愛すれどTigers


才木の完封で交流戦初勝利

 今節から交流戦開始。まずは甲子園球場で初日を雨で流してファイターズ2連戦。初戦は大竹が新庄監督の走る野球にかき回されて打たれて負け、2戦目は西勇打たれ、打線も山崎福に手玉に取られて完封負けで0勝2敗。続いてZOZOマリンスタジアムに移りマリーンズ3連戦。初戦は青柳が打たれ、たが打線も美馬を攻略して1点差で勝てそうなところをゲラが同点にされ、延長戦で漆原が押し出し四球でサヨナラ負け。2戦目はビーズリーが好投したが、だせんも1点しか取れず、今度は岩崎が土壇場で同点にされ、またも延長戦で今度は西純が打たれてサヨナラ負け。3戦目は森下の先頭打者ホームランの1点を才木が完封で守り抜き、連敗は5でストップし1勝2敗。今節および交流戦は1勝5敗で今季通算26勝23敗4分の勝率.531で3位に陥落。首位のジャイアンツとは1.0差、2位のカープとは、0.5差でなんとか首位。連敗は止まったが近本を四番に入れる苦肉の策も打線はつながらず貧打は解消できず。ファームで撃ちまくる佐藤輝がいるのに守備も打撃も結果の出ないミエセスが一軍という不思議な選手配置は、岡田マジックも賞味期限切れか。どうやら佐藤輝は守備でエラーしなくなるまでは一軍昇格はないらしい。なんとも苦しい交流戦スタートとなってしまった。

