愛すれどTigers


西勇輝が全球団勝利を達成

 交流戦最終節は甲子園に腰を据えて6連戦。まずはバファローズ3連戦。初戦は村上頌が好投したが、山本由の前に打線が沈黙。完封リレーを喫した。2戦目は西勇がついに古巣から勝利し、史上20人目の全球団勝利投手になった。3戦目は伊藤将が好投し、1点差で逃げ切りをはかるが、湯浅が連続ホームランで逆転負けし、このカードは1勝2敗。続いてホークス戦。初戦はビーズリーが来日初先発。リリーフ陣も好投して先勝、2戦目は大竹が好投して西勇に続く全球団勝利を達成するかと思われたが、岩崎が逆転打を打たれクローザー2人が失敗するということに。3戦目は才木とスチュワートJr.の投手戦となったが、リリーフ投手がことごとく打たれて大敗し、このカードも1勝2敗。今節も2勝4敗。今季通算は38勝24敗2分で勝率.613とそれでも首位を守った。2位ベイスターズとは2.5差。交流戦はベイスターズ、ジャイアンツ、ホークス、バファローズが同率首位で、まだ優勝チームは確定せず。タイガースは7勝10敗1分、勝率.412となり9位に終わった。

◎バファローズ1回戦……0-2
 タイガース村上、バファローズ山本由の投手戦。たがいに狙い球を絞らせない息詰まる試合展開。試合が動いたのは4回表、宗の一塁ゴロは大山を襲い大きく弾いてエラーがつく。杉本のセンター前ヒットで無死一三塁に。頓宮の三塁ゴロは渡邉諒の二塁送球が少しそれセーフになり満塁とされる。中川圭のライト前タイムリーヒットで宗が生還したが、頓宮は三塁に向かおうとして狭殺。1死二三塁からゴンザレスの二塁ゴロは中野がバックホームし杉本は憤死。紅林をライトフライに打ち取り、最少失点にとどめた。5回表2死まで四球の走者一人に抑えられていたが、坂本のセンター前ヒットでなんとか安打は出た。7回表、ゴンザレスにライトスタンド前列に入るソロホームランを打たれ2点差に。7回裏、2死から前川が死球で出ると、渡邉諒の一塁ゴロは頓宮が弾いてエラーで出塁。坂本の三塁ゴロは宗が握り損ね、それでも一塁に送球するが頓宮のミットにおさまらず、坂本が一瞬早く一塁に駆け込み内野安打に。水本監督代行がリクエスト申請をしたが覆らず、満塁に。絶好のチャンスに木浪はショートゴロで同点機を逸した。8回表、茶野の三塁へのフライを渡邉諒が落球して走者を許すが、後続を断ち、村上は8回2失点で交代。8回裏、三者凡退に倒れたところで山本由も8回無失点で交代。9回表、二番手K・ケラーは三者凡退に抑え打撃陣の奮起を待つ。9回裏、二番手山崎颯に対し、ノイジーが歩き代走は島田。大山の左中間を超える大きな当たりは中川圭がジャンプして好捕。この美技が勝敗を分けた。前川も四球で代走に植田。1死一二塁だ代打佐藤輝は二塁ゴロに倒れ二封。代打の切り札原口は空振り三振で完封負け。両チームを引っ張る同い年の先発投手の投げ合いは見ごたえがあった。
◎バファローズ2回戦……8-3
 タイガースの先発は西勇。1回表、ジャイアンツから移籍したばかりの廣岡にレフトオーバーの二塁打を打たれ、宗の二塁ゴロで三進。2死後、森のセンター前タイムリーヒットで先制点を許す。バファローズの先発はドラフト1位の曽谷。1回裏、近本が久々にリフト前ヒットを放つと、中野が歩きノイジーの死球で無死満塁に。大山のレフト犠牲フライで近本が生還し同点に。一二塁からミエセスのセンター前タイムリーヒットで勝ち越すと、佐藤輝の打席で曽谷は暴投、1死二三塁とし、佐藤輝のレフトフェンスに当たる2点タイムリー二塁打で3点差とする。2回表、死球のゴンザレスとライト前に落ちるヒットの紅林を置き、廣岡の一二塁間への二塁ゴロの間にゴンザレスが生還して2点差に迫られる。これ以降は両投手とも自分のペースを取り戻したが、4回裏、四球の梅野を木浪がバントで送り、西勇は空振り三振に倒れたが、近本が右中間を深々と破るタイムリー三塁打で3点差に戻し、ここで曽谷は降板。