愛すれどTigers


折り返し直前にやっと打線爆発

 今節は東京ドームでジャイアンツ戦。第1戦はビーズリーの好投で完封リレー。第2戦は才木が好投するも山崎伊に打線が抑えられ敗れ、第3戦は大竹が打たれて連敗し1勝2敗。1日置いて甲子園球場でのカープ戦は、第1戦は床田の好投の前に完封負けし村上の好投を見殺しにして敗れ、第2戦は及川が好投するも大瀬良の前に打線が沈黙して延長戦となりミスが重なって敗れる。第3戦は西勇が好投し、九里と矢崎を攻略し久々の二けた得点で連敗を止め1勝2敗。今節は2勝4敗。今季通算43勝42敗5分の勝率.506で4位。首位のジャイアンツとは3.5差。2位のカープとは2.5差。3位のベイスターズとは1.0差。オールスター前の折り返し点でなんとか5割を維持。打線の組み換えなど岡田監督の采配も迷走気味。

◎ジャイアンツ13回戦……2-0
 タイガースの先発はビーズリー。1回裏、丸にセンター前ヒットを打たれて、吉川の二塁ゴロで二進を許すも、ヘルナンデスと岡本和を連続空振り三振に取る。ジャイアンツの先発は赤星。2回表、佐藤輝がレフト前ヒットで出るも、大山の打席で二盗失敗。大山は見逃し三振、前川はセンターフライに倒れる。4回表、センター前ヒットの近本は中野の二塁ゴロと野口の三塁ゴロで三進。佐藤輝が歩き2死一三塁とし、大山のレフト線への2点タイムリー二塁打で先制。送球の間に大山は三進。しかし前川は二塁ゴロで追加点はならず。4回裏、2死から岸田と門脇の連打で一二塁とされたが佐々木を空振り三振に取り切り抜ける。5回表、梅野がセンター前ヒットで出るも、小幡のバントは捕手岸田が二封。ビーズリーの打席でジャイアンツバッテリが大きく外しているのに小幡は二盗を試み失敗。ビーズリーは二塁ゴロに倒れる。赤星は5回2失点で降板。6回表、二番手は中川晧。2死から野口がレフト前ヒットを放つも佐藤輝は二塁ゴロに倒れる。6回裏、2死から大城に二塁打を打たれるも岸田はライトフライに打ち取る。7回表、三番手泉に対し大山が歩くも前川の一塁線のライナーを大城に好捕され、大山は帰塁できず併殺に。それでも梅野がセンター前ヒットを放つも小幡は投手ゴロ。ビーズリーは6回無失点で交代。7回裏、二番手石井は1死から代打長野を歩かせたが、ライオンズから移籍の若林を空振り三振に取る。ここで三番手桐敷に交代。丸を見逃し三振に取る。桐敷は8回裏も好投。8回表、四番手船迫に対し1死から近本がセンター前ヒットを放つも、中野は見逃し三振、野口は空振り三振で追加点が遠い。9回表は五番手ケラーから大山が歩くも代打糸原と梅野が連続空振り三振に倒れる。9回裏、クローザーのゲラは三者凡退で締め10セーブ。ビーズリーが4勝目。ヒーローインタビューは先制打が決勝打となった大山。
◎ジャイアンツ14回戦……1-2
 タイガース才木、ジャイアンツ山崎伊の投手戦。1回裏、丸にセンター前ヒットを打たれると、吉川を歩かせ一二塁に。ヘルナンデスは空振り三振に取ったが、岡本和と大城卓にそれぞれタイムリーヒットを打たれ、先制される。それでも岸田は空振り三振。岡田を歩かせて満塁とされるが門脇をライトフライに打ち取って追加点は許さず。結局この初回の失点が決勝点になった。2回表、1死から大山のレフト前ヒットと前川のライト前ヒットで一二塁とし、梅野は空振り三振に倒れたが、小幡がレフトとショートの間に落ちるタイムリーヒットを放ち1点差とする。3回表、近本がライト前ヒットで出るも中野はショートライナー、野口は一塁へのフライで走者を進められない。佐藤輝が歩いて一二塁としたが、大山はどん詰まりの当たりで捕手へのゴロに倒れる。3回裏、1死から大城卓、岸田、岡田の連打で満塁とされたが、門脇と山崎伊を連続空振り三振に取り切り抜ける。5回表、2死から野口のライト前ヒット、佐藤輝の死球で一二塁のチャンスを作るが、大山の打席で二塁走者の野口が牽制死。絶好のチャンスを逸した。7回表、丸のヒットと岡本和の二塁打、大城卓への申告敬遠で2死満塁とされたが、岸田はライトフライに打ち取り追加点を許さず。山崎伊は7回1失点で交代。8回表は二番手バルドナードに対し2死から代打渡邉がセンター前ヒットを放ち代走に植田。しかし梅野は二塁ゴロに倒れる。8回裏、才木は岡田を歩かせるが門脇は見逃し三振、代打長野はレフトフライ。丸の打席で暴投し岡田は二進。しかし丸をライトフライに打ち取り、8回まで一人で投げ切った。9回表はクローザーの体制の前に小幡、代打糸原、近本が三者空振り三振に倒れ、好投の才木を最後まで援護できず悔しい敗戦となった。
