今節は甲子園球場でのジャイアンツ戦。降雨中止の翌日、初戦は西勇が打ちこまれ、戸郷に抑えられていたが、佐藤輝の今季初ホームランをきっかけに1点差まで迫るも長野に代打ホームランを打たれて突き放され敗れる。2戦目は今季初登板の伊藤将が好投し、打線も山崎伊をはじめとするジャイアンツ投手陣を打ちまくり15得点で大勝。伊藤将はまたもジャイアンツを完封し、昨年から続く甲子園での連勝を11にのばし、このカードは1勝1敗。続いて神宮球場のスワローズ戦。初戦は大竹からの継投でスワローズ打線を完封し、打線も初回から高橋奎を攻略して連勝。2戦目は村上頌がまたも得点を許さず、佐藤輝のホームランなどで3連勝。3戦目は才木がまたも打たれ、打線は新人吉村を打ち崩せずプロ入り初勝利を献上し、連勝はストップし2勝1敗。今節は3勝2敗。今季通算は13勝10敗1分で勝率.565で首位ベイスターズと3.0差の2位。3位のカープとは1.5差。少しずつ各チームの順位がかたまってきた。
◎ジャイアンツ4回戦……4-8
タイガースの先発は西勇。1回表、センター前ヒットのオコエを吉川にバントで送られ、ブリンソンはショートゴロに打ち取ったが、岡本和にレフト前タイムリーヒットを打たれて先制点を許す。ジャイアンツの先発は戸郷。不調の梅野を二番に置く新オーダーで臨んだが、1回裏、近本、梅野、中野が三者三振と、まったく手が出ず。2回表、秋広の二塁打と戸郷への四球で1死一二塁とされるも後続を断つ。3回表、二塁打のブリンソンを置いて岡本和にセンター前にタイムリーヒットを打たれると、1死後、大城卓のライト前に落ちる当たりを島田がスライディングキャッチしに行き、後逸。その間に大城は三進し、タイムリー三塁打となる。2死後、秋広を申告敬遠し、戸郷と勝負したがバットを折りながらセンター前に運ばれタイムリーヒットとなる。さらにオコエにもセンター前タイムリーヒットを打たれて5点差とされ、西勇はこの回限りで降板。4回からは二番手及川が好投。5回まで無失点に抑える。これで流れが変わる。5回裏、佐藤輝に待望の今季第1号となるライトスタンドへのソロホームランが出て4点差とすると、戸郷の投球が乱れる。島田が投手前の内野安打で出ると、木浪のライト前ヒットで一三塁とし、代打渡邊諒のレフト線のタイムリー二塁打で3点差に。なおも無死二三塁で近本がセンター前にタイムリーヒットを放ち2点差に。梅野は二塁ゴロ併殺に倒れたが、この間に渡邊諒が生還して1点差と迫る。6回表は三番手加治屋が、7回表は四番手K・ケラーが抑え、7回裏、1死から代打井上が歩くと戸郷はここで降板。二番手大江から近本が死球で一二塁とし、同点のチャンスを作ったが梅野は空振り三振。中野の一塁線のゴロは中田に好捕されて一塁ゴロとなり同点機を逸した。8回表、五番手岩貞がヒットのウォーカーを代打門脇に送られ、オコエの三塁ゴロは佐藤輝が弾いてしまい1死一三塁に。ここで代打の長野にレフトスタンドにスリーランホームランを打たれて試合は決した。8回裏は三番手田中千に対し大山が三塁ごエラーで出るもノイジーが二塁ゴロ併殺。9回表は六番手ビーズリーが三者凡退に抑え、打線の反撃を待つが、9回裏、四番手直江の前に島田、木浪が連続三振。代打糸原はセンターフライに倒れて試合終了。梅野の二番起用が裏目に出、西勇が序盤で打ちこまれるなど誤算だらけの試合となった。
◎ジャイアンツ5回戦……15-0
タイガースの先発は今季初登板の伊藤将。初回から持ち味の低めの絶妙なコントロールでジャイアンツ打線を翻弄する。ジャイアンツの先発は山崎伊。2回裏、1死から佐藤輝に死球。井上のレフト線の二塁打で二三塁とし、坂本誠がライト前タイムリーヒットで先制。井上は三塁に。木浪のレフトへの犠牲フライで2点目を奪った。3回裏、近本がライトスタンドにソロホームランを放ち3点目。中野とノイジーの連打、大山への死球で無死満塁とし、佐藤輝の二塁へのタイムリー内野安打で4点目。井上はレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち6点目。坂本誠は投手ゴロで1死二三塁に。ここで山崎伊は降板。二番手は代木。木浪のセンター前タイムリーヒットで7点目。伊藤将は打つ気なく三振で2死一三塁。近本の一塁ゴロは代木のベースカバーが遅くタイムリー内野安打となり8点差に。4回裏、続投の代木からノイジーのヒットと佐藤輝の死球で1死一二塁とするも後続を断たれる。5回表、中田にこの試合の初安打を打たれるもウォーカー、坂本勇を凡退させて二塁も踏ませず。6回裏、三番手鍵谷から大山がレフトスタンドにソロホームランを放ち9点目。