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木浪がプロ入り初のグランドスラム

 今節は長期ロードラストのの5試合。まずは京セラドーム大阪でドラゴンズ2連戦。初戦は西勇が粘るも同点のまま延長戦になり、大山のサヨナラ打で勝つ。2戦目は大竹粘り、木浪の犠牲フライが決勝点となり勝ち、このカードは2勝0敗。続く東京ドームのジャイアンツ戦は、初戦は戸郷を打ち崩して勝ち、2戦目は横川を攻略し、木浪の満塁ホームランなどで快勝。3年連続でジャイアンツ戦勝ち越しを決めた。3戦目は伊藤将がよく粘ったが力尽きて8回に打たれ連勝ストップ。このカードは2勝1敗。今節は4勝1敗。今季通算は69勝42敗4分で勝率.622の首位。2位カープとは、7.0差と変わらず。3位のベイスターズとは12.5差。優勝マジックナンバーは21に減らした。

◎ドラゴンズ19回戦……4-3
 タイガースの先発は久々の西勇。2回表、細川にレフト前ヒットを打たれ、宇佐見のレフト前ヒットをノイジーが弾いて走者が進み無死二三塁に。木下が歩き満塁とされ、村松の一塁ゴロは大山が倒れこみながら二封。その間に細川が生還して先制点を許す。しかし龍空、涌井を連続三振に取り追加点は許さず。3回表、岡林のヒットとカリステの二塁打で1死二三塁とされたが、細川を見逃し三振、宇佐見を二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。ドラゴンズの先発は涌井。3回裏、センター前ヒットの木浪を西勇がバントで送り、近本のセンター前ヒットで一三塁に。中野の打席で近本が二盗し、中野の浅めのレフトフライは木浪が本塁へヘッドスライディングで帰り同点の犠牲フライとなる。4回裏、大山の四球と佐藤輝のセンター前ヒットで2死一二塁とし、木浪のライト前タイムリーヒットで大山が一気に生還し勝ち越す。西勇は調子を取り戻していたが、6回表、1死から細川と宇佐見の連打で1死一三塁に。木下のショートゴロは併殺コースと思われたが木浪が球をこぼし細川が生還して同点に。代打川越はショートフライに打ち取ったが、代打後藤にライト前タイムリーヒットを打たれて勝ち越しを許す。ここで西勇は交代。二番手桐敷は代打加藤翔を三塁ゴロに打ち取り追加点は許さず。6回裏、二番手松山に対し、ノイジーのヒットと坂本のバントで2死二塁としたが、木浪は空振り三振。7回表、続投の桐敷は1死から大島にヒットを打たれたがカリステを二塁ゴロ併殺に打ち取る。7回裏、三番手齋藤に対し代打ミエセスが歩いて代走に熊谷。近本と中野は変則左腕に対し連続空振り三振。しかし森下が左中間を破るタイムリー二塁打を放ち、熊谷が一気に生還して同点に。8回表、三番手石井が抑え、8回裏は四番手清水から佐藤輝の四球、坂本のバント、木浪の四球で1死一二塁とするが、代打原口は五番手のフェリスから空振り三振。近本は一邪飛で得点できず。9回表は四番手の岩崎が三者凡退に抑え、9回裏、六番手の藤嶋に対し2死から大山とノイジーの連打で一三塁とし、ノイジーの代走に島田。島田が二盗し、佐藤輝は申告敬遠で満塁としたが、坂本はセンターフライに倒れ試合は延長戦に。10回表、五番手加治屋は大島と細川を歩かせ、1死一二塁とされたところで六番手島本に交代。宇佐見を空振り三振に取ると、木下は申告敬遠で満塁に。溝脇を三塁ゴロに打ち取り、得点を許さず。10回裏、七番手田島に対し2死から近本がセンター前ヒットで出ると、中野、森下は四球を選び満塁に。ここで大山がレフト前にサヨナラ打となるタイムリーヒットを放ち、試合にけりをつけた。ヒーローインタビューは好リリーフで4勝目の島本と、サヨナラ打の大山。マジックナンバーは25に。
