今節は倉敷マスカットスタジアムの初戦と甲子園球場の2戦でドラゴンズ戦。第1戦は才木と小笠原の投手戦で板山にタイムリーを打たれて古巣に恩返しをされ敗れ、第2戦は大竹と涌井が一歩も譲らず引き分け、第3戦目は梅津を打ちこみ、村上の好投で勝ち、1勝1敗1分。神宮球場のスワローズ戦は雨で1試合流れ、第1戦は伊藤将が初回から打ちこまれて敗れ、第2戦は西勇の好投と打線のつながりで楽勝パターンと思われたが、桐敷が打たれ、急遽マウンドに上がった漆原と岩崎が打ちこまれて逆転負けで0勝2敗。今季通算34勝34敗5分の勝率.500で4位に陥落。首位のカープとは4.0差。3位のジャイアンツとは0.5差。四番に起用されてバッティングが狂った近本を外し、変わった島田が活躍し、また佐藤輝がホームランは出ないものの復調。復帰した大山もホームランを放つなど打線は復調気味だが、選手は何か焦り、コーチ陣は委縮し始めている。岡田監督はバファローズ時代の失敗をまた繰り返そうとしているのか。思うようにいかないときの談話での選手やコーチへの当たりがきつくなっている。チーム全体に漂うムードがこれ以上悪化しなければいいのだが。
◎ドラゴンズ10回戦……0-1
タイガース才木、ドラゴンズ小笠原の投手戦。1回裏、1死から中野がライト前ヒットを放つも森下はショートゴロで二封。大山はライトフライで走者を進められず。2回表、細川にレフト前ヒットを打たれるが、後続を三者凡退に打ち取る。3回裏、2死から近本が久々のライト前ヒット。しかし中野はレフトフライに倒れた。4回表、1死から板山にセンター前ヒットを打たれ、細川を歩かせて一二塁とされるが、ディカーソンは捕邪飛。福永を歩かせて満塁に。加藤匠はフルカウントらか真ん中高めの速球で空振り三振を取り切り抜けた。4回裏、森下がセンター前ヒットで出るも大山はショートゴロ併殺。前川の内野安打と佐藤輝のライト前ヒットで2死一二塁とするも梅野隆はショートゴロで得点機を逸した。6回表、田中を空振り三振に取るが、またも板山にセンター前ヒットを打たれ、細川空振り三振の間に板山に二盗される。ここはディーカーソンをセンターフライに打ち取る。6回表、1死から森下が歩くが大山の投手ゴロで二封。一塁は板山が捕球できず併殺崩れに。しかし前川は見逃し三振で相手のミスに付け込めず。7回表、福永にセンター前ヒットを打たれるも、福永は二盗失敗。8回表、代打大島の一邪飛は大山がダイビングキャッチで好捕。2死後、田中にライト線に三塁打を打たれ、板山に猛打賞となるライト前タイムリーヒットを打たれてついに先制点を許す。細川は空振り三振に取り最少失点にとどめた。小笠原は7回無失点で交代。8回裏は二番手松山の前に三者凡退。才木は8回1失点で交代。9回表は二番手漆原が1死から福永に内野安打を打たれ加藤匠のバントで二進されるが龍空をレフトフライに打ち取る。9回裏、クローザーのR・マルティネスに対し、2死から佐藤輝がレフト前ヒットで出ると、代走に植田。代打渡邉諒の打席で植田は二盗。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。渡邉諒は四球で一二塁に。しかし代打糸原は空振り三振に倒れ、逃げ切られた。ドラゴンズのヒーローインタビューには板山が選ばれ、古巣相手の活躍に喜びを隠せなかった。
◎ドラゴンズ11回戦……1-1
