愛すれどTigers


ベイスターズに3連敗して首位陥落

 リーグ戦再開は横浜スタジアムでのベイスターズ3連戦。初戦はビーズリーが先制を許し、今永の前に打線が沈黙。大山のホームランで一矢報いたが完投を許す。2戦目は伊藤将が2点に抑えるも打線は東の前に完封負け。佐藤輝を二軍降格させて臨んだ3戦目は才木が単調になり狙い打たれて4失点。サイ・ヤング賞投手のバウアーから3点を奪ったがリリーフ陣の前に反撃できずこのカードは0勝3敗。今季通算は38勝27敗2分で勝率.585となりついに首位から陥落して2位に。首位ベイスターズとは0.5差。左投手相手だからと前川を起用しなかったり、坂本を1試合も使わなかったり、佐藤輝を二軍に落としてみたりと、ここまでずばり当たっていた岡田監督の選手起用に迷いが見え始め、報道陣に対しても囲み取材を拒否したりするなど監督自身に余裕がなくなってきた。横浜スタジアムでの連敗は13にのび、今季初の5連敗。それでも10以上勝ち越しているのだから、そこまで悲壮になることはないはずだが。

◎ベイスターズ9回戦……1-3
 ベイスターズの先発は今永。1回表、中野のレフト線への二塁打で1死二塁とし、ノイジーの二塁ゴロで三進。大山が歩き一三塁としたが、佐藤輝は空振り三振で立ち上がりを攻めきれず。タイガースの先発はビーズリー。宮崎の二塁打とソトの二塁ゴロで1死二塁とされ、楠本のセンター前ヒットで一三塁に。しかしここは戸柱、今永をフライに打ち取り先制点は許さず。3回裏、2死から佐野にライトの頭上を越す二塁打を打たれ、牧のセンター前タイムリーヒットで先制される。さらに宮崎に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれて2点差とされる。さらにソトと楠本を歩かせ満塁とされたが、戸柱は見逃し三振で大量点は許さず。ビーズリーはこの回限りで降板。4回裏から5回裏は二番手馬場が打たせて取る投球で抑える。6回裏、三番手K・ケラーが外にレフトスタンドにソロホームランを打たれて3点差とされる。7回裏はK・ケラーは木浪のショートゴロエラーと宮崎への四球で2死一二塁とされたが、ソトをショートゴロに打ち取り切り抜けた。7回までほぼ完璧に今永に抑えられていたタイガース打線だったが、8回表に食い下がる。1死から代打原口と近本のライト前ヒットの連打で一二塁とし、原口の代走に小幡。しかし中野は高めのスライダーに手を出し空振り三振。ノイジーのライトフェンスに当たるかと思われた当たりはライト楠本の好捕で惜しくもアウトになり得点できず。8回裏、四番手の石井は三者凡退に抑える。完封を狙う今永に対し、9回表、大山がレフトスタンドにソロホームランを放ち一矢報いたが、レフト前ヒットの森下を梅野はセンターフライ、代打ミエセスは空振り三振に打ち取られ、反撃もここまで。ベイスターズとのゲーム差は1.5に迫られた。
◎ベイスターズ10回戦……0-2
 タイガース伊藤将、ベイスターズ東の投手戦。先制したのはベイスターズ。1回裏、関根にセンター前ヒットを打たれると、大田との間でヒットエンドラン。ショートゴロとなるが、関根は二進。佐野の打席で関根に三盗を許し、佐野のセンター前タイムリーヒットで1点先制される。2回表、大山とミエセスが連続でレフト前ヒットを放ち無死一二塁としたが、森下と梅野はライトフライ、木浪は二塁ゴロで数少ないチャンスを逸した。2回裏、ソトを歩かせ、大和の三塁ゴロは渡邉諒が弾くが木浪がバックアップし、一塁アウト。1死二塁とされたが山本祐はセンターフライ、東は二塁ゴロで追加点は許さず。3回裏、関根を死球で出すと、大田は空振り三振に取ったが、佐野の打席で関根は二盗。岡田監督のリクエスト申請も覆らず。佐野の二塁ゴロで関根は三進。しかし牧の強烈な三塁への当たりを渡邉諒がダイビングキャッチし、失点を防いだ。東のチェンジアップにタイガース打線は翻弄され、伊藤将もようやくコーナーを突く投球が尻上がりによくなり試合は動かず。6回裏、大田がレフト線に二塁打を放ち、代走に蝦名。佐野のショートゴロで蝦名は三進。牧のセンターの頭上を越すタイムリー二塁打で2点差とされる。7回裏、2死から関根と蝦名の連打で一二塁とされるが、佐野をレフトフライに打ち取り、追加点は許さず。伊藤将は7回2失点で降板。8回裏は二番手の加治屋が牧を三塁ゴロに打ち取るも渡邉諒の悪送球で無死一塁。しかし宮崎はショートへのフライ、ソトはショートゴロ併殺で切り抜ける。9回表、完封を狙う東に対し、中野が三塁内野安打で出るも渡邉諒はショートゴロ併殺。大山はセンターフライに倒れて完封を許し、今季初の4連敗。横浜スタジアムでの連敗は12となってしまった。
