愛すれどTigers


青柳復帰勝利で前半戦首位折り返し

 今節でオールスター前の全日程が終了。まず倉敷マスカットスタジアムと甲子園球場でのベイスターズ3連戦。初戦は二軍で調整を続けていた青柳が久々の登板でベイスターズ打線にゴロアウトの山を築いて復活勝利。2戦目は大竹が打たれたが、森下がバウアーから同点ホームランを放ち、さらにサヨナラ犠飛で連勝。3戦目は村上が打たれて石田からの完封リレーで敗れ、このカードは2勝1敗。続いて甲子園球場でのドラゴンズ戦。1戦目は才木からリードを保ったまま最終回に体調不良の岩崎に代わる岩貞がクローザーとして登板したが同点にされ、延長10回に島本が打たれて落とす。2戦目はメヒアの前に完封負け。しかし3戦目、西純の好投で連敗を止め、このカードは1勝2敗。今節は3勝3敗、今季通算は46勝35敗3分で勝率.568と首位で前半戦を折り返す。2位に浮上したカープとは1.0差。3位ベイスターズとは3.0差。

◎ベイスターズ12回戦……7-2
 復帰をかけるマウンドには2ヶ月ぶりの青柳。ベイスターズの先発は笠原。1回裏、森下がレフト線に二塁打を放つも中野のバントは捕邪飛に。ノイジーは空振り三振。大山と佐藤輝は歩いて満塁のチャンスを作るもミエセスはレフトフライに倒れた。2回裏、木浪のヒットと森下の四球で2死一二塁とするも中野は投手ゴロに倒れて先制点はならず。3回裏、1死から大山のヒット、佐藤輝の一塁ゴロエラー、ミエセスの四球で満塁とする。梅野の三塁ゴロで本封されたが、木浪がセンターの頭を超す走者一掃の3点タイムリー二塁打で先制。青柳は3回まで走者を出さなかったが、4回表、2死から佐野と牧の連打で一二塁とされ、宮崎に右中間を破る2点タイムリーヒットを打たれる。しかし桑原を投手ゴロに打ち取り同点は許さず。4回裏二番手上茶谷の前に、中野は四球を選んだが、森下、ノイジー、大山は空振り三振。5回表、京田と戸柱の連打と上茶谷のバントで1死二三塁とされたが、代打藤田一の一塁ゴロで走者は動けず、関根の三邪飛で切り抜ける。5回裏、佐藤輝と梅野のヒットで1死二三塁とし、木浪のライト前2点タイムリーヒットで突き放す。青柳のバントで木浪は二進し、森下のライト前タイムリーヒットで4点差に。6回裏、三番手の石川に抑えられる。7回裏、四番手エスコバーに対し四球の梅野が木浪のバントで二進するも代打原口は空振り三振。青柳は持ち味のゴロアウトでベイスターズ打線を手玉に取り、7回2失点で交代。8回表、岩貞が走者を出しつつも無失点。8回裏、五番手田中健に対し森下の四球と中野のバントが内野安打となり無死一二塁に。ノイジーのライト前ヒットで満塁に。大山は三塁ゴロ併殺に倒れたが、佐藤輝の打席で田中健の暴投が出、1点を追加。9回表、三番手K・ケラーが牧と京田にヒットは打たれたが、戸柱を空振り三振に取って逃げ切った。ヒーローインタビューは復活の3勝目をあげた青柳と5打点の活躍の木浪。
◎ベイスターズ13回戦……5-4
 タイガースの先発は大竹。1回表、楠本に左中間を超す二塁打を打たれ、関根のバントで三進。宮崎は空振り三振に取ったが、牧にレフト前にタイムリーヒットを打たれて先制を許す。さらに佐野にもレフト前ヒットを打たれたが、三塁を狙った牧をノイジーがさしてピンチを脱した。2回表、ソトにバックスクリーンにソロホームランを打たれて2点差に。3回表、楠本のセンター前ヒットと関根のショート内野安打で無死一二塁とされ、宮崎の一塁ゴロで関根を二封。一塁に転送したが、大竹の足が離れ、当初は併殺の判定だったが、三浦監督のリクエスト申請で判定が覆り一三塁に。