愛すれどTigers


佐藤輝と森下のホームラン量産でマジック再点灯

 今節は甲子園に戻ってベイスターズ2連戦。初戦は西勇が好投し2点差で岩崎が抑えて勝つパターンに持ち込んだが、なんと2本のホームランを打たれて逆転負け。2戦目はバウアーを打ち崩したが、大竹がホームランを打たれて逆転負け。このカードは0勝2敗。カープが連勝していたのでマジックナンバーが消えた。しかし試合のない日にカープが敗れ、神宮球場のスワローズ戦は、初戦は村上頌の好投と森下の2本のホームランで連敗を止め、カープが連敗してマジックナンバーが再点灯。2戦目は青柳が打たれたが相手のミスにつけこみ、風も味方して小野寺の三塁打と佐藤輝のホームランで連勝。3戦目は伊藤将があわやマダックスというところで9回にホームランを打たれ、それでも90球で完投。佐藤輝のホームランと近本の三塁打で吉村を攻略し、このカードは3勝0敗。今節は3勝2敗。今季通算は72勝44敗4分で勝率.621の首位。2位カープとは、7.5差に少し広がる。3位のベイスターズとは11.5差。優勝マジックナンバーは15に減らした。

◎ベイスターズ21回戦……2-3
 タイガース西勇、ベイスターズ今永の息詰まるような投手戦。1回裏、2死から森下と大山が連続四球で出るも、佐藤輝は空振り三振で先制機を逸する。3回表、2死から桑原のユニフォームをかすめる死球で走者を許すも、関根の打席で桑原が二盗を試み、坂本が刺す。4回裏、1死から大山がチーム初安打となるレフト前ヒットを放ち、ノイジーの三塁ゴロを林がこぼしてエラーで出塁し一二塁に。坂本が歩いて満塁とするが、木浪は空振り三振で得点できず。5回裏、2死から中野がライト前ヒットで出、森下の打席で二盗。森下が歩いて一二塁としたが、大山は三塁ゴロで二封。好投の西勇に代わり、7回裏、代打に原口を出すがライトフライに倒れる。近本が左中間を破る二塁打で出たが、中野と森下はレフトフライで得点できず。8回表、二番手岩貞は2死から代打大田の左すねに死球。桑原のレフトファールフライはノイジーが落球したが、それでも見逃し三振に取る。今永も7回無失点で交代。8回裏、二番手ウェンデルケンに対し1死から佐藤輝が右中間を破る二塁打を放ち、代走に熊谷。ノイジーは空振り三振に倒れたが、坂本のライト前タイムリーヒットでついに先制点を取る。木浪のレフト前ヒットで一二塁とし、代打ミエセスのレフト前タイムリーヒットで2点差とする。ミエセスの代走に島田。ここでウェンデルケンは降板。三番手のエスコバーに対し近本は二塁へフライを打ち上げ切り抜けられる。9回表、クローザーの岩崎が登板。しかし代打蝦名にセンター前ヒットを打たれると、佐野のセンターへのツーランホームランで追いつかれ、牧にはレフトスタンドに勝ち越しのソロホームランを打たれ、降板。四番手石井はソトにセンター前ヒットを打たれるが、京田のバントは捕手への小フライとなり、山本祐のセンター前ヒットで1死一二塁とされるも代打楠本を空振り三振に取り、代打大和を二塁へのフライに打ち取って追加点は許さず。9回裏、クローザーの森原から中野のショート後方のフライは風に流されレフト前に落ちるヒットに。森下の二塁ゴロは牧が走者をアウトにできず、一塁のみアウトになる進塁打に。大山は空振り三振に倒れたが、代打糸原は初球をセンター前に打ち返すヒットで一三塁としたが、代打小幡はショートゴロで試合終了。岩崎の乱調が誤算。カープがジャイアンツに勝ったため、マジックナンバーが消えた。
◎ベイスターズ22回戦……2-4
 ベイスターズの先発はバウアー。2回裏、大山が四球で出たが、佐藤輝の見逃し三振時に大山は盗塁死。しかしここでノイジーがレフトスタンドにソロホームランを放ち、1点先制。3回裏、1死から大竹が歩き、近本が投手左へ内野安打。体勢を崩しながらぱうおーは送球するも悪送球で二三塁に進塁。しかし中野は浅いレフトフライ、森下は空振り三振で追加点はならず。タイガースの先発は大竹。4回表、桑原と蝦名の連打で無死一三塁とされ、佐野の二塁ゴロ併殺の間に桑原が生還し同点に。バウアーは3回1失点で降板。4回裏、二番手上茶谷に抑えられる。