愛すれどTigers


8連勝で独走態勢、桐敷がプロ初勝利

 今節は神宮球場でスワローズ3連戦。初戦は村上頌が好投し、石川を攻略してノイジーが5打点をあげる。2戦目は苦手になりかけていた吉村を攻略し、終盤に逆転して連勝。3戦目はまたも終盤で一気に突き放して、このカードは3勝0敗。続いて甲子園で復刻ユニフォームを着用してジャイアンツ戦。初戦は今季初登板の桐敷がプロ入り初勝利をあげる。2戦目は大竹とグリフィンの息詰まる投手戦。7回にリリーフ陣を打ちこみ大竹は6勝目でハーラーダービーのトップを維持。3戦目は才木が好投し、好投していた松井が降板したあとまたも7回にリリーフ陣を打ち崩してこのカードも3勝0敗。今節は6勝0敗。今季通算は31勝14敗1分で勝率.689で首位を独走。2位ベイスターズとは6.0差。8連勝して一気に優勝した2003年と同じペースで交流戦に突入することになった。

◎スワローズ10回戦……6-3
 タイガースの先発は村上頌。1回裏、2死から山田に二塁打を打たれるも、村上宗を三邪飛に打ち取る。スワローズの先発は石川。2回表、1死から佐藤輝がセンター前ヒットで出、森下三振の間に二盗。しかし坂本は空振り三振でこちらも先取点は取れず。3回表、木浪がレフト線に二塁打を放ち、村上頌はスリーバント失敗で1死二塁に。近本の死球と中野のセンター前に落ちるテキサスヒットで満塁とし、ノイジーのセンター前2点タイムリーヒットで先制。大山もレフト前ヒットで続き1死満塁に。佐藤輝の二塁ゴロは二封されたものの併殺崩れで佐藤輝は一塁セーフ。その間に中野が生還して3点差とする。5回表、近本の二塁打と中野の三塁へのバントヒットで無死一三塁に。高津監督のリクエスト申請も判定は覆らず。ここで石川は降板。二番手は丸山翔。ノイジーの打席で中野が二盗。二三塁としたが、ノイジーは空振り三振。大山は四球で満塁と攻める。しかし佐藤輝と森下は連続空振り三振に終わり追加点はならず。5回裏、村上頌は中村、オスナ、長岡を三者三振にとり相手を寄せ付けず。6回裏、四球の塩見を置いて山田にレフトスタンドにライナーで飛び込むツーランホームランを打たれ、1点差とされる。7回表、三番手エスピナルが登板。ストライクとボールがはっきりした投球で、近本と中野は連続四球。ノイジーがストライクを取りに来たところを狙い撃ちしてレフトスタンドにスリーランホームランを放ち4点差に。村上頌は6回2失点で交代。7回裏は二番手浜地が2死からオスナにヒットを打たれるも後続を断つ。8回裏は三番手及川が三者凡退に抑える。9回表、四番手小澤に抑えられ、9回裏は四番手K・ケラーが登板。1死から村上宗を歩かせ、サンタナのレフト前ヒットで1死一二塁に。中村は空振り三振にとったが、雄にセンター前タイムリーヒットを打たれて3点差とされ、クローザーの岩崎に交代。急な豪雨で中断も考えられたが、マウンドに土を入れてそのまま続行。代打三ツ俣を空振り三振にとり、逃げ切った。村上頌が4勝目。岩崎は4セーブ。ヒーローインタビューは5打点を稼ぎだしたノイジー。
◎スワローズ11回戦……6-5
 スワローズの先発は吉村。2回表、1死から佐藤輝の死球、森下のセンター前ヒットでチャンスを作るも梅野隆は三塁ゴロ併殺で先制できず。タイガースの先発は西勇。2回まで丁寧な投球で好投するも3回裏長岡に右中間を破る二塁打を打たれ、古賀の一塁ゴロで長岡は三進。吉村のライト犠牲フライで先制点を許す。4回表、1死から大山と佐藤輝の連打で二三塁とし、森下は死球で満塁に。梅野隆のセンター前タイムリーヒットで同点に。木浪は三遊間を破るタイムリーヒットで逆転。4回裏、サンタナがセンター前ヒットで出ると、2死後、塩見の打席で西勇がボーク。サンタナは二進。塩見のセンター前タイムリーヒットで同点に。む吉村は4回2失点で交代し、5回裏は二番手山本大貴。1死から中野が二塁打を放つと、ノイジーのライトフライで三進。大山は申告敬遠で、佐藤輝はショートゴロに打ち取られてしまう。5回裏、1死から古賀がライト前ヒットで出ると、山本大貴のバントは梅野隆がファンブルし焦って二塁へ送球するも木浪も弾いて一二塁に。しかし西勇は落ち着いて後続を断つ。6回表、2死から木浪が三塁線へレフト前ヒットを放つと、西勇の右中間を破る二塁打で二三塁に。近本の二塁への高いバウンドの当たりはタイムリー内野安打となり、山田の一塁への悪送球の間に西勇も生還して2点リード。6回裏、山田のショート後方のフライは木浪が背走するもグラブを弾きレフト前ヒットに。村上宗のライト前ヒットで一二塁とされ、塩見の右中間フェンスに当たるタイムリー二塁打で1点差に迫られる。なおも無死二三塁とピンチを背負ったが、オスナを空振り三振に取ると長岡は三邪飛。代打川端は申告敬遠で満塁とし、代打太田を二塁ゴロに打ち取って切り抜ける。