◎ドラゴンズ20回戦……7-2
 タイガースの先発は大竹。木下とカリステの連打で無死一二塁とされるも、鵜飼をショートゴロ併殺に取り2死三塁に。しかし村松にレフト前タイムリーヒットを打たれて先制点を許す。ドラゴンズの先発は小笠原。2回裏、1死から坂本が死球で出塁。木浪のセンター前に落ちる当たりは岡林がダイレクトキャッチしたが、塁審の判定はワンバウンド。そのためフライと思いハーフウェイから一塁に帰塁しようとした坂本は、一塁への返球でアウトに。打者走者の木浪が一塁に残るという形になって記録はセンターゴロ。結果としては坂本より足の速い木浪が塁上に残ったわけで、岡田監督はリクエスト申請はせず。続く大竹はショートゴロで進塁もできず。4回表、木下にレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差に。しかし4回裏、佐藤輝がライトスタンドにソロホームランを放ち1点差に戻す。坂本のヒットと近本の四球で2死一二塁としたが、中野はレフトに打ち上げてしまい同点にはならず。5回裏、森下がレフト前ヒットで出ると、大山の投手ゴロは小笠原が二塁へ悪送球し無死一二塁に。ノイジーのライトフライで森下は三進。佐藤輝のライト前タイムリーヒットで同点に追いつく。坂本のレフト前ヒットで1死満塁とし、木浪の浅いレフトフライで大山が本塁に帰り、犠牲フライとなってついに勝ち越し。大竹は5回2失点で交代。6回表は二番手ブルワーが三者凡退に抑える。6回裏、近本がライトスタンド中段にソロホームランを放ち2点差とすると、小笠原はここで降板。二番手は藤嶋。ここは三者凡退に抑えられる。7回表、三番手石井はカリステにヒットを打たれるも鵜飼を空振り三振に取り、四番手桐敷と交代。桐敷は後続を断つ。7回裏、三番手フェリスの前に三者凡退。8回表は五番手岩貞が三者凡退に抑える。8回裏、四番手清水に対し、木浪と代打小野寺が連続空振り三振に取られたが、近本の四球と中野のセンター前ヒット、森下の四球で満塁とし、大山も押し出し四球で3点差に。ノイジーのライト前2点タイムリーヒットで5点差とする。清水が降板し、五番手福島に交代。佐藤輝は空振り三振でようやくチェンジに。9回表、六番手の及川は2死からカリステに二塁打を打たれたが、鵜飼を二塁ゴロに打ち取って締めくくった。大竹が9勝目。ヒーローインタビューはホームランと同点打の佐藤輝、勝ち越しの犠牲フライを放った木浪、来日初ホールドのブルワー。
◎ジャイアンツ18回戦……8-1
 タイガースの先発は村上。1回裏、2死から秋広にライト前ヒットを打たれ、これが対ジャイアンツ戦初めて打たれたヒットとなった。2回裏は坂本勇、丸、大城卓を三者空振り三振に取るなど、絶妙のコントロールでジャイアンツ打線を寄せ付けない。ジャイアンツの先発は戸郷。二塁打の近本を置いて森下がレフトスタンド上段に先制のツーランホームランを叩きこむ。3回裏、センター前ヒットのブリンソンを戸郷がバントで送り、長野のショートゴロでブリンソンが三塁に突っ込み、木浪は三塁に送球するも佐藤輝がそらし、送球はカメラマン席に入ってテイクワンベースでブリンソンがホームインし1点差に。2死後、秋広、岡本和を歩かせて満塁とされたが、坂本勇を見逃し三振に取って追加点は許さず。4回表、佐藤輝がライト線に三塁打を放ち、1死後、坂本誠のレフト前タイムリーヒットでまたも2点差に。5回表、中野と森下の連打で無死一二塁とし、大山は見逃し三振に倒れたが、佐藤輝が右中間を破る2点タイムリー二塁打を放ち、送球の間に三進。