愛すれどTigers


タイトルホルダー5人でシーズン終了

 今節は甲子園球場でまずスワローズ戦。大山のホームランによる2点を西勇とリリーフ陣で守り切り、1勝。続いて本拠地最終戦はドラゴンズ戦。先発テストの富田が打ち込まれて敗れ1敗。岡田監督がCSに向けてファンに決意を述べた。1日置いて横浜スタジアムのベイスターズ戦。青柳がコントロールに苦しみ打ちこまれ、1敗。続いてマツダスタジアムのカープ2連戦。初戦は九里の前に打線が沈黙して敗れたが、2戦目は大瀬良と床田を打ち、1勝1敗。さらに1日置いて神宮球場でスワローズ戦。大竹の最高勝率のタイトルを目の前に、岩崎が打たれて逆転サヨナラ負けで1敗。今節は2勝4敗。今季通算は全日程終了で85勝53敗5分で勝率.616。2位カープとは、11.5差。3位のベイスターズとは12.0差。CSでは2勝のアドバンテージはほしいくらいの独走。最優秀防御率に村上、最多セーブに岩崎、最多安打に中野、最多盗塁に近本、最高出塁率に大山と、5選手のタイトルが確定した。

◎スワローズ24回戦……2-0
 タイガース西勇、スワローズ高橋奎の投手戦。西勇は低めにボールを集めるていねいな投球で、連打を許さず7回表まで無失点に抑える。先制したのはタイガース。4回裏、二塁打の中野を置いて大山がレフトスタンドにライナーで飛び込むツーランホームランを放つ。高橋奎は5回2失点で降板。6回裏は二番手石山から小野寺がヒットを放ち、代走の島田が二盗を決めるが大山は見逃し三振で追加点は取れず。7回裏、三番手小澤から佐藤輝がレフト前ヒットを放つもノイジーは見逃し三振、代打近本はヒット性の当たりもライト正面のライナー、小幡は空振り三振で走者を進められず。西勇は7回無失点で交代。8回表、二番手桐敷は三者凡退に抑える。8回裏、四番手木澤の前に代打糸原と森下が連続三振。中野はセンターフライに終わる。9回表、クローザーの岩崎は1死から代打濱田にヒットを打たれるも山田をライトフライ、村上宗を一塁ゴロに仕留めて逃げ切った。ヒーローインタビューは8勝目をあげた西勇、34セーブで単独トップに立った岩崎、決勝のホームランを放った大山。
◎ドラゴンズ25回戦……2-7
 今季甲子園球場での公式戦最終試合。タイガースの先発は富田。1回表、四球のカリステを置いて、細川に左中間スタンドにツーランホームランを打たれて先制点を許す。2回表、ヒットの龍空をメヒアがバントで送り、岡林のライト前タイムリーヒットで3点差とされる。ドラゴンズの先発はメヒア。3回裏、ヒットの木浪を富田がバントで送るも近本は二塁ゴロで得点できず。4回裏、内野安打の森下を置いて、大山がレフトスタンドにツーランホームランを放ち1点差に迫った。なおも佐藤輝とノイジーの連打で1死一二塁と攻めるが、坂本はショートゴロ併殺で同点機を逸した。5回表、岡林のショートゴロは木浪がこぼしてエラーで出塁。2死後、細川がこの試合2本目となるバックスクリーン左へのツーランホームランで3点差に戻される。富田は5回5失点で降板。6回表、二番手西純は三好と龍空を歩かせるもメヒアを一邪飛に打ち取り切り抜ける。6回裏、中野と森下の連打と大山の四球で無死満塁としたが、佐藤輝、ノイジー、坂本がみなフライアウトで得点できず。7回表、ヒットのカリステと四球の細川を置いて石川昂のレフト線へのタイムリー二塁打で4点差に。石川昂の代走に石垣。ビシエドにはセンター犠牲フライを打たれて5点差とされる。7回裏、木浪の二塁打と近本の太腿への死球で1死一二塁とし、ここでメヒアは降板。二番手勝野の前に中野が三塁へ鈍い当たりのゴロを打つと、カリステが素早く送球してアウトに。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。2死二三塁としたが、森下は空振り三振でここも得点できず。8回表、三番手の及川が三者凡退に抑え、及川は9回表も抑える。8回裏は三番手フェリスに三者凡退に抑えられ、9回裏は四番手齋藤に対し1死から木浪が四球で出るも代打原口は三塁ゴロ併殺で試合終了。終了後、ナインはマウンド付近に整列し、岡田監督がクライマックスシリーズへの抱負をファンの前で語った。
