今節は長期ロードでも屋外球場ばかりの6連戦。まずはマツダズームズームスタジアムでカープ3連戦。初戦は大瀬良を打ちこんだが、西純も打たれ、連勝ストップ。2戦目は久々の登板となった大竹とリリーフ陣が粘り、九里を攻略して勝ち、ついに優勝へのマジックナンバーが29に点灯した。3戦目はビーズリーが打たれ、床田に完封負けを喫して、このカードは1勝2敗。続く横浜スタジアムのベイスターズ戦は、初戦は接戦の末、9回に熊谷の盗塁に関して守備妨害かどうかの判定でもめて敗れるが、カープが敗れたためマジックナンバーは減った。2戦目はベイスターズのリリーフ陣を打ちこみ、またもリリーフ陣が踏ん張り連敗を止める。3戦目は伊藤将とバウアーの見応えある投手戦で伊藤将の完封勝利。このカードは2勝1敗。今節は3勝3敗。今季通算は65勝41敗4分で勝率.613の首位。2位カープとは、7.0差。3位のベイスターズとは11.0差。長期ロードは早くも勝ち越し決定。ついに優勝マジックナンバーが点灯し26に減らした。
◎カープ16回戦……6-7
カープの先発は大瀬良。1回表、近本のセンター前ヒットと二盗、中野の二塁ゴロで三進。ここで森下翔がレフトスタンド上段に飛びこむツーランホームランで2点先取。タイガースの先発は西純。1回裏、四球の野間を置いて小園にライトスタンドにツーランホームランを打たれて同点にされる。3回表、1死から近本のライト前ヒットと中野のレフト線への二塁打で二三塁とし、森下翔がレフト線に2点タイムリーヒットを放つと、2死後、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで3点差とする。4回裏、上本への死球とデビッドソンの三塁ゴロエラーなどで2死一三塁とされたが、代打田中を空振り三振に取り切り抜ける。大瀬良は4回5失点で降板。5回表、二番手大道に抑えられ、5回裏、菊池と野間の連打で無死一二塁にされるが、小園を二塁ゴロ併殺に取る。しかし2死三塁で西川にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ、代打會澤にフォークを拾われセンター前に落ちるタイムリーヒットを打たれて1点差に迫られる。6回表は三番手ターリーの前に三者凡退。西純は5回4失点で降板。6回裏、二番手馬場がデビッドソンにライトスタンドに同点のソロホームランを打たれると、1死後、田中と菊池に連続四球を与えて馬場は降板。三番手島本がマウンドに上がったところで、降雨で14分の中断。その影響もあったか、小園と西川に連続タイムリーヒットを打たれて2点差をつけられる。7回表は四番手栗林に抑えられ、7回裏は四番手岡留がデビッドソンに二塁打を打たれ、代走の矢野に三盗を許すも曽根を空振り三振に取り、飛び出していた三塁走者の矢野を坂本が刺して追加点は許さず。8回表、五番手島内に対し森下翔がこの試合4安打目となるライト前ヒット、大山が右中間を破る二塁打で無死二三塁としたが、佐藤輝、代打糸原が連続三振。代打原口はショートゴロと、勝負手を打ったものの得点できず。8回裏、新加入のブルワーが来日初登板。菊池を歩かせ二盗は許したが、後続を断つ。9回表、クローザーの矢崎を攻める。木浪と代打小野寺の連打で無死一二塁とし、小野寺の代走に熊谷。近本は二塁ゴロ併殺に倒れたが、中野がレフト前タイムリーヒットで木浪を返して1点差に迫る。しかし反撃もここまで。森下翔は空振り三振で連勝ストップ。
◎カープ17回戦……5-3