◎ファイターズ1回戦……2-8
 試合開始前、ファイターズの新庄監督はなんとタイガースのレプリカユニフォームを着てメンバー表交換に登場。背番号は新人時代の63。ネームには漢字で「新庄監督」。これには岡田監督も苦笑。握手をし、スコアボードを背景に記念写真。この時点で勝負あった、か。タイガースの先発は大竹。2回表、A・マルティネスは三塁ゴロに打ち取ったが、松本剛のライト前ヒット2と田宮のレフト線への二塁打で無死二三塁とされ、石井一のショートゴロは木浪がバックホームするも悪送球となり、野選とエラーで一気に2点を入れられる。ファイターズの先発は伊藤大。3回裏、センター前ヒットの木浪を大竹がバントで送り、近本のセンター前ヒットで1死一三塁に。中野が歩いて満塁と攻め立てたが、森下は見逃し三振、大山はレフトフライに倒れて逆転機を逸する。4回表、A・マルティネスにセンター前ヒットを打たれるも、松本剛の打席で牽制死。田宮には内野安打を打たれたが後続を断つ。4回裏、前川と木浪のヒットで2死一二塁とされたが、大竹のレフト前タイムリーヒットで1点差に迫る。なおも一三塁と攻めるが、近本はハーフスイングを空振りと取られて三振で同点にはならず。5回表、2死からレフト前ヒットの水谷を置いて、万波にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ3点差に。5回裏、中野が歩き、森下のレフトフライは風に流されレフト前ヒットに。大山の一塁ゴロはA・マルティネスがはじいて満塁とし、渡邉のセンター犠牲フライで2点差とする。伊藤大は5回2失点で交代。6回裏、二番手杉浦の前に三者凡退。7回表、一軍復帰した島本が二番手として登板。1死から水野を歩かせ、代打野村との間でエンドランが決まりレフト前ヒットで一三塁とされると、野村の代走に五十幡。水谷の打席で五十幡は二盗。水谷のセンター前2点タイムリーヒットでまたも4点差に。島本は三番手岡留と交代。後続を断つ。7回裏、三番手マーフィーに対し2死から大山と渡辺の連打でチャンスを作るも前川は投手ゴロに倒れる。8回表、続投の岡留は1死から二塁打の田宮を置いて水野にレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打を打たれ、五十幡にもセンター前タイムリーヒットを打たれて6点差とされる。8回裏、四番手の鈴木健から坂本のヒットと木浪の四球で無死一二塁とするも、代打島田は二塁ゴロ併殺、近本は一塁ゴロに終わる。9回表、四番手浜地は走者を許すも無失点に抑えたが、9回裏、五番手畔柳に対して2死から大山がヒットを放つも渡邉はライトフライに倒れて試合終了。試合前から新庄監督にいいようにされてしまった感がある。
◎ファイターズ2回戦……0-6
 タイガースの先発は西勇。2回表、1死から松本剛のヒットと山崎福への四球で1死一二塁とされるが、三盗を試みた松本剛を梅野が刺す。伏見は三塁ゴロで切り抜ける。3回表、水野がセーフティバントで出塁するも西勇が間一髪で一塁送球。判定はセーフだったが岡田監督のリクエスト申請で覆りアウトに。2死後、万波への死球と水谷の二塁打で二三塁とされるが、郡司を二塁ゴロに打ち取り切り抜けた。4回表、A・マルティネスに右中間に二塁打を打たれ、松本剛のレフト前ヒットは小野寺の好返球で一三塁にとどめる。しかし山崎福のセンター前タイムリーヒットで先制を許し、伏見のバントは西勇が三塁へ悪送球してその間に松本剛が生還して2点差に。水野のライト前2点タイムリーヒットで4点差に。西勇は4回4失点で降板。5回表、二番手浜地はA・マルティネスにレフトフェンスに当たるヒットを打たれたが、小野寺の好守でシングルヒットに。松本剛のライト線への二塁打で無死二三塁とされ、1死後、伏見の二塁ゴロの間にA・マルティネスが生還し5点差に。水野の三塁ゴロは渡邉が落球してその間に松本剛が帰り6点差をつけられた。ファイターズの先発は山崎福。5回裏、森下が二塁打を放つも後続を断たれて得点できず。6回表から8回表は二番手富田が抑える。山崎福は7回無失点で交代。8回裏、二番手山本拓から代打糸原がヒットを放つも後続を断たれる。9回表、四番手漆原は水谷にヒットを打たれが、郡司を投手ゴロ併殺に打ち取る。9回裏、三番手ザバラの前に、大山、渡邉、森下の中軸が三者凡退で連敗を止められず。新庄監督の下、はつらつとプレーするファイターズナインに圧倒されっぱなしの2試合だった。
◎マリーンズ1回戦……4-5
 マリーンズの先発は美馬。2回表、糸原がレフト前ヒット、前川が歩き、1死後、島田の一塁ゴロで2死二三塁とし、坂本誠の三塁への鈍い当たりのタイムリー内野安打で先制。近本が歩いて満塁としたが、中野は二塁ゴロで大量点のチャンスを逸する。タイガースの先発は青柳。友杉にセンター前ヒットを打たれると、和田を歩かせ一二塁に。荻野の二塁ゴロ併殺で2死三塁となり、小川龍のセーフティスクイズが決まりタイムリー内野安打となって岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず同点に。4回裏、ポランコはレフトの頭上を越える二塁打。島田の悪送球でポランコは三進。安田のセンター犠牲フライで勝ち越しを許した。さらに中村奨にレフト前ヒットを打たれ、佐藤都は二塁ゴロで二封。友杉のレフト前ヒットで2死一二塁とされると、和田のライト前タイムリーヒットで2点差とされる。青柳は4回3失点で降板。5回表は二番手島本が小川龍を歩かせたが後続を断つ。6回表、センター前ヒットの糸原を置いて前川がプロ入り第1号となるツーランホームランをライトスタンドへ放ち同点とする。1死後、島田が歩いたところで美馬は降板。二番手は菊地。坂本誠のバントで島田は二進。近本は申告敬遠。ここも中野はショートゴロで得点できず。6回表、三番手石井は三者凡退に抑える。6回裏、1死から大山が右中間に二塁打を放ち、糸原は見逃し三振に倒れたが、前川がバットを折りながらライト前に落ちるタイムリーヒットを放ちついにリード。7回裏、四番手桐敷は2死から小川龍を歩かせ、高部のセンター前ヒットで一三塁とされたが、ポランコを二塁ゴロに打ち取って切り抜ける。8回表、三番手高野脩に対し2死から近本の二塁打と中野のライト前ヒットで一三塁としたが、森下は三塁ゴロで追加点は取れず。8回裏、五番手岩崎は三者凡退に抑える。9回表、続投の高野脩に対し2死から代打原口がレフト前ヒットを放ち代走に熊谷。木浪の打席で熊谷は牽制に釣り出されて二塁憤死。9回裏、クローザーのゲラが友杉にセンター前ヒットを打たれると、和田のバントで友杉は二進。代打ソトを歩かせ、ソトの代走に岡。小川龍を歩かせ満塁とされ、高部のレフトへの犠牲フライで同点に追いつかれる。ポランコは申告敬遠で満塁に。代打大下を捕邪飛に打ち取り、試合は延長戦に。10回表、四番手鈴木昭に対し、1死から植田が今季初安打となるライト前ヒットで出、坂本誠のバントで二進。近本は申告敬遠。ここで中野はまたも一塁ゴロに打ち取られ、チャンスでことごとくブレーキとなってしまった。10回裏、七番手漆原は2死から友杉にレフト前ヒットと二盗、和田を歩かせ、岡のレフト前ヒットで満塁とされ、小川龍に押し出し四球でサヨナラ負けを喫した。再三の追加点のチャンスで中野が打ち取られ、クローザーのゲラをまたも1点差で投入しなければならなくなったのが痛かった。
◎マリーンズ2回戦……2-3
 マリーンズの先発は田中晴。タイガースは三番糸原四番近本と思い切ったオーダー変更。1回表、2死から糸原が歩き近本のライト前ヒットで一二塁としたが、前川は空振り三振に倒れる。タイガースの先発は無失点を続けるビーズリー。3回裏、1死から友杉を歩かせ、友杉は二盗。和田への死球で一二塁とされたが、岡を三塁ゴロ併殺に打ち取る。4回裏、1死から高部の一塁ゴロはビーズリーのベースカバーが一瞬遅くなり内野安打に。2死後、ポランコに死球で一二塁に。安田の一塁線の当たりはベースに当たりライト線へのタイムリー二塁打となり先制を許す。ビーズリーは今季初失点。5回表、渡邉の二塁打と大山の二塁ゴロで1死三塁としたが、木浪は空振り三振。渡邉が離塁しており、佐藤都の送球で三塁に戻れずアウトに。田中晴は5回無失点で交代。二番手は中村稔。6回表、2死から植田が捕手前に内野安打。糸原のセンター前ヒットと近本の四球で満塁にすると、前川の押し出し死球で同点にする。しかし渡邉は見逃し三振で勝ち越しはならず。ビーズリーは6回1失点で交代。7回裏は二番手石井が三者凡退に抑える。8回裏は三番手桐敷がここも三者凡退に抑える。9回表、三番手益田に対し近本の死球と二盗、前川の一塁ゴロで三進。渡邉のレフトへの犠牲フライでついに勝ち越した。9回裏、クローザーの岩崎は1死から代打中村奨をセンター前のフライに打ち取ったが近本のスライディングキャッチも及ばずセンター前の二塁打とされる。佐藤都は空振り三振に取ったが、友杉にレフトの頭を超すタイムリー二塁打を打たれて同点とされ、試合はまたも延長戦に。10回表、四番手坂本光から小幡が一塁外のミットをはじく内野安打で出ると、梅野が送り1死二塁に。中野は死球で一二塁とし、代打森下に賭けたが、ショートゴロ併殺に倒れる。10回裏、五番手西純は岡を歩かせ小川龍のバント、高部の申告敬遠で1死一二塁に。しかしソトは投手ゴロ、ポランコは二塁フライで切り抜けた。11回表、五番手澤田から糸原が歩くが、近本はショートゴロ併殺。島田が歩き二盗。熊谷は三塁ファールフライ。中村奨がタイガースベンチ内に身を乗り出して好捕。11回裏、続投の西純は中村奨にセンター前ヒットを打たれ、佐藤都のバントで1死二塁に。友杉はレフトフライに打ち取ったが、愛斗にライトの頭上を越すサヨナラタイムリー二塁打を打たれ、連敗ストップはならず。延長戦に入ってからの二つの併殺や、熊谷に代打を送らなかった選手起用など、負けるべくして負けたという印象が残った。
◎マリーンズ3回戦……1-0
 タイガース才木、マリーンズメルセデスの投手戦。1回表、先頭の森下がレフトスタンドにソロホームランを放ち、1点先制。これが決勝点となる。1回裏、2死から高部のレフト前ヒットをミエセスが後逸して高部は三進。しかしソトを空振り三振に取って切り抜けた。4回表、この試合も四番に入った近本がライト前ヒットを放ち、原口のショートゴロで二進。大山の二塁ゴロで三進するもミエセスはショートゴロで得点ならず。5回裏、2死から中村奨にショート内野安打を打たれるも佐藤都はセンターフライ。8回表、2死から森下が歩いたが、中野の打席でメルセデスの牽制球に釣り出されて一二塁間で挟殺。8回裏、1死から佐藤都に右中間を破る二塁打を打たれ、代走に和田。友杉のショートゴロで和田は三進。ここも岡を空振り三振に取って切り抜けた。メルセデスは8回1失点で交代。9回表、二番手吉田の前に三者凡退に終わり、1点差のまま9回裏へ。小川龍にセンタへ前ヒットを打たれ、高部のショートゴロは高部が一塁へヘッドスライディングして内野安打に。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。無死一二塁からソトをショートゴロ併殺に打ち取り、2死三塁に。ポランコを二塁ゴロに打ち取り、才木は今季3度目の完封勝利で連敗を5で止め、マリーンズの連勝も11でストップ。ヒーローインタビューは6勝目の才木。