◎ベイスターズ25回戦……3-5
 タイガースの先発は青柳。初回からコントロールが定まらない。1回裏、2死から佐野と牧を歩かせ、宮崎のライト前タイムリーヒットで1点先制される。ベイスターズの先発は石田。2回表、大山がレフトスタンド最上段にソロホームランを放ち同点に。佐藤輝が左中間を破る二塁打で続き、ノイジーの二塁ゴロで三進。坂本誠が四球で出ると、木浪のセンター犠牲フライで勝ち越す。2回裏、山本祐への四球のあと、蝦名は二塁ライナーに撮ったが、バントの構えをした石田の左ひじに死球で一二塁とされると、林のライトフライで一三塁とされ、関根への四球で満塁に。しかしここは佐野をライトフライに打ち取り切り抜けた。4回表、佐藤輝のライト線への二塁打と、ノイジーのライトフライで1死三塁とし、坂本誠のレフトへの犠牲フライで2点差とする。その際蝦名と関根が交錯し、蝦名は目をはらせて桑原と交代。4回裏、桑原を歩かせ、石田はスリーバント失敗。林の打席で青柳は一塁牽制悪送球で桑原は二進。さらに林への四球の際青柳が暴投し1死一三塁に。関根のセンター前タイムリーヒットで1点差に迫られる。佐野のライト犠牲フライで同点とされ、牧のレフト前ヒットで2死一三塁に。宮崎にライト線へのタイムリー二塁打で勝ち越しを許す。5回表、代打ミエセスと近本、中野の連打で無死満塁とする。森下は空振り三振に倒れたが、ここで石田は交代。二番手宮城に見逃し三振。さらに三番手石川が佐藤輝を空振り三振と得点機を逸した。5回裏は二番手岡留が山本祐、桑原を連続空振り三振に取り、代打戸柱にヒットを打たれるが、林を空振り三振に取る。6回表、四番手伊勢から坂本誠がヒットを放つも木浪は二塁ゴロ併殺。6回裏、三番手及川が1死から佐野にヒットを打たれるが、四番手加治屋に交代。牧にもヒットを打たれたが宮崎をショートゴロ併殺に打ち取る。7回表、続投の伊勢に対し1死から近本がショート内野安打で出ると、五番手エスコバーと交代。中野の打席で近本が二盗。三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。中野はショートゴロに倒れ、代打渡邊諒は空振り三振と同点機を逸した。7回裏は五番手馬場が三者凡退に抑える。8回表、1死から佐藤輝がヒットを放つも二盗失敗。ノイジーが四球で出ると、代走に熊谷。ここでエスコバーは六番手上茶谷と交代。坂本誠は三遊間へ転がし、ショート林が好捕するも二塁へは熊谷の足が一瞬早く内野安打。三浦監督がまたもリクエスト申請したが、ここも判定は覆らず。木浪の打席で山本祐が球を弾くと熊谷が三進。しかし木浪は二塁ゴロでまたも同点機を逸する。8回裏、六番手ブルワーは代打藤田を歩かせ、代走に知野。林の打席でブルワーは暴投、林の一塁ゴロで知野は三進。関根の二塁ゴロで知野は本塁に突入、中野がバックホームするも一瞬早く知野は生還し、野選で2点差に。それでも佐野と牧を連続空振り三振に取り、追加点は防ぐ。9回表、クローザーのウェンデルケンが登板。1死から近本のヒットと中野の三塁ゴロエラーで一二塁としたが、代打糸原は投手ゴロ併殺。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず、試合終了。
◎カープ24回戦……1-2
 タイガースの先発はプロ入り初先発の門別。2回裏、秋山翔と末包の連打で無死一二塁とされるが、デビッドソンをセンターフライに打ち取り、會澤をショートゴロ併殺に打ち取って切り抜ける。4回裏、西川にセンター前ヒットを打たれ、1死後秋山翔の打席で長坂が捕逸して西川は二進。秋山翔のレフト前ヒットで1死一三塁とされたが、末包とデビッドソンを連続空振り三振に取りここも切り抜ける。5回裏、2死から小園と菊池の連打で一二塁とされたが、西川をレフトフライに打ち取り5回無失点で初先発を飾った。カープの先発は九里。5回表まで走者を出すことができなかったが、6回表、小幡がショート内野安打で初めて出塁。長坂のバントで二進。しかし代打渡邊諒は三塁ゴロ、島田はライトフライで先取点は取れず。6回裏、二番手石井は四球の堂林を秋山翔にバントで送られ、末包のレフト前ヒットで堂林は本塁に突入するも、ミエセスから小幡の好返球で憤死。