愛すれどTigers


長期ロード勝ち越し発進

 今節から甲子園を高校球児に明け渡し、夏の長期ロード開始。まずは東京ドームでジャイアンツ戦。初戦は西勇の好投とメルセデスを攻略して勝つ。2戦目は伊藤将が対ジャイアンツ戦3試合連続完封を狙ったが惜しくも失点。しかし1点差を継投で守り切って連勝。3戦目はウィルカーソンが大量失点で早々と勝敗が決してしまい2勝1敗。広島に移動してマツダズームズームスタジアムでのカープ戦。初戦は大瀬良を打ち崩して先勝。2戦目は藤浪が好投するも、9回裏、岩崎が失策もからんで3点差をひっくり返されサヨナラ負け。3戦目はガンケルが打たれたが打線が遠藤淳と森浦を打ち崩し逆転勝利で2勝1敗。今節は4勝2敗で長期ロードは上々の滑り出し。今季通算52勝49敗2分で勝率は.515で、2位。首位スワローズとの差は8.5と縮まる。今のところ、流れはタイガースに来ている。

◎ジャイアンツ16回戦……6-3
 ジャイアンツの先発はメルセデス。2回表、大山のライトフライは東京ドーム特有のライトスタンドに入るホームランとなり、1点先制。3回表、2死から中野がライト線に三塁打を放つと、島田のセンター前タイムリーヒットで2点目を入れる。タイガースの先発は青柳。3回までは完全に抑えていたが、4回裏、吉川に死球を与えると、重信のセンター前ヒットで無死一三塁とされ、丸にもライト前に運ばれてタイムリーヒットで1点差とされる。なおも無死一三塁で岡本和は見逃し三振。ここで一塁走者の丸が飛び出し、梅野は二塁送球。一二塁間の狭殺プレーとなるが、重信がその間に本塁へ走ると、ロドリゲスが本塁に好返球。重信は三本間の狭殺プレーとなるが、梅野の送球を佐藤輝が弾き、バックアップの大山が本塁に悪送球。重信だけでなく丸も生還して佐藤輝と大山にエラーがつく失点で逆転されてしまう。5回表、ライト前ヒットの島田を近本が送り、佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで同点とする。7回表、糸原のヒットとロドリゲスの二塁ゴロエラーで無死一二塁とし、梅野のバントで二三塁に。ここで青柳の代打北條のセンターへの浅いフライで代走の熊谷が素早くホームインし、犠牲フライとなってついに勝ち越し。ここでメルセデスは降板。二番手高梨の前に中野は二塁へのフライに倒れ、追加点はならず。高梨は8回表も抑える。7回表、二番手浜地が北村と小林を連続三振に取るなど三者凡退に抑える。8回裏、三番手湯浅京も吉川と重信を連続三振に取るなどして三者凡退。9回表、三番手桜井から大山が死球で代走に植田。熊谷のバントからのバスターでレフト前ヒットが出て無死一二塁に。ロドリゲスの二塁ゴロで二三塁とし、梅野のライト前2点タイムリーヒットで待望の追加点を取る。ここで桜井は降板し、四番手に戸根。代打陽川は四球を選んだが、後続を断たれてさらなる追加点は取れず。9回裏、クローザーの岩崎が三者凡退に抑えて締めくくった。青柳はリーグたトップの12勝。ヒーローインタビューは決勝犠飛の北條。
◎ジャイアンツ17回戦……2-1
 タイガース伊藤将、ジャイアンツ戸郷の投手戦。先制したのはタイガース。3回表、1死から梅野が死球で出塁すると、伊藤将のバントで二進。中野のセンター前に落ちるタイムリーヒットで1点を奪う。3回裏、先頭の大城にライト前ヒットを打たれたが、二塁を欲張った大城をライト島田の好返球でタッチアウトに。5回表、雨ののレフトスタンドへのソロホームランで2点差とする。5回裏、2死から中田に左中間を破る二塁打を打たれ、大城を歩かせて一二塁とされたが、北村をセンターフライに打ち取り、得点を許さない。6回裏、吉川にライトスタンドにソロホームランを打たれ、伊藤将の対ジャイアンツ3試合連続完封の夢はついえた。7回表、糸原が投手強襲安打を放ち、代走は熊谷。1死後、梅野がショートゴロで二封。すべりこんだ熊谷をよけ切れず、ショートの北村が転倒して一塁に送球できず。矢野監督が二塁はセーフではないかとリクエスト申請し、原監督は熊谷のスライディングは守備妨害ではないかとリクエスト申請。判定は熊谷のアウトと守備妨害で併殺という結果に。うまいショートならよけてジャンピングスローをするはずであるが、北村にその技量がなかっただけなのだが、これでは走者はスライディングしてはいけないことになる。伊藤将は6回1失点で交代。7回裏、二番手浜地が三者凡退に抑える。8回裏は三番手湯浅の必勝リレーでここも三者凡退。戸郷は8回2失点で交代。9回表は二番手クロールの前に三者凡退。1点差で迎えた9回裏、クローザーの岩崎は三者凡退で締めくくり、連勝。ヒーローインタビューは8勝目をあげた伊藤将。完封したかったができずに残念と悔しがった。
