今節はまず、京セラドーム大阪でバファローズ戦。第1戦は村上が打たれ、打線は曽谷の前に得点できず。第2戦は大竹が打たれ、エスピノーザに打線が抑えこまれ連敗。第3線は西勇が打線の援護もあり古巣から今季初完封勝利で連敗を止め、1勝2敗に。福岡に移動してみずほペイペイドームでホークス戦。初戦は伊藤将とモイネロの投手戦でワンチャンスをものにされ敗れ、2戦目はビーズリーが今季初めて打ちこまれて連敗。しかし3戦目は才木が好投し、前川の満塁ホームランで連敗を止め1勝2敗。1日おいて雨で延期になっていたファイターズ戦を甲子園で。村上は好投していたが5回で交代。リリーフの桐敷らが打たれて同点、延長戦は矢澤のサヨナラ暴投で交流戦最終戦を締めた。今節は3勝4敗。交流戦は7勝11敗で10位に終わったが、3勝した才木がリーグ優秀選手賞に選ばれた。今季通算32勝30敗4分の勝率.516で2位を維持。一時は4位にまで落ちたが、なんとか踏みとどまった。首位のカープとは2.5差。ただ、木浪がホークス戦での死球で背中を骨折し、戦線離脱。小幡がチャンスをつかむか、高寺や遠藤ら若手が昇格するのか、岡田監督の判断が今後のカギになる。
◎バファローズ1回戦……0-4
タイガース村上、バファローズ曽谷の投手戦。1回表、1死から前川がセンター前ヒットを放つも森下と近本は連続三振。2回表、渡邉とミエセスのヒットで1死一三塁としたが、木浪の一塁ゴロで渡辺が本塁を狙い三本間で挟殺。2死一二塁となり梅野は三塁ゴロに倒れて先制機を逸する。2回裏、2死から宗にセンター前ヒットを打たれるも杉本は三塁ゴロ。4回表、近本は空振り三振に倒れたが、渡邉がセンター前ヒットを放つ。しかし佐藤輝、ミエセスが連続三振で走者を生かせない。5回表は木浪、梅野、中野が三者三振と曽谷の前に手も足も出ず。5回裏、センター前ヒットの紅林を宗のバントと杉本の一塁ゴロで三塁に進められ、頓宮に右中間を破るタイムリー二塁打豊たれて先制点を許す。6回表、前川と近本のヒットで1死一二塁としたが、渡邉のヒット性の当たりは三塁宗の正面を突くライナーに。佐藤輝は鈍い当たりの一塁内野安打で満塁としたが、ミエセスは見逃し三振で逆転機を逸した。6回裏、1死から来田と太田の連打で一三塁とされ、西川のライト前タイムリーヒットで2点差とされる。紅林にもライト前ヒットを打たれ満塁とされたが、宗は二塁ゴロ併殺で大量点は許さず。曽谷は6回無失点で交代。7回表、二番手山田修の前に木浪、梅野、中野がまたも三者三振。8回表は三番手古田島の前に三者凡退。8回裏、村上はついに力尽き、球は真ん中に集まる。1死から来田と太田の連続二塁打で3点目を失うと、西川のセンター前タイムリーヒットで4点差に。それでも後続を断ち、8回4失点完投。9回表、四番手本田に対し三者凡退で締められ、連勝ストップ。曽谷から得点機は作るがあと1本が出ず、村上を見殺しにしてしまった。
◎バファローズ2回戦……0-4
タイガースの先発は大竹。2回裏、西川を空振り三振に取るも、紅林にセンター前ヒットを打たれる。それでもセデーニョを三塁ゴロ併殺に打ち取り、佐藤輝の守備も軽快。4回裏、中川圭に三塁内野安打を打たれ、来田のバントで二進。太田のショートゴロは木浪が判断よく三塁に送球し、中川圭はタッチアウト。しかし西川を歩かせて一二塁とされ、紅林にレフト前タイムリーヒットを打たれて先制点を許す。続くセデーニョを歩かせて満塁とされ、宗のレフト前2点タイムリーヒットで3点差とされた。バファローズの先発はエスピノーザ。5回まで一人の走者も出せず。6回表、1死からついに木浪にセンター前ヒットが出たが、坂本と中野はフライアウトで後続を断たれる。6回裏、1死からセンター前ヒットの西川を置いて紅林に右中間を破られるタイムリー二塁打を打たれて4点差に。セデーニョを歩かせて一二塁とされたが、宗は見逃し三振、頓宮はレフトフライでさらなる追加点は許さず。7回表、2死から近本の一塁ゴロはベースカバーに入ったエスピノーザの触塁が一瞬遅く、判定はアウトだったが岡田監督のリクエストで覆り内野安打に。糸原のライト前ヒットで一三塁とし渡邉諒が歩いて満塁に。ここでエスピノーザは降板。二番手富山の前に佐藤輝は空振り三振で反撃はならず。