愛すれどTigers


勝率5割に到達し、2位で折り返し

 今節はまずはマツダズームズームスタジアムでカープ戦。1日雨で流れたあと、初戦はウィルカーソンが好投。苦手の床田を熊谷や北條が打ち、リリーフ陣も完璧に抑えて初めてマツダスタジアムで勝利。2戦目は佐藤輝や近本が信じられないイージーミスをしてつけこまれて敗れ、1勝1敗。続く甲子園球場でのベイスターズ戦。初戦は青柳が今回も悪いなりに踏ん張り、坂本裕を攻めて勝つ。2戦目は今永の立ち上がりを叩き、伊藤将が好投して連勝。3戦目はガンケルが無失点の好投。濱口からワンチャンスでもぎ取った1点を守り切り3勝0敗。今節は4勝1敗。今季通算46勝46敗2分で勝率は.500で、カープと並んで同率2位。首位スワローズとの差は11.0と一気に縮まる。スワローズの優勝マジックは再点灯して41。最大16あった負け越しをついに帳消しにしてオールスター戦に臨むことになった。

◎カープ14回戦……3-0
 カープの先発は床田。2回表、佐藤輝、大山が連続三振に倒れたあと、北條はストレートの死球で出塁。陽川のライト前ヒットで一三塁とし、梅野がライト前に先制タイムリーヒットを放つ。タイガースの先発はウィルカーソン。坂倉への死球と長野のレフト前ヒットで無死一二塁とされるも、小園を浅いセンターフライに打ち取ると、會澤、床田を連続空振り三振に取って切り抜ける。3回表、中野がライト前ヒットで出ると、熊谷との間にバスターエンドランが決まりレフト前ヒットで無死一三塁に。近本の投手ゴロは当たりゴーで中野が本塁へ。床田は詰まった当たりを取るのがやっとで投手ゴロの間に2点目を奪う。5回裏、會澤にライト前ヒットを打たれたが、床田のバントは捕手の梅野がよくさばき、二封から一塁へ転送して併殺に。野間を空振り三振に取る。6回表、1死から佐藤輝のヒットと床田の暴投で二進。大山はセンターフライに倒れたが、北條が三塁線を破るタイムリー二塁打で3点目を取る。6回裏、ウィルカーソンは菊池涼にレフト前ヒットを打たれるが、秋山翔をライトフライに、マクブルームを三塁ゴロに打ち取り2死一塁となったところで交代。二番手の渡邉が坂倉を三塁フライに打ち取って、ここも得点を許さず。7回表、四球の梅野を代打小幡が送り、中野のセーフティーバントは投手前犠打となるが梅野は三進。しかし熊谷は二塁へのフライで追加点はならず。7回裏は三番手浜地が三者凡退に抑える。8回裏、四番手湯浅は代打松山にセンター前ヒットを打たれるも、野間の二塁ゴロで小幡は代走羽月にタッチして一塁に送球し併殺。菊池涼は空振り三振で切り抜ける。床田は8回3失点で降板。9回表、二番手一岡から梅野がショート後方へのテキサスヒットを放ち、小園が処理をもたつく間に二進。小幡のレフトフライは長野がショートバウンドで捕球してヒットとなり一二塁に。2死後、糸原のレフト前ヒットで満塁と攻め立てたが近本は二塁ゴロで追加点は取れず。9回裏、クローザーの岩崎は秋山翔、マクブルーム、坂倉の中軸を三者凡退に打ち取り今季初めてマツダズームズームスタジアムで勝利した。ウィルカーソンが久々の5勝目。ヒーローインタビューは先制打と好リードの梅野。
◎カープ15回戦……3-5
 カープの先発はアンダーソン。1回表、2死から近本が歩くと、佐藤輝のレフト前ヒットで近本は一気に三進。大山のセンター前タイムリーヒットで先制する。さらに一二塁から糸原のライト前タイムリーヒットで2点目を奪う。タイガースの先発は西勇。1回裏、野間と菊池涼の連打で無死一三塁とされ、秋山翔の二塁ゴロ併殺崩れの間に野間が生還して1点差とされる。矢野監督のリクエスト申請で一塁もアウトと判定が覆り、併殺に。坂倉を一塁ゴロに打ち取り、同点にはさせず。2回表、2死から中野がセンター前ヒットで出ると、島田のライト線へのタイムリー二塁打で2点差に戻す。近本が歩いてつなぐが、佐藤輝は三振で追加点はならず。これ以降は西勇とアンダーソンの投手戦となり、たがいに一歩も譲らず。5回裏、長野と磯村のヒットで2死一二塁とされるも代打會澤をセンターフライに打ち取り切り抜ける。アンダーソンは5回3失点で降板。6回表は二番手松本の前に三者凡退。7回表は三番手や豚の前に三者凡退。7回裏、坂倉にレフト前ヒットを打たれたところで西勇は交代。二番手渡邉は松山をショートフライに打ち取り、役割を果たして交代。三番手浜地は長野の内野安打で一二塁とされ、小園にライト前ヒットを打たれる。ライトの佐藤輝はボールをそらし、その間に坂倉が生還して1点差に。磯村のセンターフライを近本が落球して満塁とされ、羽月の二塁ゴロ併殺崩れの間に長野が生還し同点とされると、野間と菊池涼にそれぞれタイムリーヒットを浴び、2点差とされてしまう。ここで浜地は降板。四番手岩貞は秋山翔をショートへのライナーに打ち取って攻撃を止めた。8回表、四番手森浦から近本が内野安打で出るも、佐藤輝はセンターフライ、大山はショートゴロ併殺で得点できず。8回裏は五番手石井が抑えて打線の反撃を待つが、9回表、クローザー栗林の前に2死から梅野がヒットを放つも、代打ロハスJr.は空振り三振で逃げ切られた。
◎ベイスターズ14回戦……6-3
