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鬼門ナゴヤとハマスタで勝ち越し首位固め

 今節から甲子園を高校球児にあけ渡し、長期ロードスタートの6連戦。まずはバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ3連戦。初戦は西純が好投し打線も小笠原を打ちこみ先勝。2戦目は大竹が発熱で登録抹消され、代役の秋山が奮闘したが、打線はドラゴンズのリリーフ陣の小刻みな継投の前に沈黙し敗れる。3戦目はドラフト1位の仲地を打ちこみ先発に転向したビーズリーが好投して来日初勝利。このカードは2勝1敗。続く横浜スタジアムのベイスターズ戦はここまで同球場で13連敗していたが、初戦は村上がふんばりリリーフの伊勢をエラーがらみで攻略して連敗を止める。2戦目は青柳が本来の投球を取り戻し、大貫から初回に大山がスリーランホームランを放つなどして連勝。3戦目は伊藤将の好投とリリーフ陣の踏ん張りで、このカードは3勝0敗。今節は5勝1敗。今季通算は56勝38敗4分で勝率.596の首位。2位カープとは2.5差。3位に浮上したジャイアンツとは8.0差。鬼門とされている球場で大きく勝ち越したのは好材料。

◎ドラゴンズ16回戦……10-2
 タイガースの先発は西純。1回裏、1死から岡林と細川の連打で一三塁とされ、石川昂の三塁ゴロで二封するも併殺崩れの間に岡林が生還、先制点を許す。ドラゴンズの先発は小笠原。2回表、大山と佐藤輝の連打で無死一二塁とするも、ノイジーはセンターフライに倒れ、梅野の三塁ゴロ併殺で得点できず。3回表、レフト前ヒットの木浪を西純がバントで送り、近本のライト線へのタイムリー二塁打で同点とする。二塁ベース上のタッチプレーをめぐり立浪監督がリクエスト申請するも判定は変わらずセーフ。2死後、森下のレフト前タイムリーヒットで勝ち越す。3回裏、細川にレフトスタンドに同点のソロホームランを放たれ、以後は試合は動かず。5回表、梅野と近本のヒットで2死一三塁とするも中野はライトフライで得点できず。6回表、森下と大山の連打とノイジーの四球で1死満塁とし、梅野が押し出し四球で勝ち越すと、木浪は空振り三振に倒れたが、西純がライトの頭を超す走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち突き放す。ここで小笠原は降板。二番手松山には近本が空振り三振。7回表、三番手田島から二塁打の森下と四球の大山を置いて、佐藤輝がバックスクリ―にスリーランホームランを放ち7点差に。西純は6回2失点で交代。7回裏、二番手桐敷が三者凡退に抑え、桐敷は8回も続投して抑える。8回表、四番手岡野には三者凡退に抑えられたが、9回表、続投の岡野に対し中野と大山のヒットで1死一二塁とし、佐藤輝の打席で岡野が暴投して二三塁と進塁。佐藤輝はレフトに犠牲フライを放ち、8点差をつける。9回裏は三番手の馬場が三者凡退で締めて、長期ロードの初戦を快勝。ヒーローインタビューは4勝目と満塁での走者一掃の二塁打を放った西純。
◎ドラゴンズ17回戦……1-3
 タイガースの先発は4月以来久々の一軍登板となる秋山。1回裏、岡林と石川昂のヒットで2死一三塁とされたが、宇佐見をレフトフライに打ち取り先制点は許さず。2回裏、川越にライト線に二塁打を打たれると、福永のセンターフライで川越は三進。龍空はショートフライに打ち取ったが、メヒアにレフトの上を超すタイムリー二塁打を打たれて先制される。ドラゴンズの先発はメヒア。3回表、2死から近本がライトスタンドに同点のソロホームランを放つ。メヒアはアクシデントでこの回限りで降板。4回表は二番手藤嶋に抑えられる。4回裏、宇佐見と川越の連打と福永のバントで1死二三塁とされるが、代打後藤は空振り三振。代打高橋周は二塁ゴロに打ち取り得点を許さず。