7回裏、二番手西純は三者凡退に抑える。8回表、三番手本田から坂本がヒットとボークで二進するが、前川がライトフライに倒れて得点できず。8回裏、続投の西純は太田の投手ゴロをはじき、焦って一塁に悪送球。しかし西川と紅林を連続外野フライに打ち取り、セデーニョを歩かせて二塁走者太田の代走に山足。一二塁のピンチも宗を二塁ゴロに打ち取り切り抜けた。9回表、四番手マチャドに対し2死から糸原と渡邉諒が歩くがなぜか代走は出さず。佐藤輝の一塁ゴロで逃げ切られた。好投のエスピノーザに対して全くの無策。大竹がピンチになってもリリーフは出さず、9回のチャンスにも代走は無送らない。岡田監督の無策で淡白な試合に終わってしまった。
◎バファローズ3回戦……5-0
タイガースの先発は西勇。1回裏、来田のレフトフライを豊田が落球しエラーで出塁を許し、西野のライト前ヒットで無死一二塁に。廣岡はバントができずツーストライクから打って出てセンターフライと走者は進塁できず。西川のショートライナーで来田は二塁から飛び出し、木浪が二塁ベースを踏み併殺に。バファローズの先発は田嶋。2回表、1死から原口が歩き、ミエセスのショートゴロで二封。豊田がプロ入り初安打となるライト前ヒットを放ち一二塁に。梅野のレフト前ヒットで満塁とするも木浪はセンターフライで先制機を逸する。3回表、1死から中野のヒットと渡邉の四球で一二塁としたが、近本は二塁ゴロ併殺。4回表、原口が四球で出ると、1死後、豊田が左中間フェンスに当たる二塁打で二三塁とする。梅野のショートゴロは紅林がバックホームするも原口がタッチをかいくぐり野選となりホームイン。中島監督のリクエスト申請も判定は覆らず。木浪のライト線のタイムリー二塁打で2点差とし、なおも二三塁で森下がレフトを越す2点タイムリー二塁打で4点差とする。田嶋は5回4失点で降板。6回表は二番手吉田に抑えられる。6回裏、二塁打の若月は来田の一塁ゴロで三進。しかし西野の浅いレフトフライ、廣岡の二塁へのフライで切り抜けた。7回表、三番手才木海から原口がレフトスタンドにソロホームランを放ち5点差とした。8回裏、2死から代打杉本と来田の連打で一二塁とされるも代打森をショートフライに打ち取る。9回表は四番手鈴木博の前に三者凡退。9回裏、廣岡にレフト前ヒットを打たれたが、西川はライトフライ、紅林もライトフライ、宗もライトフライに打ち取って西勇は完封勝利で連敗を止めた。ヒーローインタビューは3勝目を完封で上げた西勇。
◎ホークス1回戦……0-2
タイガース伊藤将、ホークスモイネロの投手戦。1回表、2死からノイジーがレフトフェンスに当たる二塁打、近本の二塁内野安打で一三塁としたが、原口は空振り三振で先取点は取れず。2回表、渡邉のレフト線の二塁打でチャンスを作るも、豊田のショートゴロで渡邉は三封。坂本はショート内野安打でつなぐが木浪の二塁ゴロ併殺でチャンスを生かせず。2回裏、1死から近藤にセンター前ヒットを打たれるも柳町を二塁ゴロ併殺に打ち取る。4回表、1死から原口が歩き、今季初盗塁。しかし渡邉は空振り三振、豊田は一塁ライナーに倒れる。5回表、レフト前ヒットの坂本を木浪が送るが、森下と中野は連続空振三振。5回裏、2死から笹川にプロ入り初安打となるセンター前ヒットを打たれ、二盗を許す。廣瀬にプロ入り初となるツーランホームランをレフトホームランテラスに放りこまれ、先制点を許し、これが決勝点となる。6回表、1死から近本がセンター前ヒットと二盗でまたもチャンスを作るが原口と渡邉は連続空振三振で得点できず。7回裏、1死から甲斐の二塁打と笹川の三塁ゴロエラーで一二塁とされるも、廣瀬はショートゴロで二封。周東をレフトフライに打ち取り追加点は許さず。モイネロは7回無失点で交代。8回表、二番手松本裕に対し1死から中野がレフト前ヒットを放つも、ノイジーは空振り三振、中野は二盗失敗の併殺に終わる。8回裏、伊藤将は三者凡退に抑えて完投。味方の反撃を待つ。9回裏、クローザーのお砂から近本が二塁ゴロエラーで出るが、代打糸原はレフトフライ、代打前川は一邪飛、代打佐藤輝は空振り三振と代打攻勢も実らず完封負け。好投の伊藤将を見殺しにした。
◎ホークス2回戦……2-6