タイガースの先発は発熱で離脱していた大竹が久々の登板。1回裏、1死からライト前ヒットの野間が小園の二塁ゴロで二進し、西川のライト前タイムリーヒットで先制される。カープの先発は九里。2回表、森下のライト前ヒット、ミエセスのショート強襲の内野安打、坂本のバントで1死二三塁とし、木浪のレフト前に落ちるタイムリーヒットで同点に。なおも一三塁と攻め、大竹はスリーバント失敗で2死となったが、近本のライト前ヒットを野間が後逸し、一気に2点を奪い勝ち越し、近本は二進。中野のライト前タイムリーヒットで3点差とした。2回裏、上本のショートゴロを木浪が拾えずエラーで出塁を許すと、坂倉にレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打を打たれて2点差に。デビッドソンへの死球で無死一二塁とされたが、會澤をショートゴロ併殺、九里を一塁ゴロに打ち取って最少失点にとどめる。このあと試合は動かず、5回表、ミエセスの二塁打と坂本の死球、木浪の申告敬遠で2死満塁としたが、大竹は二塁ゴロで追加点は取れず。九里は5回4失点で降板。6回表は二番手大道の前に抑えられる。6回裏、野間のライト前ヒットと小園の四球で無死一二塁とされるが、西川の一塁ライナーで小園が飛び出し、大山が倒れこむようにベースタッチして併殺に。しかし2死二塁から上本のセンター前タイムリーヒットで1点差とされる。大竹はここで降板。二番手桐敷は坂倉にヒットを打たれるも、デビッドソンを見逃し三振に取ってカープの流れを断ち切る。桐敷は7回裏も無失点。7回表、三番手栗林に抑えられ、8回表は四番手島内に対し1死から近本の四球、中野のセンター前ヒットで一三塁とし、中野は二盗。2死後、大山が歩いて満塁としたが、森下は見逃し三振で好機を逸した。8回裏、三番手岩貞は三者凡退に抑え、9回表、五番手矢崎に対しレフト前ヒットの熊谷を坂本がバントで送り、木浪のレフトフライで三進。代打原口のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。9回裏、クローザーの岩崎が三者凡退で締めて25セーブ。大竹が久々の8勝目。ヒーローインタビューは貴重な追加点を叩きだした原口。そしてこの勝利で、優勝マジックナンバー29が点灯した。
◎カープ18回戦……0-6
カープの先発は床田。初回からテンポよく切れのある速球を投げ込み、タイガース打線を抑えこむ。2回表、大山がレフト前ヒットを放ち、床田の暴投で二進したが、ノイジーのヒット性の当たりを菊池が好捕し二塁ライナーとなり、飛び出していた大山が急いで帰塁するが間に合わず併殺に。タイガースの先発はビーズリー。3回裏、菊池のレフト前ヒットと床田のバントで1死二塁とされ、上本のセンター前タイムリーヒットで先制される。野間のレフト前ヒットで上本は三進するが足を傷めて交代。代走に大盛。小園にもアクシデントがあったか代打に矢野。1死一三塁で矢野はセンターへ犠牲フライを放ち2点差とされる。4回表、1死から中野の内野安打、床田の暴投、大山の四球などで2死一二塁とするもノイジーはショートゴロで得点できず。4回裏、坂倉のセンター前ヒット、堂林への四球などで1死一二塁とされ、菊池の三塁ゴロは急造三塁手の小野寺がバウンドを合わせられずはじいてしまい、その間に坂倉が生還し、3点差に。床田にはライトの頭上を超すタイムリー二塁打で4点差に。ここでビーズリーは降板。二番手及川は大森にレフト前タイムリーヒットを打たれて5点差とされる。野間をレフトフライに打ち取り、矢野を歩かせて満塁となったところで降雨中断。30分強の中断後、続投の及川は西川をレフトフライに打ち取る。6回裏、三番手馬場と交代。床田への四球、野間のヒット、矢野への四球で2死満塁とされ、西川の打席で坂本が捕逸し、6点差とされる。7回表、大山の四球、ノイジーと小野寺の連打で1死満塁に。代打原口のヒット性の当たりは菊池に好捕され、代打佐藤輝は大きなレフトフライに倒れ、ここも得点できず。8回裏、四番手岡留が三者凡退に抑えるが、9回表、床田の前に三者凡退で完封負けを喫し、マジックナンバーは29のまま。
