今節はまず甲子園球場でのドラゴンズ3連戦。初戦は柳を打ちこみ、西勇の好投で勝ち、ベイスターズが敗れたためわずか1試合で首位に返り咲いた。2戦目は大竹がう盗するも打線の援護がなく、島本がプロ入り初の敗戦投手となる。3戦目は松葉を打ちこみ、村上がまたも安定した投球で久々のカード勝ち越し。このカードは2勝1敗。東京ドームに移ってジャイアンツ戦。1戦目は西純と戸郷がよく投げ合い、加治屋が伏兵岸田にサヨナラホームランを打たれる接戦。2戦目は伊藤将が好投し、大山が菅野から打ったホームランの1点を守り抜く。3戦目は才木が2発撃たれて同点にされたが、リリーフ陣がよく粘り延長12回引き分けで、このカードは1勝1敗1分。今節は3勝2敗1分と勝ち越し、今季通算は41勝29敗3分で勝率.586で首位を堅持。2位ベイスターズとは1.5差。3位カープとは3.5差。4位までと5位以下との差が大きく広がってきた。
◎ドラゴンズ10回戦……11-3
ドラゴンズの先発は柳。3回裏、梅野のセンター前ヒット、木浪の四球、西勇のバントで1死二三塁とし、近本のライト犠牲フライで先制。木浪は三進し2死三塁に。中野のライト前タイムリーヒットで2点目。前川の打席で中野が二盗し、前川のライト前タイムリーヒットで3点目。大山のレフトスタンドに入るツーランホームランで5点目が入り、ミエセスがレフト前ヒット、糸原もライト前ヒットを放ったところで柳は降板。二番手上田には梅野が見逃し三振。タイガースの先発は西勇。4回表、ヒットのビシエドを置いて細川にレフトスタンドにツーランホームランを打たれて3点差に。石川昂のセンター前ヒット、福永のレフト線二塁打で無死二三塁とされ、龍空には死球で満塁に。石橋は二塁フライに打ち取ったが、代打宇佐見のレフト前タイムリーヒットで2点差とされる。しかしここで大島を空振り三振、岡林をセンターフライに打ち取りなんとか踏ん張った。4回裏は三番手藤嶋から近本が二塁打を放ったが得点はできず。5回表、細川への死球、福永への四球で2死一二塁とされるも龍空を空振り三振に取り、勝利投手の権利を持って西勇は交代。5回裏、前川の三塁打、大山とミエセスの四球で無死満塁とし、糸原はセンターフライに倒れ、梅野は三塁ゴロ。しかしこれを石川昂が弾き前川が生還して3点差に。木浪のセンター前2点タイムリーヒットで5点差に戻す。6回表、二番手島本は三者凡退に抑える。6回裏、四番手福から中野が歩き前川が猛打賞となるセンター前ヒットを放つと、五番手祖父江に交代。大山のレフト前タイムリーヒットで6点差に。しかし後続を断たれてこの回は1点どまり。7回表、三番手石井も三者凡退に抑える。7回裏、六番手松山に対し、二塁打の木浪がノイジーの二塁ゴロで三進。近本は死球で一三塁とし、中野のショートゴロは二封のみの併殺崩れで木浪が生還して7点差に。8回表、四番手加治屋は石川昂を歩かせるが福永をショートゴロ併殺に打ちとると龍空は空振り三振。8回裏、代打渡邊諒と熊谷、梅野が四球で満塁に。木浪の二塁ゴロは二封のみの併殺崩れでその間に渡邉諒が生還し11点目を入れる。9回表、五番手K・ケラーは福田にライト前ヒットを打たれるも宇佐見をレフトフライに打ち取ると、大島を二塁ゴロ併殺に打ち取り締めくくった。西勇が5勝目。ヒーローインタビューはホームランの大山と、2点タイムリーヒットの木浪、プロ入り初の猛打賞を放った前川。ベイスターズがカープに敗れたため、2日だけでタイガースは首位に返り咲いた。
◎ドラゴンズ11回戦……2-4
