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近本の逆転サヨナラ打で連勝も鬼門ナゴヤで連敗

 今節は甲子園球場でスワローズ戦。第1戦は才木と吉村の投手戦で9回裏にクローザーの田口から近本が逆転サヨナラ打を放つ。第2戦は大竹の好投と野口のプロ入り初タイムリーヒットなどで連勝し2勝0敗。1日置いてバンテリンドームナゴヤのドラゴンズ戦は、第1戦は高橋宏に手も足も出ず、R・マルティネス戸の完封リレーで敗れ、第2戦は伊藤将とリリーフの漆原らが打たれ、8得点しながら敗れる。第3戦は西勇と松葉の投手戦となりリリーフ陣も好投して延長戦となったが原口の決勝打や植田の満塁走者一掃の三塁打などで連敗を止め1勝2敗。今節は3勝2敗。今季通算41勝38敗5分の勝率.519で4位に。首位のジャイアンツとは1.5差。2位のカープとは1.0差。3位のベイスターズとは0.5差。日によって順位が変動する団子レース状態。となっている。

◎スワローズ12回戦……2-1
 タイガースの先発は才木。1回表、丸山和にセンター前ヒットを打たれ、西川の打席で二盗を許す。西川のショートゴロで丸山和は三進。ここで才木は踏ん張り、長岡の一塁ゴロでは丸山和は動けず。村上宗を空振り三振に取り切り抜けた。スワローズの先発は吉村。小幡がライト前ヒットで出るが、才木のバントは捕邪飛に。近本の空振り三振の後、中野はセンター前ヒットで一二塁としたが、前川はライトフライに倒れる。4回表、センター前ヒットの長岡は村上宗とオスナの二塁ゴロで三進。宮本のライト前タイムリーヒットで先制点を許した。4回裏、大山が四球で出るも佐藤輝の見逃し三振の時に二盗失敗。島田がレフト前ヒットを放つも二盗失敗。ここまで足を使った野球をしていなかったのに急にやり出したためか失敗が多い。5回裏、1死から小幡がセンター前ヒットを放ち、才木のバントで二進。しかし近本はここでも空振り三振に倒れる。6回裏、中野が歩くも前川の三塁ゴロで二封。大山のレフト前ヒットで一二塁としたところで吉村は降板。二番手の左腕山本の前に佐藤輝と島田は外角いっぱいの球を見逃して連続三振に倒れる。7回表、宮本は二塁内野安打。宮本の代走に岩田幸。山田哲をライトフライに打ち取るが、中村の打席で岩田幸は二盗。中村の三塁ゴロで三進。しかし代打青木をショートゴロに打ち取り切り抜ける。7回裏、三番手大西に対し1死から小幡が歩くも代打糸原はショートゴロ併殺に倒れ、才木は7回1失点で交代。8回表、二番手桐敷は2死から長岡のヒット性の当たりを小幡が好捕するも内野安打に。しかし村上宗のハーフスイングは空振り三振に。8回裏、四番手木澤から近本がライト前ヒットを放ち中野のバントで二進。前川の打席で木澤が暴投して三進。前川はファールで粘るが空振り三振、大山はセンターフライに倒れ同点機を逸する。9回表、三番手石井は三者凡退に抑える。9回裏、クローザーの田口に対し1死から代打野口が歩き、代走に植田。代打渡邉はライトフライに倒れ2死一塁となったが、代打原口のレフト前ヒットでつなぎ、代打坂本の三塁ゴロは北村拓がこぼしてしまいエラーで満塁に。近本のライト前2点タイムリーヒットで二塁走者の原口は一気に本塁を突きヘッドスライディングで生還し、逆転サヨナラ打となった。石井が今季2勝目。ヒーローインタビューはサヨナラ打の近本。チャンスでの打席については「わっ、まわってきた」。ライト前にとんだ打球については「落ちろと願っていた」。岡田監督の声掛けには「何を言っているのか聞こえなかった」と脱力系の返答でファンを沸かせた。
◎スワローズ13回戦……4-1
 タイガースの先発は大竹。1回表、宮本にセンター前ヒットを打たれ、増田のバントで二進。村上宗のセンター前タイムリーヒットで先制点を許す。しかし2回以降は76kmの超スローカーブを交えたりしながら緩急をつけた投球で本来のペースを取り戻した。スワローズの先発は奥川。1回裏、近本と前川の四球で1死一二塁としたが、大山は三塁ゴロ併殺に倒れる。2回裏、佐藤輝がライトフェンスに当たる二塁打を放つも、プロ入り初スタメンの野口は空振り三振。坂本と小幡はともに内野ゴロに倒れる。4回裏、1死から大山が死球。佐藤輝の二塁ゴロは北村拓が握り損ねて二塁には投げられず進塁打に。野口のセンター前タイムリーヒットで同点に。5回裏、小幡が左中間を破る二塁打で出ると、大竹のバントで三進。近本の打席で奥川が暴投し、小幡が生還して勝ち越す。6回表、宮本にセンター前ヒットを打たれるも増田を空振り三振に取ると村上宗は二塁ゴロ併殺と完全にスワローズ打線を手玉に取る。