二番手本田に対し、中野が歩き、ノイジーのレフト線への2点タイムリーヒットで5点差と突き放す。5回表、廣岡の四球と杉本のヒットで2死一二塁とされるも森を一塁ゴロに打ち取り切り抜ける。本田は5回裏まで投げ、6回裏は三番手の山田。2死から中野がこれも久々のヒットを放つ。西勇は6回2失点で交代。7回表、二番手加治屋は茶野にライト前ヒットを打たれ、ミエセスがもたつく間に二進。野口のセンターフライで三進し、廣岡の三塁を襲うタイムリー内野安打で4点差に。7回表、四番手の宇田川から大山とミエセスが歩き、ミエセスの代走に島田。佐藤輝のセンターフライで大山が三進。梅野は空振り三振に倒れたが、木浪のライト前タイムーヒットで5点差に。8回表は三番手岩貞がxyd’凡退。8回裏、五番手の前から近本と中野が連続三振。ノイジーはヒットを放ち代走に小野寺が起用されたが、大山はセンターフライに倒れて追加点はならず。9回表、四番手の及川が2死から代打安達にヒットを打たれたが、廣岡をショートへのフライに打ち取って前日の雪辱を果たした。ヒーローインタビューは4勝目の西勇と決勝タイムリーヒットのミエセス。
◎バファローズ3回戦……2-3
 タイガース伊藤将、バファローズ山岡の投手戦。2回裏、佐藤輝、前川が連続三振のあと、梅野がセンター前ヒットで出るも木浪も三振と、スライダーにタイミングが合わない。4回表、2死から森に左中間へ二塁打を打たれると、頓宮に甘く入った球をライト前に弾き返されてタイムリーヒットで1点先制される。4回裏、大山が四球で出、佐藤輝のレフト前ヒットで一二塁とし、前川がセンター前ヒットを放つと、中川圭がこれをファンブル。大山はホームをつき、同点に。佐藤輝も三進、一三塁とする。梅野のセーフティスクイズは山岡が好捕して佐藤輝は本塁憤死。木浪の一塁ゴロで2死二三塁として、伊藤将のレフト前タイムリーヒットで逆転。しかし、近本は三塁ゴロで追加点はならず。5回裏、1死からノイジーと大山の連打で一二塁とし、ここで山岡は降板。二番手山田から佐藤輝は四球で満塁に。しかし前川はショートゴロ併殺で得点できず。6回裏、三番手阿部の前に梅野と木浪は連続三振。伊藤将は一塁ゴロに倒れる。7回表、中川圭の四球と紅林のヒットで2死一二塁としたが、安達の一塁へのファールフライは大山が好捕してここも得点を許さず。7回裏、四番手小木田に対し、近本がセンター返し。しかし小木田のグラブにそのまま収まり投手ライナー。中野が歩いて二盗を試みるも森にさされ、ノイジーはショートゴロと、流れが良くない。伊藤将は7回1失点で交代。8回表、二番手岩崎は三者凡退に抑える。8回裏、五番手ワゲスパックから大山は四球。しかし佐藤輝は空振り三振。前川のショートゴロで大山は二進。しかし梅野は空振り三振に倒れ、突き放せず。9回表、クローザーの湯浅は頓宮にレフトスタンドに同点のソロホームランを打たれ、2死後、杉本にレフトスタンドに決勝点となるソロホームランを打たれ、降板。四番手浜地は紅林をセンターフライに打ち取る。9回裏、クローザーの平野の前に木浪がショートゴロに倒れ、代打糸原はレフト前ヒットを放ち代走に植田と同点のチャンスを作るも近本はライトフライ、中野は空振り三振と逃げ切られた。
◎ホークス1回戦……4-1
 タイガースの先発はリリーフから転校したビーズリー。1回表、中村晃を歩かせ、今宮は空振り三振に取ったが近藤も歩かせ、2死後、牧原大のライト前タイムリーヒットで1点先制される。3回表、中村晃と近藤のヒットで1死一二塁に。柳田の一塁ゴロで走者を進められたが、牧原大を今度は空振り三振に取って切り抜けた。ホークスの先発はベテランの和田。3回までは完全に抑えられていたが、4回裏、近本がセンター前ヒットで出ると、中野との間でヒットエンドラン。中野の当たりは三遊間を抜け、近本は一気に三進。ノイジーが歩き無死満塁に。