しかし、牧を二塁へのフライに打ち取ると、佐野を空振り三振に取って追加点は許さず。ベイスターズの先発はバウアー。4回裏、1死から中野のレフト前ヒットと二盗、前川の四球で1死一二塁とし大山のライト前タイムリーヒットで中野が生還して1点差に。佐藤輝の投手ゴロはバウアーがこぼして満塁とし、ノイジーのセンター返しの打球は二塁手が抑えるも送球できず同点タイムリーヒットとなる。しかし坂本、木浪が連続三振で逆転はできず。5回表、ヒットの宮崎を置いて牧にレフトスタンドにツーランホームランを打たれてまたもリードを許す。大竹は5回4失点で降板。6回表は二番手浜地が三者凡退に抑える。7回表は三番手島本が2死を取り、宮崎の打席で四番手馬場と交代。宮崎を空振り三振に取る。馬場は8回表も好投。8回裏、糸原がレフト前ヒットを放ち、代走に熊谷。森下が左中間スタンドに同点のツーランホームランを放ち、バウアーは前川に二塁打を打たれたところで降板。二番手伊勢には代打ミエセスがショートゴロ併殺を打たされる。9回表、クローザーの岩崎は2死から知野を歩かせ二盗を許すも楠本を三邪飛に打ち取る。9回裏、三番手ウェンデルケンに対し、ノイジーが歩いて代走に植田。坂本のバントはウェンデルケンがファンブルしてエラーで一二塁に。1死後、熊谷の四球で満塁とし、森下がセンターへ犠牲フライを放ちサヨナラ勝ちで連勝。岩崎が3勝目。ヒーローインタビューは同点ホームランとサヨナラ犠飛の森下。
◎ベイスターズ14回戦……0-4
 タイガース村上、ベイスターズ石田の投手戦。1回裏、森下のヒットと小野寺の四球で1死一二塁とするも、大山はショートゴロ併殺。3回裏、ヒットの木浪を村上がバントで送りチャンスを作るも森下は空振り三振、中野は二塁ゴロに倒れる。4回裏、小野寺がレフト線二塁打で出るが、大山は見逃し三振。ミエセスが歩いて一二塁としたが、佐藤輝は空振り三振。坂本はショートライナーに倒れる。5回表、四球のソトとレフト前ヒットの京田を山本祐がバントで送り、二三塁から石田のセンター前2点タイムリーヒットで先制を許した。石田は5回無失点で交代。6回表、宮崎と佐野のヒットで1死一三塁とされ、ソトは見逃し三振に仕留めたが、京田のセンター前タイムリーヒットで3点差に。6回裏、二番手森原から小野寺の内野安打、大山のレフト前ヒットでチャンスを作るもミエセス、佐藤輝、坂本は三者空振り三振。ホームが遠い。村上は6回3失点で降板。7回表は二番手及川が抑える。7回裏、三番手ウェンデルケンに対し木浪が二塁打で出るが、代打前川。森下中野が三者三振。8回表、三番手石井は牧に左中間スタンドにソロホームランを打たれて4点差に。8回裏、四番手伊勢から小野寺、ミエセス、佐藤輝の連打で1死満塁とするも、代打渡邊諒はセンターフライ、木浪は長打性の当たりをライトに好捕されまたもホームが遠い。9回表は四番手浜地が抑えたが、9回裏はクローザー山崎に抑えられて連勝ストップ。
◎ドラゴンズ13回戦……4-6
 ドラゴンズの先発は高橋宏。1回裏、二塁打の森下を中野がバントで送り、前川のライト前タイムリーヒットで返して1点を先制。タイガースの先発は才木。3回表、村松と龍空の連打で無死一三塁とされ、高橋宏のセーフティスクイズが決まり同点に。大島のレフト前ヒットで1死一三塁とされ、岡林の犠牲フライで勝ち越しを許す。4回表、宇佐見に二塁打を打たれ、ビシエドはショートへのフライに打ち取ったが、村松の一二塁間を襲う打球を中野が好捕し一塁はアウト。2死三塁とされ、龍空を歩かせたが、高橋宏を空振り三振に取ってなんとか切り抜けた。