8回表、1死からウォーカーにセンター前ヒットを打たれ、坂本勇のショートゴロは木浪が二封できず一塁でアウトに。山瀬の打席で伊藤将が暴投、ウォーカーは三進。しかし山瀬はレフトフライで得点を許さず。8回裏、四番手今村に対し、島田と大山の連打でチャンスを作り、1死後、井上が右中間を深々と破る2点タイムリー三塁打を放ち11点目。坂本誠のセンター前タイムリーヒットで12点目。木浪のヒットと近本の四球で2死満塁に。ここで今村は降板。五番手の田中豊から中野がライト線へ走者一掃の三塁打を放ち、15点差とする。9回思い、伊藤将は中山とオコエを内野ゴロに打ち取り、門脇を見逃し三振に切って取って今季初勝利を完封で飾った。伊藤将は甲子園での先発で村山と並ぶ11連勝。ヒーローインタビューは完封の伊藤将、好リードと先制タイムリーの坂本誠、プロ入り初の猛打賞で4打点の井上。
◎スワローズ4回戦……4-0
スワローズの先発は高橋奎。1回表、2死からノイジーが四球を選ぶ。大山のレフト前ヒットと佐藤輝の四球で満塁とし、井上のレフト前2点タイムリーヒットで先制。坂本もセンター前タイムリーヒットで続き、3点差に広げる。2回表は近本の死球と中野のレフト前に落ちるヒットでチャンスを作るがノイジーの三塁ゴロで二封。ノイジーは全力疾走で併殺にはならず。一三塁としたが、大山はレフトフライに倒れて追加点はならず。3回表、佐藤輝は一塁内野安打で出ると、2死後、木浪の打席で二盗。なんと佐藤輝は現時点でチーム盗塁数トップ。木浪は申告敬遠で、大竹三振と追加点にはならず。タイガースの先発は2連勝中の大竹。3回裏、2死から並木にレフト前ヒットを打たれ、濱田の打席で二盗を許すも濱田を空振り三振にとる。5回表、2死から坂本のヒットと木浪の四球でチャンスを作るも大竹は空振り三振。5回裏、中村にセンター前ヒットを打たれると、長岡にもライト前ヒットを打たれ、代打竹岡のバントで1死二三塁に。並木は意表を突くセーフティバント。しかし味方走者の意表までついてしまい、走者は動かずただの投手ゴロに終わってしまった。この拙守が大きく、濱田はセンターフライに倒れて切り抜けた。高橋奎は5回3失点、大竹は5回無失点でともに交代。6回表、二番手小澤に対し、1死から中野が歩きノイジーの打席で二盗。ノイジーの投手ゴロで三進。大山のレフト線へりタイムリーヒットで待望の追加点を奪い4点差に。大山は二塁を狙うが憤死。6回裏から7回裏までは二番手石井が無失点に抑える。小澤には8回表まで抑えられ、8回裏は三番手岩崎が三者凡退に抑える。9回表、三番手成田に対し2死から大山の四球と佐藤輝のライト前ヒットで一三塁と攻め立てたが井上は空振り三振に倒れ、ダメ押し点は取れず。9回裏はK・ケラーが三者凡退で締めて連続完封。スワローズは力なく6連敗。
◎スワローズ5回戦……7-0
タイガースの先発は村上頌。この試合でもコントロールよくスワローズ打線に狙い球を絞らせず、凡打の山を築く。スワローズの先発は小川泰。2回表、大山がレフトフェンス最上部に当たるあわやホームランというシングルヒットで出るが、後続を断たれて先制できず。2回裏、村上宗の二塁ゴロはベースカバーの村上頌の足が一瞬早くアウトに。高津監督のリクエスト申請も判定は覆らず。2死から青木にこの試合初安打を許すが長岡はライトフライでまったく動じず。5回表、試合が動く。佐藤輝がライトスタンドに先制のソロホームランを放つと、1死から坂本がレフト前ヒット、木浪がセンター前ヒットでチャンスを作る。村上頌のスリーバントは失敗で2死となるが、近本のライト前タイムリーヒットで2点目を入れる。小川泰は6回2失点で交代。7回表、二番手木澤に対し、坂本が投手強襲のヒットで出ると、木浪の打席で木澤が暴投し手坂本は二進。木浪の二塁ゴロで三進。村上頌は見逃し三振に倒れたが、近本の左中間を破るタイムリー二塁打で3点差に。7回裏、2死から村上宗の捕手へのファールフライは坂本がこぼしエラーがつくが、それでも空振り三振に取る。8回表、育成枠から支配下登録されたばかりでユニフォームが間に合わず017の背番号を背負った丸山翔が三番手で登板。四球の大山を置いて佐藤輝がライトスタンドにツーランホームランを放ち5点差に。8回裏、オスナにレフト前ヒットを打たれ、青木はレフトフライに打ち取ったが、長岡を歩かせ、これが村上頌の今季初与四球となる。しかし代打川端をレフトフライに打ち取ると、代打山田もライトフライ。村上頌は25イニング連続無失点でマウンドを降りたが、規定投球回数に達し、防御率0.00でいきなり両リーグトップに躍り出た。9回表、四番手成田から近本がセンター前ヒットで出ると、中野の打席で成田は暴投し近本は二進。中野のライト線へりタイムリー二塁打で6点差とする。1死二塁から大山のショート内野安打で一三塁とし、佐藤輝の二塁ゴロの間に中野が生還して7点差をつける。9回裏、二番手加治屋は山崎に三塁内野安打ょ打たれ、二盗を許すも中村、サンタナと連続空振り三振に。村上宗の打席で加治屋が暴投し山崎は三進。しかし村上宗も空振り三振と、アウトはすべて三振で締めた。ヒーローインタビューは8回無失点で2勝目の村上頌。
