愛すれどTigers


ウル虎の夏は2カード連続勝ち越し

 今節はウル虎の夏ということで、ド派手なユニフォームで甲子園球場で6連戦。まずはジャイアンツ戦。初戦はウィルカーソンが一発病に泣き、戸郷に完封されたが、2戦目はメルセデスをはじめとする投手陣をめった打ちし、西勇からケラーの完封リレー。3戦目はシューメーカーから梅野とロハスJr.がホームランを放ち、伊藤将が前回のジャイアンツ戦に続いて2試合連続完封勝利を上げ、2勝1敗。続くドラゴンズ戦。初戦は青柳が悪いなりに踏ん張り、北條の逆転ツーランホームランの得点をリリーフ陣が守り切って勝つ。2戦目は才木が1失点の好投。9回に近本の好走塁で同点に追いついたが、延長11回にアルカンタラが打たれて惜敗。3戦目はガンケルが1失点の好投。柳の立ち上がり、相手のミスも重なり逆転し、岩崎が締めて2勝1敗。今節は4勝2敗。今季通算42勝45敗2分で勝率は.483で、ジャイアンツを抜いて4位。首位スワローズとの差は12.5とかなり縮まる。スワローズの優勝マジックは消滅。2位カープとは1.0差。3位ベイスターズとは0.0差。大山が新型コロナウィルス感染症の濃厚接触者、坂本とケラーがPCR検査陽性で戦力は苦しかったが、いいムードでウル虎の夏を戦い抜いた。