4回裏、中野がセンター前ヒットを放ち、前川の一塁ゴロで二進。大山のセンター前ヒットで一三塁とし、小野寺のショートゴロの間に中野が生還して同点に。佐藤輝が歩いて2死一二塁とし、梅野のセンター返しの当たりは二塁村松の前で大きくイレギュラーバウンドしてセンター前タイムリーヒットなり逆転する。7回表、龍空と大島のヒットで2死一三塁とされたが、岡林をショートライナーに打ち取り、才木はこの回限りで降板。高橋宏も6回3失点で降板し、7回裏は二番手齋藤の前に三者凡退。8回表、二番手石井は石川昂の二塁打などで2死一三塁とされるが、代打後藤をレフトフライに打ち取り切り抜ける。8回裏、三番手砂田に対し1死から前川が歩いて代走に熊谷。ここで四番手田島に交代し、大山と小野寺の四球で満塁に。佐藤輝の二塁ゴロの間に熊谷が生還して2点差とする。9回表、岩貞がクローザーとして登板。代打福田を歩かせ、福永にはセンター前ヒットを打たれ、大島の一塁ゴロで二三塁とされると、岡林にライト前に2点タイムリーヒットを打たれて追いつかれる。9回裏は五番手清水の前に三者凡退で試合は延長戦に。延長10回表、四番手島本が登板。二塁打の溝脇を代打石橋がバントで送り、島本は降板。五番手馬場は福田を一塁ゴロに打ち取り、大山はバックホームし、溝脇はタッチアウト。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。福永の二塁ゴロはイレギュラーバウンドし、中野が捕球できずエラーで一二塁とされ、大島のタイムリーヒットで福田が生還。ライト熊谷の返球は大島に当たり、大きく弾む間に福永も生還して2点のリードを許す。10回裏、クローザーのマルティネスの前に3人で片付けられ、連敗。
◎ドラゴンズ14回戦……0-3
 タイガース伊藤将、ドラゴンズメヒアの投手戦。3回裏、坂本がセンター前ヒットを放ち、伊藤将のバントで二進したが、森下はセンターフライに倒れ、先制できず。4回表、細川に対しぎりぎりに投げ込んだ球をボールと判定されたのが影響したか、次の球が甘く入り、レフトスタンドにソロホームランを打たれて先制を許した。5回裏、ノイジーのヒット、木浪の四球、伊藤将のヒットで2死満塁と攻めるも、ここでも森下はレフトフライ。7回表、宇佐見とビシエドの連打と村松のバントで1死二三塁とされ、溝脇の二塁後方のフライは中野が好捕。しかし代打後藤にセンター前2点タイムリーヒットを打たれ、3点差に。メヒアは6回無失点で交代。7回裏、二番手勝野の前に三者凡退。伊藤将は7回3失点で交代。8回表、二番手及川が大島に内野安打を打たれるも岡林は二塁ゴロ併殺。中野のグラブトスから流れるように木浪が一塁送球という美技が見られた。ここで三番た浜地に交代。細川をセンターフライに打ち取る。8回裏、三番手清水の前にここも三者凡退。9回表は四番手K・ケラーが登板。三者凡退に抑えて味方の反撃を待つが、9回裏、マルティネスの前に中野、前川、大山は三者凡退で完封リレーを食らう。
◎ドラゴンズ15回戦……4-1