末包が二塁を狙い、長坂が二塁に送球するがそれてしまい2死二塁に。デビッドソンには死球で一二塁とされ、會澤のセンター前タイムリーヒットで1点を先制される。7回表、中野がライト前ヒットで出ると、小野寺のバントで二進。大山が歩き、佐藤輝はレフトフライに倒れたが、ミエセスのレフト前タイムリーヒットで中野が生還し同点に。7回裏、三番手島本は菊池にヒットと二盗で2死二塁とされたが、堂林を二塁ゴロに打ち取る。九里は7回1失点で交代。8回表、二番手の島内に対し、1死から森下翔が久しぶりにヒットを放つも島田は二塁ゴロ併殺。8回裏、四番手加治屋が末包にレフトスタンドにソロホームランを打たれてリードを許し、9回表、クローザーの栗林に抑えられて連敗。
◎カープ25回戦……6-5
 カープの先発は大瀬良。1回表、中野のヒット、森下翔の死球、大山の四球で1死満塁としたが、佐藤輝とノイジーは連続空振り三振で先制機を逸する。タイガースの先発は馬場。2回裏、秋山翔を空振り三振、上本を二塁ゴロに打ち取ったが、末包にレフト前ヒットを打たれる。しかし二塁を狙う末包をノイジーが好返球でタッチアウトに。3回表、近本のヒットと中野の四球で無死一二塁としたところで大瀬良は降板。二番手は大道。森下が歩き満塁とし、大山は見逃し三振に倒れたが、佐藤輝がセンター前タイムリーヒットで先制する。ノイジーはショートゴロ併殺で追加点はならず。3回裏、レフト前ヒットの會澤を置いて、小園にライトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれる。4回表、三番手床田に対し2死から代打ミエセスがショート内野安打。小園の悪送球で二進。近本のセンター前タイムリーヒットで同点に追いつく。4回裏、二番手岡留が三者凡退に抑えると、5回表、続投の床田に対し森下翔のライト前ヒット、大山の三塁ゴロは上本の悪送球で無死一二塁に。ソト打てるがライトスタンドにスリーランホームランを放ち3点差とする。5回裏、続投の岡留は末包に右中間に二塁打を打たれ、會澤のバントで三進。代打松山に対し、三番手及川と交代。松山は三塁へのフライに打ち取ったが小園のタイムリーヒットで2点差とされる。及川は6回裏は抑える。6回表、四番手は引退試合となる一岡が登板し、島田は見逃し三振。カープナインのねぎらいを受けて一岡が降板し、五番手中崎にも後続を断たれる。7回表、六番手矢崎から森下翔がセンターの頭を超す二塁打を放つと、大山のレフト前ヒットで一三塁とし、佐藤輝の打席で大山は二盗。佐藤輝はショートフライに倒れ、代打糸原は申告敬遠で満塁に。坂本のセンター前タイムリーヒットで3点差とする。7回裏、四番手ブルワーは2死から會澤を歩かせ、五番手島本と交代。代打坂倉を空振り三振に取る。8回表、七番手アンダーソンに対し近本が四球。中野は空振り三振に倒れたが、森下翔のライト前のフライはライトとセンター、セカンドの間に落ちるが、ライト野間が二塁に送球してライトゴロに。大山の打席でアンダーソンの暴投と組閣らの二塁への悪送球で森下翔は三進。しかし大山は空振り三振に倒れる。8回裏、六番手桐敷は小園を歩かせるも後続を断つ。9回裏、クローザーの岩崎は秋山翔にライト線に三塁打を打たれ、上本の二塁ゴロの間に生還を許し2点差に。末包の四球と代打マクブルームのヒットで1死一三塁に。マクブルームの代走に曽根。坂倉の一塁ゴロは大山がショートバウンドを好捕し二塁封殺。その間に末包が生還し1点差に迫られる。坂倉の代走に羽月。それでも小園を空振り三振に取り、逃げ切った。岡留がプロ入り初勝利。岩崎は35セーブをあげ、タイトルを確定させた。カープの本拠地最終戦のため、ヒーローインタビューはなし。
◎スワローズ25回戦……4-5
