今節は「ウル虎の夏」ユニフォームを着て、甲子園球場で長期ロード前の6連戦。まずはジャイアンツ3連戦。初戦は横田慎太郎さんの追悼試合。西純と菅野が投げ合い、大山のホームランとリリーフ陣の好投で白星を横田さんに捧げる。2戦目は大竹が好投し、打線もグリフィンを打ちこみ連勝。3戦目は戸郷を打ちこむも才木が集中打を浴び大敗し、このカードは2勝1敗。これで一時的にカープと順位が逆転したが、続くカープ3連戦では、初戦は森下翔の猛打と村上の好投で首位を奪回。2戦目は青柳と森下暢の投手戦、そしてリリーフ陣の粘投で5時間弱の熱戦の末引き分け。3戦目は伊藤将の好投と森下翔のホームランで接戦を制し、隙を許さぬ熱闘は2勝1分け。今節は4勝1敗1分。今季通算は51勝37敗4分で勝率.580の首位。2位カープとは1.0差。3位ベイスターズとは5.5差。
◎ジャイアンツ12回戦……4-2
横田慎太郎さんの追悼試合で、選手はウル虎の夏ユニフォームに喪章をつけ、球団旗などは半旗で弔意を示す。タイガースの先発は西純。1回表、吉川尚にライト前ヒットを打たれるも梶谷をショートゴロ併殺に打ち取る。さらに秋広にセンター前ヒットを打たれたが岡本和をレフトフライに打ち取り先制点は許さず。ジャイアンツの先発は菅野。1回裏、近本が復帰後初のヒットをセンター前に落とす。中野のバントで二進。森下は三塁ゴロに倒れたが、大山は四球でつなぎ、佐藤輝のライト線へのタイムリー二塁打で1点先制。4回表、岡本和にレフトポールを巻くソロホームランを打たれて同点に。審判団がリプレー検証を行うも判定は変わらず。5回表、ヒットの梶谷を置いて、秋広に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれて勝ち越しを許す。岡本和を歩かせたが、大城卓は一塁線の難しいゴロを大山が好捕し、二塁に送って併殺に取り、最少失点にとどめる。西純は5回2失点で降板。6回表、二番手島本は三者凡退に抑える。6回裏、ライト前ヒットの森下を置いて、大山がレフトスタンドにツーランホームランを放ち逆転。ここで菅野は降板。二番手大江から佐藤輝がセンター前ヒットを放つと、2死後、三番手船迫に交代。梅野は歩いたが、木浪は空振り三振で追加点は取れず。7回表、三番手岩貞は1死から吉川の内野安打と梶谷のライト前ヒットで走者をためるが、秋広を二塁ゴロ併殺に取り、ガッツポーズ。7回裏、四番手堀田に対し近本と中野が歩いて1死一二塁に。ここで五番手三上に後退。森下のセンター返しの打球は吉川尚に好捕され、二封。2死一三塁となる。ここて瀬大山がレフト前にタイムリーヒットを放ち、2点差に。8回表は四番手加治屋が三者凡退に抑え、8回裏は3番手菊地の前に三者凡退。9回表、クローザーの岩崎は代打中田を歩かせるが、代打岸田をショートゴロ併殺に打ち取ると、代打長野を二塁ゴロに打ち取って逃げ切り、横田慎太郎さんの追悼試合を勝利で飾った。中継ぎで好投の島本が3勝目。ヒーローインタビューはホームランを含む3打点の大山と、横田さんと同期入団のリリーフ、岩貞と岩崎。岩貞は泣きそうになり、岩崎は「勝てて良かった」としか言葉にならなかった。
◎ジャイアンツ13回戦……8-5
タイガースの先発は大竹。2回表、大城卓、長野を見逃し三振、岡田を空振り三振に取るなど好調な滑り出し。ジャイアンツの先発はグリフィン。2回裏、大山が歩き、佐藤輝のライト前ヒットで無死一三塁とすると、ノイジーが右中間を破る2点タイムリー二塁打で先制。坂本のバントでノイジーは三進。木浪は申告敬遠で一三塁となり、大竹の二塁ゴロは吉川輝が弾き、その間にノイジーが生還して3点差とする。大竹は5回まで安定した投球をしていたが、6回表につかまる。門脇と吉川尚のヒットで1死一二塁とされ、梶谷のレフト前タイムリーヒットで1点を返される。2死後、岡本和の右中間を破る2点タイムリー二塁打で同点に追いつかれ、大城卓には死球で一二塁に。