愛すれどTigers


鬼門ナゴヤも突破し、7連勝で首位堅持

 今節はバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。初戦は福谷を攻略し、村上も打たれたがリリーフ陣が踏ん張って先勝。2戦目は西勇が久々の好投を見せ、連勝。3戦目は伊藤将が好投し高校の先輩柳に投げ勝ち、このカードは3勝0敗。連勝を7にのばした。続いて甲子園でカープ戦。初戦は青柳がまたも先制され一度は大山のホームランで追いついたが及川や西純ら若いリリーフ陣が打たれて敗れる。2戦目は大竹と森下暢の息詰まる投手戦。ケリをつけたのは久々に一軍に上がった森下翔のサヨナラ打。3戦目はやはり二軍から昇格の才木が好投し、梅野が3打点をあげてこのカードは2勝1敗。今節は5勝1敗。今季通算は25勝14敗1分で勝率.641で首位を堅持。2位ベイスターズとは2.0差。なんと気がつけばジャイアンツが勝率.512の3位に浮上しているではないか。まだまだ何が起こるかわからんぞ。

◎ドラゴンズ7回戦……9-4
 ドラゴンズの先発は福谷。前回は全く打てず敗れたが、1回表、中野とノイジーの連打と大山の四球で1死満塁とし、佐藤輝はショートライナーに倒れたが、ミエセスのライト前タイムリーヒットで1点先取。しかし坂本は空振り三振で追加点はならず。タイガースの先発は村上。慣れないマウンドで苦心の投球。2回表、石川昂のヒット、福永の内野安打、村松への四球で2死満塁とされたが、福谷を投手ゴロに打ち取り本封して失点を防いだ。5回表、中野とノイジーの連打で無死一二塁とし、大山のレフト前タイムリーヒットで2点目を奪うと、佐藤輝の左中間を破るタイムリー二塁打で3点目。なおも無死二三塁で、ミエセスは三振に倒れたが、坂本がセンター前タイムリーヒットを放ち4点差に。木浪もライト前タイムリーヒットで続き、5点差をつけた。ところが村上が今季初めて打ちこまれる。村松と大島のヒットで2死一二塁とされ、細川のレフト前タイムリーヒットで4点差に。2死二三塁から石川昂にライトスタンドにスリーランホームランを打たれて1点差に迫られる。アルモンテは三振にとり、勝利投手の権利を持ったままこの回限りで降板。福谷も5回5失点で降板し、6回表は二番手藤嶋。中野の四球とノイジーのセンター前ヒット、大山の四球で無死満塁とし、三番手福に交代。佐藤輝の空振り三振で1死を取られるが、ここで四番手勝野が登板。ミエセスの三塁ゴロの間に中野が生還して2点差に。7回表も勝野に抑えられる。6回裏は二番手及川が福永にヒットを打たれるも、木下、村松、鵜飼を三者三振に取る。7回裏も2死まで好投。三番手加治屋は細川を打ち取る。8回表は五番手清水がマウンドに。ノイジーがこの試合4本目のヒットを放つも得点はできず。8回裏は四番手浜地が石川昂を歩かせるが後続を断つ。9回表、六番手谷元に対し、代打糸原が歩き代走に植田。坂本のバントで二進。木浪と島田が歩いて1死満塁とすると、七番手橋本に交代。近本のライト線への2点タイムリー二塁打で4点差に。なおも1死二三塁から中野のレフト犠牲フライで5点差として試合を決定づけた。9回裏は五番手岩貞が三者凡退で締め、5連勝。村上が3勝目。ヒーローインタビューは中継ぎで好投した及川。
◎ドラゴンズ8回戦……3-1
 タイガース西勇、ドラゴンズ涌井の投手戦。4回表、2死からノイジーがチーム初安打となるレフト前ヒットを放つと、大山と佐藤輝が歩いて満塁に。島田が良く粘り、押し出し四球で先取点を取る。梅野はセンターフライで追加点は取れず。4回裏、細川のヒットと木下への四球で2死一二塁とされるも龍空をショートゴロに打ち取る。5回表、2死から近本と中野の連打で一二塁とすると、ノイジーのセンター前タイムリーヒットで2点目。6回裏、ライト前ヒットの佐藤輝が島田の打席で二盗。島田の二塁ゴロで佐藤輝は三進。