愛すれどTigers週間MVP
投手……才木浩人 文句なし。今季3度目の完封勝利は、オールスターファン投票中間発表で1位というにふさわしい投球。6勝目でジャイアンツの菅野と並び勝利数でもリーグトップに。疲れ気味のリリーフ陣を助けてくれたのも大きい。
野手……糸原健斗 該当者なしと言いたいところではあるが、近本とともになんとか打線を引っ張る役割をしている。昨年は代打のみの出場で苦労したが、やはり先発出場してこそ活躍できる選手なのだ。

 次節は甲子園で6連戦。今節は調子のよいチームとばかり当たってしまったが、次節はイーグルスと、ライオンズと今一つ調子のあがらない相手だけに、何とか立て直してもらいたい。やる気が見えないとか反発心がないとかいう監督のお気に召さない理由で一軍昇格の様子がさっぱりない佐藤輝だが、自分がかつて新人時代に納得のいかない理由でブレーザー監督に起用してもらえなかった時のことを忘れたのだろうか。スター候補である佐藤輝を塩漬けにし、ましてやトレードに出したりしたら、タイガースファンが暴動を起こすぞ、きっと。背に腹は代えられないという状態まで来ているのだから、好き嫌い関係なく選手起用をしてもらいたい。このままでは自慢の投手陣もパンクしてしまう。

(2024年6月3日記)


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