6回表、ヒットの桑原と佐野を置いて、牧に右中間のスタンドにスリーランホームランを打たれてリードを許す。ここで大竹は降板し、二番手加治屋はソトを空振り三振に打ち取る。6回裏、好投を続ける上茶谷に対し、中野のヒットと大山の四球で2死一二塁とすると、ここで上茶谷は降板し三番手石川がマウンドに。佐藤輝はレフト前タイムリーヒットを放ち2点差に迫る。四番手伊勢に交代し、ノイジーは投手ゴロに倒れて追加点は取れず。7回表、続投の加治屋は伊藤光と林の連打で1死一二塁に。三番手島本と交代し、代打楠本を歩かせ満塁に。四番手石井に交代し、桑原を空振り三振に取ると、蝦名を二塁フライに打ち取って追加点を許さず。7回裏、五番手山崎に対し2死から代打糸原が三塁柴田のエラーで出塁したが、近本は一塁ゴロ。8回表、五番手ブルワーは牧の二塁打、ソトへの四球などで2死一三塁とされたが、伊藤光を空振り三振に取って切り抜けた。8回裏は六番手ウェンデルケンの前に三者凡退。9回表、六番手桐敷は柴田を歩かせたが後続を断ち、打線の反撃を待つ。しかし9回裏、クローザーの森原の前に三者凡退で3連敗。
◎スワローズ20回戦……4-2
 タイガースの先発は村上頌。1回裏、2死から宮本にライト前ヒットを打たれたが、村上宗を内角いっぱい見逃し三振に取る。スワローズの先発はロドリゲス。2回表、森下がバックスクリーンにソロホームランを放ち先制。3回表、近本が歩き二盗すると、捕手の古賀が二塁へ悪送球し近本は三進。中野のライト前タイムリーヒットで2点差とする。ミエセスの打席で、ロドリゲスの投球が古賀のプロテクターの中に入ってしまう珍しいプレーで、中野は二進。ミエセスの三塁ゴロで中野は三進。大山のレフト線へのタイムリー二塁打で3点差とする。村上頌は快調にスワローズ打線を抑え、4回裏には丸山和にセンター前ヒットを打たれるも宮本を二塁ゴロ併殺に打ち取る。村上宗の一塁ゴロはベースカバーの村上頌が落球してエラーで出塁させたが、サンタナのショートゴロで二封して二塁を踏ませない。6回裏は代打澤井を空振り三振、山田は低目の球を見逃し三振、丸山和は空振り三振と三者三振に取る。ロドリゲスは6回3失点で降板。7回表、二番手梅野雄に対し1死から中野がライト前ヒット、ミエセスの見逃し三振の間に中野は二盗。大山が歩いて一二塁としたが、佐藤輝は三邪飛に倒れて追加点はならず。7回裏、宮本の足に当たる死球で走者を許すも、村上宗は空振り三振。サンタナのセンター前ヒットで一二塁とされたが、オスナの打席で坂本が投球を弾いたのを見て飛び出したサンタナを一二塁間で狭殺。宮本は三進。しかしオスナを空振り三振に取る。8回表、続投の梅野雄から森下が右中間スタンドにソロホームランを放ち4点差とする。村上頌は7回無失点で交代。8回裏、二番手岩貞は長岡にセンター前ヒットを打たれ、代打青木の一塁ゴロは大山が二塁へ悪送球し無死一二塁に。1死後、山田を歩かせて満塁とされ、丸山のショート後方のフライはレフト前に落ち、タイムリー内野安打となり3点差に。ここで岩貞は降板。三番手桐敷は代打中村に押し出し四球で2点差に。しかし村上宗を空振り三振に取ると、四番手石井はサンタナをショートゴロに打ち取り切り抜ける。9回表、三番手木澤の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎が三者凡退で逃げ切り連敗ストップ。村上頌が9勝目、岩崎は27セーブ。ヒーローインタビューはプロ入り初の1試合2ホーマーの森下。カープがドラゴンズに敗れたため、マジックナンバーが18と再点灯。
◎スワローズ21回戦……6-5