7回表は三番手星の前に三者凡退。西勇は6回3失点で交代。7回裏、二番手は西純。1死からサンタナを歩かせて代走に並木。山田にも四球で一二塁とされ、西純は降板。三番手岩貞は村上宗にライト前タイムリーヒットを打たれ同点に。ここで四番手加治屋がマウンドに。三塁ゴロ併殺かと思われたが、一塁は塩見がヘッドスライディングでセーフとなり、逆転される。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。8回表、四番手の清水が登板。1死から島田がレフト前ヒットを放つも、2死後、代打原口の左中間への大きなフライを塩見が好捕して得点できず。8回裏、今季一軍初登板の島本は中村のヒットだけであとは抑える。9回表、クローザーの田口の前に近本と中野が連続三振。しかしノイジーのライト前ヒットを並木が後方にそらし、ノイジーは三塁打。代走に植田。大山が歩いて一三塁とし、佐藤輝のライト線への逆転2点タイムリー二塁打でついに勝ち越し。9回裏、クローザーの岩崎は山田、村上宗を抑え、三者凡退で逃げ切って8セーブ。島本が今季初登板で勝利投手に。ヒーローインタビューは決勝打を放った佐藤輝。
◎スワローズ12回戦……7-4
 スワローズの先発はサイスニード。1回表、近本の四球と中野のセンター前ヒット、ノイジーのセンターフライで1死二三塁としたが、大山は投手ゴロで走者は釘づけ。佐藤輝は空振り三振で先制機を逸し、サイスニードを立ち直らせる。タイガースの先発は伊藤将。2回裏、村上と塩見のセンター前ヒット、オスナの捕手へのゴロで1死二三塁とし、中村に死球で満塁に。長岡への内角球はユニフォームをかすったという長岡のアピールで押し出しで先制点を許す。サイスニードの二塁ゴロの間に塩見が生還して2点差に。伊藤将が乱れたのはこの回のみで、以降はいつも通りの低めに集める投球でスワローズ打線を抑えこむ。4回表、大山が左中間のスタンドへ1点差と迫るソロホームランを放つ。6回裏、二塁打のサンタナに代走の山崎を起用し、なんとか追加点を狙いにくる。しかし山田は内野フライ、村上は四球で1死一二塁に。塩見のセンター返しの打球は木浪が好捕し二封。オスナはライトフライで切り抜け、流れを断ち切る。7回表、ミエセスがレフトスタンドに同点となるソロホームランを放つと、サイスニードはこの回限りで降板。8回表、二番手清水から近本がライトスタンドに勝ち越しのソロホームランを放つ。8回裏、並木のレフト前の当たりはノイジーがダイビングキャッチでアウトにし、山崎は空振り三振にとったが、山田と村上宗の連打で一三塁とされ、伊藤将はここで二番手加治屋に交代。塩見の打席で加治屋はプレートを外さず牽制の動作だけで球を投げず、ボークをとられて山田が生還し、同点に。塩見は三振にとっただけにもったいない失点となった。9回表、クローザーの田口から佐藤輝が歩いたが、ミエセスと代打原口は連続空振り三振で、佐藤輝も二盗失敗。9回裏、三番手及川はオスナにライト前ヒットを打たれ、代走に武岡。中村のバントで二進。しかし長岡をレフトフライにとると、代打川端は申告敬遠で塁を埋め、代打西田を二塁ゴロに打ち取り、試合は延長戦に。10回表、四番手の星に対し、2死から近本がセンター前ヒットを放ち、すかさず二盗。中野は申告敬遠。ここで五番手木澤と交代。ノイジーのライト前ヒットで満塁とし、大山の押し出し四球で勝ち越すと、佐藤輝は左中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打で突き放した。10回裏、四番手岩貞は2死から村上宗にライトスタンドにソロホームランを打たれたが、反撃もそれだけ。塩見の三塁線の強い当たりのゴロは佐藤輝が好捕して一塁へ矢のような送球でアウトにし、このカードは3連勝。リリーフの及川が2勝目。ヒーローインタビューは10回表に満塁で3点打を放った佐藤輝が連日の登場となった。
◎ジャイアンツ6回戦……2-1
 タイガース桐敷、ジャイアンツ横川の投手戦。2回裏、大山がセンター前ヒットで出るも、佐藤輝は空振り三振、森下は三塁ゴロ併殺で進塁もできず。3回表、門脇にセンター前ヒットを打たれ横川の打席で二盗横川はスリーバント失敗、吉川は二塁ゴロで2死三塁までこぎつけたが、坂本勇にレフトの頭を越すタイムリーヒットを打たれ先制を許す。坂本勇は二塁を狙うが素早い返球でタッチアウト。ここで攻撃の流れを断ち切ったのが大きかった。4回表は1死から岡本和にレフト前ヒットを打たれるが、大城卓の打席で空振り三振と二盗失敗で自滅。6回表、吉川のショートゴロは大山が捕球し損ねて一塁手エラー。坂本勇は空振り三振、秋広のバントは投手への小フライに。岡本和にはヒットを打たれたが、大城卓は投手ゴロで得点を許さず。6回裏、木浪がヒットで出るも、桐敷のバントは横川が二塁封殺にし、失敗。