愛すれどTigers


ライオンズに3連勝で再浮上

 今節は甲子園球場で6連戦。まずはゴールデンイーグルス戦。初戦は村上が好投したが、ゲラが打たれて敗れ、ゲラと大山はファームで再調整。第2戦は大竹が好投するも打線が振るわず岩崎で逃げ切ろうとしたがまたも打たれて連敗。第3線は西勇が自らのエラーがらみで失点を重ね、打線は相変わらずつながらず0勝3敗に。やっと佐藤輝と伊藤将を昇格させて臨んだライオンズ3連戦。初戦は伊藤将が踏ん張り、打線も久々につながり連敗を止める。2戦目はビーズリーが完投して打線も活発になり連勝。3戦目は才木がもう少しでノーヒットノーランという好投を見せ、打線も中野の活躍でワンチャンスをものにして3勝0敗。今節3勝3敗。交流戦は4勝8敗で今季通算29勝26敗4分の勝率.527で2位に浮上。首位のカープとは1.0差。やっと佐藤輝を昇格させたことで四番に入っている近本も機能し始めた。なにより森下と前川が調子を取り戻したのが大きい。佐藤輝が打ててなくても、打線に与える影響はあるのだ。また、課題の守備でははつらつとした動きを見せているのも効果的。不調のライオンズには通用したが、次節の残り7試合はどうか。