タイガース大竹、ドラゴンズ高橋宏の投手戦。先制したのはドラゴンズ。2回表、細川にレフトフェンスに当たる二塁打を打たれ、石川昂を歩かせ、福永のバントで1死二三塁に。石橋にレフト前に2点タイムリーヒットを打たれる。6回表、岡林に二塁打を打たれ、ビシエドのショートゴロで三進。しかしここは細川を捕邪飛に打ち取ると、石川昂はセンターフライで追加点を許さず。6回裏、1しから近本が一塁内野安打で出ると、中野は四球。前川のセンター前ヒットで満塁としたが、大山はショートゴロ併殺。7回裏、1死から糸原がレフト前ヒットを放ち、代走に熊谷。坂本は見逃し三振に倒れたが、木浪の二塁を襲う当たりを福永が大きく弾き、センター前タイムリーヒットとなり1点差とする。代打ノイジーの死球で一二塁とし、ノイジーの代走に島田。近本の三塁線を抜くタイムリーヒットで同点に追いついた。大竹は7回2失点で交代。8回表は二番手岩貞が大島のヒットと岡林のバントで1死二塁とされたがビシエドは三塁ゴロ、細川は空振り三振。高橋宏も7回2失点で交代。二番手清水には前川、ミエセス、熊谷が空振り三振で得点できず。9回表は三番手岩崎が貫録の三者凡退。9回裏は三番手勝野の前に三者凡退。試合は延長戦に。10回表、四番手島本は代打福田に死球。福田の代走に村松。伊藤康のバントで2死二塁とされ、岡林のタイムリー三塁打で勝ち越しを許し、島本は降板。五番手加治屋はビシエドにライト前タイムリーヒットを打たれて2点差をつけられた。10回裏、クローザーのマルティネスの前に三者凡退。島本はプロ入りして初めての負けがついてしまった。
◎ドラゴンズ12回戦……8-0
ドラゴンズの先発は松葉。1回裏、近本が左中間に二塁打を放つと、中野がレフト前ヒットで続く。渡邉諒の一塁ゴロは三本間の狭殺プレーとなり、近本が逃げに逃げて時間を作り、渡邉諒が二進してからタッチアウトに。大山は空振り三振に倒れたが、ノイジーのショートゴロを本塁送球を焦った龍空がこぼしてしまい、失策で中野が生還し先制。前川のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。タイガースの先発は村上。初回は硬くなっていたが、2回表は細川、石川昂、高橋周を三者連続空振り三振に取るなど快調な滑り出し。2回裏、木浪が死球で出るも村上のバントは松葉が好捕して併殺に。3回表、宇佐見と龍空の連打で無死一二塁とされるが、松葉はバントができず三振。大島をセンターフライに打ち取ると岡林もレフトフライに仕留めて得点は許さず。3回裏、中野がセンター前ヒットで出ると、渡邉諒の打席で中野は二盗。渡邉諒のレフト前ヒットで一三塁とし、大山の三塁ゴロ併殺の間に中野が生還して3点差とする。4回裏、1死から木浪がライト前ヒットで出るも、またも村上のバントは投手ゴロ併殺に。5回裏、ヒットの中野を置いて渡邉諒はバックスクリーン左にツーランホームランを放ち5点差とする。松葉派5回5失点で降板。6回裏は二番手上田に抑えられる。7回表、2死から石川昂を歩かせ、高橋周と宇佐見の連打で満塁に。しかし後藤を二塁ゴロに打ち取り、村上は7回無失点で交代。7回裏、中野が4本目となるセンター前ヒットで出ると、渡邉諒が右中間を破るタイムリー二塁打で6点差に。渡邉諒の代走に熊谷。大山のレフト線へのタイムリー二塁打で7点差。ノイジーのセンター前ヒットで一三塁とし、ノイジーの代走に島田。前川の二塁ゴロは島田が快足をとばし二封を防ぎ、一封のみ。その間に大山が生還して8点差とする。8回表、二番手の馬場は2死から岡林を歩かせ、福永のライト前ヒットで一二塁とされるも細川を三塁ゴロに打ち取り切り抜ける。8回裏は三番手の岡のに抑えられたが、9回表、三番手の石井が三者凡退で締めて完封リレーで久々のカード勝ち越し。ヒーローインタビューは6勝目の村上、ホームランを含む猛打賞の渡邉諒と四安打四得点の中野。
◎ジャイアンツ9回戦……1-2