後続を断たれて得点できず。横川はなぜか6回無失点で降板。7回裏、二番手はバファローズから移籍してきたばかりの鈴木康。1死から大山が死球。佐藤輝のレフト前ヒットで一二塁とし、森下のレフト前タイムリーヒットで大山が長躯生還し、同点に。梅野もレフト前ヒットで続き満塁とし、鈴木康は降板。三番手の高梨から木浪のレフト犠牲フライでついに逆転。8回表、二番手には久々に登板の湯浅京。2死から坂本勇を歩かせ、秋広のヒットで走者を背負うが、岡本和をセンターフライに打ち取り切り抜ける。8回裏、四番手平内には抑えられたが、9回表、クローザーの岩崎が代打ウォーカーと丸を連続空振り三振にとり、ブリンソンには内野安打を打たれたが、代打長野も空振り三振で締め、連勝をのばした。岩崎は9セーブ。ヒーローインタビューはプロ入り初勝利の桐敷、同点打の森下、決勝犠牲フライの木浪。
◎ジャイアンツ7回戦……3-2
 タイガース大竹、ジャイアンツグリフィンの投手戦。1回表、吉川のライト前ヒット、秋広のセンター前ヒットで1死一二塁とされるも、岡本和はライトフライ、大城卓は空振り三振で切り抜ける。1回裏、近本がセンター前ヒットで出ると、中野のバントで二進。ノイジーと大山が歩いて1死満塁としたが、佐藤輝、森下は連続空振り三振でチャンスを逸した。大竹は3回表にはグリフィン、吉川、坂本勇を三者三振に打ち取るなど尻上がりの好投。グリフィンは速球に力があり、タイガース打線は力負け。7回表、大城卓にライト前ヒットを打たれ、代走に増田大。長野はショートゴロ併殺で2死をとったが、ブリンソンにはセンター前ヒットを打たれる。それでも門脇を空振り三振にとり、大竹は7回無失点で交代。7回裏、1死から坂本誠が歩き、木浪のバントで二進。代打渡邊諒はすべて変化球が外れて四球。2死一二塁から近本のセンター前タイムリーヒットで先制し、ブリンソンの悪送球で二三塁に。ここでグリフィンは降板。二番手の大江から中野がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、3点差とする。大江も降板し、三番手平内に対しノイジーはショートゴロに倒れる。8回表は二番手岩貞が抑える。8回裏、四番手菊地から大山の四球と坂本誠のヒットで走者を出すも、佐藤輝、森下、木浪は空振り三振で追加点は取れず。9回表、三番手には浜地を抜擢。しかし1死後、代打梶谷にライトポール際にあわやホームランというファールを打たれてから四球で、交代。四番手及川は丸を二塁ゴロ二封に抑えたが、ブリンソンに右中間スタンドにツーランホームランを打たれて1点差に。代打中田翔に対し、五番手加治屋を送り、見逃し三振に取ってなんとか逃げ切った。加治屋が移籍後初セーブ。ヒーローインタビューは6勝目をあげてハーラートップの大竹と、連続タイムリーヒットの近本と中野。
◎ジャイアンツ8回戦……4-1
 タイガース才木、ジャイアンツ松井の投手戦。2回裏、大山のライト前ヒットとミエセスのレフト前ヒットで1死一三塁としたが、梅野は二塁へのフライに倒れ、木浪は申告敬遠。才木は見逃し三振で先取点は取れず。才木は初回から調子よく、4回表には坂本勇、秋広、岡本和を三者三振に取る。先制したのはタイガース。4回裏、2死からミエセスがレフトスタンドにソロホームランを放つ。5回裏、才木の三塁線に転がるボールはライン上で止まり、内野安打。近本がセンター前ヒットで続くも、中野は一塁ライナー。近本は切るいが早く、間一髪でセーフ。しかしノイジー、大山が凡退して追加点は取れず。松井は5回1失点で交代。6回裏、二番手の田中千の前に三者凡退。7回表、秋広にライトスタンドにライナーで飛び込むソロホームランを打たれ、同点に。7回裏、木浪がセンター前ヒットで出ると、才木のバントは大城卓が二塁へ悪送球し、無死一二塁に。田中千に代わり、三番手高梨が登板。近本はライトフライに倒れたが、中野が歩いて満塁とし、高梨は降板。四番手三上からノイジーのセンター前タイムリーヒットで勝ち越すと、大山もレフト線に2点タイムリーヒットで3点差をつける。2死後、ミエセスが歩き代走に島田。満塁のチャンスが続いたが、梅野はショートゴロに倒れる。8回表、萩尾にプロ入り初安打となるレフト前ヒットを打たれ、門脇を三振にとり、中山を三邪飛に抑えたところで才木は交代。二番手岩貞は代打ウォーカーを空振り三振に打ち取る。8回裏は五番手中川から代打渡邊諒が内野安打を放つも、得点にはつながらず。9回表、クローザーの湯浅京が坂本勇にレフト前ヒットを打たれるも、秋広は二塁ゴロ併殺。岡本和にもレフト前ヒットを打たれたが、大城卓を二塁ゴロに打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは3勝目の才木、決勝打のノイジー、再昇格後初めてとなる6セーブをあげた湯浅京。