奥川は5回2失点で降板。6回裏、二番手嘉弥真に対し、1死から大山がセンター前ヒットを放ち、佐藤輝のライト前ヒットで一三塁に。ここで嘉弥真は降板。三番手石山から野口が高く弾むショートゴロで二封。その間に大山が生還して2点差とする。二封に対して岡田監督のリクエスト申請があったが判定は覆らず。野口の代走に島田。坂本の右中間を破るタイムリー二塁打で島田が一気に生還して3点差とした。大竹は6回1失点で交代。7回表は石井が三者凡退に抑える。7回裏は四番手星の前に三者凡退。8回表は三番手ゲラが三者凡退に抑えた。8回裏、五番手金久保の前にまたも三者凡退。9回表、クローザーの岩崎は三者凡退で締める。最後は村上宗を空振り三振に取って13セーブ。ヒーローインタビューは6勝目をあげた大竹と、プロ入り初スタメンで初タイムリーヒットを放った野口。
◎ドラゴンズ13回戦……0-3
タイガース村上、ドラゴンズ高橋宏の投手戦。先制したのはドラゴンズ。2回裏、福永にライト線に二塁打を打たれると、高橋周にもライト線にタイムリー二塁打を打たれ野口も打球処理をもたつく。る。さらに細川にレフトスタンドにツーランホームランをたたきこまれ、3点差に。この回以外、村上は好投していただけに、甘く入った球を連打されたのは痛かった。高橋宏は試合当初はコントロールが乱れていたが、逆にその荒れ球に翻弄され、3回表は梅野、小幡、村上が連続三者三振。4回表、近本の四球と中野の二塁への内野安打で無死一二塁とし、前川の投手ゴロで二三塁と進塁し大きなチャンスを迎えたが、大山も佐藤輝も追いこまれてからの落ちる球を空振り三振。好機を逸した。5回裏、右中間を破る加藤匠をロドリゲスがバントで送り、1死三塁とされたが、高橋宏はスクイズを仕掛けてスリーバント失敗。岡林のショートライナーを小幡が好捕してしのいだ。8回表、1死から梅野と小幡の連打でチャンスを作るが、代打渡邉は見逃し三振。近本は歩いて満塁としたが、中野は一塁ゴロで万事休す。8回裏は二番手の及川が三者凡退に抑えたが、9回表はクローザーのR・マルティネスの前に前川、大山、佐藤輝のクリーンアップが三者凡退では勝ち目もなく、連勝ストップ。
◎ドラゴンズ14回戦……8-10
 ドラゴンズの先発涌井は1回表を三者凡退に抑えたが、2回表にマウンドに上がったところでアクシデントが起こり降板。二番手は急遽土生がマウンドに。佐藤輝がライト前ヒットで出ると、前川の左中間フェンス際にとんだ大飛球をカリステが一度はグラブにあてたが落球。無死二三塁に。大山は右中間を破る2点タイムリーヒットで先制した。タイガースの先発は伊藤将。2回裏、ライト前ヒットの福永と二塁打の細川を置いて高橋周がライトスタンドに逆転のスリーランホームランを放つ。3回裏、センター前ヒットの岡林を山本がバントで送り、カリステのライト前タイムリーヒットで2点差に。さらに福永にレフト前タイムリーヒットを打たれて3点差とされる。4回表、1死から前川と大山が歩き、坂本のレフト前に落ちるヒットで満塁とした。ここで土生は降板。三番手は齋藤。小幡の一塁ゴロで本封されるも代打渡邉がセンター前2点タイムリーヒットで1点差とし、島田のレフト前タイムリーヒットで同点に追いついた。伊藤将は3回5失点で降板。4回裏は二番手富田が三者凡退に抑える。5回表、近本が死球で出るも佐藤輝は二塁ゴロ併殺。しかし前川のショートゴロはバウンドが変わり山本の悪送球を誘い前川は二進。大山は申告敬遠で一二塁に。坂本のセンター前タイムリーヒットで勝ち越し1点差とする。さらに小幡のライト線への2点タイムリー三塁打で3点差に広げた。ここで四番手の藤嶋に交代。代打豊田は空振り三振に倒れて小幡は残塁。5回裏、三番手の漆原が誤算。田中と岡林の連打に山本への四球で無死満塁とされ、カリステの犠牲フライ、福永のライト前タイムリーヒットでヌ点差とされる。ここで漆原は降板。四番手の浜地は細川にレフト線へ2点タイムリー二塁打を打たれ逆転されると、2死後、藤嶋にプロ入り初打点となるライト前に落ちるタイムリーヒットを打たれて2点差とされた。7回表、五番手の清水から前川が内野安打を放つも大山は見逃し三振、坂本は空振り三振。7回裏、五番手及川は三者凡退に抑える。8回表、六番手松山から小幡のヒットと中野の四球で2死一二塁としたが、近本は空振り三振に倒れる。8回裏、六番手の石井は1死から代打大島にレフト線に二塁打を打たれ、代走に樋口。2死後、田中にレフト前ヒットを打たれるも樋口は本塁憤死。立浪監督のリクエスト申請も判定は覆らず。9回表、クローザーのR・マルティネスに対し、1死から前川のショートゴロをロドリゲスが悪送球してエラーで出塁。大山のライト前ヒットで一三塁とし、大山の代走に植田。しかし代打原口は浅いライトフライ。小幡は空振り三振で乱打戦を逃げ切られた。