ノイジーのライト前タイムリーヒットで5点差としたところで戸郷は降板。二番手は高橋優。木浪が背中に死球を受けたが、後続を断たれる。6回表、続投の高橋優から近本が四球。近本にも顔の近くに投げるなど、高橋優の危険な投球が続いた。中野の打席で近本は二盗。大城卓の悪送球で三進。中野は見逃し三振に倒れたが、森下のレフト犠牲フライで6点差とする。6回裏、秋広に二塁打を打たれるも、岡本和と坂本勇は凡フライ。代打中田は空振り三振。7回表、三番手田中千に対し佐藤輝は空振り三振。ノイジーが歩き、代走の島田が二盗するも坂本誠、木浪は連続三振で得点できず。村上は6回1失点で交代。7回裏、二番手の島本は大城卓のヒットと梶谷の内野安打で1死一二塁とされるも長野をショートゴロ併殺に打ち取る。8回表、続投の田中千に対し、近本がライトスタンドにソロホームランを放って7点差をつける。8回裏は三番手岩貞が秋広のヒットと岡本和への死球で1死一二塁としたが、坂本勇はショートライナー、代打浅野はショートゴロで切り抜ける。9回表は四番手今村の前に三者凡退。9回裏、四番手ブルワーが三者凡退で締めて、今季のジャイアンツ戦の勝ち越しを早くも決めた。ヒーローインタビューは8勝目で防御率リーグ1位を維持した村上。優勝マジックナンバーは22に減った。
◎ジャイアンツ19回戦……9-6
 ジャイアンツの先発は横川。2回表、佐藤輝のライトスタンドに入るソロホームランで先制する。タイガースの先発は青柳。2回裏、岡本和への四球と坂本勇のセンター前ヒット、丸のライト前ヒットで無死満塁とされ、大城卓にレフトへ犠牲フライを打たれて同点とされるが、ブリンソンは三塁ゴロ併殺で最少失点にとどめる。4回表、1死から坂本誠のセンター前ヒットと木浪のレフト線への二塁打で1死二三塁としたが、青柳の投手ゴロで坂本誠は三本間で狭殺、2死一三塁に。それでも近本がセンター前タイムリーヒットを放ちまたもリードする。4回裏、2死から二塁打の坂本勇を置いて丸にライトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれてしまう。5回表、森下の四球と大山の三塁内野安打で無死一二塁とすると、横川はここで降板。二番手は船迫。ノイジーと佐藤輝は連続三振に倒れたが、坂本誠は四球で満塁とし、木浪のセンター前2点タイムリーヒットで再逆転。6回表は三番手バルナードの前に三者凡退。6回裏、岡本和への死球で2死二塁とされ、青柳はここで降板。二番手桐敷は丸を一塁ゴロに打ち取る。7回表、四番手鈴木康から大山がレフト線に二塁打を放ち、ノイジーが歩き、鈴木康のワンバウンドした球を大城卓が見失いその間に大山とノイジーは進塁。佐藤輝も四球で満塁に。坂本誠は空振り三振に倒れたが、木浪が今季第1号となる、プロ入り初の満塁ホームランをライトスタンドに叩きこみ5点差に。2死から近本が歩き、鈴木康は降板。五番手今村から中野も四球。森下のセンター前タイムリーヒットで6点差をつける。7回裏、続投の桐敷がつかまる。代打岸田を歩かせ、1死後、重信と梶谷の連打で満塁とされる。ここで三番手加治屋に交代したが、代打中田に押し出し四球で5点差とされる。四番手岩貞は秋広を空振り三振に取るが、岡本和に左中間に2点タイムリー二塁打を打たれて3点差とされる。それでも坂本勇を三塁へのライナーに打ち取り切り抜ける。8回裏は五番手石井が代打北村にヒットを打たれるも岸田をショートゴロ併殺に打ち取り、中山に二塁打を打たれたが重信をショートゴロに打ち取り無失点。9回表、六番手高橋優に抑えられたが、9回裏、クローザーの岩崎は梶谷、中田、代打長野を三者凡退に打ち取り締めくくって26セーブでリーグ2位のマルティネスに並ぶ。青柳が6勝目。ヒーローインタビューはグランドスラムを含む3安打6打点の木浪。マジックナンバーは21に。
