今節は東京ドームでのジャイアンツ戦。初戦は西勇が好投したが、戸郷の前に打線が振るわずリリーフの浜地が打ち込まれて落とす。２戦目は村上が７回をパーフェクトに抑え、石井が岡本和のホームランで同点にされたが近本の決勝打で接戦をものにした。第３戦は佐藤輝を外して起用した渡邊諒の活躍と西純の粘り強い投球で勝ち２勝１敗。続いて横浜スタジアムのベイスターズ戦。初戦は青柳が乱調で完敗。雨天中止をはさんで２戦目は才木が牧にツーランを打たれ、大山の今季第１号ホームランで反撃したが両チームのリリーフ陣が踏ん張り惜敗。横浜スタジアムは昨シーズンから続いて公式戦１０連敗となり０勝２敗。今節は２勝３敗。今季通算は７勝５敗１分で勝率．５８３で首位カープと０．５差、ベイスターズと同率の２位。４位のスワローズとは０．５差。
◎ジャイアンツ１回戦……１－７
タイガースの先発は西勇。１回裏、オコエのレフト前ヒットをノイジーが弾いてオコエは二進。丸のショートゴロの間に三振を許し、梶谷のレフト前タイムリーヒットで先制される。ジャイアンツの先発は戸郷。初回から快調に飛ばし、タイガース打線は手も足も出ず。３回表、２死から西勇の一塁ゴロを中田翔が弾きエラーで出塁。しかし近本はレフトフライに倒れる。３回裏、オコエにあわやホームランというライトフェンス最上部にあたる二塁打を打たれ、丸のセンターフライで三進される。しかし、梶谷を浅いセンターフライに打ち取ると、岡本和はショートゴロで切り抜ける。４回表、中野がこの試合初めてとなるライト前ヒットで出るも、ノイジー、大山、佐藤輝はすべてフライアウト。戸郷の速球にどの打者もさしこまれている。４回裏、中田翔に二塁打を打たれるも、坂本勇のライトフライでタッチアップした中田翔を森下から中野、佐藤輝とみごとな中継プレーで憤死させ、大城卓を一塁ゴロに打ち取り踏ん張る。６回表、近本がヒットで出るも中野は高めの速球に手を出し空振り三振。ノイジーと大山はまたも二塁へのフライで走者を進めることもできず。７回裏、ついに西勇がつかまる。１死から坂本勇を歩かせ、大城卓のライト前ヒットで一三塁とされると、吉川には死球で満塁に。代打長野の一塁ゴロはホームに送りアウトにしたが、オコエにまたもやライト前に２点タイムリーヒットを打たれて、西勇はここで降板。二番手は左腕富田。右の代打ブリンソンをライトフライに打ち取り、流れを断つ。戸郷は７回無失点で交代。８回表、二番手高梨に対し木浪のレフト前ヒットと二盗で無死二塁に。しかし代打原口は低めを見逃し三振。近本の一塁ゴロはまたもや中田翔が弾き、球を見失う間に木浪は三進。中野のセンター前タイムリーヒットで久々の得点。しかしノイジーに対し、三番手田中豊を投入され、ノイジーのショートゴロで２死二三塁に。しかし大山がここでも二塁へのフライで反撃もここまで。８回裏、三番手浜地は梶谷に二塁打を打たれ、代走に増田大。中田翔の打席で三盗され、中田翔はレフトスタンドにツーランホームラン。さらに二塁打の坂本勇を置いて大城卓にライトスタンドにツーランホームランを打たれ、６点差をつけられる。ここで浜地は降板。四番手のビーズリーが吉川にヒットを打たれるも代打松田は空振り三振。絶好調のオコエも三塁ゴロでやっとチェンジに。９回表は四番手鍬原の前に三者凡退で試合終了。戸郷が良すぎたのか、打線がつながらず。
◎ジャイアンツ２回戦……２－１
タイガース村上、ジャイアンツメンデスの投手戦。村上は切れのいい速球とスライダーでジャイアンツ打線を翻弄。７回裏まで一人の走者も許さない。２回表、佐藤輝がメンデスから久々に久人を放ち、二盗するも後続を断たれて得点はできず。４回表、ノイジーのレフトスタンド上段に飛びこむ来日初ホームランでついに１点を先制。６回表、二塁打の近本を中野が送り１死三塁とするも、ノイジーは空振り三振に倒れ、大山はセンターフライで走者を返せず。６回裏、メンデスが二塁ゴロを打った際に足を痛め、７回表、佐藤輝の打席で変調を訴えて降板。二番手の鍵谷が急遽マウンドに上がったが、三者凡退で助けてしまう。８回表、１死走者なしの場面でなんと村上に代打原口を出す。完全試合の夢はここで断ち切られ、取っておきの代打も使ってしまった。これがこの後苦戦する原因となる。三番手大江の前に三者凡退と、岡田監督の打った手は完全に裏目に。８回裏、二番手石井が岡本和に左中間スタンドに同点ホームランを叩きこまれる。石井はすぐに切り替えて中田翔、坂本勇、大城卓を三者三振にとったが、完全試合は無くなるプロ入り初勝利も消えると、村上にとっては悪夢のような８回となった。