5回表、三番手齋藤の前に三者凡退。5回裏、ライト前ヒットの大島を置いて岡林にライト線にタイムリー二塁打を打たれ、勝ち越しを許すと、2死後、宇佐見にはライト前タイムリーヒットを打たれて2点差とされる。ここで秋山は降板。二番手馬場は川越を投手へのライナーに打ち取る。6回表は四番手松山の前に三者凡退。7回表は五番手勝野に対し2死からノイジーがヒットで出たが坂本はセンターフライに倒れる。7回裏、三番手浜地が三者凡退に抑えると、8回表は六番手清水の前に三者凡退。8回裏、四番手は今季初昇格の小林。宇佐見にヒットは打たれたが、後続を断ち、味方打線の援護を待つ。しかし9回表、クローザーのマルティネスに三者凡退に抑えられ、連勝ストップ。
◎ドラゴンズ18回戦……5-2
 ドラゴンズの先発はドラフト1位の仲地。1回表、二塁打の中野が森下のセンターフライで三進、大山が歩いてチャンスを作るが佐藤輝は空振り三振に倒れる。3回表、2死から森下が三塁内野安打で出ると、大山がまたも四球。佐藤輝のライト前タイムリーヒットで1点先制。ホームにすべりこんだ森下の生還をめぐり立浪監督がリクエスト申請をするが、判定は覆らず。タイガースの先発はビーズリー。3回裏、龍空のセーフティバントをビーズリーがよく送球して判定はアウト。しかし立浪監督のリクエストで覆り内野安打となる。仲地はバントの構えで空振り三振。大島の二塁ゴロで二封。岡林の打席で大島は二盗し、岡橋は四球で一二塁とされるが、細川を空振り三振に取り反撃を断ち切る。4回表、梅野がセンター前ヒットで出ると、木浪とのヒットエンドランが成功しライト前ヒットで無死一三塁に。ビーズリーはバントが小フライとなり走者を進められず。しかし近本のレフト前ヒットで梅野が生還して2点差とする。5回表、大山がまたまた四球で出、佐藤輝のセンター前ヒットで無死一三塁に。島田のライト前に落ちるタイムリーヒットで3点差とする。梅野もセンター前タイムリーヒットで続き4点差に。ここで仲地は降板し、二番手は砂田。木浪のライト前ヒットで無死満塁とし、ビーズリーは見逃し三振に倒れたが、近本のレフト犠牲フライで島田が生還して5点差とする。6回表は三番手岡野に抑えられる。6回裏、大島に死球を与え、岡林のライト前ヒットで一三塁とされる。ここは細川をショートゴロ併殺に打ち取り、その間に大島が生還して4点差とされる。石川昂にセンター前ヒットを打たれたところでビーズリーは降板。二番手島本が宇佐見をレフトフライに打ち取り、チェンジに。7回裏、三番手岩貞はヒットの川越と二塁打の代打高橋周を置いて代打ビシエドに三塁強襲のタイムリーヒットを打たれて3点差とされたが、後続を断って最少失点にとどめた。8回表は五番手藤嶋の前に三者凡退。8回裏、四番手加治屋が三者凡退でお返し。9回表、五番手田島に対し2死から梅野が歩いたが得点には結びつかず。9回裏、クローザーの岩崎が福永、高橋周を連続三振に取る無双リリーフで締めくくった。ヒーローインタビューは来日初勝利のビーズリー。2日前に長男誕生に続いての朗報に恵比須顔。ウィニングボールは長男に渡したいと言い、カメラマンのリクエストに応えてボールにキスをするポーズを取ったりとご機嫌であった。
◎ベイスターズ15回戦……5-2
 タイガース村上、ベイスターズ東の投手戦。2回裏、1死から佐野を歩かせるも大田は一塁ゴロで二封。山本祐にライト前ヒットを打たれたが、京田は二塁ゴロで二封して切り抜ける。3回表、2死から近本がレフト前ヒットを放ち、中野の打席で近本がスタートの構えを見せると捕手山本祐が二塁へ悪送球し、エラーで二進。中野が歩き一二塁としたが、森下はレフトフライに倒れて先制点はならず。4回表、大山がレフト前ヒットを放ち、佐藤輝の空振り三振の間に二盗。ノイジーはショートフライに倒れたが、坂本誠がレフト前タイムリーヒットを放ち先制する。5回表、中野と森下の連打と大山のライトフライで1死一三塁としたが、佐藤輝のセンター返しの打球はショートゴロ併殺となり追加点は取れず。