◎ゴールデンイーグルス1回戦……1-3
 タイガース村上、イーグルスポンセの投手戦。1回表、2死から辰己を歩かせ、鈴木大にプロ通算1500本目となるライト前ヒットを打たれたが、渡邊佳を空振り三振に取って切り抜ける。3回まで一人の走者も出せずに抑えられていたタイガース打線だったが、4回裏、中野のライト前の当たりはライトが後ろにそらし三塁打となる。小幡は空振り三振に倒れたが、森下は左中間を深々と破るタイムリー三塁打で先取点を取る。しかし近本はショートフライ、糸原は二塁ゴロで追加点が取れず、これが後々まで響いた。5回表、太田にレフト前に二塁打を打たれると、ポンセのバントで三進。小郷は空振り三振に取ったが、村林にセンター前に落ちるタイムリーヒットを打たれて同点とされる。6回表、ライト前ヒットの鈴木大を渡邊佳が送り、1死二塁とされたが、フランコのショートゴロは小幡が判断よく三塁に送球し鈴木大はタッチアウト。小深田にショート内野安打を打たれたが、太田は見逃し三振で切り抜けた。6回裏、1死から中野のショート内野安打と小幡のバントで2死二塁とするも、森下はセンターフライで追加点が遠い。村上もポンセもとも6回1失点で交代。7回表、二番手桐敷は小郷の内野安打と村林のヒットで1死一二塁とされるが辰己を空振り三振に取り、鈴木大をショートゴロに打ち取り得点は許さず。7回裏、二番手酒居の前に三者凡退。8回表、三番手石井は2死から小深田と太田の連打、代打浅村への四球で満塁とされたが、小郷のショートゴロで三封して無失点で切り抜けた。8回裏、三番手宋に対し、渡邉諒がセンター前ヒットを放つと、代走に熊谷。梅野のバントで二進。木浪が歩いて一二塁としたが、中野はレフトフライ、代打原口は三塁ゴロでここも得点できず。9回表、四番手岩崎は村林を歩かせ、辰己の二塁ゴロで二進。しかし鈴木大はライトフライ、渡邊佳は見逃し三振でここも切り抜けた。9回裏、四番手鈴木翔の前に三者凡退。試合は延長戦に。10回表、クローザーのゲラはフランコにセンター前ヒットを打たれると、小深田のバントで二進。太田は空振り三振に取ったが、代打茂木に右中間を破るタイムリー三塁打を打たれ、さらに小郷にタイムリー二塁打を打たれて降板。ここでゲラは降板。六番手漆原は村林を空振り三振に取る。10回裏、クローザー則本に対し1死から代打ミエセスが今季初安打となるレフト前ヒットを放ち、2死後、木浪のレフト前ヒットで一三塁とした。しかし中野は空振り三振に倒れ、このカードも初戦を取ることができなかった。
◎ゴールデンイーグルス2回戦……2-3
 タイガース大竹、イーグルス内の投手戦。1回裏、中野がライト線へ二塁打を放つと、前川の二塁ゴロで三進。しかし森下は捕邪飛、近本は一塁ゴロで先制機を逸する。3回裏、坂本と大竹は連続空振三振に倒れたが、ライト前ヒットの中野を置いて前川が右中間を破るタイムリー二塁打で先制。森下は三遊間の当たりをショーと村林に好捕されるも内野安打。2死一三塁と攻めたが近本は一塁ゴロに倒れ追加点は取れず。4回表、辰己にレフト前ヒットを打たれたが、鈴木大の一塁ライナーを渡邉諒が好捕、鈴木大は帰塁したが間一髪手渡邉諒が一塁ベースを先に踏み併殺に。フランコは見逃し三振。4回裏、1死から渡邉諒が背中に死球で出るも木浪はショートゴロ併殺。5回表、1死から太田にレフト前ヒットを打たれたが、内のバントは捕邪飛。小郷にはセンター前ヒットを打たれたが、村林の強烈な三塁へのライナーは三塁糸原の正面を突きアウトに。5回裏、坂本の三塁ゴロは三塁鈴木大がはじいてエラーで出塁。大竹のバントは鈴木大が好捕して二封。中野のライト前ヒットと前川の四球で1死満塁とし、森下のセンター前に落ちるタイムリーヒットで2点差に。しかし近本の一塁ゴロは本封。糸原は二塁ゴロでビッグイニングは作れず。6回裏、1死から鈴木大にレフト前ヒットを打たれるも渡邊佳のセンター頭上を襲う大飛球は近本が背走して好捕。鈴木大は抜けたと思い二塁を回っていたため帰塁できずここも併殺に。6回裏、渡邉諒のレフト前ヒットは内の暴投もあり2死二塁に。大竹の二塁内野安打で一三塁としたが、中野は三邪飛で追加点は取れず。7回裏、1死から小深田にレフト前ヒットを打たれ、太田は見逃し三振に取ったが、代打浅村に対し、大竹は降板。二番手は石井。浅村にセンター前ヒットを打たれて一三塁に。三番手島本に交代。島本は小郷を歩かせ、四番手漆原に交代。村林はセンターフライに打ち取り切り抜けた。内は6回2失点で交代。7回裏、二番手ターリーの前に前川と森下の連続三振などで三者凡退。8回裏、五番手桐敷は辰己に二塁打を打たれると、鈴木大の二塁ゴロで三進を許し、代打阿部のショートゴロの間に辰己が生還して1点差に。この失点が大きく響く。8回裏、渡辺翔の前に三者凡退に終わり、9回表、クローザーの岩崎はヒットの小深田を太田に送られ、代打石原は空振り三振に取ったが、小郷にライトスタンドに逆転ツーランホームランを打たれて勝ち越しを許す。村林はレフトフライに打ち取ったが、痛恨の一発を食らった。9回裏、クローザーの則本に対し代打原口は死球にガッツポーズで歩く。原口の代走に植田。代打梅野のバントで植田は二進。中野が歩きサヨナラのチャンスを作るも島田の二塁ゴロ併殺で試合終了。岡田監督のリクエスト申請もむなしく判定は変わらず。チーム全体が守りに入り、前川を早々と守備固めの島田に交代させていたのが裏目に出た。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……1-4
 タイガースの先発は西勇。1回表、小郷を歩かせ、1死後、辰己の左中間を破る二塁打で二三塁とされる。鈴木大にライト前2点タイムリーヒットを打たれ、先取点を許した。イーグルスの先発は藤井。3回裏、梅野がライト線を破る二塁打で出ると、木浪の二塁ゴロで三進。西勇のセンター前タイムリーヒットで1点差に迫ったが、反撃もここまで。以降はまた藤井の前に凡打の山。4回表、鈴木大にライト前ヒットを打たれると、フランコのショートゴロで鈴木大は二進。阿部は三塁ライナーに打ち取ったが、小深田の投手ゴロは西勇がはじいてしまい、焦って一塁へ悪送球。その間に鈴木大が生還し2点差に。小深田も二進。太田を申告敬遠で一二塁としたが、藤井にプロ入り初安打初打点となるライト前タイムリーヒットを打たれて3点差とされる。6回表、フランコを歩かせ、1死後、小深田の投手ゴロで二封。太田の打席で小深田が二盗を試みるが、梅野が強肩で刺す。西勇は6回4失点で降板。7回表と8回表は富田がきっちりと抑えた。8回裏、藤井に疲れが見え始め、梅野は四球。代打小野寺は四球を狙い見逃し三振。ここで代打ミエセスを起用するも、藤井が降板し二番手の宋がマウンドに上がったところで代打の代打に糸原。糸原はセンター前に落ちるヒット性の打球を放ったが、センター辰己がスライディングキャッチの美技。中野はショートゴロに倒れ、無死四球の走者をも生かせず。9回表、三番手浜地も三者凡退に抑えたが、9回裏、三番手鈴木翔に対し、1死から森下がレフト前ヒットを放ったのみで、近本、原口はともに内野フライに倒れて3連敗。フルカウントから見逃し三振をする代打小野寺がフルスイングで三振し相手をビビらせる佐藤輝より上とは思えないが、毎打席ホームランを放つようになるまでは佐藤輝の一軍昇格はないらしいので、今季は佐藤輝はずっと二軍で「塩漬け」か。