◎ドラゴンズ15回戦……6-2
 タイガース西勇、ドラゴンズ松葉の投手戦。2回裏、1死から細川を歩かせ高橋周のセンター前ヒットと板山のセンターフライで2死一三塁とされたが、木の下を一塁へのフライに打ち取った。3回表、梅野が左中間を破る二塁打で出ると、小幡の打席で松葉が暴投、梅野は三進。小幡は一塁ライナーに倒れたが、西勇のセンター前タイムリーヒットで先制する。4回裏、カリステに二塁打を打たれ、福永にはファールで粘られ17球目を二塁ゴロでカリステは三進。細川への死球で一三塁とされるも高橋周は投手ゴロ併殺に打ち取る。5回裏、板山にライト線に二塁打を打たれ、木の下の一塁ゴロで板山は三進。松葉のセンター前に落ちるタイムリーヒットで同点に追いつかれる。6回表、2死から近本が歩き二盗。しかし判定はアウトに。岡田監督のリクエスト申請で判定が覆り盗塁成功。中野の四球と野口の死球で満塁としたが、佐藤輝はショートフライに倒れ勝ち越せず。6回裏、カリステのライト前ヒットと福永のショートゴロを小幡が弾くエラーで無死一二塁に。細川は空振り三振に取ったが、高橋周を歩かせて満塁に。板山はショートライナー、木下はセンターフライに打ち取って切り抜けた。松葉は6回1失点で降板。7回表、二番手清水から大山がヒットを放つも前川の三振と大山の盗塁失敗でチャンスを逸した。西勇も6回1失点で交代。7回裏、二番手桐敷は代打田中にレフト前ヒットを打たれ、岡林のバントで二進。山本は空振り三振に取ったが、カリステのセンター前ヒットで一三塁に。しかし福永をショートフライに打ち取り切り抜ける。8回表は三番手藤嶋の前に三者凡退。8回裏、三番手ゲラは高橋周にヒットを打たれ暴投で二進されるが、梅野が判断よく球がダグアウトに直接飛び込むまで球に触れなかったため、三塁まで進んでいたのがテイクワンベースの判定で二塁に戻された。ゲラは後続を断つ。9回表、四番手松山から野口がヒットを放つが後続を断たれる。9回裏、四番手石井は三者凡退に抑え、試合は延長戦に。10回表、五番手橋本から前川がライト前ヒットを放ち、代走に島田。梅野のバントは橋本が二塁へ悪送球しセーフとなり、山本が一塁に送球するも梅野もセーフに。無死一二塁とし、小幡のバントは投手へのフライとなったが、代打原口はレフト前タイムリーヒットを放ちついに勝ち越し。ここで橋本は降板し、六番手は岩嵜。近本が歩いて満塁に。中野は投手へのライナーに倒れたが、植田が左中間を破る走者一掃のタイムリー三塁打を放つと、佐藤輝はライトフェンスに当たるタイムリー二塁打を放ち5点差とする。大山が歩き、ここで七番手の福に交代。島田は三塁ゴロに倒れる。10回裏、五番手は加治屋。カリステを空振り三振に取るが、福永の四球、細川のライト前ヒット、高橋周のタイムリー二塁打で1点を返され、1死二三塁でクローザーの岩崎に交代。板山を空振り三振に取ると、代打石川昂をライトフライに打ち取り逃げ切った。石井が3勝目。岩崎は14セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の原口。

愛すれどTigers週間MVP
投手……大竹耕太郎 前節はカープ、今節はスワローズとお得意さんを作り、着実に勝ち星を伸ばしている。超遅球を織り交ぜた変幻自在の投球はまさに業師というべきもの。この調子で次回のジャイアンツ打線も手玉に取ってもらいたい。
野手……原口文仁 ここというところでの代打での勝負強さは今月に入って磨きがかかっている。ベンチでは若手の選手に声掛けをするなど、ベテラン選手らしい精神的支柱に。野口や豊らが、原口や糸原の準備を手本にしているという。病魔に打ち勝った男の本領はここからだ。

 次節は東京ドームで首位ジャイアンツ3連戦。7連勝と好調だったが、前節の最後で連勝が止まった。その反動がくると見たい。ビーズリー、才木と大竹で3連勝できると踏んでいる。1日おいて甲子園球場でカープ3連戦。村上と西勇は間違いないが、伊藤将がファーム落ちしたため誰かがローテーションに入ることになる。高橋遥人が支配下登録されていきなり先発という観測もあるが、そこまで冒険せずとも及川を再度先発に挑戦させるべきではないか。

(2024年7月14日記)


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