 雨中の最終戦。スワローズの先発は高橋奎。1回表、近本の背中に死球。中野は左邪飛に倒れ、森下は三塁ゴロで二封。しかし大山がレフトスタンドにツーランホームランを他叩きこみ先制。さらに佐藤輝も右中間スタンドにソロホームランを放ち、3点差とする。タイガースの先発は大竹。1回裏、山田にレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差とされる。3回表に入るところで降雨のため13分間の中断。されでも高橋奎に三者凡退に抑えられる。高橋奎は3回3失点で降板。4回表、二番手ロドリゲスの前に三者凡退。4回裏、村上宗にライト前ヒットを打たれ、オスナのセンター前ヒットは島田がボールをつかみ損ね無死一三塁に。濱田の左邪飛で村上宗は本塁を突くが、ノイジーの好返球の前に憤死。中村をセンターフライに打ち取り切り抜ける。5回裏、丸山和のショート後方のフライは木浪の頭上を越し島田の前で弾むセンター前二塁打となる。代打北村の二塁ゴロで丸山和は三進。塩見のセンター前タイムリーヒットで1点差に迫られる。長岡と山田の連打で塩見が生還し同点に。6回表、三番手石山に対し1死から森下がレフトフェンスにあたる二塁打を放ち、大山のセンター前ヒットで一三塁とすると、佐藤輝がライトへの犠牲フライで勝ち越す。大竹は5回3失点で勝利投手の権利を持ち交代。6回裏からは才木がロングリリーフ。6回裏、佐藤輝のエラーで走者を背負うも中村と代打川端を空振り三振に取り得点を与えない。7回表、四番手吉村から小野寺がヒットを放つも得点できず。7回裏に入る前にまたも雨が強くなり12分間の中断。再開後、才木は三者凡退に抑える。9回表、続投の吉村から佐藤輝と代打糸原の連打でチャンスを作るが、坂本はバント失敗の後、バスターエンドランをかけるも空振り三振、走り出していた佐藤輝は二三塁間で狭殺。糸原はその間に二進。ここで五番手田口が登板。代打原口は空振り三振。9回裏、クローザーの岩崎が登板。ここを抑え切ると大竹の勝率一位のタイトルが確定するところだったが、代打青木のレフト前ヒットと代打宮本のバント塩見の三塁線のゴロは佐藤輝が弾き1死一三塁に。代打内山にレフト前に同点タイムリーヒットを打たれ、大竹のタイトルはここで消える。そして山田にセンターへサヨナラの犠牲フライを打たれ最終戦を勝利で飾れなかった。

 次の試合はCSファイナルステージ第1戦が10月18日。かなり間があくが、二軍戦のフェニックス・リーグで調整していくことになる。できればミニキャンプを張り、紅白戦をするくらいで臨んだ方がよいのではと思うが、岡田監督には秘策があるというので、それを期待したい。もっとも、直前には「うちは普通にやるだけよ」くらいのことは言いかねない人ではあるが。ぜひ日本シリーズにコマを進めてもらいたいもの。優勝の喜びも半減してしまう。
 第一次戦力外選手として、高山俊、北條史也、山本泰寛、板山祐太郎、二保旭、小林慶祐、渡邉雄大、望月惇志の8名が公示された。高山は新人王も獲得した天才的な打撃センスの持ち主、北條はここぞというところの勝負強さ、山本は内野ならどこでも守れる安心感と粘り強い打撃、板山は確実性は低いが、打球の鋭さで活躍、二保と小林はそれぞれファームではクローザーとして活躍し、特に小林は矢野監督時代には勝ちパターンのリリーにも入った。渡邉雄は1年だけだが村上宗キラーとして名をはせ、なべじいの愛称で親しまれた。望月は育成枠に落ちていたが、その速球の力強さでCS初戦の先発を任せられたこともあった。昨年までは一軍でも活躍した面々だが、今季は小林が一軍では1試合だけ投げ、抑えながらすぐに二軍に落とされた。板山は開幕一軍でスタートしたが、打率が上がらず二軍落ち。岡田監督の、開幕時の言葉「一軍と二軍のメンバーははっきり決まっている」という、一度決めたら頑固に通す悪い面が出て、ほとんどチャンスを与えられないまま戦力外となったのは気の毒というほかない。肩の故障が完治していない望月以外は現役を続けることを希望している。高山や北條は水面下でどこかからオファーが来ていてもおかしくない。来季はどこかでユニフォームを着ていてほしいものだ。ただ、できればジャイアンツ以外でお願いしたい。山本は古巣に復帰ということもあり得るかもしれないが、もともとジャイアンツから移籍してきた選手なので、仕方ないな。

(2023年10月9日記)


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