長野に左中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれ、逆転され、ここで大竹は降板。二番手島本は代打ウォーカーを空振り三振に取って追加点は許さず。ウォーカーは5回3失点で降板。6回裏、二番手船迫に対し、1死からノイジーがセンター前ヒットを放つ。坂本誠はバントをファールで失敗し、ショートゴロでノイジーを二進させる。ここで三番手大江に交代し、代打小野寺は四球で一二塁とし、四番手菊地に交代。代打原口のレフト前タイムリーヒットで1点差とする。7回表、三番手の桐敷は門脇を歩かせ重信のバントで二進を許す。吉川尚の二塁ゴロを中野が弾き、エラーで一三塁に。梶谷はショートライナーに打ち取り、秋広を空振り三振に取って無失点で切り抜けた。7回裏、続投の菊地から中野のヒットと大山の四球で1死一二塁とし、五番手は高梨。佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで同点に。ノイジーが歩き満塁とし、坂本誠のセンターへの犠牲フライで勝ち越すと、小幡が左中間を破る2点タイムリー三塁打を放ち3点差に。六番手三上には代打渡邊諒が一邪飛に打ち取られたが、ジャイアンツの小刻みな継投を逆に打ちこんだ。8回表は四番手の加治屋が三者凡退に抑え、8回裏は七番手のバルドナードに対し近本が二塁打を放つも得点はできず。9回表、クローザーの岩崎が門脇にヒットを打たれるも後続を断ち、逃げ切った。桐敷が2勝目。岩崎は16セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の犠牲フライを放った坂本誠と久々の打席で相手を突き放す三塁打を放った小幡。
◎ジャイアンツ14回戦……6-9
タイガースの先発は才木。3回表、戸郷のセンター前ヒットと吉川尚の四球、梶谷のバントで1死二三塁とされ、秋広にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれて先制点を許す。ジャイアンツの先発は戸郷。3回裏、二塁打の木浪を才木がバントで送り、2死後、中野の左中間へのタイムリー二塁打で1点差に迫る。4回裏、大山のレフトスタンドへのソロホームランで同点に追いついた。しかし5回表、才木がジャイアンツ打線につかまる。1死から梶谷にライトスタンドにライナーで飛び込むソロホームランを打たれると、2死後、岡本和のショートフライを木浪が落球。大城を歩かせ、中田にセンター前にタイムリーヒットを打たれると、長野には右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれる。ここで才木は降板。二番手の馬場は門脇を歩かせると、戸郷にライト前ヒットを打たれて満塁とされ、吉川尚にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれてしまう。6
回表、三番手桐敷は2死から大城卓にライト前ヒットを打たれ、森下が返球を焦りもたつく間に二進。岡田のセンター前ヒットで本塁をついた大城卓は近本の好返球で本塁憤死。7回表、続投の桐敷は長野にライト前ヒットを打たれ、代走に重信。門脇の打席で二盗を許す。門脇を空振り三振に取り、戸郷の二塁後方のフライは中野が好捕。飛び出して一二塁走者の重信は帰塁できず、中野の返球で併殺となる。7回裏、タイガース打線が反撃。1死から木浪が投手強襲の内野安打で出ると、2死後、近本はライト前ヒット。中野の打席で戸郷の二塁牽制悪送球で一三塁とし、中野は右中間を破るタイムリー二塁打で5点差に。森下のレフト前2点タイムリーで3点差に迫った。8回表、四番手島本は吉川尚を歩かせ、梶谷のバントで二進される。秋広の二塁ゴロで三進され、五番手K・ケラーに交代。岡本和にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ、4点差とされる。8回裏、二番手ピーディーから佐藤輝がセンター左にソロホームランを放ち3点差に戻すと、1死後、梅野にはストライクが入らず四球。しかし木浪はボール球に手を出し、二塁ゴロ併殺で反撃もここまで。9回表は六番手浜地が門脇と吉川尚にヒットを打たれるも無失点で切り抜ける。9回裏、クローザーの中川の前に三者凡退でジャイアンツ戦の連勝が止まり、カープが10連勝したため、首位の座も明け渡した。
