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高橋遥人、1025日ぶりの勝利で連敗止める

 今節は神宮球場でスワローズ3連戦。第1戦は才木が先発し山田哲のホームランで逆転負け。第2戦では及川が村上宗にホームランを打たれるなどして先制され、打線はサイスニードに抑えられ、5回裏、雷雨のためコールド負け。第3戦はビーズリーが好投し、森下の活躍で連敗を止め、1勝2敗。続く京セラドーム大阪の首位カープ戦。第1戦は村上が打ちこまれ、今季初登板の森に抑えられて敗れる。第2戦は大竹がスロープを狙い撃ちされて連敗。第3戦は3年ぶりに復活登板した高橋遥が無失点で抑えると、前川や大山のホームランなどでカープ投手陣を打ち崩し1勝2敗。今節は2勝4敗。今季通算53勝47敗5分の勝率.530で3位。首位のカープとは3.0差。2位のジャイアンツとは2.0差。最下位スワローズに連敗したため、少し離されてしまった。

◎スワローズ14回戦……4-5
 スワローズの先発はヤフーレ。1回表、1死から中野が歩き、森下のレフト前ヒットで一三塁とすると、佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで先制。しかし大山はショートゴロ併殺で追加点は取れず。タイガースの先発は才木。1回裏、1死から長岡に二塁打を打たれ、オスナの二塁ゴロで三進。しかしここは村上宗を空振り三振に取る。2回表、前川と木浪の連打で無死一二塁としたが、梅野のサードゴロ併殺で2死三塁に。才木は二塁ゴロに倒れる。2回裏、二塁打のサンタナは太田の一塁ゴロで三進。山田哲は空振り三振に取ったが、中村にレフト前タイムリーヒットで同点とされる。3回表、近本がライト前ヒットと二盗。中野の二塁ゴロで三進。森下はショートゴロに倒れたが、佐藤輝のライトスタンドへのツーランホームランで2点差をつける。3回裏、丸山和に二塁打を打たれ、1死後、オスナのライトフライで三進。しかしここも村上宗をレフトフライに打ち取り切り抜ける。4回表、前川のヒットと才木と近本の四球で2死満塁としたが、中野は一塁へのライナーで追加点は取れず。4回裏、サンタナと太田の連打で無死一二塁とされ、山田哲のレフトポールを巻くスリーランホームランで逆転を許した。ヤフーレは5回3失点で交代。6回表、二番手田口の前に三者凡退。6回裏、1死から中村がレフト前ヒットで出るも、代打宮本の二塁ゴロで二進した際に足をつって退場。代走に松本直。丸山和は見逃し三振でここも切り抜けた。7回表、三番手大西に対し1死から近本と中野の連打でチャンスを作るも森下はショートゴロ併殺。7回裏、二番手富田は長岡のヒットとオスナへの死球で無死一二塁に。村上宗はショートゴロで二封。ここで三番手岡留と交代。サンタナをショートゴロ併殺に打ち取る。8回表、四番手山本に対し1死から大山が歩き、五番手木澤と交代。代打渡邉はライト線へ落ちる二塁打を放ち二三塁とし、渡邉の代走に島田。木浪の高く弾む一塁ゴロはベースカバーが遅れてタイムリー内野安打となりついに同点に追いつく。ここで雨が強くなり8分間の中断。梅野は空振り三振、代打原口はショートゴロで勝ち越せず。8回裏、四番手ゲラが三者凡退に抑える。9回表、六番手小澤の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎は代打増田にセンター前ヒットを打たれ、丸山和のバントで二進。長岡を歩かせ、オスナは空振り三振に取ったが、村上宗に投手の足元を抜くセンター前サヨナラタイムリーヒットを打たれ、惜敗。ともにチャンスでの併殺打が目立った試合となった。
◎スワローズ15回戦……0-4