 タイガースの先発は青柳。1回裏、センター前ヒットの武岡を置いて村上宗にライトスタンドに先制のツーランホームランを打たれる。スワローズの先発はピーターズ。2回までは完全に抑えられていたが、3回表、坂本がレフト前ヒットで出る。小幡の投手ゴロで二封。青柳のバントで小幡は二進。近本のライト前タイムリーヒットで1点差に。中野が歩いて一二塁とし、小野寺がファールで粘った末に一塁とライトの間のフェアゾーンぎりぎりに落ちる2点タイムリー三塁打で逆転。大山が歩いて一三塁とし、佐藤輝がライトポール直撃のスリーランホームランを放ち、この回一挙6点。森下が四球で出ると、ピーターズはここで降板。二番手高梨の前に坂本はセンターフライに倒れる。4回裏、村上がレフト前に落ちるヒットを小野寺が飛びつくも取れず二塁打に。長岡の死球で無死一二塁に。1死後、丸山和のセンター前タイムリーヒットで3点差とされる。5回表は、三番手阪口の前に三者凡退。6回表、続投の阪口から佐藤輝と森下は連続三振に倒れるが、坂本の二塁打と小幡の申告敬遠で一二塁に。しかし青柳は見逃し三振で追加点は取れず。6回裏、1死から内山に二塁打を打たれ、丸山和を空振り三振に取ったところで青柳は交代。二番手島本は代打川端を二塁ゴロに打ち取る。7回表、四番手星の前にまたも三者凡退。7回裏、三番手桐敷は代打濱田と宮本を連続空振り三振に取るなど三者凡退。8回表、五番手石山に対し佐藤輝のヒットと森下の二塁ゴロトンネルでチャンスを作るが、後続を断たれて追加点はならず。8回裏、四番手岩貞は村上への四球と長岡の二塁打で1死二三塁とされ、五番手石井に交代。内山のレフト前タイムリーヒットと代打青木のレフトへの犠牲フライで1点差に迫られ、代打山田のヒットで2死一二塁と苦しんだが、濱田の内角いっぱいをつく見逃し三振でなんとか切り抜ける。9回表は六番手清水から代打ノイジーがヒット性のセンター返しの打球を放つも長岡に好捕されショートゴロ。近本はセンターの頭を超えようかという当たりを濱田に好捕され、中野のライト前に抜けるかというあたりもオスナに好捕され、三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎は代打松本尚からセンター返しを打たれるも左手でこれを止め、バックアップの中野が好捕して二塁ゴロに。オスナはショートゴロ、村上宗は内角いっぱいを見逃し三振で逃げ切った。青柳が7勝目。岩崎はセーブ28。ヒーローインタビューはスリーランホームランを放った佐藤輝。
◎スワローズ22回戦……7-1
 スワローズの先発は吉村。1回表、近本のライト前の当たりをサンタナが後ろにそらし三塁打に。中野が歩きノイジーの三塁ゴロは村上宗が二塁へ悪送球して近本が生還し1点を先取、中野とノイジーは二三塁二進塁。大山は一邪飛に倒れたが、佐藤輝がライトスタンドにスリーランホームランを放ち4点差とする。タイガースの先発は伊藤将。1回裏、丸山和のヒットと盗塁で1死二塁とされたが、山田はショートゴロ、村上宗は二塁ゴロと低めを丁寧に突く投球で打ち取る。2回以降、スワローズの早打ちにも助けられ、走者をほとんど許さぬ好投を見せる。2回表、センター前ヒットの木浪を伊藤将がバントで送り、2死後、中野のレフト前ヒットで5点差に。さらにノイジーがセンターの頭上を超すタイムリー二塁打で6点差をつける。吉村も3回以降は本来の投球でタイガース打線を抑えただけに、序盤で差をつけたのは大きかった。4回表、2死から近本が左中間を破る三塁打を放ち、1試合2三塁打のセ・リーグ記録に並ぶ。6回表、森下のレフトスタンドに飛びこむソロホームランで7点差に。吉村は6回7失点で降板。7回表からは二番手の丸山翔に抑えられる。7回裏、内山に二塁打を打たれ、山田のライトフライで三進。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。ここで村上宗をインサイドに見逃し三振、サンタナをショートゴロに打ち取り得点を許さず。9回表、三番手山本大から近本が右わき腹に死球。代走は小野寺。岡田監督は試合終了後、以前の梅野隆への死球もあわせて「そういうチームや」と吐き捨てるように言った。中野の二塁ゴロで小野寺は二進。2死後、大山は申告敬遠。一二塁とし、佐藤輝の打席で山本大が暴投し二三塁となるが、佐藤輝は二塁ゴロで追加点はならず。9回裏、マダックス寸前というところで1死から代打赤羽にプロ入り初となるソロホームランをレフトスタンドに打たれ、完封を逸した。しかし内山は空振り三振。山田にはレフト前ヒットを打たれたが、村上宗は二塁ゴロで完投勝利。ヒーローインタビューは9勝目をあげた伊藤将。カープがドラゴンズに敗れたため、マジックナンバーは15に。

愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司
 100球未満の完封をマダックスというがスワローズ戦であと一歩で達成するところだった。それでも完投でリリーフ陣を休ませ、キャリアハイまであと1勝という9勝目をあげた。その安定感たるや、村上頌と並ぶ左右のエースという感じ。次は2年ぶりの10勝が射程距離内に入ってきた。
野手……佐藤輝明
 スワローズとの第2戦ではいったんファールゾーンに出た打球が風に戻されてポール直撃のホームランに。第3戦では吉村を打ち砕く堂々たるホームラン。相変わらず三振も多いが、長距離砲の宿命と割り切ってほしい。佐藤輝が調子を取り戻せば、打線が活気づくのだ。

 次節はバンテリンドームナゴヤでドラゴンズと2戦。1日置いて甲子園球場でカープと3連戦。ドラゴンズ戦では取りこぼしの内容、投手戦を制してほしい。そして眼下の敵であるカープ戦。しつこく粘ってくるカープ相手にどれだけ差を見せつけられるか。秋山翔、西川不在の打戦だけに、村上や伊藤将がしっかりと抑えてくれれば勝機はある。首位と2位のしまった試合を見せてもらいたい。
 下位に沈んだ上に大敗していてもなおも内角の危険な球を投げ込んでくるスワローズ投手陣。近本が再び胸部に死球で悶絶。梅野も手首骨折に追いやられている。岡田監督が「そういうチームやから」と言った真意はさておき、球界のエチケットとしてここにきて主力に死球を与えるのはいくらわざとではないにしても、やはり問題である。メジャーリーグで高津監督は何を学んできたのだろうか。幸い骨折はせず打撲ということだが、近本に無理はさせたくない。スワローズは矢野前監督がサイン盗みをさせているとクレームをつけたりと、プレー以外のところで相手を傷めつけようとする。今季の不振はそういうチームへの大きなしっぺ返しだったのではないか。

(2023年9月4日記)


目次に戻る

ホームページに戻る