９回表、クローザーの大勢が四番手で登板。１死からノイジーが歩き、代走は植田。大山の投手ゴロは大勢の二塁への悪送球で一三塁となり、大山の代走に熊谷と、ここで決着をつけようという選手起用。佐藤輝の打席で熊谷が二盗。しかし代打糸原が歩き満塁に。このチャンスで切り札の原口はもう起用したあとで、島田を代打に送ったが、空振り三振と勝ち越し点は奪えず。９回裏、三番手岩崎が三者凡退に抑えて試合は延長戦に。１０回表、五番手田中豊に対し、木浪が四球で出ると、梅野の打席で大城が捕逸し木浪は二進。梅野のバントで三進。近本に対し、六番手高梨を送ってきたが、近本はレフト前に落ちるタイムリーヒットで２点目が入る。中野の見逃し三振の間に近本が二盗。植田の打席で高梨がボークを取られ近本は三進。植田が歩き、代打は小幡。植田は二盗して二三塁としたが、小幡は空振り三振。１０回裏、クローザーの湯浅は丸にライト前ヒットを打たれ代走に増田大。梶谷は空振り三振｡岡本和は一塁へのファールフライ。中田翔の三塁ゴロは佐藤輝の悪送球で一二塁とされたが、坂本勇の三塁ゴロはきっちりと早期ゅし、逃げ切った。岩崎が今季初勝利。ヒーローインタビューは決勝打の近本。
◎ジャイアンツ３回戦……４－１
ジャイアンツの先発は横川。１回表、ヒットの近本を中野が送ってチャンスを作るが、佐藤輝に代わってスタメン三塁に入った渡邊諒はレフトフライに倒れ、大山は見逃し三振で先取点は取れず。タイガースの先発は西純。オコエのレフト前ヒットと吉川の内野安打で無死一二塁とされるも、丸は一塁ゴロにとり、走者は二塁三塁に進塁。岡本和を一塁へのファールフライにとると、中田翔は空振り三振でこちらも先取点は許さず。２回表、ノイジーがレフトスタンドにソロホームランを放ち１点先取。２回裏、大城卓のレフト線への二塁打とブリンソンのレフト前ヒットで無死一三塁とされ、門脇にライト前タイムリーヒットを打たれて同点。しかし三塁を狙ったブリンソンをライトの板山が好返球で刺し１死一塁とする。原監督のリクエスト申請も判定は覆らず。横川のバントで門脇は二進したが、オコエは空振り三振と同点にとどめる。４回表、渡邊諒がレフトスタンドに移籍第１号となるソロホームランを放ち、再びリード。５回表、板山と木浪の連打、西純のバントで１死二三塁とし、近本のライト犠牲フライで２点差とし、木浪は三進。中野の打席で横川は暴投、木浪が生還し３点差と広げる。横川は５回４失点で降板。６回表、二番手の大江には抑えられる。６回裏、丸と岡本和の連打で無死一二塁とされるが、中田翔はライトフライに打ち取り、大城卓の三遊間のライナーは渡邊諒がジャンプして好捕。ブリンソンを空振り三振にとり、西純は６回１失点で降板。７回表、三番手直江の前に三者凡退。７回裏、二番手は今季初登板となった岩貞。代打坂本とオコエのヒットで１死一二塁とされるも吉川と丸をフライに打ち取って切り抜ける。８回表、四番手田中千に対し、渡邊諒の四球と大山のヒットで１死一二塁としたが、ノイジーはセンターフライ。梅野が歩いて満塁と攻め立てたが板山もセンターフライに倒れて追加点はならず。８回裏は三番手石井が三者凡退に抑える。９回表、五番手代木には三者凡退。９回裏、クローザーの湯浅が三者三振で締め、カード勝ち越しを決めた。西純が今季初勝利。ヒーローインタビューは移籍初ホームランと美技の渡邊諒。
◎ベイスターズ４回戦……３－８
ベイスターズの先発はガゼルマン。２回表、２死から梅野が内野安打で出ると、木浪の打席で二盗。木浪はセンター前タイムリーヒットで先制。青柳のライト前ヒットで一二塁とし、近本のライト前タイムリーヒットで２点差に。タイガースの先発は青柳、３回裏、内野安打の京田をガゼルマンのバントと佐野のライトフライで三進させるも神里は一塁ゴロに打ち取り切り抜ける。４回裏、１死から牧にレフトフェンスに当たる二塁打を打たれると、２死後、関根にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ１点差とされる。５回裏、１死から佐野にライトフェンスに当たる三塁打を打たれ、神里には死球。宮崎を歩かせて１死満塁とされ、牧にも押し出しの四球を与えて同点とされる。桑原にはレフトに犠牲フライを打たれてリードを許し、関根のライト線を破る２点タイムリー二塁打で３点差に。ここで青柳は降板。二番手富田は伊藤光に三塁線に強い当たりを打たれるも佐藤輝が好捕して三塁ゴロとする。ガゼルマンは５回２失点で交代し、６回表は二番手ウェルデンケン。新外国人の前に三者凡退。