タイガース西純、ジャイアンツ戸郷の投手戦。1回表、近本がレフト方向に流し打ったライナーは東京ドーム特有の風圧に乗り、レフトスタンドに入る先制ホームランとなる。2死後、大山とノイジーが歩いてチャンスは続いたが、糸原は二塁ゴロで追加点は取れず。2回裏、岡本和に二塁打を打たれ、大城卓の一塁ゴロで岡本は三進。しかし中田翔を浅いセンターフライに打ち取ると、丸をショートゴロに打ち取って得点させず。3回表、1死から中野のセンター前ヒットと前川の四球でチャンスを作るも、大山とノイジーは連続空振り三振で追加点はならず。4回裏、ブリンソンのレフト前への当たりはノイジーがスライディングキャッチ。しかし秋広に右中間を破る二塁打を打たれ、岡本和は二塁へのフライに打ち取ったが、大城卓の初球に不用意に投げた甘い球をライトへ弾き返され、フェンス直撃のタイムリー二塁打となり、同点にされる。5回表、2死から前川と大山の連打でチャンスを作るもノイジーはライトフライに倒れる。8回表、1死から糸原がセンター前に落ちる当たりをブリンソンがスライディングキャッチしようとしたが球はグラブに入らずヒットに。糸原の代走に熊谷。梅野と熊谷の間でバスターエンドランを仕掛けるも一塁ライナーになり、二塁に到達していた熊谷は帰塁できず併殺となる。西純は7回1失点で交代し、8回裏は二番手岩貞が三者凡退に抑える。戸郷も8回1失点で交代し、9回表は二番手中川の前に三者凡退。9回裏、三番手石井はブリンソンに二塁打を打たれ、代走に増田大。秋広は申告敬遠で無死一二塁とされたが、岡本和を空振り三振に取ると、大城卓は二塁ゴロ併殺で切り抜け、試合は延長戦に。10回表、三番手高梨に三者凡退に抑えられ、10回裏は4番手加治屋が難なく2死を取ったが、代打岸田がまさかのライトスタンド最前列にサヨナラホームラン。近本の戦闘弾同様、東京ドームならではの当たりがホームランとなってしまった。
◎ジャイアンツ10回戦……3-0
タイガース伊藤将、ジャイアンツ菅野の投手戦。先制したのはタイガース。4回表、2死からこの試合チーム初安打は大山のレフトスタンドに入るソロホームラン。その後も菅野からはなかなかヒットが打てなかっただけに、この一発は貴重だった。4回裏、秋広のセンター前ヒットと大城卓のレフト前ヒットで2死一三塁とされるもウォーカーをライトフライに打ち取り切り抜けた。5回裏、先頭の中田翔を歩かせたが、北村を二塁ゴロ併殺に打ち取ると、菅野は見逃し三振で崩れず。7回表、1死から大山の四球とノイジーのセンター前ヒットで1死一二塁としたが、前川は三塁へのフライ、梅野は空振り三振と、要所要所を締められる。菅野は7回1失点で交代。8回表、二番手大江に対し1死から代打ミエセスが歩き、代走は植田。近本はライトフライに倒れ、中野の打席で植田は一塁牽制死。伊藤将は7回無失点で交代し、8回裏は二番手岩貞が三者凡退に抑える。9回表、三番手菊地に対し、中野がセンター前ヒットで出ると、熊谷のバントで二進。菊地の一塁悪送球で熊谷もセーフと判定されたが、原監督のリクエストで一瞬早く秋広がベースを踏んでいたと判定が覆り、1死二塁に。大山の二塁ゴロで中野は三進。ノイジーの左中間を破るタイムリー二塁打で中野が生還し待望の追加点。ここで四番手横川と交代。前川は四球で代走に島田。梅野の三塁ゴロは岡本和が後逸しノイジーも生還して3点差とする。9回裏、クローザーの岩崎が三者凡退で締め、緊迫した試合で勝利した。ヒーローインタビューは3勝目でジャイアンツ戦は昨シーズンから無敗の伊藤将。
◎ジャイアンツ11回戦……2-2