6回裏2死からライト前ヒットの宮崎を置き、牧に逆転のツーランホームランを打たれ村上は6回2失点で降板。7回裏、二番手の浜地は三者凡退で流れを作る。東は7回1失点で交代。8回表、二番手の伊勢に対し、森下が三塁内野安打で出ると、代走に植田。大山の見逃し三振の間に植田は二盗。山本祐の二塁悪送球で植田は三進。佐藤輝は空振り三振に倒れたが、ノイジーのライト前に落ちる当たりを蝦名がスライディングキャッチを試みるも捕球できずライト前タイムリーヒットとなり植田が同点のホームイン。坂本誠のライト前に落ちる打球を蝦名がワンバウンドで取ろうとして、こぼし、ライト前ヒットで一二塁に。ここで二塁走者に代走島田が入る。木浪は前進守備のライトの頭上を超えフェンスに当たる2点タイムリー二塁打を放ち勝ち越し、蝦名の返球がそれる間に三進。伊勢がここで降板し、三番手は入江。代打糸原がセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットで木浪を返して3点差とする。8回裏、三番手加治屋は2死後、関根にセンター前ヒットを打たれると宮崎の打席で暴投し、関根は一気に三進。宮崎と牧を歩かせて満塁とされたところで四番手島本と交代。佐野を空振り三振に取り、ピンチを脱した。9回表、四番手上茶谷から中野がレフト前ヒットを放つと、植田のバントで二進。大山のショートゴロで走者は二塁に釘づけ。佐藤輝は申告敬遠で2死一二塁に。島田は死球で満塁と攻め立てたが、坂本誠は投手ゴロに倒れ追加点はならず。9回裏、クローザーの岩崎は2死から代打大和にヒットを打たれるも蝦名を見逃し三振に取って逃げ切った。好リリーフの浜地が3勝目。岩崎のセーブは19。ヒーローインタビューは決勝打を放った木浪。
◎ベイスターズ16回戦……7-3
 ベイスターズの先発は大貫。1回表、近本がライト前ヒットを放ち中野の打席で二盗。中野はショートゴロに倒れるが、森下がレフト前ヒットで一三塁とし、大山のレフトスタンドに飛び込む大きなスリーランホームランで3点先制。タイガースの先発は青柳。1回裏、佐野と関根の連打で無死一二塁とされるが、宮崎を空振り三振に取ると、牧を三塁ゴロ併殺に打ち取って切り抜ける。2回表、近本のヒットと二盗、中野の四球で1死一二塁としたが、後続を断たれて追加点はならず。2回裏、楠本にライト前ヒットを打たれるが大和を三塁ゴロ併殺、戸柱を空振り三振に取る。3回表、1死からノイジーのセンタへ前ヒットと坂本の三塁ゴロで2死二塁とし、木浪は申告敬遠。青柳のライト前タイムリーヒット、近本のライト線へのタイムリー二塁打で5点差をつける。3回裏、京田にライト前ヒットを打たれるが、代打梶原を二塁ゴロ併殺に打ち取り、この回も先頭打者を出しながらも併殺で切り抜ける。大貫は3回5失点で降板。4回表は二番手上茶谷の前に三者凡退。5回表、続投の上茶谷に対し木浪の投手ゴロエラー、近本のライト前ヒットとこの試合3つ目となる二盗、中野の申告敬遠で2死満塁としたが、森下は空振り三振で追加点は取れず。6回裏、戸柱にライトスタンドにソロホームランを打たれて4点差とされ、6回表は三番手石川からノイジーが二塁打を放つも得点できず。6回裏、1死から宮崎の三塁ゴロを佐藤輝が一塁へ悪送球しエラーで出塁を許す。牧に二塁打を打たれ、楠本は空振り三振に取ったが、大和にライト前2点タイムリーヒットを打たれて2点差に迫られる。7回表、四番手エスコバーに対し、木浪がヒットで出るも一塁牽制死。代打渡邊諒は空振り三振で2死とされたが、近本の四球、中野の死球で一二塁とし、森下のセンター前タイムリーヒットで3点差に押し戻す。青柳は6回3失点で交代。7回裏、二番手桐敷が三者凡退に抑える。8回表、佐藤輝のレフトフライを佐野が落球し、佐藤輝は二塁に到達。ノイジーのライトフェンスに当たる二塁打で二三塁とし、ノイジーの代走に島田。ここでエスコバーは交代し、五番手に入江。坂本誠のセンター犠牲フライで4点差に戻す。8回表は三番手K・ケラーが三者凡退に抑え、9回裏、四番手岩貞が三者凡退で締めくくり、連勝。青柳が4勝目。ヒーローインタビューは4安打3盗塁の近本。