◎ジャイアンツ18回戦……0-7
 タイガースの先発はウィルカーソン。2回裏、岡本和にレフト前ヒット、ポランコに四球で無死一二塁とされ、中田に右中間にタイムリー二塁打を打たれて先制点を許すと、二三塁から大城のセンター前タイムリーヒットで2点目を奪われ、一三塁とされて中山のライト前タイムリーヒットで三点目を失う。さらに一三塁とされて山崎伊にもライト前タイムリーヒットを打たれて4点差に。ここでウィルカーソンは降板。二番手は石井大。吉川を歩かせ無死満塁とされたが、重信と丸は浅い外野フライに打ち取り2死までこぎつける。しかし岡本和に押し出し四球を与えて5点差に。ポランコを三振に取ってやっと攻撃を止めた。ジャイアンツの先発は山崎伊。3回表、ロドリゲスと梅野の連打で無死一二塁のチャンスを作るが、石井大のバントは中田に三塁に送られロドリゲスは三封。中野の投手ゴロ併殺打でチャンスを逸する。中野と近本はこの試合完全に封じられ、攻める形を作れずに終わった。石井大は4回まで無失点で抑え、5回裏は三番手のケラーが抑える。6回裏は支配下に戻ってきた四番手島本が久々の登板で三者凡退。7回裏、五番手アルカンタラが丸にソロホームランを打たれて6点差に。8回裏は今季初登板の六番手及川が代打増田陸にレフトスタンドにソロホームランを打たれて7点差をつけられた。山崎伊は大量の援護もあり、タイガース打線に狙いを絞らせず、8回無失点で交代。9回表、二番手の井納にも三者凡退で締められ、連勝ストップ。
◎カープ16回戦……3-2
 カープの先発は大瀬良。1回表、1死から島田がセンター前ヒットで出ると、近本のライト前ヒットで1死一三塁とし、佐藤輝のレフト犠牲フライで1点を先制する。3回表、西勇が歩き、1死後、島田の二塁ゴロ併殺崩れで2死一塁に。近本の打席で島田が二盗しチャンスを作るが、近本はセンターフライに倒れる。4回表、1死から糸原が歩き、ロドリゲスのショートゴロで二封。しかしここでロハスJr.が右中間スタンドにツーランホームランを放ち3点差にリードを広げる。タイガースの乱発は西勇。3回まではカープ打線を封じていたが、4回裏、秋山翔に左中間に二塁打を打たれると、マクブルームの二塁ゴロで秋山翔は三進。坂倉のセンター前タイムリーヒットで1点を返される。2死後、小園に左中間を破るタイムリー三塁打を打たれて1点差に迫られた。ここは會澤をショートゴロに打ち取り同点は免れる。大瀬良は5回3失点で降板。6回表、二番手ターリーの前に三者凡退。6回裏、1死からマクブルームにレフト前ヒットを打たれたところで西勇は交代。二番手は岩貞。坂倉の投手ゴロで二封。長野も投手ゴロに打ち取り、ここからは継投。カープは7回表は松本、8回表は矢崎がそれぞれ三者凡退に抑える。タイガースは7回裏は浜地が三者凡退に抑える。8回裏、四番手湯浅は野間にライト前ヒットを打たれ、菊池涼のバントは湯浅が判断よく二塁に送球するもベースカバーの中野が触塁できず、中野のエラーで無死一二塁に。それでも秋山翔をレフトフライ、マクブルームを空振り三振、坂倉も空振り三振で切り抜ける。9回表、五番手森浦に対し、1死から糸原のヒットで代走に植田。ロドリゲスもセンター前ヒットで続き、代走に小幡。代打陽川の四球で満塁と攻め立てたが、梅野は二塁ゴロ併殺で追加点の機会を逸する。1点差で迎えた9回裏、クローザーの岩崎は三者凡退で締めて、鬼門マツダスタジアムの初戦を取った。西勇が8勝目。ヒーローインタビューはツーランホームランのロハスJr.。
◎カープ17回戦……5-6
 タイガースの先発は藤浪。1回裏、野間の一塁ゴロはベースカバーの藤浪よりも一瞬早く野間がベースを駆け抜け内野安打に。菊池涼のバントで野間は二進。さらに秋山のセンターフライで三進。それでも落ち着いてマクブルームを空振り三振に取り、先制を許さない。カープの先発はアンダーソン。2回表、糸原とロハスJr.のヒットで1死一二塁とし、梅野のセンター前タイムリーヒットで先制する。3回表、島田と近本の連打、佐藤輝の四球で無死満塁とし、糸原の二塁ゴロ併殺崩れの間に島田が生還し、2点差とする。1死一三塁からロドリゲスのセンター犠牲フライで3点差に。3回裏、會澤に死球を与えるも、そこから崩れず野間にはヒットを打たれたが菊池涼を空振り三振に取ると、秋山翔をレフトフライに打ち取る。