タイガースの先発は才木。1回裏、先頭のブリンソンに初球を打たれてライトスタンドに先制のソロホームランを叩きこまれる。さらに丸に左中間にヒットを打たれたが、二塁を狙う丸をノイジーが好返球でさしタッチアウト。秋広のセンター前に抜けようかという当たりは中野が好捕して二塁ゴロに取る。岡本和は空振り三振で嫌な流れを野手の美技で引きもどした。ジャイアンツの先発はメンデス。2回表、大山が四球を選ぶも渡邉諒はショートゴロ併殺。ミエセスがセンター前ヒットで出るが、梅野は二塁へのフライで攻撃がかみ合わない。4回表、中野がライト線の二塁打で出ると、ノイジーが歩き、大山は空振り三振に倒れたが、渡邉諒も歩き満塁に。ミエセスの爪先に当たる押し出し死球で同点とすると、梅野は三塁ゴロで本封されたが、木浪のライト前タイムリーヒットで勝ち越した。4回裏、秋広にライトスタンドに同点のソロホームランを打たれてしまい、試合は膠着状態に。才木は5回2失点で交代。6回裏は島本が三者凡退に抑える。7回表、梅野が歩き、木浪のバントで二進。糸原のライト前ヒットで一三塁とし、ここでメンデスは降板。二番手高梨は近本の脇腹に死球で満塁に。中野はショートフライに倒れ、ここで三番手鈴木康と交代。しかしノイジーは空振り三振で絶好のチャンスを逃す。8回表、四番手ビーディーに対し2死からミエセスがヒットで出るが、梅野はショートゴロ。ここ一番で梅野はことごとく凡退したのがブレーキとなった。8回裏、三番手石井は三者凡退に抑え、9回表、五番手の中川皓の前に三者凡退。9回裏、四番手岩貞が四球の岡本和をバントで送られたが、代打長野を投手ゴロに打ち取り、試合は延長戦に。10回裏は五番手K・ケラーが三者凡退に抑えると、11回表は六番手三上の前に三者凡退。11回裏は六番手馬場がこちらも三者凡退に抑える。12回表、七番手大江に対し、2死から近本が歩くも中野は見逃し三振でタイガースの勝利が消える。12回裏、七番手岩崎は岡本和を歩かせ、代走に重信。大城卓のバントで二進。長野を歩かせ、代打ウォーカーと代打中田翔を連続空振り三振に取って引き分けた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司 二軍から昇格して以降、敗戦処理から勝ちパターンへと起用法も変わってきた。それくらい安定したリリーフぶりを見せている。負けていても、決してあきらめず、トミー・ジョン手術のリハビリ期間の鬱憤を晴らすかのようだ。
野手……大山悠輔 ドラゴンズ戦、ジャイアンツ戦で試合を決めるホームランを放つだけではなく、一塁手としても見事なハンドリングで送球を確実に捕球し、味方の守備陣を助けている。3番打者と5番打者が固定されないが、4番にどっしりと大山が座っていることは大きい。
次節はマツダズームズームスタジアムでカープと3連戦。打線が調子を上げているが、西勇、大竹、村上の3本柱で守り抜きたい。続いて甲子園に戻りスワローズ3連戦。西純、伊藤将につづいて、才木に代わりついに青柳が一軍に復帰してくる。2年連続最多勝の本領を発揮するのはこれからだ。そろそろ佐藤輝も一軍昇格してきてほしい。二軍では小川が復帰登板。層の厚い投手陣に割って入るのは大変だが、早期の一軍復帰を期待したい。
オールスターのファン投票では、先発投手に村上、中継ぎに岩崎、抑えに湯浅、一塁に大山、二塁に中野、三塁に佐藤輝、遊撃に木浪、外野に近本とノイジーが選出された。あと一枠はカープの秋山翔。いくらなんでも湯浅とノイジーはどうよと思わんでもないが、真弓さん1人だけという年もあったことを思うと、ぜひ縦縞の選手に暴れまわってほしい。これだけファン投票で出場したら、大竹の監督推薦があるかどうか心配になってくる。高津監督、ぜひ大竹も選んであげてね。選手間投票では投手に村上、外野手に近本が選出される。すごいぞ村上。ドラフト指名を強く推したという矢野前監督の眼力には舌をまく。とにかくこれだけ出場するのだから、オールスターまで勝ち進み、首位で迎えてほしいものだ。
(2023年7月3日記)