 タイガースの先発は青柳。初回から走者を許す苦しい投球。2回表、牧にライト前ヒットを打たれると、宮崎は見逃し三振、楠本の一塁ゴロは大山の判断がよく二封。神里を歩かせて一二塁とされたが、伊藤光をショートフライに打ち取って切り抜ける。3回表も2死から桑原の死球と佐野の内野安打で一二塁とされたが、牧を三塁ゴロに打ち取ってしのぐ。4回表、楠本にライトポール際にソロホームランを打たれて先制点を許した。ベイスターズの先発は坂本裕。3回まで1安打に抑えられたが、4回裏、四球の山本泰を置いて大山がレフトスタンドに逆転のツーランホームランを放った。坂本裕は4回2失点で降板。5回裏、二番手京山の前に三者凡退に終わったが、6回裏には死球の近本を置いて佐藤輝が久々のツーランホームランをバックスクリーン左に放りこみ3点差とする。青柳は6回1失点で交代。7回表、二番手浜地は三者凡退に抑える。7回裏、三番手宮國に対し糸原がレフト前ヒットで出て代走は植田。代打島田の打席で伊藤光の捕逸で植田は二進。島田のバントでさらに三進。梅野が歩き、代打に新外国人のロドリゲス。梅野が二盗して二三塁とすると、ロドリゲスはライトの頭上を越す2点タイムリー二塁打で5点差とした。8回表は三番手岩貞が抑え、8回裏は四番手砂田から近本と佐藤輝の連打で無死一二塁としたが、大山は空振り三振。植田はライトフライ。島田が歩いて満塁とするも梅野は見逃し三振で追加点はならず。9回表、四番手アルカンタラは柴田と宮崎の連打で無死二三塁とされ、楠本の二塁ゴロの間に柴田が生還して4点差に。代打山下も二塁ゴロで、その間に宮崎が生還して3点差に迫られたが、代打戸柱は一塁ライナーで試合終了。ヒーローインタビューは11勝目の青柳、逆転20号ホームランの大山、入団初打席でタイムリー二塁打のロドリゲス。
◎ベイスターズ15回戦……3-1
 ベイスターズの先発は今永。1回表、いきなり初球をたたいた中野が二塁打で出ると、山本泰がバントで三塁に送り、近本四球のあと、佐藤輝の打席で今永の暴投があり、中野が生還して先取点が転がりこむ。3回裏、ライト前ヒットの中野をまたも山本泰がバントで送り、近本のライト前タイムリーヒットで2点目を奪う。さらに佐藤輝のセンター前ヒットと大山の四球で1死満塁としたが、糸原のショートライナーは二塁ベース上で大和に捕球され、佐藤輝が帰塁できず併殺となる。タイガースの先発は伊藤将。いつもながら打たせて取る好投。バックも盛りたて、4回表は桑原の一塁線の当たりをロドリゲスが好捕し一塁ゴロに。牧のライトへのフライは風でファールゾーンに切れていくところを佐藤がランニングキャッチ。5回表は宮崎と大和の連打で無死一二塁とされたが、嶺井のセンター前の当たりを近本がスライディングキャッチし、三塁まで走っていた二塁走者宮崎は帰塁できず併殺に。関根を二塁ゴロに打ち取り、失点を防ぐ。しかし6回表、代打細川にレフトスタンドにソロホームランを打たれ、1点差に。今永は5回2失点で交代し、二番手入江に6回表は三者凡退に抑えられる。7回表、1死から大和にライト前ヒットを打たれ、嶺井の打席で二盗されるが、嶺井が空振りのあと梅野の前に立ちはだかる形になり、守備妨害でアウトになった上に大和は一塁に戻される。関根をセンターフライに打ち取り、伊藤将は7回1失点で交代。8回表、セットアッパーの湯浅は代打楠本、蝦名、桑原を三者空振り三振に切って取る。8回裏、三番手平田に対し、1死から大山が歩き、代走に植田。糸原とのヒットエンドランはライト前ヒットとなり、植田は三進。糸原の代走は小幡。ここでロドリゲスが力でセンター前タイムリーヒットを放ち2点差に戻す。9回表はクローザーの岩崎が宮崎にヒットを打たれるも大和の投手へのライナーを好捕し、逃げ切った。ヒーローインタビューは7勝目の伊藤将と、タイムリーヒットとファインプレーの近本、三者三振のセットアッパー湯浅。
◎ベイスターズ16回戦……1-0
 タイガースガンケル、ベイスターズ濱口の投手戦。2回表、牧にレフト前ヒットを打たれたが、宮崎と大和を連続三振にとると、細川を三塁ゴロに打ち取る。2回裏、佐藤輝が二塁打を放つが、大山は見逃し三振、糸原はショートゴロ、ロドリゲスは空振り三振と後が続かない。3回表、戸柱がセーフティバントヒットで出塁。濱口のバントで二進。蝦名のライトフライで三進を許すも、桑原は一塁ライナーで得点を許さず。4回裏、山本泰がレフト前ヒット、近本が三塁宮崎のグラブを弾く強襲ヒット、佐藤輝の一塁ゴロで1死二三塁とし、大山のセンターライナーは犠牲フライとなり、山本泰が生還して1点を先制。5回表、ヒットの戸柱を濱口のバントで送られ、2死後、桑原のレフト前ヒットで一三塁とされるも佐野をライトフライに打ち取ってなんとか切り抜ける。5回表、ヒットの梅野をガンケルが送り2死二塁とすると、中野のライト前ヒットで一三塁に。しかし山本泰はライトフライに倒れ、追加点はならず。ガンケルは6回無失点で交代。7回表、二番手の浜地は細川を空振り三振、戸柱を見逃し三振に取り、代打山下にはファールで徹底的に粘られたが、16球目のインコース低めの球が決まり見逃し三振と三者三振に抑える。ベイスターズは7回裏は入江、8回裏はエスコバーで抑えて打線の奮起を待つが、タイガースも必勝リレー。8回表は湯浅が三者凡退に抑え、9回表はクローザーの岩崎が宮崎にヒットは打たれたが後続を断ち逃げ切った。タイガースはこの勝利でついに最大16あった負け越しをすべて減らし、勝率.500でオールスターを折り返すことになった。ヒーローインタビューは5勝目のガンケル、好リリーフの浜地、22セーブ目をあげた岩崎。