◎ライオンズ1回戦……5-1
 この試合から小野寺がファームへ。そして伊藤将が昇格して先発。ファームで好調の佐藤輝と豊田をついに昇格させた。その効果はすぐに現れる。ライオンズの先発は與座。2回裏、佐藤輝がセンター前ヒットで出ると、渡邉との間でヒットエンドランが決まりセンター前に落ちるヒットで一二塁に。坂本のバントで二三塁とし、木浪の一塁ゴロで佐藤輝は本塁へヘッドスライディングで生還し先制点をあげる。3回裏、1死から前川が歩き、森下のライト前へのテキサス製のヒットで一二塁に。近本が歩いて満塁に。しかしここは佐藤輝がショートへのフライ、渡邉がセンターフライで追加点はならず。4回裏、坂本のレフト前ヒットの後、木浪は見逃し三振に倒れたが伊藤将はスリーバントを決めて2死二塁に。中野が歩いて一二塁とし、前川のレフト前タイムリーヒットで2点差に。伊藤将は4回まで快調に投げていたが、5回表、2死から西川を歩かせ古賀のライト前ヒットで一三塁とされると、代打長谷川のレフト前タイムリーヒットで1点差とされる。源田の三遊間の当たりは木浪がよく抑えたが送球できず内野安打で満塁に。しかし滝澤を二塁ゴロに打ち取り同点にはさせず。與座は4回2失点で交代。5回裏、二番手中村祐には佐藤輝のヒットだけに抑えられる。6回裏、三番手田村から木浪がレフト前ヒットを放つと、伊藤将のバントで二進。中野の二塁ゴロは二塁山野辺が弾いて一二塁に。前川は四球で満塁とし、森下の一塁ゴロの間に木浪が生還して2点差に。さらに近本のライト線への2点タイムリー三塁打で4点差とする。7回表、山野辺の投手強襲のヒットは伊藤将の左足に当たり、ダグアウトに戻って治療。マウンドに戻り、西川を捕邪飛に打ち取るが、古賀の打席で山野辺は二盗。古賀のセンターフライで山野辺は三進。しかし代打炭谷を二塁へのフライに打ち取り得点を許さず。7回裏は四番手豆田の前に三者凡退。伊藤将は7回1失点で交代。8回表は二番手桐敷が源田のヒットと栗山への四球で1死一二塁とされたが、中村剛を空振り三振に取ると、蛭間を投手ゴロに打ち取り切り抜ける。8回裏、五番手上田の前に三者凡退。9回表、三番手漆原は山野辺と西川の連打で無死一二塁とされたが、代打鈴木将を見逃し三振に取ると、炭谷はレフトフライ、源田はショートゴロに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは3勝目の伊藤将、タイムリーヒットの前川、四番打者初打点となったタイムリー三塁打の近本。
◎ライオンズ2回戦……4-1
 タイガースの先発はビーズリー。2死から栗山にライト前ヒットを打たれるが、元山は二塁ゴロ。2回以降、得意のスライダーを駆使し、ライオンズ打線を封じこめる。ライオンズの先発は高橋光。1回裏、中野の二塁ゴロはベースカバーの高橋光が触塁していないとセーフの判定。渡辺監督代行のリクエスト判定で覆り、アウトに。この回は三者凡退。3回裏、梅野がセンター前ヒットで出ると、木浪はライト前ヒットで続く。ビーズリーのバントは一塁元山が三塁に送球して三封。中野のライト線へのタイムリー二塁打で先取点を奪うと、2死後、森下のレフト前2点タイムリーヒットで3点差とする。5回裏、1死から中野のセンター前に落ちるヒットと、前川のライト前ヒットで一三塁に。三塁滝澤が中野にタッチしたとアピールし、渡辺監督代行がリクエスト申請したが、ノータッチで判定は覆らず。森下のセンター前タイムリーヒットで4点差とする。6回表、滝澤の三塁への内野安打と代打陽川の四球で無死一二塁に。源田の投手ゴロで1死二三塁とされたが、山野辺は空振り三振、栗山は見逃し三振で切り抜けた。高橋光は5回4失点で降板。6回裏、二番手豆田から渡邉諒がセンター前ヒットを放つも梅野と木浪は連続三振、ビーズリーはライトフライで追加点はならず。7回裏、三番手ヤンに対し前川と近本のヒットで2死一二塁としたが、佐藤輝は二塁ゴロに倒れる。8回裏、四番手平井から渡邉諒が二塁打を放ち梅野が歩いて無死一二塁としたが、後続を断たれて追加点は取れず。9回表、完封を狙うビーズリーは源田にセンター前ヒット、山野辺に四球、栗山の打席で暴投して無死二三塁とされ、栗山は一塁へのライナーに打ち取ったが、元山の二塁ゴロの間に源田が生還して完封を逃す。それでも長谷川をレフトフライに打ち取り、来日初完投勝利を飾った。ヒーローインタビューは3勝目をあげたビーズリー、先制打の中野、3打点の森下。
◎ライオンズ3回戦……3-0
 タイガース才木、ライオンズ渡邉勇の投手戦。3回表、1死から滝澤を歩かせたが、渡邉勇はスリーバント失敗。奥村の一邪飛は打球を追った渡邉諒がカメラマン席に背中から落ち、しばらく立ち上がれず。なんとか立ち上がることはできたが、一塁は糸原と交代。奥村は空振り三振に取る。3回裏、2死から中野がレフト前ヒットを放ち、渡邉勇の暴投で二進。しかし前川はショートフライに倒れる。5回表、佐藤龍を歩かせ、源田のバントと古賀のショートゴロで三進を許す。しかしここも滝澤を空振り三振に取り切り抜ける。5回裏、1死から木浪が歩き、才木のバントで二進したが、中野はショートゴロに倒れる。6回裏、前川のライト前ヒットと森下の四球で無死一二塁としたが、近本はセンターフライ、佐藤輝はショートゴロ併殺に倒れる。7回裏、糸原がセンター前ヒット、梅野がライト前ヒット、木浪の送りバントで1死二三塁に。才木は空振り三振に終わったが、中野が前進守備のセンターの頭上を越す2点タイムリー三塁打でついに先制。前川のライト前タイムリーヒットで3点差とする。森下のレフト前ヒットで一二塁とし、ここで渡辺勇は降板。二番手ヤンに対し近本がレフト前に落ちるヒットを放ち満塁としたが、佐藤輝はライトフライに倒れた。8回表、才木は足がつって一度ダグアウトに戻り治療。1死までノーヒットノーランを続けていた才木だったが、代打山野辺にライトフェンスに当たる三塁打を打たれ、ノーヒットノーランはならず。代打鈴木将を三塁フライに打ち取る。代打中村は歩かせたが、奥村は二塁フライに打ち取った。8回裏、三番手上田から糸原が二塁打を放ち、代走に植田。梅野のバントと木浪と代打原口の四球で1死満塁としたが、中野は一塁ゴロで本封。前川のライトの頭上を襲う当たりはライト長谷川に好捕され、惜しくも追加点はならず。9回表、クローザーの岩崎が久々の登板。2死から陽川にライト前ヒットを打たれたが、佐藤龍をライトフライに打ち取って逃げ切った。岩崎は9セーブ。ヒーローインタビューは両リーグトップの7勝目をあげた才木、先制打の中野。