◎ジャイアンツ13回戦……0-4
 タイガースの先発はウィルカーソン。1回表、二塁打の八百板と四球の丸を置いてポランコにライトスタンドにスリーランホームランを打たれ、いきなりの3失点。2回以降は立ち直り、2回表は大城にライト前ヒットを打たれるも中山を二塁ゴロ併殺に打ち取る。ジャイアンツの先発は戸郷。2回裏、1死から大山がレフト前ヒット、2死後、ロハスJr.が一二塁間に二塁内野安打を放ちチャンスを作るが梅野はライトフライに倒れる。3回表、吉川にヒットを打たれるも、八百板を三塁フライに打ち取ると、丸は一塁ゴロ併殺で追加点は許さず。3回裏、2死から島田と近本の連打でチャンスを作ったが佐藤輝は三塁へのフライに倒れる。4回表、2死から中田にレフトスタンドにソロホームランを打たれて4点差に。4回裏、大山の四球と糸原の死球でチャンスを作るが、ロハスJr.のセンター返しの打球はショートの中山に好捕され併殺。2死三塁で梅野は力のないスイングで空振り三振に終わり、得点できず。ウィルカーソンは5回4失点で降板。6回表は二番手岩貞が三者凡退に、7回表は三番手浜地がポランコと大城から三振を奪う三者凡退。7回裏、ロハスJr.、梅野、代打板山は三者三振と戸郷のペースに陥る。8回表から9回表は四番手石井が無失点。8回裏、中野と佐藤輝のヒットで2死一二塁とするも、大山は左中間に大きなフライを打ち上げ、センターフライに終わる。9回裏、戸郷の完封を阻止せんと、糸原と梅野のヒットで1死一二塁と攻めるが、代打山本泰は三塁フライ、中野は一塁ゴロに倒れ、完封を許してしまった。
◎ジャイアンツ14回戦……13-0
 ジャイアンツの先発はメルセデス。1回裏、中野がレフト前ヒットで出ると、島田との間のバスターエンドランで二塁ゴロの間に二進。近本のセンター前タイムリーヒットで先制。佐藤輝の三塁内野安打で三塁岡本が一塁送球する隙をついて近本は三進し一三塁に。マルテのライト前タイムリーヒットで2点目を奪い、なおも一三塁と攻め、糸原の党う腫ゴロは二封されたものの併殺崩れでその間に佐藤輝が生還し3点目を奪う。タイガースの先発は西勇。2回表、ポランコにヒットを打たれるも中田を三塁ゴロ併殺、大城をレフトフライに打ち取り、無失点。2回裏、1死から中野の二塁打と島田のライト前ヒットで一三塁とし、近本の打席で島田が二盗。近本の一塁ゴロは一塁中田が大きく弾いて敵失で中野が生還して4点目。ここでメルセデスは降板し、中田もベンチに下げられる。二番手は途ね。佐藤輝の打席で近本が二盗。佐藤輝の犠牲フライで5点目。近本は三進し、マルテのレフト前タイムリーヒットで6点目。タイガースの先発は西勇。中山にヒットを打たれるも増田陸は三塁へのフライ、吉川のピッチャー返しの打球を西勇はグラブで弾くが二塁山本泰のバックアップで二封。八百板の一塁ゴロはマルテがエラーし一三塁とされたが丸を二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。3回裏、続投の戸根に対し山本泰のヒットや西勇のバントで2死二塁とし、中野のレフト前タイムリーヒットで7点目。マルテは足の不調で4回で退く。5回表、岸田のヒットと中山も二塁ゴロを山本泰が二塁へ悪送球するエラーで無死一二塁とされるが、増田陸、吉川、代打ウォーカーをいずれも平凡な外野フライに打ち取りここも切り抜けた。5回まで戸根に抑えられていたが、6回裏、三番手高木に対して1死から中野が三塁打を放つと、島田の打席で高木が暴投し8点目。7回裏、四番手赤星に対し糸原が二塁打で出ると、山本泰の高いバウンドのショートゴロは中山が弾いて内野安打となり1死一三塁に。坂本誠は空振り三振に倒れたが、西勇のショートゴロを併殺を急いだ中山がこぼし、二塁はセーフ。さらに一塁にも悪送球すると、糸原がその間に生還して9点目。8回表、2死から重信にセンター前ヒットを打たれるも岡本和を空振り三振に取り、西勇は8回無失点で交代。8回裏、五番手鍬原から近本はレフトのウォーカーのまずい守備にも助けられた二塁打で出、植田の今季初安打初ダインとなるレフト前タイムリーヒットで10点目。2死後、糸原のライト前ヒットで一三塁とし、山本泰のセンター前タイムリーヒットで11点目。坂本誠のレフトを越える2点タイムリーヒットで13点目。9回表、二番手ケラーは代打中島、松原、岸田を三者三振に仕留めて締めくくった。ヒーローインタビューは無失点で6勝目の西勇、ホームランを残してあわやサイクルヒットという活躍を見せた中野、先制のタイムリーヒットと好走塁の近本。
◎ジャイアンツ15回戦……3-0
 タイガースの先発は伊藤将。1回表、吉川にいきなりレフト前ヒットを打たれ、ウォーカーの投手ゴロで二進されるが丸は見逃し三振、岡本和は二塁ライナーで立ち上がりを切り抜けた。ジャイアンツの先発はシューメーカー。1回裏、中野の二塁内野安打、島田のセンター前ヒットで無死一二塁とし、近本のレフト前タイムリーヒットで先制。肩の弱いレフトのウォーカーの返球が遅く、中野は楽々帰還した。佐藤輝のライトフライで島田が三進。糸原の一塁ゴロで島田が本塁に突っこむが憤死。山本泰は三塁ゴロで追加点はならず。伊藤将は2回以降は両サイドの変化球と速球を使い分け、見逃し三振を取る投球。4回裏、2死から岡本和のセンター前ヒットとポランコのレフト前に落ちる不運な二塁打でピンチを招くが、増田陸をショートゴロに打ち取る。ピンチらしいピンチはこの回のみ。4回裏、ヒットの山本泰は二盗失敗。ロハスJr.は三振で三振ゲッツーと嫌な流れになったが、梅野がライトポール際に飛びこむソロホームランを放と、なんとか追加点を奪え。それでもシューメーカーの落ちる球にてこずっていたが、7回裏、ロハスJr.のライトスタントへのソロホームランで3点目を奪う。梅野に四球を出したところでシューメーカーは降板。二番手赤星の前に後続を断たれる。8回裏は三番手菊池から近本、佐藤輝が空振り三振に倒れるも、糸原のヒットと代走植田の二盗でチャンスを作るが、山本泰は空振り三振に倒れる。9回表、今季2度目完封勝利を賭けて伊藤将がマウンドに。丸を空振り三振、岡本和をセンターフライ、重信を二塁ゴロに打ち取りジャイアンツに今季2度目の完封。ヒーローインタビューは完封勝利の伊藤将、好リードとホームランの梅野、試合を決するダメ押しホームランのロハスJr.