６回裏、続投の富田は京田を歩かせ、代打ソトのライトフェンスに当たる二塁打で二三塁とされると、佐野にはレフトフェンス直撃の２点タイムリー二塁打を打たれ５点差に。神里の二塁ゴロで佐野は三進。ここで三番手ビーズリーに交代。宮崎のセンター犠牲フライで６点差とされる。７回表、三番手エスコバーに対し、木浪の内野安打と佐藤輝のライト前ヒットで無死一三塁とし、１死後、中野のセンター犠牲フライで１点を返す。８回表は四番手入江の前に三者凡退。８回裏、四番手加治屋は２死から神里と宮崎に連打されるが牧を空振り三振に取って打線の奮起を待つ。９回表、五番手森原に対し木浪と近本のヒットで２死一二塁としたが、中野はショートゴロに倒れ、今季ベイスターズ戦初黒星。
◎ベイスターズ５回戦……１－２
タイガース才木、ベイスターズ平良の投手戦。１回裏、２死からヒットの宮崎を置いて牧にレフトスタンドにツーランホームランを放りこまれ、先制を許す。しかし、２回以降才木は立ち直り、ベイスターズ打線を抑えこむ。タイガース打線は平良に対し初回にノイジーがヒットを放ったが、あとは完璧に抑えこまれる。しかし４回表、２死から大山に今季待望のレフトスタンドに叩きこむ１号ソロホームランが出て１点差に。４回裏、宮崎のヒットと牧への四球で無死一二塁とされるも桑原を二塁ゴロ併殺に打ち取り、桑原を歩かせて２死一三塁とされながらソトをライトフライに打ち取り切り抜ける。６回裏、１死から宮崎のヒットと牧への四球でまたも一二塁とされるが、桑原を二塁へのフライに打ち取ると、関根は投手ゴロでここも切り抜けた。平良は６回１失点で降板。７回表、二番手入江からノイジーがヒットを放つも大山は三塁ゴロ併殺。直後に佐藤輝がライト線に二塁打を放つといういかにも流れの悪い攻撃。森下は見逃し三振に終わり、同点機を逸した。８回表は二番手伊勢に対して代打攻勢をかけるが、糸原はショートゴロ、島田は二塁ゴロ、渡邊諒はショートゴロと手玉に取られる。才木は７回２失点で交代。８回裏は二番手岩貞が佐野、京田と連続三振に取ると、三番手加治屋に交代。当たっている宮崎も二塁ライナーで流れを断ち切る。９回表、クローザーの山崎の前に三者凡退で逃げ切られ、ベイスターズには連敗で今季初のカード負け越しとなった。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……村上頌樹 ジャイアンツ戦での７回パーフェクト投球は圧巻。プロ入り初勝利こそ逃したが、この試合のような投球を見せられれば初勝利も近い。ローテーションの谷間の起用がこれだけの投球。二軍で調整中の伊藤将や秋山もうかうかしていられない。
野手……木浪聖也 開幕スタメンこそ小幡に譲ったが、試しに起用された試合から打ちまくり、守備でも美技を連発。小幡に付け入る隙を与えない。こういう高いレベルでの競争は大歓迎だ。
次節は甲子園に戻り、現在連勝中で首位のカープ戦。前回とは勢いが違う相手にどれだけ地の利を生かせるか。初戦先発予定の西勇の投球に注目したい。ここで打ちこまれるようなことがあればカード勝ち越しも難しくなる。逆に初戦でカープの勢いを止めれば逆に勢いづく。序盤戦の正念場だ。続いてバンテリンドームでのドラゴンズ戦。なんと今季初めての対戦。上位４チームと差をつけられているとはいえ、ジャイアンツを叩いて５位に浮上と、こちらも勢いづいている。青柳にはベイスターズ戦での敗戦から切り替え、エースらしい投球を期待したい。
コンディション不調でクローザーの湯浅が二軍落ち。開幕直後は好調を維持していた森下もノーヒットが続き二軍で再調整。しかし、二軍で成績を上げてきた及川と井上が今季初めて一軍昇格。しっかり準備をして、ワンチャンスをものにしてほしい。結果さえ出せば、岡田監督は起用を続けるだろう。ただ、お気に入りの選手を優先的に起用することも多い監督だけに、結果の出ていない板山がライトのポジションを与えられる可能性もある。原口や糸原のように代打の切り札としてベンチ入りさせている選手を投手交代のための代打に起用するなど、岡田監督の選手起用にも一時の冴えがない。苦しい戦いになるだろうが、五割のラインだけはキープしてほしい。そのためには安定した結果を残しているノイジーや待望のホームランが出た大山、復調の気配を見せる佐藤輝ら打線の奮起が必要だ。クローザーとして誰を起用するかにも注目したい。
（２０２３年４月１７日記）
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