 スワローズの先発はサイスニード。1回表、近本がセンター前ヒットで出ると、中野がバントで送り、森下のライトフライで三進。しかし佐藤輝はレフトフライに倒れて先制点は取れず。タイガースの先発は及川。1回裏、2死から四球のサンタナを置いて村上宗にライトスタンドにツーランホームランを打たれる。2回表、大山がセンター前ヒットで出るも後続を断たれる。2回裏、1死から山田哲にレフト前ヒットを打たれ、松本直の三塁ゴロは佐藤輝がバウンドを合わせ損ねて弾きエラーで無死一二塁に。サイスニードのバントを佐藤輝が今度は一塁へ悪送球し満塁に。丸山和のセンター返しの打球は中野が好捕して二封したが、山田哲が生還して3点差に。長岡にもレフト前にタイムリーヒットを打たれ4点差とされる。それでも及川は3回裏、村上宗、オスナ、太田を三者空振り三振に取る。4回裏、1死から松本直に二塁打を打たれるも、中野の二塁ゴロへの美技もあり、追加点は許さず。5回表、サイスニードにはテンポよく三者凡退に抑えられ、勝ち投手の権利を与える。5回裏、長岡とサンタナに連打されたところで雷雨が激しくなり、30分の中段のノニコールドゲームが宣告され、連敗が確定した。
◎スワローズ16回戦……6-3
 スワローズの先発は吉村。2死から森下がレフト前ヒットを放つも佐藤輝は空振り三振。タイガースの先発はビーズリー。1回裏、岩田幸のセーフティバントが内野安打となったが、長岡をショートゴロ併殺に打ち取り、サンタナは空振り三振。2回裏、村上宗を歩かせたが、オスナは空振り三振。太田のレフトへのファールフライは前川がブルペンのマウンドにも足を取られることなく好捕。しかし山田哲のレフト前ヒットで一二塁とされると、松本直のセンター前タイムリーヒットで先制される。4回表、森下が吉村のカーブを狙い撃ちしレフトスタンドに同点のソロホームランを放つと、佐藤輝は四球。大山の三塁ゴロの間に佐藤輝は内野手の動きを見て一気に三進。前川のレフト前タイムリーヒットで勝ち越す。5回表、1死からビーズリーが歩き、近本の投手強襲ヒット、中野の四球で満塁とすると、森下のレフト前に落ちる2点タイムリーヒットで3点差とする。一二塁から佐藤輝のセンター前タイムリーヒットで4点差とし、なおも一二塁で大山のレフト前タイムリーヒットと続き5点差をつける。ここで吉村は降板。二番手の左腕山野の前に後続を断たれる。5回裏、山田哲を歩かせたが、松本直は空振り三振。西川の一塁ゴロで二封。岩田幸の打席で西川に二盗を許すが、岩田幸は空振り三振。ここで試合が成立し、スワローズの山田哲は通算1500試合を達成した。7回表、三番手山本の前に中野、森下、佐藤輝が三者三振。7回裏、オスナのバットをへし折られての三遊間のゴロはバットとボールが同時に同じ方向に飛び、佐藤輝も木浪もバットをよけたためヒットになる。しかし代打内山は三塁ゴロで二封。山田哲はショートへのフライ、松本直はレフトフライと後続を断つ。8回表、四番手ロドリゲスの前に三者凡退。ビーズリーは7回1失点で、余力を残して交代。二番手の桐敷は点差が開いていたためか西川にレフト前ヒットを打たれると、岩田幸はショートゴロで二封したが、長岡の四球とサンタナのライト前ヒットで満塁とされ、村上宗にレフト前2点タイムリーヒットを打たれてしまい、降板。1死一二塁で三番手石井はオスナにセンター返しを打たれるが、中野が好捕し、二塁ゴロ併殺と切り抜けた。9回表、五番手石山の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎は内山にセンター前ヒットを打たれたが、代打増田をライトフライに打ち取ると、代打北村拓は一塁ゴロ併殺で逃げ切った。ビーズリーが6勝目。岩崎は17セーブ。ヒーローインタビューは同点ホームランを含む3打点猛打賞の森下。
◎カープ17回戦……3-6
 タイガースの先発は村上。2回表、1死から坂倉にライト前ヒットを打たれ、2死後、矢野にセンター前ヒットを打たれて一二塁とされ、林の三塁ゴロを佐藤輝が一塁へ悪送球。坂倉が生還して先制点を許す。3回表、秋山翔と野間の連打、小園のバントで1死二三塁とされ、末包のショートゴロで二封するが、秋山翔が生還して2点差とされる。坂倉には東証州のタイムリーヒットを打たれ、3点差に。4回表、矢野にファールで粘られた末に歩かせ、1死後、森のバントで矢野は二進。秋山翔のレフト前タイムリーヒットで4点差とされる。カープの先発は今季一軍初昇格の森。4回裏、2死から大山がやっと二塁内野安打を放つまでノーヒットに抑えられていて、特にコーナーいっぱいを突く低めの球を打ちあぐねる。5回裏、坂本のライト前ヒットと代打渡邉の三塁ゴロを小園が弾くエラーで1死一二塁に。