◎ドラゴンズ15回戦……2-1
 タイガースの先発は青柳。1回表、大島にセンター前ヒットを打たれ、高松の打席で二盗。高松の二塁ゴロで三進。岡林の二遊間の当たりは山本泰が好捕するもタイムリー内野安打となり先制を許す。続くビシエドは二塁ゴロ併殺に取り、追加点は許さず。2回表、2死から高橋周と土田の連打で2死一三塁とされるも上田を見逃し三振に取り、なんとか切り抜ける。ドラゴンズの先発は若い左腕の上田。2回裏、四球の糸原を置いて北條がレフトポール際に逆転のツーランホームランを放つ。しかしその後も上田の荒れ気味の球を打ちあぐね、まさにワンチャンスをものにした得点となった。3回表、大島に二塁打を打たれるも、高松と岡林を内野フライにしとめ、ビシエドは空振り三振でここもなんとか切り抜けた。6回裏、2死から近本が死球で出て、すかさず二盗。しかし佐藤輝は空振り三振に倒れ、追加点は取れず。両投手とも6回まで好投して交代。7回表は二番手アルカンタラが、7回裏は二番手根尾がそれぞれ三者凡退に抑える。8回表、三番手湯浅は大島の内野安打と岡林のレフト前ヒットで1死一二塁とされるが、ビシエドをレフトフライに打ち取り、バトンを岩崎につなぐ。8回裏、三番手の森から梅野のライト前ヒットと代打長坂のバントで1死二塁とすると、四番手の福がマウンドに。中野と代打陽川は外野フライに打ち取られ、追加点はならず。9回表、クローザーの岩崎は代打平田にヒットを打たれるも後続を断ち逃げ切った。ヒーローインタビューは10勝目をあげた青柳と決勝ホームランの北條。
◎ドラゴンズ16回戦……1-3
タイガース才木、ドラゴンズ大野雄の投手戦。2回表、1死からA・マルティネスを歩かせ、高橋周のレフト線の二塁打をレフト陽川がリバウンドの球をそらす間にA・マルティネスが生還して先制点を許す。なおも高橋周を三塁に置き、溝脇を空振り三振に取ると、土田は申告敬遠。2死一三塁として大野雄を見逃し三振に取り、追加点は許さず。2回裏、糸原がレフト前ヒットで出ると、山本泰の二塁ゴロは溝脇が弾いてしまい、その間に糸原は三進。無死一三塁で陽川がライトフライを放つと、一度タッチアップからスタートした糸原が途中で三塁に戻ろうとし、好返球でタッチアウト。梅野はレフトフライに倒れ、同点機を逸した。そのあとは両先発が好投。6回表、木下とビシエドの連打で無死一二塁とされるも、A・マルティネスを見逃し三振に取ると、三ツ俣はライトフライ、代打平田はショートライナーで切り抜け、才木は6回1失点で交代。7回表は二番手岩貞が三者凡退に抑える。7回裏、2死から陽川がヒットを放つも代走熊谷が盗塁死でチャンスを広げられず。大野雄は7回無失点で交代。8回表は三番手加治屋が、8回裏は二番手清水が、9回表は四番手浜地がそれぞれ抑え、1点差で9回裏、クローザーのR・マルティネスが登板。近本がセンター前ヒットで出ると、佐藤輝の打席で二盗。佐藤輝のショートゴロの間に近本は三進。糸原のショートゴロは当たりゴーで近本が本塁へつっこみ、ショート土田の返球をかいくぐって同点のホームイン。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。糸原の代走に小幡。山本泰のバントで二進しサヨナラのチャンスを作るも熊谷は空振り三振で延長戦に。10回表、五番手岩崎が三者凡退に抑えると、10回裏は四番手藤嶋の前に三者凡退。11回表、六番手アルカンタラはビシエドに二塁打を打たれ、代走に高松。石垣のバントで三進。三ツ俣のセンター犠牲フライでリードを許すと、平田にレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差とされる。ここでアルカンタラは交代。七番手渡邉雄が後続を断つ。11回裏、五番手祖父江の前に三者凡退で、接戦をものにすることができなかった。
◎ドラゴンズ17回戦……3-1
 タイガースの先発はガンケル。1回表、大島にライト前ヒットを打たれ、岡林の三塁ゴロを佐藤輝が弾き外野にそらす。大島は一気に三塁を突くが、レフトロハスJr.の好返球でタッチ。判定はセーフだったが矢野監督のリクエスト申請が実り判定が覆ってアウトに。1死一塁から木下の打席でガンケルの一塁牽制悪送球。岡林は三進。木下のライト犠牲フライで1点先制される。ドラゴンズの先発は柳。1回裏、中野がレフト前ヒットで出ると、島田との間のバスターエンドランが決まりレフト前ヒットで無死一二塁に。近本のバントは柳がこぼして送球できず、エラーとなり満塁に。佐藤輝のライト線の2点タイムリーヒットで逆転。1死後、ロハスJr.の打席で佐藤輝が二盗。木下が二塁へ送球する間に近本が本盗。本塁への返球が大きくそれて3点目が入る。3回裏、佐藤輝と糸原の連打、柳の暴投で2死二三塁とするも山本泰はショートゴロで追加点はならず。この後は両投手とも立ち直り、ガンケルはゴロを打たせて取る投球、柳はタイミングをそらせる投球で7回裏まで試合は動かず。8回表、育成から支配下に変わったばかりのワカマツを歩かせ、バファローズから移籍の後藤の移籍後初ヒットとなるライト前ヒットで無死一二塁に。石垣のバントは一塁陽川が判断よく三封。土田のバントは三塁前で止まり内野安打となって満塁に。しかし代打平田を見逃し三振に取ると、大島は二塁ゴロで無失点。ガンケルは8回1失点で交代。8回裏、柳に変わる二番手福に対し2死から糸原が歩くと、三番手根尾に交代。熊谷はセンターフライに倒れて追加点はならず。9回表、クローザーの岩崎は岡林にセンター前ヒットを打たれたが、木下は投手ゴロ併殺。山本泰のワンバウンド送球を陽川がうまく捕球して併殺に。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。びと江戸を二塁ゴロに打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは4勝目のガンケルと逆転打を含む猛打賞の佐藤輝。

愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司
 ジャイアンツに対して2試合連続完封したサウスポーは江夏さん以来だとか。コロナ禍で出遅れたが、ここまで5勝。2年連続10勝も夢ではないだろう。
野手……山本泰寛、北條史也
 山本はジャイアンツ戦で4安打と古巣に恩返し。もうすっかりタイガースに必要な選手となっている。ドラゴンズ戦では再三の好守で投手を助け、二塁のポジションをかちとった。そして北條はドラゴンズ戦の決勝ホームランで存在感をアピール。大山の抜けた一塁を守り、よくチームを助けてくれた。今節はMVP級の活躍をした選手が多かったので、代表して脇役2名といたしましたよ。

 次節は9連戦の残り3試合をマツダズームズームスタジアムでカープ戦。1日置いて甲子園でベイスターズ3連戦。そしてその次の週はオールスターゲームとなる。ジャイアンツに3連勝し、意気上がるカープに対して、今季まだ1勝しかしていないだけに厳しいものがあるが、ジャイアンツの弱体化した投手陣から、桐敷、西勇、伊藤将という好調の先発陣に対してカープ打線は打撃を切り替えられるかどうか。米国帰りの秋山が鍵になる。大山が隔離期間を終えて戻ってくるのは心強い。ベイスターズもスワローズに連勝して意気上がるところだが、クラスターのせいで二軍半の戦力になっているスワローズとどっこいどっこいの勝負をしているようなので、青柳、藤浪、ガンケルまたはウィルカーソンが打線を抑えれば勝ち越しのチャンスはおおいにあろう。ここでロドリゲスの一軍昇格もあるかも。オールスターまでに勝率5割という目標も非現実的ではなくなってきた。
 そのオールスターには監督推薦で中野と大山が選ばれた。ついに大山がオールスター初出場。後半戦に弾みをつける活躍を期待している。

(2022年7月17日記)


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