今節は、マツダズームズームスタジアムで雨天で初日を流したためにカープ２連戦。初戦は村上が好投し、打線もじわじわと点を加えて村上の今季初完投勝利を助けた。２戦目は伊藤将と大瀬良が好投、両チームのリリーフ陣も踏ん張り、引き分けて１勝０敗１分。１日置いた東京ドームでのジャイアンツ３連戦は、初戦は長島デーと銘打たれた雰囲気にのまれたか、今季初先発の門別が大量失点し、打線もよく粘り追いつきかけたがリリーフが乱れて完敗。２戦目は西勇と菅野の投手戦となり、リードしたまま岩崎につなぐが同点とされ、漆原の四球をきっかけに島本が打たれてサヨナラ負け。３戦目は高橋礼から近本のホームランなどで先制し、才木は１点差に迫られたが、リリーフ陣の奮闘で連敗を止め、１勝２敗。今節は２勝２敗１分で今季通算１６勝１１敗４分の勝率．５９３。２位ジャイアンツとは、２．０差で首位。打線はまだつながりにくいが、投手陣の力で首位を保っている。佐藤輝もジャイアンツ３戦目でタイムリーヒットを放つなど、少しずつ上向いてきている。
◎カープ４回戦……７－１
タイガースの先発は村上。１回裏、先頭の秋山翔に初球を狙われライトスタンドにソロホームランを打たれる。さらに野間のヒットと小園の二塁ゴロエラーで無死一二塁とされる。しかし松山をレフトフライに打ち取ると、坂倉を空振り三振、宇草を投手ゴロに打ち取って追加点は許さず。カープの先発は床田。２回表、１死からノイジーが歩き、佐藤輝の一塁ゴロで二進。坂本のセンター前タイムリーヒットで同点とする。２回裏、１死から菊池にレフト前ヒットを打たれるも、床田のバントは捕手への小フライとなり、秋山を歩かせて野間を三塁フライに打ち取る。４回表、大山の四球とノイジーのヒット、佐藤輝の死球で無死満塁とし、坂本の二塁ゴロ併殺の間に大山が生還して勝ち越す。６回表、大山の四球、ノイジーのセンター前ヒット、佐藤輝の二塁ゴロでノイジーが二封され、１死一三塁に。坂本がライトへ犠牲フライを放ち２点差とする。床田は６回３失点で降板。７回表、二番手益田に対し１死から中野がライト線へ二塁打を放つと、森下は死球。大山も歩いて満塁とし、ノイジーのレフト前タイムリーヒットで３点差とする。佐藤輝の一塁ゴロの間に森下が生還し４点差とする。ここで増田は降板し、三番手は黒原。坂本のレフト前タイムリーヒットで５点差に。７回裏、１死から菊池にヒットを打たれるも、上本の投手ゴロで上本をアウトにし、二塁に向かう菊池を狭殺して併殺に。９回表、四番手森浦からノイジーがこの試合４本目となるライト前ヒットを放ち、代走に小野寺。佐藤輝のレフト前ヒットで一二塁とし、坂本のライトフライで小野寺は三進。木浪の二塁ゴロの間に小野寺が生還して７点目を奪う。９回裏、完投のかかった村上は坂倉を投手ゴロ、代打二俣を一塁ゴロ、代打田村をショートフライに打ち取り、最後まで緩急をつけた危なげない投球でチーム今季最初の完投勝利をあげた。ヒーローインタビューは２勝目の村上。
◎カープ５回戦……２－２
カープの先発は大瀬良。１回表、ライト前ヒットの近本が、１死後、森下の打席で二盗。２死後、大山のレフト前タイムリーヒットで先制。その直後、大山は一二塁間で狭殺。タイガースの先発は伊藤将。カープ打線の粘りで投球数が増える。１回裏、２死から野間を歩かせるが、堂林の打席で二盗を試みた野間を梅野が刺す。２回表、ヒットのノイジーと四球の佐藤輝を置いて、木浪がレフト線にタイムリーヒットを放ち２点差とする。伊藤将がバントの構えから見送ると、二塁から三塁へ進塁しようとしていた佐藤が帰塁できずタッチアウト。伊藤将は空振り三振でさらなる追加点はならず。この拙攻からタイガース打線はつながりが悪くなる。２回裏、小園にライトの上を越す三塁打を打たれるが、上本の三塁ゴロで小園は三本間で狭殺、なんとか切り抜けた。３回表、中野が二塁打で出るも後続を断たれて点差を開けない。５回表、代打宇草のショートゴロを木浪がファンブルして生かすと、秋山翔のヒットと菊池のバントで１死二三塁とされる。野間には死球を当て満塁とされ、堂林のライト犠牲フライで１点差に迫られる。大瀬良は５回２失点で交代。］お回表、無二番手中崎の前に三者凡退。伊藤将も５回１失点で交代。６回裏、二番手島本は二俣のライト前ヒットと矢野のバントで１死二塁とされ、會澤のライトフライを森下が好返球し、タッチアップの二俣を刺そうとしたが、三塁佐藤輝がこぼし、二俣は三振に成功。代打石原を死球で歩かせるも秋山翔をショートゴロに打ち取る。