梅野が歩き、木浪のセンター犠牲フライで3点目をもぎ取った。6回表、細川にレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差に。涌井は6回3失点で降板。7回表、二番手山本拓に対し、1死から中野がライト前ヒットを放つと、2死後、大山の打席で二盗。タイミングはアウトだったが村松が捕球し損ねセーフに。大山が歩いて一二塁としたが、佐藤輝は左中間最深部のセンターフライで得点できず。7回裏は西勇が三者凡退でし、この回限りで交代。8回表、三番手の田島に対し、2死から木浪の一塁ゴロは田島のカバーが遅れて出塁。しかし糸原は凡退。8回裏、二番手のK・ケラーは2死から岡林と石川昂の連打を浴びるが細川を空振り三振にとる。9回表は四番手橋本の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎は村松を歩かせたが、木下、代打加藤翔、代打アルモンテを三者空振り三振に打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは2勝目をあげた西勇。
◎ドラゴンズ9回戦……4-1
 ドラゴンズの先発は柳。1回表、近本がライト前ヒットで出ると、中野は四球、ノイジーの三塁ゴロの間に近本と中野が進塁して1死二三塁に。大山は三振に倒れたが、佐藤輝が歩いて満塁とし、ミエセスのレフト線の走者一掃の3点タイムリー二塁打で先制した。2回表、ヒットの木浪を置いて近本がライト線にタイムリー二塁打を放ち4点差に。近本は二塁をオーバーランしてしまいタッチアウト。タイガースの先発は伊藤将。細川のセンター前に抜けるかという当たりを中野が好捕してアウトにするなど、バックも盛りたてる。3回裏、2死から柳に二塁打を打たれ、大島のセンター前ヒットで一三塁とされたが福永のライト前への当たりをミエセスが飛びこんで好捕し、得点を許さない。6回裏、ヒットのミエセスを坂本が送り、木浪のショートゴロでミエセスは三進しようとするもタッチアウト。6回裏、1死から福永に二塁打を打たれ、岡林の一塁ゴロで三進。石川昂に瀬田―前タイムリーヒットを打たれて3点差に。細川のショートゴロは木浪がこぼして一二塁とされたが、村松は二塁ゴロでなんとか切り抜けた。伊藤将は7回1失点で降板。7回表、近本が投手強襲ヒットで出ると、中野が送り、ノイジーのショートゴロの間に三進。大山が歩いたところで柳は降板し、二番手は福。佐藤輝は三振に取られて追加点はならず。7回裏、二番手の岩貞が抑えると、8回表は三番手藤嶋の前に、ミエセス、坂本、木浪が三者三振。8回裏、三番手の浜地は2死から石川昂にレフト前ヒットを打たれ、細川のヒットで2死一二塁に。村松のレフト前ヒットで石川昂はゆっくりと静観しようとしたが、その前に三塁まで突っ込んできた細川はノイジーの好返球の前にタッチアウト。石川昂はその後生還したため得点は認められず。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。9回表、クローザーのマルティネスを四番手に起用。代打小幡がレフト前ヒットと盗塁で無死二塁としたが、後続を断たれて得点できず。9回裏、クローザーの岩崎が代打加藤翔、龍空を連続三振にとり、代打アルモンテは歩かせたが、大島は見逃し三振で逃げ切った。伊藤将が2勝目。岩崎のセーブは5。ヒーローインタビューは先制打とライトでの美技を見せたミエセス。
◎カープ7回戦……7-10