愛すれどTigers週間MVP
投手……浜地真澄、湯浅京己
 不安定なアルカンタラに変わり、浜地が7回のマウンドに定着。8回を任せられる湯浅と若いコンビがクローザーの岩崎につなぐ形ができてきた。ケラー不在でも、加治屋や渡邉、石井らがビハインドの場面で好投する。これでリリーフ陣の形が固まった。5割到達の原動力である。
野手……梅野隆太郎
 坂本や長坂との併用が続いていたが、坂本のコロナ罹患により、完全に正捕手の座を取り戻した。二軍落ちしていた時の故障もいえ、チャンスに強い右打ちのバッティングも戻ってきた。なにより強力な投手陣を見事なリードで引っ張っているのが頼もしい。

 オールスターではジャイアンツの大量の出場辞退に伴い、伊藤将と岩崎が追加選出。これでファン投票の青柳、湯浅、佐藤輝、近本と監督推薦の大山、中野、そして岩崎、伊藤将と8名が出場することになる。コロナ禍での自体で気の毒ではあるが、ジャイアンツとタイガースが完全に逆転した感じになった。長崎で行われたフレッシュオールスターでは高寺が辞退したが、遠藤が先頭打者ホームランを放ち優秀賞を手にしたほか、藤田がタイムリーを放ち、先発の森木とリリーフの岡留が無失点と存在感を示した。
 オールスターが終わると、次節は首位のスワローズと甲子園で3連戦。大山の復帰、ロドリゲスの加入で打線に厚みが増した。スワローズはコロナ禍で欠場していた選手が少しずつ復帰してきているので油断はできないが、直接対決で少しでも差を縮めておきたい。3連勝できるだけの力の差はまだあると見ている。
 とにかく後半戦が楽しみになってきた。
 なお、育成枠から岩田将投手が支配下登録された。これで今季の支配下枠はすべて埋まった。変則左腕の岩田の活躍にも期待したい。

(2022年7月25日記)


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