タイガース大竹、ドラゴンズ涌井の投手戦。1回表、カリステと田中の連打と板山のバント、細川への四球で1死満塁とされるが、石川昂を空振り三振に取ると、福永をレフトフライに打ち取って切り抜けた。2回裏、大山がレフト前ヒットで出るが、前川と佐藤輝はともにレフトフライに倒れ、坂本が歩いて一二塁に。小幡のライト前ヒットで大山が一気にホームを突くが、ライト板山の好返球で本塁憤死。4回裏、森下は死球で出るが、大山の打席で捕手の宇佐見が投球をはじき、森下は二塁を狙うもタッチアウト。大山は空振り三振。しかしライト前ヒットの前川を置いて、佐藤輝があとわずかでスタンドに入るフェンス直撃のタイムリー三塁打を放ち先制する。6回表、田中にライト前ヒットを打たれたが、市山はショートゴロ併殺。ところが直後に細川にライトポール際に飛び込むソロホームランを打たれて同点とされる。7回表、福永に投手強襲ヒットを打たれ、宇佐見のバントで二進。山本のピッチャー返しの打球は小幡が好捕してショートゴロとなり2死三塁に。代打中島に対し二塁ゴロに打ち取って切り抜ける。涌井は6回1失点で交代。7回裏、二番手齋藤に抑えられる。大竹は7回1失点で交代。8回表は二番手石井が三者凡退に抑える。8回裏、三番手清水の前に三者凡退。9回表、三番手ゲラが久々の登板。1死から石川昂にセンター前ヒットを打たれ、福永の空振り三振で代走の岡林が二盗。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。しかし代打大島は二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。9回裏、四番手松山から森下が死球で代走に植田。1死後、前川が右中間を破る二塁打を放ち二三塁とすると、佐藤輝は申告敬遠。満塁で代打渡邉諒は空振り三振。小幡はセンターフライに倒れてサヨナラのチャンスを逃し延長戦に。10回表、四番手桐敷は山本とカリステを空振り三振に取る三者凡退。10回裏、五番手橋本に対し2死から中野の二塁打と代打豊田の二塁内野安打で一三塁としたが、大山は三塁ゴロでここもサヨナラ打にならず。11回表、五番手岩崎は1死から板山に内野安打を打たれるが後続を断つ。11回裏、六番手祖父江に対し2死から梅野がライト前ヒットを放つも小幡はレフトフライに倒れる。12回表、六番手漆原は福永を三塁ゴロに打ち取るが佐藤が弾いてエラーで出塁。代打ディカーソンは空振り三振に取ったが山本と加藤匠の連打で満塁に。それでもカリステをショートゴロに打ち取ってここも切り抜けた。12回裏、クローザーのR・マルティネスの前に島田、近本、中野は三者凡退で引き分けに終わった。
◎ドラゴンズ12回戦……8-1
6回まではタイガース村上、ドラゴンズ梅津の投手戦。1回表、カリステと田中の連打で無死一二塁とされたが、板山をレフトフライに打ち取ると、細川は空振り三振。石川昂を三塁ゴロに打ち取り切り抜けた。1回裏、今度は島田が歩き、中野との間のヒットエンドランが成功してセンター前ヒットで無死一三塁としたが、森下は空振り三振。大山はショートゴロ併殺で先制できず。3回裏、2死後、島田のセンター返しの打球は田中に好捕されるも内野安打。しかし中野の打席で島田は二盗を試みるも宇佐見の送球にタッチアウト。5回裏、佐藤輝が左中間へヒットを放ち、二塁を狙うも好返球でタッチアウト。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。7回表、2死から宇佐見に村上のグラブを弾く内野安打を打たれたが、龍空は空振り三振。7回表、中野が左中間に二塁打を放ち、森下の投手ゴロは梅津が三塁に送球するも間に合わず野選に。無死一三塁とする。大山のレフト前タイムリーヒットでついに先制。ここで梅津は降板。二番手は左腕の齋藤。前川はライト線にタイムリー二塁打を放ち2点差としてなおも無死二三塁。佐藤輝のレフト前2点タイムリーヒットで4点差に。三番手はフェリス。梅野のバントで佐藤輝は二進。しかし小幡と村上は抑えられ、追加点はならず。8回裏、四番手田島は今季初登板。島田のセンター前ヒット、中野のライト前ヒットで無死一二塁とし、森下のレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打で5点差に。