◎ベイスターズ18回戦……1-2
タイガース村上、ベイスターズ東の投手戦。先制したのはタイガース。1回表、近本がレフト前ヒットで出塁、中野の二塁ゴロで二封。2死後、大山のライト前ヒットで一三塁とし、ノイジーがライト前タイムリーヒットで1点を先取した。しかし2回以降は東のコースをつくていねいな投球の前になかなか走者も出せない。村上は3回までやはり切れのよい投球でベイスターズ打線を抑えていたが、4回裏、数少ない失投を宮崎にとらえられ、レフトスタンドに同点のソロホームランを放たれる。7回表、佐藤輝のレフト前ヒット、坂本の投手前内野安打、代打原口のショート内野安打で満塁とし、岡田監督は好投の村上の代打にミエセスを送る。ファールでよく粘り、三塁線に鋭い当たりを放つも、宮崎に好捕され、そのまま三塁を踏んで一塁に送り併殺打となる。7回裏、二番手加治屋は2死から梶原にセンター前ヒットを打たれると、山本祐にうまく拾われて左中間を破るタイムリー二塁打となり、1点のリードを許す。東は7回1失点で交代。8回表、二番手ウェンデルケンに対し近本が内野安打で出ると、中野の二塁ゴロで二進。森下のライトフライで三進するが、大山は二塁ゴロで同点機を逸した。8回裏、三番手桐敷は2死後、関根にレフト前ヒットを打たれ、四番手石井と交代。石井は宮崎をライトフライに打ち取り、味方の反撃を待つ。9回表、クローザーの森原に対し、1死から佐藤輝がライトフェンス直撃のヒットで出ると、代走に熊谷。代打糸原の打席で熊谷は二盗。ショートの源田はベースの上に座る形で捕球し、熊谷はセーフの判定。三浦監督のリクエスト申請の結果、源田は走塁妨害にはあたらず熊谷はアウトの判定。岡田監督はこれに対し、猛烈に抗議。退場も辞さぬ激しい抗議をしたが、覆らず。糸原は四球でまだチャンスをつないだが、木浪はレフトフライに倒れ、試合終了。後味の悪い敗戦となった。カープがジャイアンツに敗れたため、マジックナンバーは28に。
◎ベイスターズ19回戦……6-2
ベイスターズの先発は石田。1回表、近本がわき腹付近に死球。中野のバントで二進し、小野寺のレフト前ヒットで一三塁とするが、大山は三塁ゴロ併殺で先制できず。タイガースの先発は青柳。1回裏、佐野にレフト線に二塁打を打たれ、梶原の一塁ゴロで佐野は三進。宮崎はショートゴロに打ち取ったが、牧にレフト線にタイムリー二塁打を打たれて先制点を許す。2回裏、1死から戸柱のヒットと林の二塁打で二三塁とされるも、石田を空振り三振に取り、佐野を二塁ゴロに打ち取り切り抜けた。5回裏、林にレフト線に二塁打を打たれ、石田のバントで三進。佐野の一塁ゴロで林がホームに突っ込むが、大山の送球で憤死。梶原にヒットを打たれたが、宮崎を三塁ゴロに切って捨てて得点は許さず。石田は5回1失点で交代。6回表、二番手の石川から近本が歩き、中野のバントで二進。ここで三番手上茶谷に交代。小野寺はライトフェンス直撃のタイムリー三塁打を放ち同点に。さらに大山の犠牲フライで小野寺が生還して勝ち越す。ノイジーのショートゴロは林の送球がそれ、一塁京田の足が離れ、内野安打に。三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。佐藤輝が歩いて一二塁としたが、坂本はレフトフライに倒れる。6回裏、青柳は一度マウンドに上ったが、投球練習中に足を痛めて降板。急遽二番手で桐敷が登板。三者凡退で起用に応える。