愛すれどTigers週間MVP
投手……才木浩人 ノーヒットノーラン目前で足がつるアクシデント。それがなければ大記録を達成していただろう。両リーグトップの7勝目で、このまま次節のホークスの強力打線にも通用しそうだ。日曜日、才木が勝つと次節に向けて切り替えられるのだ。
野手……前川右京 中野の後の二番に入り、思い切ったスイングで力強い打球を連発。また、追いこまれたら流し打ちでヒット狙いの打撃もできる。佐藤輝や森下が後ろに控えていることで、思い切りのよいバッティングができている。この調子で次節も打ちまくってもらいたい。

 次節は京セラドームでバファローズ3連戦。ジャイアンツに3連勝して調子に乗るバファローズだが、京セラドームは準本拠地で慣れているだけに、村上や大竹、西勇も自分の投球ができるだろう。みずほペイペイドームに移ってホークス3連戦。この3試合が正念場だが、ビーズリーと才木が自分の投球をすれば、さしもの強力打線もそう簡単に攻略はできないだろう。柳田が長期離脱しているのもホークスファンには悪いがタイガースの投手陣には好材料。そして1日おいて雨で流れた甲子園のファイターズ戦が1試合。ホークス戦の結果次第だが、ここは村上できっちりと交流戦を締めてもらいたいものだ。というわけで、次回更新は来週水曜日になります。

(2024年6月10日記)


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