大山は浅いライトフライで近本は動けず。しかしミエセスがセンターに大きな犠牲フライを放ち、同点とする。ビーズリーは4回1失点で交代。5回表と6回表は二番手島本が思い切りのいい投球でホークス打線を抑える。6回表には2死から柳町にヒットを打たれ、代走の周東に走られたが、梅野が強肩でさす。6回裏、中野がレフト前ヒットで出るが、ノイジーと大山は打ち上げて2死に。代打原口が左中間を深々と破るタイムリー二塁打を放ち、中野は一気に本塁をついて間一髪でセーフ。勝ち越しを決めると、原口の代走に小野寺。佐藤輝がチェンジアップをとらえライトスタンドにツーランホームランを放ち3点差とする。7回表、三番手加治屋は栗原への死球と中村晃への四球で2死一二塁とされたが今宮をショートゴロに打ち取り、古巣を抑えた。7回裏からは二番手尾形に抑えられたが、8回表は岩貞が三者凡退に抑え、9回表はクローザーに戻った岩崎が三者凡退で締めて10セーブ。ヒーローインタビューは中継ぎで今季2勝目の島本、決勝打の原口、約1ヶ月弱以来のホームランを放った佐藤輝。
◎ホークス2回戦……4-6
 ホークスの先発は石川。2回裏、大山の四球と佐藤輝のライト前ヒットで無死一三塁とし、前川は石川のパワーカープを見逃し三振。坂本のセーフティバントが投手前内野安打となり大山が生還し1点先制する。タイガースの先発は大竹。4回表、2死から近藤に右中間に二塁打を打たれたが、柳田を空振り三振に取る。4回裏、大山のレフト線の二塁打と佐藤輝の四球で無死一二塁とし、前川のライトフライで大山は三進。坂本のレフト線へのタイムリー二塁打で2点目を取り、なおも1死二三塁に。木浪の申告敬遠と、大竹の見逃し三振で2死満塁とし、近本のライト前2点タイムリーヒットで4点差とする。ここで石川は降板。2死一三塁から二番手ガンケルの前に中野は二塁ライナーで大量得点はならず。5回表、牧原大のショートゴロを木浪が弾いてエラーで出塁を許す。栗原のセンター前ヒットで無死一二塁に。柳町を二塁ゴロ併殺に打ち取り2死三塁となり、甲斐にレフト前タイムリーヒットを打たれて3点差に。5回裏は三番手松本晴の前に三者凡退。6回表、2死から近藤を歩かせ、柳田のライト前ヒットで一三塁とされたが、牧原大はショートゴロで切り抜ける。大竹は6回1失点で交代。7回表、二番手及川は2死後、四球の甲斐を置いて代打野村勇にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、1点差とされる。7回裏、四番手甲斐野からノイジーがヒットを放つも得点できず。8回表、三番手岩貞が2死から柳田にヒットを打たれるが後続を断つ。8回裏、五番手大津に対し、佐藤輝が二塁打で出、代打小野寺はバントしたが甲斐の前に転がり甲斐は二塁に送球し佐藤輝が二三塁間で狭殺される。その間に小野寺は二進し、代走は島田。坂本はレフトフライに倒れたが、木浪が歩いて一二塁に。代打糸原に対し、六番手は左腕の田浦。暴投で二三塁としたが、糸原は二塁ゴロに倒れ追加点は取れず。9回表、クローザーの岩崎は1死から代打嶺井にライト線に二塁打を打たれ、代走に周東。甲斐を歩かせ一二塁とし、甲斐の代走に谷川原。野村勇は空振り三振で2死としたが、中村晃に左中間に2点タイムリーヒットを打たれ逆転を許す。岡田監督がリクエスト申請をするも判定は覆らず。2死三塁となって、岩崎は降板。五番手は石井。今宮にセンター前にタイムリーヒットを打たれて2点差に。近藤と柳田を歩かせ満塁とされるも牧原大を空振り三振に取り追加点は許さず。9回裏、クローザーのオスナの前に三者凡退で締められ、交流戦の負け越しが決まった。
◎ホークス3回戦……0-9