7回表、三番手田中健から小幡がライトフェンスに当たるヒット。代打榮枝のバントで二進。近本のライト線へのタイムリー二塁打で2点差とする。7回裏、三番手島本は代打大田にレフト前ヒットを打たれ、林の一塁ゴロで二進。代打大和のライト前タイムリーヒットで1点差とされる。しかし、佐野を二塁ゴロに打ち取ると、梶原を空振り三振に取り、同点にはさせず。8回表、五番手伊勢から大山のヒット、佐藤輝の内野安打などで1死一二塁とし、坂本のレフト前タイムリーヒットで2点差に。さらに小幡がセンター前タイムリーヒットを放ち3点差とする。8回裏、四番手の石井が三者凡退に抑えると、9回表、六番手エスコバーから大山がライトスタンドにソロホームランを放ち4点差とする。9回裏、クローザーの岩崎は2死からソトにヒットを打たれるも、大和を三塁フライに打ち取って締めくくる。青柳が5勝目。ヒーローインタビューは同点の三塁打を放った小野寺。マジックナンバーは27に。
◎ベイスターズ20回戦……2-0
タイガース伊藤将、ベイスターズバウアーの投手戦。2回表、1死からノイジーのライト前ヒットと佐藤輝のセンターフェンスに当たる二塁打で二三塁とし、坂本の三塁ゴロでノイジーは本塁憤死。2死一三塁となって木浪のライト線タイムリー二塁打で先制する。3回表、中野の四球と佐藤輝のヒットで2死一二塁とするが、ノイジーは一邪飛に倒れ追加点はならず。4回表、センター前ヒットの佐藤輝を坂本がバントで送り、木浪の二塁ゴロで佐藤輝は三進。伊藤将が自らのバットでセンター前タイムリーヒットを放ち2点差とする。4回裏、2死からソトがレフト線にヒットを放ち、一気に二塁を狙うがノイジーの好返球でタッチアウトに。7回裏、牧とソトの連打で1死一二塁とされるも大和はショートゴロ併殺でベイスターズ打線は三塁を踏めず。バウアーは8回2失点で交代。9回表、二番手山崎の前に坂本、木浪、伊藤将が三者三振。山崎は500試合登板を達成。9回裏、今季2回目の完封勝利をかけてマウンドに。2死から牧にライト前ヒットを打たれるも、ソトのライトフェンスに届こうかという大きなフライを森下が好捕し、完封で8勝目をあげた。ヒーローインタビューは完封勝利とマルチ安打で打点もあげた伊藤将。マジックナンバーは26に。
愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司 ここのところ先発が6回もたないケースが続いていたが、バウアーとの投手戦を制し、自らもタイムリーヒットを放って完封勝利はみごと。ビジターで、ジャイアンツ以外を相手に完封したのは初めて。8勝目をあげ、出遅れながらも2けた勝利が見えてきた
野手……小野寺暖 不振の佐藤輝や森下の代役としてスタメンに抜擢され、チャンスをつかんだ。ファイトのあるプレースタイルとパンチ力で存在感を増している。不慣れな三塁の守備ではエラーもあったが、本職の外野ではきっちりと守る。こういう控え選手の活躍がレギュラーの奮起につながるから、今季のタイガースは強い。
次節はドーム球場で5戦。京セラドーム大阪でドラゴンズ2連戦。連敗続きの最下位相手に取りこぼしはしたくない。1日置いて東京ドームでジャイアンツと3連戦。若手育成とベテラン起用のはざまでなかなか調子が上がらない相手で、しかも今季はお得意様にしているだけに、一気に引導を渡してしまいたい。
守備妨害の件で後味の悪い試合もあったが、ルールの見直しに一石を投じた。これもまた、シーズンが終わると話題になっていくことだろう。ただし、関係者である京田選手や敷田審判へのブーイングは品がないので、関東のタイガースファンには首位独走チームらしく余裕のある応援をお願いしたい。
(2023年8月21日記)