から梅野のライト前に落ちるヒットと、代打ロハスJr.の止めたバットに当たってレフト前に落ちたラッキーなヒットでチャンスを作るが、中野はレフトフライに倒れて同点機をまたも逸した。桐敷は5回1失点の好投で交代。6回表は二番手ケラーが三者凡退に抑える。7回表は三番手岩貞が2死から小園と中村健の連打で走者をためたがアンダーソンを空振り三振に取って追加点は許さず。8回表は四番手アルカンタラが三者凡退に抑え、9回表は五番手加治屋が登板。マクブルームにヒットを打たれ、代走は羽月。坂倉のライト前ヒットで無死一三塁に。ここで磯村がセーフティスクイズを仕掛けるが、羽月のスタートが悪く、それを見た加治屋が三塁に送球し、三本間で狭殺。小園を空振り三振ら取って2死一二塁に。しかし代打松山のセンターのフェンスに当たる2点タイムリー二塁打を打たれてしまう。六番手石井に交代し、野間をライトフライに打ち取る。アンダーソンは8回無失点とタイガース打線を内外角で揺さぶる好投。9回裏、クローザーの栗林に対し島田は空振り三振。ここまでノーヒットの近本は二塁ゴロで、記録は30試合連続ヒットで止まり、マートンと張本(G)、福本(B)と並んだが越えられず。佐藤輝はレフトフライに倒れ、カープ戦は連勝とはいかず。
◎スワローズ13回戦……8-0
 スワローズの先発は高梨。センター前ヒットの中野を島田がバントで送り、2死後、佐藤輝がもう少しでホームランという当たりのライトフェンス直撃のタイムリー三塁打で1点先制。タイガースの先発は青柳。1回裏、1死から山崎にショートへの内野安打を打たれたが宮本を二塁ゴロ併殺に打ち取るいつものゴロアウトを稼ぐ立ち上がり。2回表、山本泰の二塁打と坂本のライトフライで2死三塁としたが、青柳はショートゴロに倒れ追加点はならず。5回裏、レフト前ヒットの村上宗は青木の投手ゴロで二進。長岡の一塁ゴロで三進されたが、中村を空振り三振に取り、切り抜ける。6回表、島田がセーフティーバントを試み高梨が球を抑えるも投げられず内野安打に。近本のライトスタンドに突き刺さる今季第1号のツーランホームランで3点差とする。高梨は6回3失点で降板。7回表、二番手はプロ初登板の柴田。山本泰の三塁への強いゴロは村上宗が弾いて内野安打に。坂本は三振に倒れたが青柳のバントは投手の柴田が二塁へ悪送球し、1死一二塁に。中野の一二塁間へのゴロは奥村がよく抑えて一塁送球、中野のヘッドスライディングも判定はアウト。しかし矢野監督のリクエスト申請で判定が覆り内野安打で満塁に。島田のレフト前タイムリーヒットで4点目を入れると、近本は押し出し四球で5点目。佐藤輝の空振り三振のあと、大山の詰まった当たりの飛球はレフト前に落ちて2点タイムリーヒットとなり7点目。糸原が投手強襲のタイムリーヒットで8点目を入れ、柴田にプロの洗礼。8回以降は三番手大西の前に抑えられる。青柳は走者は許しても落ち着いた投球で9回も三者凡退、今季2度目の完封勝利でリーグ単独最多勝となる9勝目を上げ、もちろんヒーローインタビューに呼ばれた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 文句なし。相手の主砲村上宗は空振り三振に取られて悔しさに吼えた。リーグ最多の9勝目に加え、防御率、勝率、奪三振の各部門でトップを走る。今やタイガースのみならずセ・リーグを代表するエースである。
野手……近本光司
 カープ戦でついに連続試合の安打記録はいったん途絶えたが、翌日の神宮球場で今季第1号ホームランを放つなど、三番打者が板についてきた。一番から五番までは不動のラインナップである。。

 次節は甲子園で8連戦。まずはジャイアンツ3連戦。スワローズ戦が2試合流れたため、ローテーションを再編し、ウィルカーソン、西勇、伊藤将で下降気味のジャイアンツを完膚なきまでに抑え切ってほしい。続いてはドラゴンズ戦。なんだかここのところしょっちゅうドラゴンズと対戦している感じがするが、甲子園ではドラゴンズはまるで勝てないので、今回も青柳、藤浪、ガンケルというところで3連勝して一気に5割復帰といきたい。さらに移動日なしでカープ3連戦も待っている。分厚いリリーフ陣を総動員して今度こそお返しをしてもらいたいものだ。
 オールスターのファン投票では青柳、湯浅、近本、佐藤輝が選出された。大山はどうしてもオールスターに縁がないのか。いや、高津監督はここというところで打たれた大山を記憶しているはず。監督推薦で選ばれると確信している。それでも選ばれなければプラスワン投票だ。ファン投票で選ばれたメンバーには思い切り目立って後半戦に弾みをつけてもらいたい。
 新外国人のもとバファローズ、A・ロドリゲスが来日。まずはファームで十分調整して、現在の一軍メンバーよりも期待できそうになったら昇格、でいいと思う。となると降格するのはロハスIr.か。マルテも順調に仕上げてきているだけに、外国人打者の競争も楽しみになってきた。

(2022年7月11日記)


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