 タイガースの先発は青柳。1回表、育成枠から支配下に昇格してすぐ一番に起用された中村貴がレフトフェンスぎりぎりのフライを放つも、ノイジーが好捕。西川の二塁打と秋山翔の四球で1死一二塁とされ、松山のセンター前タイムリーヒットで先制される。さらに坂倉のライト線タイムリーヒットで2点差とされ、一三塁から林のライト前タイムリーヒットで3点差に。なおも田中への四球で満塁とされ、韮澤のレフト前2点タイムリーヒットで5点を先制された。カープの先発は玉村。2回裏、大山と佐藤輝の連打、玉村の暴投、梅野の四球で1死満塁と攻めたが、木浪は空振り三振。青柳は二塁ゴロで得点できず。3回裏、ノイジーのレフトスタンドへのソロホームラン、4回裏、佐藤輝のバックスクリーン右へのソロホームランで3点差とするが、5回裏、2死から林への死球、田中の二塁打で二三塁とされ、韮澤は申告敬遠。この策が外れ、玉村にライト前に2点タイムリーヒットを打たれてまたも5点差とされる。5回裏、代打渡邊諒の二塁打と近本のライト前ヒットで一三塁とし、中野のレフト前タイムリーヒットで4点差に。ノイジーがセンター前タイムリーヒットで続き、ここで玉村は降板。無死一二塁で二番手ケムナから大山が低めの球をうまくすくい上げ、左中間スタンドに同点のスリーランホームランを放つ。青柳は5回7失点で降板し、6回表は二番手及川が西川、秋山翔、松山の三連打でまたも1点差とされる。6回裏は三番手中崎の前に三者凡退。7回表、三番手西純が代打堂林と西川に四球を出したが秋山翔を二塁ゴロに打ち取り、なんとか無失点。7回裏は四番手島内の前に三者凡退。8回表、続投の西純は松山を歩かせ代走に羽月。坂倉の打席で葉月は二盗し、梅野の悪送球で三進。林のショートゴロは小幡が本塁に送球するも大きくそれ、野選で2点差に。8回裏、五番手ターリーの前に佐藤輝、ミエセス、代打原口が三者三振。9回表、四番手ビーズリーは堂林にバックスクリーンにソロホームランを打たれ、3点差に。9回裏、六番手矢崎から代打糸原が歩き、近本のライト前ヒットで1死一二塁としたが、中野の二塁ゴロ併殺で連勝ストップ。
◎カープ8回戦……1-0
 タイガース大竹、カープ森下暢の投手戦。1回表、菊池に粘られてついに歩かせたが、上本とのヒットエンドランは上本が空振り三振、菊池が二盗失敗で切り抜け、秋山翔を一塁ゴロに打ち取る。3回表、會澤にセンター前ヒットを打たれるも、森下暢のバントは大竹が二塁に送り、送球はそれたがベースカバーの木浪が好捕して二封。後続を断ち、カープにチャンスを与えない。3回裏、大竹の三遊間の当たりはショートがやっと止めただけの内野安打となり、大竹はプロ入り初安打。近本のライトライナーは堂林がダイレクトで取りながらグラブからこぼしてしまい、帰塁していた大竹は二進できず二封、ライトゴロという記録になった。中野の一塁ゴロで近本は二進したが、ノイジーは空振り三振。5回表、林の二塁ゴロは中野がこぼしてエラーとなる。しかし會澤をショートゴロ併殺に打ち取り、大竹はガッツポーズ。森下暢は三振でここもカープにチャンスを作らせない。7回表、堂林と會澤のヒットで2死一二塁とされたが、そのまま打席に入った森下暢は二塁ゴロ。大竹は7回無失点で交代。8回表、二番手岩貞は1死から上本を歩かせたが、秋山翔の一塁ライナーで飛び出した上本は帰塁できず併殺に。9回表、クローザーの岩崎が登板。三者凡退でサヨナラ勝利の流れを作る。9回裏、完封目前の森下暢に対し、2死から大山が右中間を破る二塁打を放ち、佐藤輝はスリーボールになったところで申告敬遠。この日久々のスタメン出場の森下翔は初球をたたきレフト前タイムリーサヨナラヒット。ヒーローインタビューは勝利投手となった岩崎と初のサヨナラ打を放った森下翔。
◎カープ9回戦……4-1