◎ベイスターズ11回戦……3-5
 ベイスターズの先発はバウアーがタイガース戦初登板。1回表、1死から近本がライトフェンスに当たるヒットで出たが、前川は空振り三振、大山はレフトフライと後続を断たれる。2回表、1死から森下が歩き、梅野のセンター前ヒットで一二塁としたが、小幡は三塁へのライナー、才木はライトフライで得点できず。タイガースの先発は才木。2回裏、1死から宮崎にライトを越す二塁打を打たれると、ソトのレフト前ヒット、森の四球で満塁とされ、伊藤光のライトへの犠牲フライで先制される。3回裏、関根にライト前ヒットを打たれると、フォークを多投し、桑原の初球のフォークがホームベース手前でバウンドするとその間に関根が二進。桑原にはフォークを見切られ四球。佐野にライト前タイムリーヒットを打たれ、2点差に。なおも無死一三塁で牧にレフト犠牲フライを打たれて3点差とされる。4回裏、1死から伊藤光の三遊間の当たりは小幡がよく捕球するも一塁には間に合わず内野安打に。バウアーのバントは才木が一塁へ送球するもバウアーのヘルメットに当たる。しかしバウアーはフェアゾーンを走っており守備妨害でアウトになり、伊藤光も一塁に戻される。関根は見逃し三振で切り抜けた。5回表、小幡がライト前ヒットで出ると、才木のバントで二進。中野は空振り三振に倒れたが、近本が歩き、前川のライト前タイムリーヒットで2点差に。大山のショート後方のゴロはショートとレフトがお見合い、間に落ちるタイムリーテキサスヒットで近本が生還して1点差に迫る。5回裏、2死から牧と宮崎に連続で二塁打を打たれて1点を返され、2点差に。才木は5回3失点で降板。6回裏、二番手の石井はライト前ヒットの伊藤光をバウアーにバントで送られ、関根のライト前ヒットで一三塁に。桑原のセーフティースクイズは小フライとなり梅野が捕球。しかし佐野にレフト前タイムリーヒットを打たれてまたも3点差に広げられた。7回表、代打ノイジーがセンター前ヒットで出ると、中野のライト前ヒットで二三塁に。近本のショートゴロの間にノイジーが生還して2点差とする。前川の四球でバウアーは降板。二番手はウェンデルケン。大山はショートライナーに倒れるも糸原は四球で満塁に。しかし森下は見逃し三振で逆転のチャンスを逸した。7回裏、三番手加治屋は宮崎に内野安打を打たれ、暴投などで2死三塁とされたが伊藤光を投手ゴロに仕留めて切り抜けた。8回表は三番手伊勢の前に三者凡退。8回裏は四番手島本が三者凡退に抑え、打線の反撃を待つ。9回表、クローザーの山崎の前に三者凡退に終わり、このカードは3タテを食らい、ついに首位の座を明け渡すことになった。なお、この試合より佐藤輝が二軍に降格。五番には糸原を起用するなど岡田監督の選手起用にほころびが出始めた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……島本浩也
 二軍から昇格して以降、敗戦処理から勝ちパターンへと起用法も変わってきた。それくらい安定したリリーフぶりを見せている。負けていても、決してあきらめず、トミー・ジョン手術のリハビリ期間の鬱憤を晴らすかのようだ。
野手……前川右京
 1試合だけしか起用されないのがもったいないくらい、よくバットが振れている。岡田監督も大きく育てる気があるのなら投手の左右に関係なく打席に立たせるべきだ。バウアーから放ったタイムリーヒット、この1本だけでもMVPに値する。

 次節は甲子園球場に戻りドラゴンズと対戦。スワローズとの最下位争いで勝ち、勢いに乗ってきている。勢いではドラゴンズが上か。西勇、村上、大竹の3本柱でなんとか挽回してもらいたい。続いて東京ドームでのジャイアンツ3連戦。交流戦で息を吹き返した感があり、これまでのようにはいかないだろう。ビーズリーを二軍に落とし、西純を先発に立てるということだが、カード頭に安定した投手を持ってこないというのは下策。そろそろ青柳を戻して信頼しているというところを見せてくれないか。二軍に降格させるべきは梅野ではないか。勝負どころで不用意な球を投げさせる場面が多く、その日の投手の調子に合わせ、一番いい球種を軸に組み立てる坂本のリードの方が安心して見られる。長坂や榮枝など一軍で通用する捕手を二軍で腐らせている理由がわからない。いくら不振とはいえ、当たると大きい佐藤輝が打線にいるのといないのとでは相手投手も打線に怖さを感じないのではないか。幸い、次節では大竹と村上のところで坂本を起用できる。伊藤将とのバッテリーも復活させ、最低でも3試合は坂本を先発起用してもらいたい。

(2023年6月26日記)


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