◎ジャイアンツ15回戦……3-4
 岡田監督は近本と中野をベンチに下げ、一番野口、二番植田、三番渡邉という大胆なオーダーを組む。どう見ても「普通」ではないオーダー。ジャイアンツの先発は井上温。2回表、佐藤輝が左中間を破る二塁打を放ち、大山も左中間を破るタイムリー二塁打で先制。豊田と坂本誠は空振り三振に倒れたが、小幡のレフト前タイムリーヒットで2点差とする。タイガースの先発は大竹。2回裏、岡本和の二塁ゴロは不慣れな渡邉がファンブルしてエラーで出塁。大城卓のショートゴロは二封したが、ここも二塁をカバーした不慣れな渡邉が落球して併殺を取れず。それでも坂本勇と岸田をライトフライに打ち取り切り抜ける。3回裏、1死から井上温にショート後方に内野安打を打たれ、丸のライト前ヒットで井上温は三進。送球の間に丸も二進。吉川のライト犠牲フライで1点差とされる。4回裏、岡本和のレフト前ヒットと大城の右中間を破る二塁打で無死二三塁に。坂本勇のライト犠牲フライで同点に追いつかれる。大城卓も三進。しかし大竹は後続を断ち、リードは許さず。5回表、四球の小幡を大竹が送り、野口は死球で一二塁に。代打近本がつけられると、井上温は降板。船迫が二番手に。近本のライト前ヒットで小幡は一気にホームを狙うが本塁憤死。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。2死一三塁で渡邉がセンター前タイムリーを放ち、再びリード。渡邉の代走に熊谷。佐藤輝はレフトフライに倒れる。走塁の間に小幡は負傷でショートに熊谷が入る。5回裏、1死から吉川に二塁打を打たれ、ヘルナンデスのレフト前に落ちるテキサス製のタイムリーヒットで同点に。岡本和はセンターの頭を超えるタイムリー三塁打で逆転される。大城卓を見逃し三振に取ったところで大竹は降板。二番手岡留は坂本勇をショートゴロに打ち取り追加点は許さず。岡留は6回裏も抑える。6回表、三番手泉から大山がヒットを放つが代打前川はライトフライに倒れ、坂本の空振り三振の時に大山が二盗を試みタッチアウト。7回表は四番手ケラーの前に三者凡退。7回裏、三番手富田は丸に一二塁間にヒット性の当たりを打たれるも中野が好捕して二塁ゴロに。吉川の三塁へのファールフライは熊谷が観客席に手を伸ばして好捕。ここで四番手加治屋が登板。ヘルナンデスをショートゴロに打ち取る。加治屋は8回裏も抑える。8回表、五番手バルドナードの前に三者凡退。9回表はクローザー大勢に対し1死から前川がセンター前ヒットを放つも坂本誠は三塁ゴロ併殺で追いつくことができず。おかだかんとくの「レギュラーが打たず控えが打つなら控えをスタメンで使う」という逆転の発想は、「普通のことを普通にすると勝てる」という普段のポリシーをくずした博打だったが、守りの野球を普通にできず、負けるべくして負けた試合だった。
◎カープ14回戦……0-1
 タイガース村上、カープ床田の投手戦。1回裏、近本のライト前ヒットと中野のセーフティバントで無死一二塁としたが、一軍復帰の森下翔はライトフライ。佐藤輝は空振り三振。大山は二邪飛と先制機を逸する。2回裏、1死から坂本のセンター前ヒットでチャンスを作るもこの試合で一軍復帰した木浪はショートゴロ併殺。5回表、中村貴にセンター前ヒット、坂倉にライト前ヒットを打たれ、菊池のバントは坂本が拾い損ねてエラーで出塁。無死満塁とされる。シャイナーのショートゴロは二封するも木浪の二塁送球が遅れて併殺は取れず、中村貴が生還して先制される。なおも一三塁とされたが、床田の一塁ゴロは大山が一塁ベースを踏み、坂倉を三本間で挟殺して併殺に取り、最少失点にとどめた。5回裏、野口は見逃し三振、坂本と木浪は空振り三振と完全に床田のペース。6回裏、1死から近本がライト前ヒットを放つも中野のショートゴロを矢野が好捕し二封。森下翔はライトフライで走者を進められず。7回裏、佐藤輝のレフト前ヒット、大山のライト前ヒット、野口のセンター前に落ちるテキサス性のヒットで無死満塁とする。