大山が歩いて無死満塁に。前川のセンターの頭を越す2点タイムリー二塁打で7点差とすると、無死二三塁から佐藤輝のレフト犠牲フライで8点差に。五番手勝野に交代。梅野のセンター前ヒットで前川が本塁を突くも憤死。小幡はレフトフライで猛攻もここまで。9回表、完封を狙う村上は、しかし1死から細川と石川昂の連打で一二塁とされ、福永のレフト前タイムリーヒットで1点を返され、悔しい降板。二番手富田は宇佐見を空振り三振、龍空を二塁ゴロに打ち取り締めた。ヒーローインタビューは3勝目の村上、ともに3打点の前川と佐藤輝。
◎スワローズ10回戦……1-6
タイガースの先発は伊藤将。1回裏、丸山和を歩かせ、宮本のライトを越すヒットで一三塁に。オスナのレフト線へのタイムリー二塁打で先制され、なおも無死二三塁。村上宗の二塁ゴロの間に宮本が生還し2点差に。オスナは三進。サンタナのレフトへの犠牲フライで3点差とされる。スワローズの先発は奥川。2回表、四球の大山は前川の一塁ゴロで二進。佐藤輝が歩き一二塁としたが、坂本はセンターフライ、小幡はライトフライで得点できず。3回表、1死から島田がライト前ヒットで出ると、すかさず二盗。しかし中野はセンターフライ、森下は空振り三振でここも得点できず。3回裏、1死から宮本に死球を与え、オスナの二塁ゴロは中野の送球を小幡が弾きエラーで一二塁に。村上宗のライト前ヒットで満塁とされ、サンタナのライト前に落ちるタイムリーヒットで4点差に。長岡のライト前タイムリーヒットで5点目を取られたところで伊藤将は降板。二番手浜地は山田をショートゴロ併殺に打ち取り追加点は許さず。浜地は4回裏も抑える5回表、2死から代打野口が死球で出ると、島田も歩いて一二塁に。中野のセンター前タイムリーヒットで1点を返したが、反撃もここまで。森下は二塁ゴロで追加点は取れず。5回裏、三番手富田は村上宗にレフトスタンドにソロホームランを打たれて再び5点差に。奥川は5回1失点で降板。6回表は二番手星の前に佐藤輝のヒットのみ。7回表、三番手石山から島田のヒットと中野の四球で2死一二塁としたが代打糸原はショートゴロに倒れる。7回裏、四番手島本は宮本のヒットとサンタナへの四球で2死一二塁とされたが長岡を二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。8回表、四番手小澤に対し大山と坂本のヒットで2死一二塁とするが小幡は空振り三振に倒れる。9回裏、五番手清水の前に三者凡退で試合終了。伊藤将の序盤の乱調が大きく響いた。
◎スワローズ11回戦……5-6
スワローズの先発はサイスニード。1回表、1死から中野がセンター前ヒットで出、前川の投手ゴロで二進。大山の打席で捕逸し中野は三進。しかし大山はセンターフライに倒れる。タイガースの先発は西勇。1死から宮本にセンター前ヒットと二盗。オスナはレフトフライに打ち取るが村上宗を歩かせ一二塁に。しかしサンタナを三塁ゴロに打ち取って切り抜ける。4回表、1死から大山のライトスタンド最前列に入るソロホームランで先制。前川がレフト前ヒットで続き、佐藤輝は空振り三振に倒れるが梅野の左中間を破るタイムリー二塁打で2点差とする。4回裏、オスナにレフトポール際に飛び込むソロホームランを打たれて1点差に。5回裏、松本直にレフト線に二塁打を打たれ、武岡の二塁ゴロで三進。しかしサイスニードをショートへのフライに打ち取ると、西川をセンターフライに打ち取ってここも切り抜けた。6回表、2死から佐藤輝が右中間に二塁打を放つと、梅野のレフト前タイムリーヒットで2点差に。サイスニードは6回3失点で降板。7回表、二番手山本に対し2死から中野と代打森下が連続四球で一二塁とし、大山のセンター前タイムリーヒットで3点差とする。西勇は6回1失点で交代。