◎スワローズ6回戦……2-4
スワローズの先発は吉村。1回表、2死からノイジー、大山、佐藤輝が三連続四球で満塁としたが、井上は空振り三振で先制点は取れず。タイガースの先発は才木。1回裏、1死から山崎にショート内野安打を許し、山田の打席で二盗。山田は四球で一二塁に。村上宗にも四球で1死満塁とされるが、サンタナをショートゴロ併殺で切り抜ける。3回裏、濱田にレフトへ二塁打を打たれ、山崎のバントで三進。山田が歩き、村上宗にレフト犠牲フライを打たれて先制を許すと、続くサンタナにレフトスタンドにツーランホームランを打たれて3点差とされる。才木はこの回限りで降板。4回裏は二番手及川が抑える。5回裏、梅野隆がチームっ安打となるライト前ヒットで出るも木浪は二塁ゴロ併殺、板山は空振り三振に倒れ反撃ならず。5回裏、続投の及川は1死から山崎を三塁ゴロに打ち取るも佐藤輝の送球がそれエラーで出塁を許す。山田の三塁ゴロで山崎は二進。村上宗の打席で及川は暴投し、2死三塁とされ村上宗のレフト前タイムリーヒットで4点差に。なおもサンタナの二塁打とオスナの申告敬遠で2死一二塁とされ、及川はここで降板。三番手ビーズリーが古賀を二塁ゴロに打ち取り、追加点は防いだ。6回表、中野のライトスタンドへのソロホームランで3点差に。6回裏、続投のビーズリーは1死から代打川端に二塁内野安打を打たれ、代走に並木。濱田のレフト前ヒットで並木は一気に三塁を狙うもノイジーの好返球で憤死。山崎をライトフライに打ち取って切り抜けた。吉村は6回1失点で交代。7回表、二番手石山の前に三者凡退。7回裏、四番手岩貞も三者凡退に抑える。8回表、三番手清水に対し、1死から代打糸原が内野安打で出、代走に島田。しかし近本はライトフライに倒れ、中野のセンター前に抜けるかと思われたヒット性の当たりを長岡に好捕され島田が二封でここも得点できず。8回裏は五番手富田が三者凡退に抑える。9回表、クローザーの田口に対し1死から大山の二塁打と佐藤輝のライトフライエラーで二三塁とし、代打原口の三塁ゴロの間に大山が生還して2点差と迫ったが、反撃もここまで。梅野隆は空振り三振で連勝ストップ。
愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司 肩の調子が悪く今季初登板はかなり遅れてしまったが、万全の調子で完封勝利。これに大竹、中野が続いて3連勝のきっかけとなった。二軍落ちした才木に代わり、ローテーション投手として完全復活である。村上にも……と思ったが、完投した伊藤の今季初勝利ということで僅差の受賞。
野手……坂本誠志郎 3人の先発投手をリードして3試合連続完封に導いた。バッティングもここというところで効果的なタイムリーヒットを放つなど、投手を助ける活躍。今節、梅野が先発マスクの試合はすべて敗れ、打撃も絶不調。しばらくは坂本にホームをゆだねてはどうか。次点は佐藤輝。やっと今季第1業を甲子園で放つと、神宮でも2発。ただしエラーなどもあり、チームへの貢献度は坂本が上だった。
次節は甲子園に戻り、ドラゴンズ戦。不調の青柳を、ローテーションを一つ飛ばしてこのカードに持ってきた。西勇ともども、梅野とのバッテリーで打ちこまれている。気分を変えるためにも坂本と組ませてみたい。伊藤将の甲子園連勝記録が伸びるかどうかも楽しみの一つ。続いてマツダスタジアムでのカープ戦。才木に代わり二軍で結果を出している西純が昇格するもよう。ここではなんといっても村上の無失点記録がどこまで続くか。ただサンテレビが3戦目を中継するだけで、DAZNの配信もなし。CSでしか放送しないので、ラジオに頼らねばならないのが残念。板山が二軍落ちしたので、ミエセスか高山か森下かが昇格するだろう。懸案の6番打者の固定ができるかどうか。
二軍調整中の湯浅はそろそろスローイングを開始し今節中には実践復帰しそう。幸い$湯浅不在でも打線のがんばりや村上と伊藤将の活躍で不在の影響は生じていない。十分に復調した上で一軍昇格してほしいものだ。
(2023年5月1日記)