アンダーソンは3回3失点で降板。4回表、二番手の藤井に対し、2死から島田がライト線へ三塁打を放つと、近本は死球で一三塁に。佐藤輝の打席で近本が二盗し、佐藤輝はライト線に2点タイムリー二塁打を放ち、5点差とする。4回裏、マクブルームを死球で出すと、坂倉のレフト前ヒットで無死一三塁とされる。西川の二塁ゴロ併殺の間にマクブルームが生還して4点差に。6回表、カープは三番手薮田を投入。中野の四球と近本のヒットで2死一二塁とし、糸原の打席で薮田が暴投し二三塁としたが、糸原は三塁ゴロに倒れ追加点はならず。7回裏、西川のセンター前ヒットと會澤への四球で1死一二塁としたところで藤浪は交代。二番手岩貞は代打松山を一塁ゴロで二封、2死一三塁に。野間のショートへのタイムリー内野安打で3点差とされる。ここで三番手浜地に交代。菊池涼をレフトフライに打ち取り、追加点は許さず。8回表、四番手中崎に対し、代打木浪の二塁打、中野のバント、島田の四球と二盗で1死二三塁とし、近本の二塁ゴロで木浪が本塁を狙うも、菊池涼の好返球でアウトに。佐藤輝は申告敬遠で満塁としたが、糸原は三塁ゴロに倒れ、追加点を奪えず。8回裏は四番手ケラーが抑え、9回表は五番手一岡から梅野と木浪の連打でチャンスを作るも中野はセンターフライに打ち取られて追加点をまたも取れず。9回裏、3点差でクローザーの岩崎が登板。小園と會澤の連打で無死一二塁とされ、上本の二塁ゴロは小幡が一塁へ悪送球し小園がその間に生還して2点差に。野間は空振り三振に取ったが、菊池涼のショートゴロを中野が大きく弾いて2点タイムリーエラーとなり、同点に。1死二塁で秋山翔にライト前にサヨナラタイムリーヒットを打たれ、悪夢のような逆転負けを食らった。この敗戦で対カープ戦のシーズン負け越しが決まった。
◎カープ18回戦……7-5
 カープの先発は遠藤淳。1回表、中野がヒットで出ると、1死後、近本が投手強襲ヒットで一二塁とする。佐藤輝は三邪飛に倒れたが、糸原のライト前ヒットで中野が本塁を狙うも野間の好返球で憤死、先制点は取れず。タイガースの先発はガンケル。菊池涼とマクブルームのヒットで2死一三塁とされるも坂倉の投手ライナーを一度はこぼすも一塁に送球して投手ゴロで切り抜ける。2回表、ヒットのロドリゲスを一塁に置き、梅野との間のヒットエンドランが決まって1死一三塁とし、ガンケルのレフト前タイムリーヒットで先制。2死後、島田が投手強襲ヒットを放つと、ボールはショートの横を抜けてレフトに転がり、梅野が一気に生還して2点差とする。2回裏、西川と小園の連打と白濱のバントで1死二三塁とされ、遠藤のセンター前2点タイムリーヒットで同点とされる。3回裏、秋山翔にレフトスタンドにソロホームランを打たれてリードを許すと、2死後、西川にもレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差にされる。4回裏、2死から野間にレフト前ヒットを打たれると、菊池涼の打席で二盗を許し、菊池涼にレフト前タイムリーヒットを打たれて3点差とされる。5回表、ヒットの近本を置いて、2死からロドリゲスがセンターへツーランホームラン、続くロハスJr.がライトスタンドにソロホームランを叩きこみ、一気に同点に追いつく。ここで遠藤淳は降板。二番手の松本から梅野と代打長坂の連打で一三塁と攻め立てるが中野は一塁へのフライで逆転はならず。ガンケルは4回5失点で降板。5回裏は二番手島本が抑える。6回表は三番手ターリーに抑えられ、6回裏、三番手加治屋も抑える。7回表は四番手矢崎の前に三者凡退。7回裏、四番手岩貞は秋山翔に日米通算1500本安打となる二塁打を打たれ、1死後、坂倉を歩かせ一二塁に。西川の一二塁間の当たりは糸原が好捕して二封。しかし判定はセーフ。矢野監督のリクエスト申請で覆り、2死一三塁に。小園を二塁ライナーに打ち取って切り抜けた。8回表、五番手森浦から代打陽川が死球で出て、代走は熊谷。中野のバントで二進。島田の左中間に落ちるタイムリー二塁打で勝ち越すと、近本のライト前ヒットで一三塁とし、佐藤輝のセンター犠牲フライで2点差とした。8回裏は五番手湯浅が抑え、9回表は六番手栗林から四球の植田がバントなどで三進し2死三塁とチャンスを作るが中野は二塁ゴロで追加点はならず。9回裏、抑えとしてケラーが登板。秋山翔とマクブルームを連続三振に取り、坂倉をセンターフライに打ち取って来日初セーブ。勝利投手は岩貞。ヒーローインタビューは決勝打の島田。

愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司
 ジャイアンツ打線を手玉に取り、連勝をのばす。規定投球回数にはまだ達していないが、青柳、西勇に続く安定感。ここにガンケル、才木、藤浪とローテーション再編がうまくいっている。
野手……島田海吏
 中野と近本が調子を落とす中、それをカバーしてあまりある活躍。打って走って守ってと絶好調。その総力のおかげで佐藤輝の打点が60に達し、「ありがとうなぎ」とニックネームにからめたコメントが毎試合のように出た。

 次節は横浜スタジアムでベイスターズと対戦。勝率を5割に戻すなど好調な相手だけに、青柳と伊藤で確実に勝ち越しておきたい。続いては京セラドームでドラゴンズ戦。最下位独走で調子を落としているだけに、ここは3連勝を狙いたい。特にカープ戦で白星を消してしまった藤浪に今度こそ勝たせてほしい。投で藤浪、打で佐藤輝。この2人はやはり別格で、彼らの活躍でチームがさらに乗ってくる。山本泰、大山、北條、渡邉、石井、熊谷とコロナ禍で抹消される選手が少しずつ出てきている。まさかのロハスJr.の活躍みたいに代わりの選手が穴を埋められるのが今のタイガース。中継ぎで実績のある小林が昇格した。今節の島本のように気迫の投球を見せてもらいたい。ただ、二軍もコロナ禍で大量離脱し、平田二軍監督も休養して野村コーチが監督代行をしている。さらに捕手が内野を守るという緊急事態だ。コロナ離脱の一軍選手の代わりに上げられる選手が少なくなっているのが気がかりである。

(2022年8月8日記)


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