大山の二塁触塁が遅かったと新井監督がリクエスト申請するも判定は覆らず。野口の代走に島田。しかし坂本はショートゴロで佐藤輝は本封、坂本もアウトで併殺に。2死二三塁とチャンスは続いたが、木浪はセンターフライ。無死満塁で岡田監督は代打も使わず全くの無策で床田を助けた。床田は7回無失点で交代。8回裏は二番手ハーンの前に三者凡退。村上は8回1失点で交代。9回表、二番手桐敷は1死から小園に内野安打を許し、代走に羽月。羽月の足を警戒しながらも代打上本はレフトフライ。坂倉はライトフライで乗り切った。9回裏、クローザーの栗林から森下翔があわや長打という当たりを飛ばすがレフト上本に好捕される。佐藤輝はレフトフライ。大山は二塁へのフライに打ち取られ逃げ切られた。実戦勘の戻り切らぬ木浪の起用、チャンスでの無策と、岡田采配に疑問符の付く試合となった。
◎カープ15回戦……0-1
 タイガース及川、カープ大瀬良の投手戦。1回表、秋山翔を空振り三振、矢野をショートライナーに打ち取るも、野間のレフト前ヒットと小園のセンター前ヒットで2死一三塁とされる。しかし上本を空振り三振に取り、先制点は許さず。2回以降は尻上がりに調子を上げてカープ打線を苦しめる。大瀬良のカットボールとチェンジアップに手を焼いていたタイガース打線だったが、5回表、1死から大山のレフト前ヒット、前川のライト前ヒットで一二塁とした。しかし梅野はバントか強打かはっきりせぬままに三塁ゴロを打たされ併殺。6回表、2死から野間にセンター前ヒットを打たれ、二盗を許す。しかし小園は二塁ゴロで乗り切った。6回裏、1死から代打野口がレフト前ヒットを放ち代走に島田。近本の二塁ゴロは名手菊池が珍しく球を弾いてエラー。一二塁と攻めるも中野は二塁へのライナー、森下翔はライトフライに倒れる。及川は6回無失点で交代。7回表は二番手石井が三者凡退に抑える。7回裏、佐藤輝がレフト前ヒットを放つも、大山のヒット性の当たりはショート矢野に好捕されライナーでアウトに。前川のライトフライは野間が落球。しかし佐藤輝は一度帰塁していたため二封され記録はライトゴロ。梅野は空振り三振に倒れる。8回表は三番手桐敷が三者凡退に抑える。大瀬良は7回無失点で交代。8回裏、二番手塹江の前に三者凡退。9回表、四番手岩崎は2死から小園にレフト前ヒットを打たれ、暴投で二進を許す。しかし上本をレフトフライに打ち取り切り抜けた。9回裏、三番手ハーンの前に三者凡退。試合は延長戦に。10回表、五番手ゲラは2死から中村貴にライト前ヒットを打たれるも會澤は空振り三振に取る。10回裏、四番手森浦に対し1死から前川が歩いて代走に植田。梅野はここもバントか強打かはっきりせぬままに二塁ゴロ併殺。何としても点を取らせるという作戦をとれない岡田監督の淡白な姿勢が目立つ結果となった。11回表、六番手富田は秋山翔を歩かせ代走に大盛。矢野のバントは富田が一塁へ大きくそれる悪送球。バックアップした中野は大盛が三塁を狙うのを見て送球するがこれも悪送球。大盛は本塁を狙いかけるが、バックアップの植田が三塁へ送球。慌てて帰塁し間一髪セーフに。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。無死二三塁から、野間にツーボールになったところで申告敬遠に切り替え小園にセンターへ犠牲フライを打たれ、ついに先制点を与えた。富田はここで降板。七番手加治屋は上本をショートゴロに打ち取り最少失点にとどめた。しかし11回裏、クローザーの栗林の前に原口、糸原の代打攻勢も実らず塚本はセンターフライに倒れ、連敗。捕手2人制で臨んでいるため、ここというところで梅野に代打を送れず、その梅野がチャンスで二併殺。岡田監督の戦略は一時捕手三人制をしいて捕手にも代打を送れるようにしたはずだったが、森下を昇格させるために藤田をファームに落としてまたも捕手二人制に戻すなど、一貫性がなくなってきた。
◎カープ16回戦……12-3