愛すれどTigers週間MVP
投手……桐敷拓馬
 昨シーズンから何度も先発でチャンスを貰いながら勝ち切れなかったが、青柳の二軍調整でめぐってきたチャンスをついにものにしてプロ入り初勝利。入団前の大学時代に完全試合を達成した度胸のある投球がやっと実を結んだ。それにしても2年連続の最多勝投手が二軍落ちしても若手がこうやって結果を出すんだから恐るべき層の厚さだ。
野手……大山悠輔
 好調の打戦だけに、誰がMVPでもかまわないのだが、満塁のチャンスで押し出し四球を選んだり長打を放ったりというさすが四番という働きを見せ、チームを引っ張っている大山に代表してもらおう。得点圏打率.500の近本、ホームランのミエセスなども、大山につなぐ意識あっての活躍と見た。 

 次節からは交流戦が始まる。まずはベルーナドームでのライオンズ戦。今ひとつ波に乗り切れていない相手だけに、きっちりと叩いておきたい。甲子園に戻り、マリーンズとの首位同士の対戦が続く。佐々木朗が先発するようなので、満員の甲子園のファンの圧力を初めて味わっていただこう。交流戦で一気に調子を落とす球団も多いが、ここのところタイガースは交流戦でも好調を維持しているので、今季もそれほど心配することはないだろう。
 代打で結果を出せていない原口と糸原、出番のない長坂が二軍で調整することになり、代わりに前川と小野寺、中川が昇格。期待の若トラ前川と中川はプロ入り初の一軍入り。どのようなデビューを飾るか楽しみである。

(2023年5月29日記)


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