７回表、三番手矢崎から佐藤輝がライト前ヒットを放ち、梅野が送ってチャンスを作るが後続を断たれて追加点はならず。７回裏、三番手加治屋が１死から野間と堂林を歩かせたところで交代。四番手桐敷は小園にレフト前のテキサス性のタイムリーヒットを打たれ。同点に。カープは８回表は島内、９回表は栗林、１０回表と１１回表は塹江が登板しタイガース打線を抑える。タイガースも８回裏は続投の桐敷、９回裏はゲラ、１０回裏は漆原、１１回裏は岩崎が抑える。１２回表は黒原から木浪がヒットを放つも代打前川は見逃し三振。１２回裏、浜地は野間にライト前ヒットを打たれ、堂林に送られ、小園は申告敬遠で１死一二塁に。しかし代打松山をレフトフライに打ち取ると、代打坂倉にセンター前に落ちそうな打球を打たれるが、近本がスライディングキャッチで試合終了。引き分けに終わった。両チーム８人ずつ投手をつぎこみ、各リリーフ陣がよく粘る非常にしんどい試合だった。
◎ジャイアンツ７回戦……５－８
この試合は長嶋茂雄デーとしてジャイアンツはお祭り気分。タイガースの先発は満を持して登板の門別だったが、雰囲気にのまれた。１回裏、２死から吉川に右中間を破る二塁打を打たれ、岡本和を歩かせ、坂本勇にレフト前タイムリーヒットを打たれて先制されると、一三塁から長野にレフト前タイムリーヒット、一二塁から小林にセンター前タイムリーヒット、さらに門脇にもセンター前タイムリーヒットを打たれて４点差とされる。ジャイアンツの先発は戸郷。２回表、大山がレフトスタンドにソロホームランを放ち１点を返したが、２回裏、２死からノイジーが吉川のレフトフライを落球して岡本和にレフトスタンド最前列に入るツーランホームランを打たれて５点差に。門別は３回６失点で降板。４回裏、二番手の岡留は三者凡退に抑えると、５回裏も無失点。６回表、２死から中野がボール球を打ち、ライトスタンド最前列に入るソロホームランで４点差とすると、森下と大山が歩いて一二塁とし、代打糸原が右中間を破るタイムリー二塁打を放ち３点差に迫る。ここで戸郷は降板。二番手高梨から佐藤輝が四球を選んで満塁とする。岡田監督は梅野にコンパクトに打つよう耳打ち。梅野のセンター返しの当たりはショート門脇に好捕され二封で惜しくも大量点を逸した。６回裏、三番手浜地も三者凡退に抑え、浜地は７回裏も無失点。７回表、三番手バルドナードに対し２死から近本が歩くが中野はレフトフライに倒れる。８回表、四番手船迫に対し大山がまたもレフトスタンドにソロホームランを放って２点差に迫った。しかし８回裏、四番手加治屋は坂本勇にライト前ヒットを打たれ、佐々木のバントは加治屋が二塁へ悪送球してしまう。小林のバントで１死二三塁とされると、坂本勇の代走に湯浅大。門脇のレフト前２点タイムリーヒットで４点差に戻される。代打梶谷は空振り三振、ここで走った門脇も梅野がさして二盗失敗で併殺とした。９回表、クローザーの大勢に対し、２死から近本と中野の連打で一二塁とし、森下はバットを降りながらもレフト前タイムリーヒットで３点差に。大勢は右肩を抑えて降板。六番手は泉。一発逆転のチャンスを作ったが、大山は打ち損じて二塁へのフライに倒れ、反撃もここまで。門別が初回にジャイアンツ打線に呑まれてしまったのが大きかったが、岡留と浜地がそれぞれ無失点で反撃のチャンスを作っただけに、敗れても完敗とはならなかった。
◎ジャイアンツ８回戦……１－２
タイガース西勇、ジャイアンツ菅野の投手戦。１回表、２死から森下が左中間を破る二塁打を放つも大山はショートゴロで先制機を逸する。１回裏、１死から佐々木にセンター前ヒットを打たれ、吉川の右中間を破る二塁打で佐々木は本塁を狙うが中継の小幡の好返球で憤死。岡本和を空振り三振にとり切り抜けた。４回表、森下のライト線への二塁打を糸原のショートゴロなどで２死三塁とし、ノイジーのライト前タイムリーヒットで先制点を奪う。坂本誠の内野安打で一二塁としたが、小幡は投手ゴロで追加点はならず。５回表、１死から近本がセンター前ヒットで出るも牽制死。中野が歩いたが森下は空振り三振。５回裏、梶谷が三塁糸原の三塁ゴロエラーで出塁。小林のバントで二進。門脇の二塁ゴロで三進。しかし菅野は二塁ゴロで切り抜ける。７回裏、坂本勇のセンター返しの打球を中野がダイレクトキャッチ。梶谷にセンター前ヒットを打たれるも、代打大城はセンターフライに打ち取る。菅野は７回１失点で交代。８回表、二番手大江の前に三者凡退。西勇は７回無失点で交代。