 タイガースの先発は西勇。2回表、1死から坂倉にレフト前に落ちるヒットを打たれると、石原のライト前ヒットで一三塁とされ、矢野のショートへのタイムリー内野安打で先制される。カープの先発は九里。3回表、梅野がレフトフェンスに当たる二塁打で出ると、二戸勇はスリーバント失敗で1死二塁となったが、近本が歩き一二塁に。中野のレフト線へのタイムリーヒットで同点とする。森下の三塁ゴロで二封され2死一三塁となったが、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで勝ち越す。なおも一二塁で大山のセンター前タイムリーヒットで2点差に。一三塁として前川のレフト前タイムリーヒットで3点差に。一二塁から木浪のライト前タイムリーヒットで4点差。ここで九里は降板。二番手河野から梅野がセンター前タイムリーヒットを放ち5点差と広げた。打者11人の猛攻は6点のビッグイニングに。4回表、小園にライト線に二塁打を打たれ、坂倉のライトフライで三進。しかし石原を浅いライトフライに打ち取ると、矢野は一塁ゴロで切り抜ける。5回表、レフト前ヒットの菊池を置いて秋山翔に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ4点差とされたが、後続を断ち追加点は許さず。5回裏、三番手コルニエの前に三者凡退に抑えられる。6回表、2死から矢野と菊池の連打で走者をためるも代打堂林を空振り三振に取りここも切り抜ける。6回裏、四番手矢崎から木浪が死球で出ると、梅野が猛打賞となるレフト前ヒットをバスターエンドランで決め、無死一二塁に。代打野口は三塁ゴロで二封。近本のライト前タイムリーヒットで再び5点差とすると、中野のライト前ヒットで満塁とし、森下翔のレフトフェンスに当たる2点タイムリー二塁打で7点差に。佐藤輝の犠牲フライで8点差とすると、大山のレフトスタンドに入るツーランホームランで10点差をつけた。これで先発野手全員が打点付きの安打を記録。西勇は6回2失点で交代。7回表は二番手富田が三者凡退に抑える。7回裏、五番手はプロ入り初登板の長谷部。1死から梅野が歩くが代打豊田は三塁ゴロ併殺。8回表、三番手加治屋は小園と坂倉を連続空振り三振に取る。そして四番手にプロ入り初登板の新人石黒。石原をショートゴロに打ち取り一軍デビューを果たした。8回裏は六番手黒原の前に三者凡退。9回表、五番手岡留は矢野にライト前ヒットを打たれ、1死後、代打シャイナーを三塁へのゴロに打ち取るが、併殺を狙った佐藤が二塁へ悪送球し、矢野は一気に三進。大盛のセンターの頭上を越すタイムリー二塁打で9点差とされ、二俣を歩かせ満塁に。しかし中村貴の投手ゴロで本封から一塁へ転送してホーム併殺で試合終了。オールスター前でなんとか一つ勝ち越し。ヒーローインタビューは4勝目の西勇と1イニング2安打を含む猛打賞の梅野、久々のホームランを放った大山。梅野が「来週も勝つバイ」で締めくくった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェレミー・ビーズリー カットボールとスライダーでジャイアンツ打線を翻弄。大切な初戦をとったときにはこの調子で連勝が続くかと思われたが。それにしてもこんないい投手をテーションの谷間扱いにするとはもったいない。もっとも今節の投手で打たれた先発は大竹だけ。伊藤将の代役の及川まで好投するのだから、打線はもっと頑張ってほしい
野手……大山悠輔 五番打者として、勝った試合ではよく頑張った。もっとも敗れた試合では佐藤輝とともにブレーキ役になっていたのだが。該当者なしでもよかったのだが、久しぶりのホームランに免じてMVPに。

 オールスター2試合をはさみ、後半戦は甲子園でドラゴンズ戦。ドラゴンズも先発投手陣が整備されてきているだけに、高橋宏あたりをぶつけられると今の打線の調子では苦しいか。オールスターから外れた選手たちがその間にどれだけ調整できるか。また、オールスター組の近本や中野がどれだけ他チームの主力から刺激をもらえるか。今節のように好投する先発投手たちを連日見殺しにするようなことは続いてほしくない。
 育成登録の高橋遥、佐藤蓮、川原が支配下登録に。現在の登録枠はのこり2。福島ら野手から支配下に登録される選手が出てほしいのだけれど。
 とにかく後半戦、野口たちが一軍に慣れて活躍するのを楽しみにしたい。

(2024年7月22日記)


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