◎カープ13回戦……7-2
カープの先発は野村。1回裏、近本がライト前ヒットで出ると、1死後、森下翔の打席で近本は二盗。森下翔のセンター前タイムリーヒットで1点先制する。タイガースの先発は村上。3回表、田中にセンター前ヒットを打たれ、大盛の二塁へのライナーは中野が体勢を崩しながらも捕球。野村のバントで田中は二進。小園に右中間を破るタイムリー三塁打を打たれて同点にされると、野間にはうまく変化球を拾われてレフト前に落ちるタイムリーヒットで逆転された。3回裏、1死から近本のショートゴロは小園が弾いてエラーで出塁。中野の四球で一二塁とし、森下がライト前ヒットを放つと、ライト野間はこれを後逸し、近本と中野は生還して逆転。森下も三進。しかし大山と佐藤輝は凡退で追加点はならず。野村は4回3失点で降板。5回裏は二番手ケムナの前に三者凡退。6回裏、続投のケムナから佐藤輝が歩き、前川は空振り三振に倒れ、坂本はセンターフライに打ち取られたが、木浪の四球と村上のレフト前ヒットで満塁とし、近本の押し出し四球で2点差に。中野がレフト前タイムリーヒットで3点差をつけると、ケムナはここで降板。三番手は左腕戸根。森下のライト前2点タイムリーヒットで5点差とする。7回表、1死から上本を歩かせたが、後続を断ち、村上は7回2失点で交代。8回表は二番手岩貞が三者凡退に抑える。8回裏、五番手大道に対し1死から代打ノイジーが四球を選び、代走に植田。近本のセンター前ヒットでチャンスを作るも後続を断たれてダメ押しはできず。9回表、三番手加治屋は松山のセンター前に抜けそうな当たりを木浪の好捕に助けられるなど三者凡退で締め、1試合で首位の座を奪回した。ヒーローインタビューは1ヶ月ぶりに7勝目をあげた村上とプロ入り初の猛打賞となる4安打を放った森下翔。
◎カープ14回戦……2-2
カープの先発は森下暢。1回表、近本が左中間を破る二塁打を放つと、中野はレフト前ヒットで一三塁とする。森下翔は空振り三振に取られたが、大山のセンターへの犠牲フライで1点を先制する。タイガースの先発は青柳。3回表、矢野に二塁内野安打を打たれ、森下暢の打席で二盗。森下暢のバントは空振り三振となるが、小園にライト前タイムリーヒットを打たれて同点にされる。3回裏、近本がヒットで出るが、中野の打席で飛び出してしまい一二塁間で狭殺。中野のヒットと大山の二塁打で2死二三塁としたが、佐藤輝は見逃し三振に倒れる。この後は両投手が持ち味を出して好投。しかし6回裏、佐藤輝がライトスタンドにソロホームランを放ち、勝ち越す。前川が歩き、坂本がバントの構えをしているところで森下暢は指先の豆がつぶれたか降板。二番手中崎に対し、坂本がバントを決めて前川は二進。木浪は申告敬遠で歩き、青柳は空振り三振で追加点はならず。7回裏、三番手ターリーの前に三者凡退。青柳は7回1失点で交代。8回表、二番手加治屋は代打上本にライト前ヒットを打たれたが、代打磯村の投手前のバントを判断よく二塁へ送球し、二封。磯村の代走に羽月。ここで三番手岩貞に交代するが、継投が裏目に出て、小園に左中間を破る同点タイムリー二塁打を打たれる。それでも後続を断ち、勝ち越しは許さず。8回裏、四番手島内から大山が歩き、佐藤輝は空振り三振に倒れたが、前川も四球で1死一二塁に。代打糸原は二塁ゴロで二封。一三塁とチャンスは続いたが、木浪は三塁へのフライに打ち取られる。9回表、四番手岩崎は松山、坂倉、田中を三者三振に仕留める。9回裏、五番手栗林に対し、代打ノイジーがレフト前ヒットで出、代走に植田。