８回裏、二番手岩崎が打たれる。センター前ヒットの門脇を代打増田大に送られ、丸のライト前タイムリーヒットで同点に追いつかれた。さらに佐々木のバントは坂本誠が悪送球で１死一三塁に。それでも吉川を捕邪飛に打ち取ると、岡本和は三塁ライナーに打ち取り、勝ち越しは許さず。９回表、三番手西舘から大山が歩くが後続を断たれる。９回裏は桐敷が三者凡退に抑えて試合は延長戦に。１０回表、四番手バルドナードから代打原口がセンター前に落ちるヒットで出ると、代走に植田。しかし代打木浪の打席で牽制に吊りだされて一二塁間で狭殺。木浪は四球で出たが、近本のショートライナーで木浪は帰塁できず併殺に。１０回裏、四番手漆原は１死から代打萩尾を歩かせ、五番手島本と交代。丸と長野の連打で満塁とされ、吉川にセンター前にサヨナラタイムリーヒットを打たれ、惜敗。漆原が移籍後初の敗戦投手に。岩崎が同点にされた時点で流れを持っていかれた。
◎ジャイアンツ９回戦……４－２
ジャイアンツの先発は高橋礼。１回表、近本がレフト前ヒットで出るが、中野、佐藤輝、大山はいずれも外野フライに倒れる。タイガースの先発は才木。１回裏、丸のセンター前ヒットと二盗で２死二塁とされたが岡本和を空振り三振に取る。３回表、レフト前ヒットの木浪を才木が送り、近本のライトスタンドへのツーランホームランで先制。センター前ヒットの中野は暴投で二進。佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで３点差とする。４回裏、１死から吉川に二塁打を打たれ、２死後、暴投で三進。坂本勇のセンター前の当たりは近本がダイビングキャッチをしてピンチを脱した。５回表、中野が歩き二盗し、佐藤輝も四球と攻めるも後続を断たれる。５回裏、梶谷と小林の連打で無死一三塁とされ、門脇のセーフティスクイズで１点を返される。なおも小林を二塁に置いて代打長野にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ１点差に迫られる。２死後、佐々木のライト前ヒットで一三塁とされたが、吉川をレフトフライに打ち取ってリードを保った。高橋礼は５回３失点で降板。６回表、二番手赤星から森下がヒットを放ち、梅野のバントと木浪の二塁ゴロで三進するも、代打原口は空振り三振で追加点は取れず。才木も５回２失点で交代。６回裏、二番手岡留は坂本勇にヒットを打たれるも後続を断つ。７回表、三番手大江の前に三者凡退。７回裏、三番手桐敷は１死から代打増田大にセンター前ヒットを打たれるも、２死後、増田大を牽制で釣りだし、一二塁間で狭殺。８回表、四番手京本に対し、大山がライトフェンス直撃の二塁打で出ると、前川のレフト前タイムリーヒットで待望の追加点をあげる。森下はわき腹に死球。しかし梅野がスリーバントを失敗し、木浪は二塁ゴロ併殺で２点差にとどまった。８回裏は四番手ゲラが三者凡退で抑えると、９回表は五番手今村の前に三者凡退。９回裏、クローザーの岩崎は坂本勇をライトフライ、梶谷を一塁ゴロ、代打岸田をライトフライに打ち取り、逃げ切った。才木が３勝目。岩崎は５セーブ。ヒーローインタビューは先制ホームランと美技の近本。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……村上頌樹 今節のカープ戦は非常に落ち着いた投球で完投勝利。やっと昨シーズンのような投球が見られるようになった。リリーフ陣の出番が多い中、完投で休ませたのも大きい。投球テンポがよいから打線もつながる。次節にもカープ戦が待つ。好投が期待できる。
野手……中野拓夢 今節は中野の好守で助けられた試合が多く、敗れた試合でも中野の守備がなければ大差がついていたと思われた。打撃はまだまだ本調子でなく、盗塁も今季初盗塁をやっと決めた。それだけに、守備での貢献がより大きく光る。
次節は移動日なしの甲子園で今節に続きまたカープ３連戦。大竹を初戦に投入し、村上とあわせて連勝したい。１日置いてベイスターズと横浜スタジアムで３連戦。なぜかベイスターズ線は前回に続いてビジター。まだ甲子園で一度も試合をしていない。ベイスターズ打線は下降気味だが、どうやら帰国した筒香が一軍昇格とのこと。果たして以前のような打棒を発揮できるのか、そこも注目したい。
（２０２４年５月５日記）
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