7回裏、二番手石井が2死から松本直にヒットを打たれるも武岡を空振り三振に抑える。8回表、三番手木澤から佐藤輝がライトの頭上を越す二塁打を放ち、梅野は空振り三振に倒れたが、小幡の一塁ゴロはベースカバーがおらず内野安打となり一三塁に。代打糸原の一塁ゴロをオスナが弾いてタイムリーエラーとなり4点差とする。8回裏、三番手桐敷は1死から西川を歩かせ宮本のセンター前ヒットで一二塁とされると、2死後、村上宗にセンター前タイムリーヒットを打たれ3点差に。ここで四番手漆原に交代。サンタナを歩かせ満塁とし、サンタナの代走に並木。長岡に右中間を深々と破られる走者一掃の3点タイムリー二塁打を打たれて同点に追いつかれる。松本直にレフト前ヒットを打たれ一三塁とされたところで五番手岩崎と交代。代打山田哲にレフト前タイムリーヒットを打たれ、この回一気に逆転された。9回表、四番手大西から森下がレフト前ヒットを放つも大山はショートゴロ併殺。ここでクローザーの田口と交代。前川が歩き、代走に植田。佐藤輝はレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、植田は一気に本塁を突くが、レフト並木、ショート長岡の中継がストライク返球となり、植田は本塁憤死で試合終了。自慢のリリーフ陣が総崩れで楽勝のはずの試合を落とす、大きな敗戦となった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……村上頌樹 あと一歩で完封勝利。1点を奪われての降板は悔しそうだった。せめて完投させてほしかった。とはいえ、これまで火曜日の登板でエース格との投げ合いの末、低調な打線のためになかなか勝てなかったのだから、ここでの勝利は大きい。
野手……島田海吏 近本の代役として一番センターに入ると、マルチヒットや四球で活躍。気まぐれのような岡田用兵だが、この起用は久々のヒット。ただ、近本を一番に入れるためにいきなり三番を打たせられたのは気の毒。それでも精一杯のプレーで激しい外野のポジション争いに加わった。
次節は倉敷とマツダスタジアムでの首位カープ3連戦。ここで1勝でもしなければ、ずるずると下がる危険性がある。才木、大竹、村上ならば打線さえがんばれば3連勝も可能なのだが、勢いのある相手だけにそれを止めるのはなかなか大変だろう。それでもここが踏ん張りどころだ。続いて甲子園球場でベイスターズ3連戦。横浜では苦しんだが、打線が復調気味なだけにビーズリーや西勇を援護できるだろう。ただ、雨中止の関係でビーズリーの登板間隔があいているのが気になる。雨中止でずれたローテーション再編のあおりを食らった格好になっている。まだ梅雨のさなか。広島での試合も甲子園での試合も雨中止が重なってくると思われる。そうなった場合はビーズリーを飛ばさず、今季不調の伊藤将を飛ばしてもいいのではないか。今季の岡田用兵には疑問符が付くことが多いが、それでもスポーツ紙の記者はまだ「名将」とおだてている。ここらで吉田義男さんか廣岡達朗さんがガツンと目を覚まさせるような一言を直接岡田監督に言ってやってほしい。ちょうど勝率.500からの再スタート。開幕のつもりで昨シーズンの初戦の気持ちを思い出してほしい。思い切ってホームに突っ込ませてセーフになってもほめず、大事を取って走者を止めて得点できなければくさし、今度こそと突っ込ませてアウトになったらボロカスに言われた藤本コーチの心境はどうなのか。記者の前では本音は言えないだろうが、アウトになってもその積極性を評価した前任者との違いをひしひしと感じているのではないだろうか。二軍では北川コーチが不調でファーム落ちした選手ととことん向き合っているという。昨年は一軍で新井良太コーチがそういう役割を果たしていた。新井コーチのカープへの流出は今思うと痛恨事だったのではないかと思う。
(2024年7月1日記)