1死後、中野が歩き一二塁とするが、森下翔はヒット性の当たりがレフト正面を突くフライに。大山は空振り三振に倒れ、試合は延長戦に。10回表は五番手浜地が三者凡退に抑える。10回裏、六番手矢崎に対し2死から島田がヒットを放つも木浪はレフトフライ。11回表、六番手桐敷は1死から野間と秋山翔のヒットで一三塁とされるが、松山を空振り三振に取ると、坂倉には芯でとらえられながらもレフトフライ。11回裏、矢崎が続投と思われたが、代打渡邊諒が告げられたところで七番手戸根に交代。2死から中野がヒットで出るも、森下翔は大きな当たりのレフトフライに倒れる。12回表、七番手島本は2死から上本と代打堂林の連打を浴びるも小園を空振り三振に取り、タイガースの負けがなくなる。12回裏、八番手大道の前に三者凡退で5時間弱の熱闘は引き分けに終わった。
◎カープ15回戦……4-2
タイガースの先発は伊藤将。1回表、小園のセンター返しの打球を小幡が好捕してショートゴロに。菊池のセンター前に落ちるフライを近本がスライディングキャッチ。秋山翔は見逃し三振。2つの美技が伊藤将を救う。カープの先発は大瀬良。3回表、ライト前ヒットの小幡を伊藤将がバントで送り、近本のセンター前に落ちるヒットで一三塁とする。中野の打席で近本が二盗。中野の二塁ゴロの間に小幡が生還して1点を先制する。6回表、2死から小園にセンター前ヒットを打たれると、菊池の打席で二盗され、菊池にはセンター前にタイムリーヒットを打たれて同点とされる。6回裏、ヒットの近本を置いて森下翔がレフトスタンドにツーランホームランを放つと、2死後、佐藤輝が左中間フェンスにあたる三塁打を放ち、ノイジーの投手横へのタイムリー内野安打で3点差とする。大瀬良は6回4失点で降板。7回裏は二番手中崎の前に三者凡退。8回表、中村奨のショートへの内野安打を小幡が一塁へ悪そ送球し、カメラマン席に入りテイクワンベースで無死二塁とされる。末包のセンター前ヒットで一三塁とされ、代打會澤にセンター前にタイムリーヒットを打たれ、2点差に。野間と大盛が代走に起用される。小園のバントで二三塁に。ここで伊藤将は交代。二番手加治屋の初球を菊池が二塁に打ち上げ、続く三番手の島本は秋山翔をショートフライに打ち取り、切り抜ける。8回裏は三番手ケムナに抑えられたが、9回表、クローザーの岩崎は上本を見逃し三振に取ると、坂倉をレフトフライ、そして堂林を空振り三振に取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは5勝目の伊藤将、好リリーフの島本、決勝ホームランの森下翔。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩崎優 セーブのつく場面でいずれも隙のない好投。横田さんの追悼試合では、勝利のあとウィニングボールを高々と天に向かって捧げた。岩貞、梅野らドラフト同期のメンバーが何を置いても勝ちたいという熱い思いを代表した。
野手……森下翔太 決してコンスタントに打ってはいないが、ここぞという時の集中力はさすが。特に首位攻防のカープ戦では初戦にはプロ入り初の猛打賞となる4安打、3戦目には決勝ホームランと三番打者としての役割を十二分に発揮した。長期ロードでもこの調子で打ちまくってほしい。
次節から長期ロードに入る。まずはバンテリンドームでドラゴンズ3連戦。攻守ともにどん底の相手だけに、鬼門のナゴヤドームでもきっちりと叩いておきたい。続いて横浜スタジアムで失速し始めたベイスターズと3連戦。大竹が発熱で登録抹消。代わりに久々に秋山が先発の予定。ここまで一軍では1試合しか投げられていない鬱憤をぜひ晴らし、実力を見せつけてローテーションに入って行ってほしい。油断は禁物だが、苦手とする球場での6試合、きっちりと着実に勝ち越してもらいたいものだ。特に横浜スタジアムでは、かつてお得意さんとしていた球場だけに、その頃を思い出してもらいたい。
(2023年7月31日記)