 タイガースの先発は二軍で調整してきた才木。1回表、菊池と秋山翔を空振り三振に取る気合の入った投球。カープの先発はアンダーソン。1回裏、四球の近本がすかさず二盗。しかし中野はレフトフライに倒れ、ノイジーの二塁ゴロで近本は三進。大山が空振り三振で先取点は取れず。3回表、矢野にレフト線に二塁打を打たれるも、アンダーソンはスリーバント失敗。菊池のライトフライで2死とするが、中村貴の打席で才木の二塁牽制悪送球が出て矢野は三進。しかしここも中村貴をショートゴロに打ち取り先取点は与えず。3回裏、木浪の二塁ゴロを菊池がバウンドを合わせそこねてこぼし、一塁へ悪送球してエラーで出塁。才木のバントで二進。近本は三邪飛に倒れたが、中野のライト前タイムリーヒットで先制。中野は二塁を狙うがタッチアウト。4回表、秋山翔のレフト前ヒットと盗塁で2死二塁とされるも坂倉をレフトフライに打ち取る。4回裏、2死から佐藤輝のレフト前ヒットと森下翔の死球で一二塁とし、梅野のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。5回裏、近本の打席でアンダーソンが違和感を訴えベンチで治療。続投のアンダーソンから近本がライト前ヒット。中野の四球で1死一二塁とすると、アンダーソンはここで降板し、二番手は大道。ノイジーの三塁ゴロ併殺で追加点はならず。7回表、マクブルームり二塁ゴロを中野がファンブルしエラーで出塁。西川の打席で才木は暴投しマクブルームは二進。西川と坂倉はフライに打ち取り2死とするも林のセンター前タイムリーヒットで1点差に迫られ、代走に曽根。ここで才木は降板し、二番手加治屋が林をショートゴロに打ち取る。7回裏、三番手の森浦から梅野が歩き、木浪のバントで二進。しかし代打原口は二塁フライに倒れ、近本は歩いて一二塁とするも中野は二塁ゴロで追加点はならず。8回表、三番手岩貞が代打上本にヒットを打たれるも代打堂林を三塁ゴロ併殺に打ち取り得点は許さず。8回裏、四番手島内に対し、ノイジーがセンター前ヒットで出て代走に植田。大山はライトフライに倒れたが、佐藤輝のレフト線の二塁打で二三塁に。森下翔はよくファールで粘るも空振り三振。2死となったが梅野のライト前2点タイムリーヒットで3点差に。9回表、クローザーの岩崎は三者凡退で締めて連勝。岩崎は6セーブ。ヒーローインタビューは久々の登板で2勝目の才木と、三安打の梅野。久しぶりの「勝つばい」を決めた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝
 ここまで梅野のリードを読まれてか狙い撃ちされていた西勇が見事な復活劇。リードさえ間違わなければこれまでもそうそう打たれてはいなかった。つまり梅野が坂本の好リードに奮起してこれまでのパターンを崩し始めたということだ。そうなればコントロールのよう西勇は無敵だ。
野手……シェルドン・ノイジー
 甲子園で初めてのホームランを放ち反撃の雰囲気を作ったと試合もよかったけれど、ドラゴンズ戦で走者の動きをよく見て三塁で刺した守備や、カープ戦でフェンス直撃かと思われた打球を好捕したりと、守備面での活躍が目立つ。守備固めを監督が出すと怒るそうだ。確実性のある打撃も安心して見ていられる。これで外野手経験はほとんどなかったというのだから恐れ入った。 

 次節は神宮球場でスワローズ戦。ここまでは互角の試合が多かったが、スワローズが現状連敗続きで5位に落ちている。できればそのまま不調でおってほしい。今季の引導を渡すくらいの意気込みで試合をしてもらいたい。続いて甲子園でジャイアンツ戦。最下位ドラゴンズを叩いて3位に浮上したが、安心して任せられるローテーション投手は戸郷のみ。タイガースの投手陣はそうはいかんぞ。バファローズから移籍のK-鈴木はマークしておかねばならんか。二軍で再調整の青柳に代わり、桐敷が昇格。なかなか一軍では自信を持って投げられていなかったけれど、村上の好投に刺激を受けていることは間違いない。
 ノイジー、大山、佐藤輝の中軸が好調を取り戻した。ポイントはその後ろの六番打者。しばらくはミエセスと森下の併用が続くか。高山はどうなっているのだ。二軍では前川右京も打ち出している。二軍で再調整の井上と小野寺も虎視眈々と一軍定着を狙っている。交流戦直前のリーグ戦だけに、勢いをつけて交流戦に突入してほしいものだ。

(2023年5月22日記)


目次に戻る

ホームページに戻る