ホークスの先発は東浜。1回表、近本が三塁内野安打と二盗で無死二塁とするが、中野はレフトフライ、森下は空振り三振、佐藤輝はライトフライと先制機を逃す。タイガースの先発はビーズリー。周東にセンター前ヒットを打たれ二盗。今宮を歩かせ、栗原のバントで1死二三塁に。山川は空振り三振に取ったが、近藤にレフトホームランテラスにスリーランホームランを打たれて3点先制される。2回裏、2死から廣瀬にセンター前ヒットを打たれ、周東の打席で二盗されるも、岡田監督のリクエスト申請で判定が覆りタッチアウトに。3回以降は立ち直ったビーズリーだったが、5回裏、笹川にプロ入り初となるソロホームランをライトスタンドに打たれ、1死後周東を歩かせ、今宮のライト前タイムリーヒットで5点差に。ライト森下は捕球し損ねてその間に今宮は二進。ここでビーズリーは降板。二番手富田は栗原をライトフライに打ち取り、今宮は三進。山川にレフトフェンスに当たるタイムリーヒットを打たれて6点差とされる。6回表、中野がライト前ヒットを放つも、森下のショートゴロで二封。佐藤輝はライト線に二塁打を放ち1死二三塁とする。前川の一塁ゴロの間に森下は生還し5点差とするが、糸原はショートゴロに倒れて追加点は取れず。6回裏、三番手島本は三者凡退に抑える。東浜は6回1失点で交代。7回表、二番手杉山から中野が四球を選び、暴投で二進。しかし木浪と梅野は連続空振三振。近本はレフトフライに倒れて得点できず。7回裏、地元出身の四番手浜地は三者凡退に抑える。8回表、三番手長谷川に対し中野の四球と森下のレフト前ヒットで無死一二塁に。2死後、糸原のセンター前タイムリーヒットで4点差とするも反撃はここまで。交代した四番手津森の前にノイジーは空振り三振に倒れる。8回裏、五番手漆原は2死から近藤と代打中村晃を連続で歩かせたが、買いを三塁ゴロに打ち取り追加点は許さず。9回裏、五番手ヘルナンデスから木浪が背中に死球。代走に小幡。梅野のセンター前ヒットで無死一二塁としたが、近本はセンターフライ、中野は空振り三振、森下は二塁へのフライで走者を返せず逃げ切られて連敗。
◎ホークス3回戦……4-1
ホークスの先発は石川。1回表、1死から中野がユニフォームをかする死球。すぐに二盗し、渡邉諒は四球。佐藤輝のライト前ヒットで満塁とし、前川がプロ入り初の満塁ホームランをライトスタンド中段に放ち先制。タイガースの先発は才木。周東の一塁線の当たりはベースに当たって大きく弾み内野安打に。今宮をセンターフライに打ち取ったが、栗原の打席で周東が二盗。ここは栗原を捕邪飛、山川をセンターフライに打ち取って切り抜けた。2回裏、1死から中村晃にライト前ヒットを打たれるも、甲斐のライトへのファールフライは森下が客席に身を乗り出して好捕。笹川を見逃し三振にとってここも無失点。3回表、中野と渡邉諒が連続空振三振の後、佐藤輝が左中間を破る二塁打を放つも前川は見逃し三振で追加点はならず。3回裏、廣瀬は投手前の内野安打で出塁したがね周東は投手ゴロを才木が好判断で二封。今宮の打席で周東がまたも二盗。梅野の悪送球で三進。しかし栗原は二塁へのゴロでここも切り抜けた。4回表、1死から森下がレフトを越すヒットで出るも、小幡とのヒットエンドランは小幡が二塁へのフライに倒れ、走っていた森下は帰塁できず併殺に。石川は5回4失点で降板。6回表と7回表は二番手又吉に抑えられる。6回裏、今宮、栗原、山川を三者連続空振三振に取る。しかし7回裏、西川にライトホームランテラスにソロホームランを打たれて3点差とされ、才木は7回1失点で交代。8回表、三番手大山凌から梅野が歩くが近本は二塁ゴロで二封。中野はショートゴロ併殺に倒れる。8回裏、二番手桐敷は三者凡退に抑える。9回表、続投の大山凌の前に、渡邉諒、佐藤輝、前川が三者連続空振三振。9回裏、クローザーの岩崎は2死から近藤に大きなファールを打たれ、勝負を避けて歩かせ、中村晃を空振り三振に取って逃げ切り10セーブ。才木が8勝目をあげた。ヒーローインタビューは先生の満塁ホームランを放った前川。
◎ファイターズ3回戦……2-1
