愛すれどTigers


超人糸井、ファンに別れ

 今節はまず甲子園でベイスターズ戦。青柳がやはり低目のコントロールを乱し得点される。陽川の代打ホームランで一度は追いつくが、岩崎が得たれて敗れる。甲子園でのカープ戦は糸井の引退試合。伊藤将を早めに見切って同点で延長戦。しかし岩貞が崩れて敗れる。糸井は代打でヒットを放ち、最後の打席を飾った。試合終了後に引退セレモニーが行われ、超人は甲子園に集まったファンに別れを告げた。1日置いてマツダズームズームスタジアムでカープ戦。今度は大瀬良から原口がホームランを放ち、中崎から佐藤輝が20号ホームランを放って快勝。今節は1勝2敗。今季通算66勝71敗3分で勝率は.482の4位。首位スワローズとの差は12.5で優勝決定。2位ベイスターズとの差は5.5。ベイスターズも2位が確定した。3位ジャイアンツとは0.5差。カープとは同率4位。
 バンテリンドームナゴヤでは福留の引退試合が行われた。最後は古巣ドラゴンズのユニフォームで引退できたのだからそれでよいのだが、日程の都合上仕方ないとはいえ、タイガース戦で引退試合を飾ってほしかったなあ。

◎ベイスターズ25回戦……4-5
 タイガースの先発は青柳。1回表、2死から佐野に先制のソロホームランを左中間スタンドに放りこまれる。ベイスターズの先発は上茶谷。1回裏、中野が三塁強襲ヒットで出ると、糸原が歩き近本のバントで二三塁とする。大山の三塁ゴロの間に中野が生還して同点に。3回表、森に二塁強襲ヒットを打たれ、上茶谷を歩かせる。桑原のバントは坂本の前に転がりすかさず三封。神里を歩かせて1死満塁に。佐野は投手ゴロで本封し、牧は三塁ゴロに打ち取ってなんとか切り抜けた。6回表、神里を歩かせ佐野のセンター前ヒットで無死一二塁とされると、牧には三塁左を抜けるレフト前タイムリーヒットを打たれて1点のリードを許す。ここで青柳は降板し、二番手は岩貞。楠本のバントで二三塁とされ、伊藤光を浅いライトフライに打ち取ると、代打宮崎に対しては三番手浜地をぶつける。宮崎を空振り三振に取り、最少失点で切り抜けた。上茶谷は5回1失点で交代し、6回裏、二番手入江に対して糸原が二塁打を放つも後続を断たれて得点できず。7回裏は三番手伊勢の前に三者凡退。8回表、四番手ケラーは佐野にヒットを打たれたが後続を断つ。8回裏、四番手エコバーに対し、代打陽川がレフトポール際に同点のソロホームランを放つと、中野がライト前に落ちるヒットで続き、糸原のバントで二進。近本は三塁ゴロに倒れたが、大山は申告敬遠。ここで原口がしぶとくレフト前タイムリーヒットを放ち逆転。原口の代走に島田。佐藤輝がレフト前に落ちるタイムリーヒットを放ち、2点差とした。9回表、クローザーの岩崎を送るが、宮崎と代打大田の連打で無死一二塁とされ、関根のライトフライで宮崎は三進。桑原にライト前タイムリーヒットを打たれて1点差に迫られる。代打ソトは空振り三振に取ったが、佐野にライト前に同点タイムリーヒットを打たれると、牧を歩かせて2死満塁に。楠本のライト前タイムリーヒットで逆転されてしまう。9回裏、ベイスターズのクローザー山崎に対し、梅野のライトへのフライは二塁牧が深追いして捕球できずエラーで出塁。しかし植田がスリーバントをファールにしてしまい、流れを断ち切る。ここで梅野に代走熊谷。なんとか流れを引き戻そうとしたが、中野は投手ゴロ、糸原は空振り三振で逃げ切られた。試合を岩崎に託したのが裏目に出てしまい、Aクラスから陥落。
◎カープ24回戦……4-10
 カープの先発は森下。1回裏、2死から近本の四球と盗塁、大山の四球、原口の四球で満塁とし、佐藤輝のライト前2点タイムリーヒットで先制。タイガースの先発は伊藤将。初回から球は高めに浮いていたが、2回表につかまる。坂倉にライトスタンドにソロホームランを打たれると、ヒットの會澤を置いて小園にバックスクリーン右にツーランホームランを叩きこまれ、逆転を許す。森下と菊池涼を歩かせ、西川のヒットで1死満塁に。ここで伊藤将は早々と降板。二番手西純はマクブルームに犠牲フライを打たれて2点差とされたが、そのあとは5回まで無失点の好投を見せる。4回表、上本と菊池涼の四球と西川のヒットで1死満塁のピンチを招くがマクブルームをショートゴロ併殺に打ち取り、追加点は許さず。5回裏、今季限りで引退の糸井が代打に送られ、レフト前ヒットで球場を沸かす。中野の三塁ゴロで二封。糸井はダグアウトに戻るとき、ファンから大きな拍手をもらった。2死後、近本の二塁内野安打を菊池涼が無理な体勢から一塁へ悪送球。