 試合の前半は、タイガース才木、ホークススチュワートJr.の投手戦。才木は球が浮き気味だったがよく修正し、ホークス打線を抑える。スチュワートJr.は速球に力があり、タイガース打線は力負け。3回裏、木浪がセンター前ヒットで出るが、才木はスリーバント失敗。近本は二塁ゴロで二封。中野の打席で近本は強肩甲斐から二盗。しかし中野は一邪飛に倒れ、先制できず。4回裏、前川が二塁打で出るも大山、佐藤輝は連続空振り三振。スチュワートJr.の暴投で前川は三進。ミエセスは申告敬遠。しかし梅野も空振り三振でまたもチャンスを逸する。5回表、1死から中村晃の四球と牧原大のライト前ヒットで一二塁とされるが、近藤を空振り三振に取ると、柳田をライトフライに打ち取り切り抜ける。5回裏、木浪と代打小野寺は連続空振り三振。近本がセンター前ヒットで出ると、またも二盗。中野の投手を襲う打球は二塁前に転がり二塁ゴロでここもチャンスを生かせず。才木は5回無失点で交代。6回表、二番手島本は三者凡退に抑える。6回裏、1死から大山がヒットと盗塁で二塁まで進み、佐藤輝が歩いて一二塁としたが、ここでスチュワートJr.は交代。二番手大津の初球をミエセスは三塁ゴロ併殺。7回表、三番手加治屋は甲斐に二塁打を打たれ、代打三森の二塁ゴロで甲斐は三進。中村晃を歩かせ牧原大に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、今季初の自責点。1死二三塁で四番手及川に交代。近藤に左中間を破られ2点タイムリー二塁打で3点差に。2死後、栗原に死球で一二塁とされ、代打野村勇のレフト前タイムリーヒットで4点差に。2死一二塁とされて及川は降板。三番手浜地は今宮のレフト前タイムリーヒットで5点差とされる。7回裏、三番手津森の前に三者凡退。8回表、続投の浜地は代打野村大にセンター前ヒットを打たれ代走に川瀬。中村晃のレフト前ヒットで一三塁とされ、牧原大のライト前タイムリーヒットで6点差に。近藤のヒット性の当たりは二塁中野の美技で二塁ライナーとなったが、上林の犠牲フライで7点差とされた。8回裏、四番手甲斐野の前に近本と中野は空振り三振、前川は二塁ゴロと手も足も出ず。9回表、六番手K・ケラーは野村勇を歩かせ今宮のライト前ヒットで無死一二塁に。甲斐と川瀬は連続空振り三振に取ったが、中村晃のレフト前タイムリーヒットで野村勇が生還し8点差に。ノイジーの返球は野村勇のヘルメットを直撃、球が弾む間に今宮は三進。代打嶺井のライト前タイムリーヒットで9点目を失う。9回裏、五番手武田に対し大山は際どい球を見逃して三振。佐藤輝は四球で出たが、代打小幡、代打渡邊諒はそれぞれフライを打ち上げ反撃はならず。ホークスの新人大津が1球のみでプロ入り初勝利。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝
 FA移籍以来ずっと古巣には勝てず全球団勝利ができなかったが、ついに達成。チーム全体が低調なだけに、投手のリーダーといえる西勇の快挙は朗報。リーグ戦に戻っても安定した投球で若手を引っ張っていってほしい。
野手……佐藤輝明
 打線全体が低調でなかなか得点できないが、久しぶりにホームランを放った佐藤に期待料をこめて。波が大きい佐藤輝だが、少しずつ上昇しつつある。リーグ戦に戻っての活躍を、頼んだぞ。

 次節はリーグ戦再開。期間内に全カードを消化したタイガースは4日間のインターバルを置いて、敵地横浜スタジアムで眼下の敵のベイスターズと対戦。交流戦では調子のよかったベイスターズだったが、期間内に全カードを消化しきれず、現時点でもまだ優勝は確定していない。あとはイーグルスの勝敗次第。勢いに乗っていたチームが少し休むと流れを断ち切られ、不調のチームがリフレッシュするという例は多く見てきているので、リーグ戦再開のこのカードも完全に不利とはいえない。ただ、昨シーズンから横浜スタジアムでは勝ててないのと、クローザーが安定していないのが不安材料。果たして岡田監督はどのような策でここを乗り切るか。

(2023年6月19日記)


目次に戻る

ホームページに戻る