タイガース村上、ファイターズ細野の投手戦。細野はドラフト1位でプロ入り初登板初先発。3回までタイガース打線を完全に抑えこむ。村上も快調。2回表、万波を空振り三振、水野のレフトへのファールフライは前川がスライディングキャッチで好捕。進藤はショートゴロ。4回裏、近本と中野が連続空振り三振の後、渡邉がセンター前にチーム初安打を放つが、佐藤輝はレフトフライに終わる。5回表も上川畑を歩かせたが、進藤と細野は空振り三振に取るなど完封ペース。5回裏、前川が歩き、森下の打席で暴徒で二進。森下のセンター前ヒットで無死一三塁に。梅野のセーフティスクイズは投手の正面に。それでも強引に突っこんだ前川は憤死。小幡は四球で1死満塁。ここで細野は降板。二番手は宮西。驚いたことに好投の村上に代打原口を送る。原口はライトへのファールフライだが森下はタッチアップせず犠牲フライにはならず。近本のセンター前タイムリーヒットで1点先制。しかし中野は見逃し三振でビッグイニングは作れず、村上を降板させた意味がなくなった。6回表、二番手石井は郡司にライト前ヒットを打たれたが、松本剛のショートゴロは小幡が好捕して二封。水谷の打席で一塁走者の松本剛は牽制死。水谷は空振り三振。6回裏、三番手ザバラに対し渡邉、佐藤輝が連続空振り三振。前川は死球で出たが、森下は三塁ゴロに倒れる。7回表、続投の石井は1死から万波にセンター前ヒットを打たれ、三番手桐敷と交代。水野の三塁へのバントで万波は二進。代打清宮にライト前タイムリーヒットを打たれて同点にされる。7回裏、四番手杉浦に対し1死から小幡の四球とノイジーのセンター前ヒットで一二塁としたが、近本はライトフライ。ここで五番手河野がマウンドに。中野はショートへのフライに倒れて得点機を逸する。8回表、続投の桐敷はレフト前ヒットの田宮が郡司の三塁ゴロと松本剛のショートゴロで三進。水谷を申告敬遠し、水野の代走に五十幡。代打レイエスの打席で五十幡は二盗。しかしレイエスを空振り三振に取り切り抜けた。8回裏、六番手マーフィーの前に渡邉、佐藤輝、代打糸原が三者空振り三振。9回表、四番手岩崎は1死から水野にセンター前ヒットを打たれたが、清宮はライトフライ、上川畑の打席で水野を牽制球で釣り出し一二塁間で挟殺。9回裏、続投のマーフィーに対し2死から小幡がヒットで出たが後続を断たれて試合は延長戦に。10回表は五番手漆原が三者凡退に抑える。10回裏、七番手田中正の前に三者凡退。11回表、六番手島本は1死から五十幡にセーフティバントを仕掛けられるが佐藤輝が素手で好捕し好送球の美技でアウトに。代打野村は空振り三振に取る。11回裏、八番手矢澤に対し1死から代打豊田がセンター前ヒットで出ると、代走に植田。森下のショートゴロは水野がはじき1死一三塁に。梅野の打席で矢澤は暴投、捕手田宮のミットをはじいて後方にそれ、植田が生還してサヨナラ勝利。島本が今季2勝目。ヒーローインタビューはサヨナラ冒頭の際に打席に立っていた梅野が、プロ入り1000試合出場の祝いも兼ねて選ばれた。「21日も勝つばーい」と決まり文句で締めた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝 打線の援護に恵まれず勝ち星から見放されていたが、古巣バファローズ相手に見事な完封。リーグ戦再開に弾みをつける勝利となるか。
野手……前川右京 前節に続いて打撃好調。ホークス戦ではプロ第2号を満塁ホームランという派手な、そして才木を援護する効果的な一打で文句なく連続MVP。この調子で外野の一角を自分のものにしていきたい。
次節はリーグ戦再開。甲子園でのベイスターズ3連戦で始まる。交流戦で負け越したが、セ・リーグは団子状態。残り80試合、岡田監督の鋭すぎる嗅覚と選手に対する当たりの強さが吉と出るか凶と出るか。実際、「村上に勝ちをつけさせたかった」と5回に代打を出した後、村上は憮然とした表情をしていた。ファインプレー続出でなんとか勝ってもそこはほめずに走塁についてくさしたが、選手はどう受け止めているのか。勝っているときはどんな言葉もいいほうに響くが、負けがこんだ時のこういう言葉や行動は逆効果になる。それで優勝を逃したシーズンもあったことを岡田監督には自覚してもらいたい。あの村上の憮然とした表情は、監督と選手の間に亀裂が入るもののように見えた。
連覇はおろか、Bクラス転落の危機である。このリーグ戦再開の3連戦が大きな転機となるのではないか。
(2024年6月19日記)