 タイガースの先発は西純。1回表、大島の二塁後方のフライはライトとの間に落ちてヒットに。岡林のレフト前ヒットで無死一二塁とされるが、細川と石川昂を連続三振に取ると、宇佐見を歩かせ満塁に。ビシエドは三塁ゴロでなんとか切り抜けた。ドラゴンズの先発は涌井。1回裏、レフト前ヒットの森下は中野の二塁ゴロの間に二進。ノイジーが歩き、大山センターフライに倒れたが、佐藤輝が久々の今季10号となるスリーランホームランをライトスタンドに運び、3点先制。2回裏、レフト前ヒットの坂本を木浪がバントで送り、西純のセンター前タイムリーヒットで4点差とする。3回表、岡林と石川昂のヒットで1死一三塁とされ、宇佐見のレフト前タイムリーヒットで3点差に。3回裏、中野の二塁打と大山の内野安打で1死一三塁とすると、涌井は降板して二番手砂田に交代。佐藤輝は空振り三振に倒れるなどして追加点はならず。4回裏、三番手上田から坂本がヒットを放つも後続を断たれる。6回裏、島田のヒットと坂本の三塁ゴロエラー、森下の四球で2死満塁とチャンスを作るが中野はレフトフライでまたも追加点は入らず。7回表、代打福永の三塁への打球は佐藤輝の肩に当たり、佐藤輝が倒れこみ強襲ヒットとなる。1死後、大島のライト前ヒットで一二塁とピンチを背負うがなんとか後続を断ち、西純は7回1失点で交代。7回裏、四番手藤嶋に対しノイジーのヒットと大山の四球でチャンスを作るがまたも後続を断たれて追加点が遠い。8回表、二番手石井は宇佐見とビシエドに連打されるが、代打高橋周、福永を打ち取りリードを守る。8回裏、五番手岡野に対し2死から森下の死球と中野のヒットでまたもチャンスを作るがノイジーは空振り三振。9回表、クローザーの岩崎が三者凡退で締め13セーブをあげ、オールスター前を首位で折り返すことになった。ヒーローインタビューは3勝目の西純、先制にして決勝ホームランを放った佐藤輝。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 2年連続最多勝のエースが一軍に戻ってきた。ベイスターズとは相性は良いが、久々の一軍、しかも慣れない倉敷のマウンドと不安要素はあったが、得意のゴロアウトでベイスターズ打線を抑え、久々の勝利投手に。後半戦こそ、先発ローテーションの柱としてフル回転してもらいたい。
野手……森下翔太
 一番センターという難しいポジションにも慣れ、ベイスターズ戦ではサイ・ヤング賞投手のバウアーから同点ホームランを放ち、その試合ではサヨナラ犠飛を放つなどプロの世界に慣れ、本領を発揮するようになってきた。フレッシュオールスターでも先制点を放ちMVPに輝くなど、一軍選手の貫録を見せた。近本が復帰してもライトのポジションを確保して後半戦の主力として活躍してくれるだろう。

 フレッシュオールスター戦では門別が先発し、桐敷が抑えて投手陣の厚みをまたも感じさせてくれた。タイガースの選手がほとんどを占めたオールスター戦では、賞を取る選手は出なかったものの、佐藤輝が山本由(Bs)から二塁打を放ったり、中野の2試合連続ヒット、木浪のオールスター戦初安打など、それなりに結果を出した。ただ、投手陣はすべて失点するなど精彩を欠いたのが残念。次節は神宮球場でスワローズと2連戦。近本も戦列に復帰し、青柳中心のローテーションも組める。カープ、ベイスターズと三つ巴の争いになってきたが、全体的に不調な時期も首位の座を一瞬しか手放さなかったしぶとさで、後半戦を乗り切っていってほしい。
 OBの横田慎太郎さんが脳腫瘍で帰らぬ人となった。大型外野手として期待されながらも、脳腫瘍との闘病で引退し、「奇跡のバックホーム」はドラマ化もされた。引退後は脳腫瘍で苦しむ人たちのために講演などを開いたりしていたが、病魔は最後まで彼を苦しめた。プロ野球選手としての記録はほとんどないに等しい現役生活だったが、それ以上に記憶に残る一生だった。謹んで哀悼の意を表したい。

(2023年7月21日記)


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