この間に中野が生還して1点差に迫る。6回表は三番手島本が三者凡退に抑える。森下は5回3失点で降板。6回裏、二番手森浦から梅野がレフトスタンドにと同点となるソロホームランを放つ。7回表はケラー、8回と9回表は湯浅がそれぞれ抑え、カープも7回裏はターリー、8回裏は矢崎が、9回裏はケナムが抑えて試合は延長戦に。10回表、岩崎が三者凡退の投球を見せると、10回裏は松本に対し大山と原口の連打でチャンスを作るも佐藤輝と梅野が連続三振でチャンスを逸した。11回表、七番手の岩貞は1死から會澤を歩かせ代走に曽根。小園のバントは岩貞が一塁に悪送球し、曽根は三進。代打磯村を歩かせて満塁とされ、上本にレフト前タイムリーヒットを打たれてついにリードを許す。さらに菊池涼のレフト前タイムリーヒット、西川の2点タイムリー二塁打で4点差と広げられ、岩貞は降板。八番手加治屋はマクブルームに2点タイムリーヒットを打たれて6点差と広げられた。11回裏、クローザーの栗林の前に三者凡退。負けられない試合を落としてしまった。試合終了後、糸井の引退セレモニーが行われ、ファンは夜遅くまで残り糸井との別れを惜しんだ。
◎カープ25回戦……7-3
 カープの先発は大瀬良。1回表、中野がライト前ヒットで出るが、糸原の三塁ゴロで二封。しかし近本が右中間を破るタイムリー二塁打で先制。続く大山はセンターフェンスに当たるタイムリー二塁打で2点目を奪う。さらに原口がレフトスタンド上段にツーランホームランを放ち4点差とする。タイガースの先発は才木。1死から上本に二塁打を打たれると、西川のライト前タイムリーヒットで1点を返される。ホームはタッチアウトではないかと矢野監督がリクエスト申請をしたが、判定は覆らず。大瀬良は2回4失点で降板。3回表は二番手遠藤淳に抑えられる。4回表、続投の遠藤淳に対し、ヒットの梅野を置いて高寺がライト線にプロ入り初安打となる二塁打を放つと、梅野は一気に本塁を突きタイムリーヒットとなり初打点となる。才木は3回1失点で降板。4回裏、二番手島本がヒットのマクブルームを置いて松山にバックスクリーン右にツーランホームランを打たれて2点差に迫られた。5回裏からは三番手藤浪が好投。四球の走者を出しても落ち着いて抑える。6回表、三番手中崎に対し、二塁打の原口を置いて佐藤輝が今季20号となるツーランホームランをライトスタンド最上段に叩きこみ再び4点差にする。梅野のレフト前ヒットで中崎は降板。四番手は松本。藤浪のバントで梅野は二進したが、中野は空振り三振で追加点はならず。カープは7回表はターリー、8回表はケムナ、9回表は森浦とつないでタイガース打線を抑えたが、タイガースも7回裏はケラー、8回裏は湯浅、9回裏は岩崎の必勝の継投。岩崎は小園のヒット、會澤への死球、代打堂林のライトフライで2死一三塁とされたが、野間をレフトフライに打ち取り連敗ストップ。好リリーフの藤浪が3勝目。ヒーローインタビューはプロ入り初安打初打点の高寺。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎
 伊藤将を早々とマウンドから降ろし、「第2先発」として安定した投球でチームに流れをもたらした。藤浪が投げ、佐藤輝が打ち、これ以上ない展開でカープ戦を締めくくった。来季は先発ローテーションから外れることなく主力として久々の10勝を期待したい。
野手……糸井嘉男
 プロ入り初安打初打点の高寺と迷うところだったが、ここは最後試合を迎えた糸井に感謝の気持ちをこめてMVPとしたい。FAで「大好きなタイガースのユニフォームを着られて幸せでした」と、ここまではっきりと言い切ってくれたのはほんまに嬉しかった。ドラゴンズで野球人生を終えた和田もそうだったが、FAで移籍した選手はかくあるべきではないかと思うた次第。

 次節は神宮球場でスワローズと2連戦。3日置いて甲子園でスワローズ戦。この3試合で今季の日程は終了。残念ながら今年も優勝できなかった。Aクラスに入る可能性はまだ残しているが、5割に届かない成績のチームが「下克上」などといって日本シリーズに出てはいけないと思う。昨年ならばCSで勝ちぬくだけの価値はあったと思うが、今季はもし3位になっても辞退してほしいくらい。ただ、最後の最後までタイガースの試合を見たいという思いもある。実は最下位ドラゴンズにも3位に入る可能性が残されていたりする。CSの意味が問われるシリーズになりそうだ。

(2022年9月26日記)


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