◎ベイスターズ17回戦……3-2
 タイガース伊藤将、ベイスターズ石田の投手戦。先制したのはタイガース。2回裏、1死から佐藤輝が歩き、2死後、梅野の左中間を破るタイムリー二塁打で佐藤輝が一気に生還する。伊藤将はボールを低めに集め、ベイスターズ打線を手玉に取る。石田も調子を上げてきたが、6回表、近本がライトの頭を超す二塁打で出ると、中野のバントで三進。森下は浅いライトフライに倒れたが、大山が四球を選び一三塁とし、佐藤輝の左中間を破る2点タイムリー二塁打で3点差とした。ここで石田は降板。二番手石川にはノイジーがセンターフライに打ち取られる。6回裏、代打桑原がライト前ヒットで出ると、佐野は二塁ゴロで二封。しかし関根のセンター前ヒットで一二塁とされ、宮崎は見逃し三振に取ったが、牧に三塁佐藤輝のグラブをかすめるレフト線のタイムリーヒットを打たれ2点差に。外は伊藤将のグラブを弾く当たりで、伊藤将は素手で球を拾い一塁に送球するも大山が取れず、タイムリー内野安打となって1点差に。7回表、三番手山崎の前に三者凡退。伊藤将は6回2失点で交代。7回裏、二番手浜地は大和にレフト前ヒットを打たれ、伊藤光のバントは浜地が一塁に悪送球し、伊藤光は二塁に到達、無死二三塁となる。桑原を空振り三振に取ったところで浜地は交代。三番手島本は代打楠本をショートフライに打ち取ると、関根を空振り三振に取って窮地を脱した。8回表、四番手ウェンデルケンに対し1死から中野がレフト前ヒットで出るが、森下、大山は連続で見逃し三振。8回裏、四番手K・ケラーは宮崎にヒットを打たれ、代走に知野。牧の打席でK・ケラーは暴投し、知野は二進。牧を歩かせ無死一二塁に。ソトのセンターフライで知野は三進。代打蝦名を空振り三振に取ると、大和をセンターフライに打ち取ってなんとか切り抜けた。9回表、五番手森原の前に佐藤輝、ノイジー、梅野が三者三振。9回裏、クローザーの岩崎は桑原に死球を与えたが後続を断ち逃げ切って20セーブに到達。伊藤将が6勝目。ヒーローインタビューは好リリーフの島本。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェレミー・ビーズリー
 先発投手陣はみな好投したので、代表して来日初勝利をあげたビーズリーにMVP。大きく曲がるスライダーを武器に狙い球を絞らせず。長男誕生すぐの登板ということもあり、気合の入りようが違った。かつて中継ぎとして来日し、二軍落ちして先発に転向して成功したメッセンジャーのようになれるか。
野手……近本光司
 骨折での欠場を「休養」と言い切り、毎試合のようにヒットを放ち、そして走る。近本と中野の一二番コンビが活躍すればチームに勢いがつく。5月の好調時もそうだった。ここからシーズン終了まで全速力で駆け抜けてほしい。

 次節は東京ドームでジャイアンツ3連戦。勝つ試合は大勝するが、負ける試合は接戦を落とす。それが今のジャイアンツだ。打線さえきっちりと抑えたら、それほど怖い相手ではない。ただしドームランを連発されぬように気をつけてもらいたい。高めで勝負する西純や才木は少し怖い気がするが、打線さえ抑えれば、原監督のマシンガン継投は格好の餌食になる。続いて京セラドーム大阪でスワローズと3連戦。先発の大竹とリリーフの石井が復帰してくれれば今のスワローズ打線はそれほど怖くはない。何より久しぶりに自宅で休めるのは大きい。次節も大きく負け越したりする危険性は少なそうだ。

(2023年8月7日記)


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