◎ジャイアンツ20回戦……2-4
 ジャイアンツの先発はメンデス。2回表、大山とノイジーの連続四球で無死一二塁とし、佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで1点先制。3回表、1死から近本がユニフォームをかする死球で出ると、中野の打席でメンデスがボーク。近本は二進し、メンデスの暴投で三進。捕手の岸田が三塁へ悪送球し、近本は一気に本塁へ。思わぬ形で追加点が入る。中野のヒットと大山への四球でメンデスは降板。二番手田中千にはノイジーはショートゴロに倒れる。4回以降、田中千には好投を許す。4回表、佐藤輝が四球と二盗でチャンスを作るが、坂本誠、木浪、伊藤将は三者三振に倒れる。6回表、三番手バルドナードに対し1死からノイジーがヒットで出るが、後続を断たれる。タイガースの先発は伊藤将。5回まではほぼ完璧にジャイアンツ打線を手玉に取っていたが、6回裏、代打大城卓にバックスクリーン右へソロホームランを打たれると、2死後、坂本勇にレフトスタンドに同点のソロホームランを打たれてしまう。東京ドームの怖さを思い知らされる。7回表、四番手高梨のは三者凡退。7回裏、丸にセンター前ヒットを打たれ、1死後、長野の二塁ゴロで丸は一気に三塁へ。佐藤輝がタッチしたが判定はセーフ。岡田監督がリクエスト申請したが、判定は覆らず。それでも代打秋広を二塁ライナーに取り、得点は許さず。8回表、五番手菊地に抑えられ、8回裏、2死から北村を歩かせて代走は門脇。すかさず二盗される。坂本勇も四球で一二塁とされ、岡本和のレフト前タイムリーヒットでついにリードを許す。丸にもセンター前タイムリーヒットで2点差とされ、伊藤将は無念の降板。二番手石井は中田を空振り三振に取る。9回表、クローザーの中川に対し2死から代打小野寺が歩くが代打ミエセスはショートへのフライに倒れて連勝ストップ。カープがナイターで引き分けたため、マジックナンバーは21のまま変わらず。

愛すれどTigers週間MVP
投手……村上頌樹
 ジャイアンツをまたも自責点0に抑え、防御率リーグ1位に。勝利も久々について、二桁が見えてきた。10勝して防御率のタイトルを取れば、新人王も見えてくる。ライバルは森下だが、同じチーム同士で競い合うなんて嬉しいじゃありませんか。
野手……木浪聖也
 ドラゴンズ戦での決勝犠飛、ジャイアンツ戦でのグランドスラムと大活躍。今や「恐怖の八番打者と呼ばれるほど。プロ入りして一番充実したシーズンを送っている。ベストナインやゴールデングラブ賞も見えてきた。木浪がいるから、タイガースは「打線」としてつながっているのだ。

 次節は甲子園球場に帰りベイスターズと2戦。1日置いて神宮球場でスワローズと3連戦。ベイスターズは一時の勢いがなく、さらに甲子園という地の利を生かして引導を渡しておきたい。スワローズはいったいどうしたのかというくらい勝てない。たた、油断は禁物。順位は下でもジャイアンツより手ごわい相手であることには違いない。カープがなかなか負けずに食らいつき、マジックナンバーは勝たないと減らない。とにかく自力で減らしていくしかないのだ。

(2023年8月28日記)


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