近本は三進に倒れたが、中野が左中間を破るタイムリー二塁打を放ち3点差に。村上は5回4失点で降板。6回表、二番手にはリリーフ要因として再昇格した伊藤将。6回表は走者を出しながらもなんとか無失点に切り抜けた。森は5回1失点で交代。6回裏、二番手黒原の前に三者凡退。7回表、続投の伊藤将はレフト前ヒットの秋山翔を野間のバントで送られ、小園にレフト前タイムリーヒットを打たれ4点差とされる。7回裏、三番手島内にも三者凡退に抑えられ、8回表、三番手漆原は矢野のヒットと上本の投手ゴロを漆原が悪送球して無死一二塁とされ、堂林のバントは堂林が捕手の守備妨害をしたためアウトとなったが、秋山翔のレフトフライで矢野が三進。野間のセンター前タイムリーヒットで5点差とされる。8回裏、四番手コルニエルに対し1死から中野が歩き、森下の左中間を破るタイムリー二塁打で4点差に。佐藤輝のレフト前ヒットで一三塁とし、大山の二塁ゴロで佐藤輝が二封される間に森下が生還し3点差に迫った。しかし代打原口の三遊間の当たりは矢野に好捕され、円筒で一塁にストライク送球でショートゴロに。9回表、四番手富田は坂倉のヒットと菊池の二塁打で無死二三塁とされ、矢野を空振り三振に取ったところで五番手岡留と交代。上本を浅いレフトフライに打ち取ると、堂林をライトフライに打ち取って切り抜けた。9回裏、クローザーの栗林の前に三者凡退で締められ、首位カープに対する初戦を落としてしまった。
◎カープ18回戦……1-5
 カープの先発は森下暢。1回裏、2死から森下翔がレフト前ヒットを放つも佐藤輝は三塁へのフライに倒れる。タイガースの先発はカープキラーの大竹。2回表、末包を歩かせ、坂倉のライト前ヒットと菊池のバントで1死二三塁に。堂林にセンターの頭上を越す2点タイムリー二塁打で先制される。2回裏、大山のライトへのヒットと坂本のレフト線への二塁打で2死二三塁とし、大竹のライト前タイムリーヒットで1点差と迫る。3回表、1死から矢野に二塁打を打たれ、小園のバントで三進。dtdここは末包をセンターフライに打ち取る。5回裏、1死から近本がセンター前ヒットを放つね中野は二塁ゴロ併殺。7回表、大竹がつかまる。1死から菊池と堂林の連打で一二塁とされ、森下暢は空振り三振に取ったが、會澤にレフト前にタイムリーヒットを打たれて2点差に。秋山翔を歩かせ満塁にされると、矢野のレフト前タイムリーヒットで3点差に。ここで大竹は降板。二番手富田は小園をレフトフライに打ち取り何とか切り抜けた。7回裏、前川が左内ももに当たる死球で出たが、木浪は一邪飛。坂本は二塁ゴロを菊池の美技で併殺とされる。8回表、三番手岡留は三者凡退に抑える。9回表、四番手漆原は堂林にセンター前ヒットを打たれ、代走に羽月。森下暢のバントは捕邪飛としたが、會澤の見逃し三振の際に羽月に二盗され、秋山翔のレフト前タイムリーヒットで4点差とだめ押しされる。9回裏、尻上がりによくなった森下暢は完投を狙う。森下翔が四球で出るも、佐藤輝はライトフライ。大山は二塁ゴロ併殺で首位への挑戦は連敗となった。
◎カープ19回戦……4-0
 タイガースの先発は3年ぶりの高橋遥。1回表、中村奨を空振り三振に取ると、野間は見逃し三振。小園にはライト前ヒットを打たれたが末包を空振り三振に取る立ち上がり。カープの先発は九里。1回裏、近本がレフト線に二塁打を放ち、中野の二塁ゴロで三進。森下翔がセンター前にタイムリーヒットを放ち先制すると、佐藤輝は二塁ゴロで二封されたが、大山はレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打で2点差とする。2回表、坂倉を見逃し三振に取ったが、堂林にレフト前ヒットを打ちれる。それでも菊池を投手ゴロ併殺に打ち取る安定した投球。4回表、2死から堂林の三塁ゴロは佐藤輝の悪送球で出塁。菊池のレフト前ヒットと矢野の四球で満塁とされたが、代打石原を空振り三振に取って切り抜ける。九里は3回2失点で降板。4回裏、二番手黒原から前川がライトスタンドにソロホームランを放ち3点差とする。高橋遥は5回無失点手で交代。6回表は二番手石井が末包を歩かせるも後続を三者凡退に打ち取る。6回裏、三番手コルニエルの前に三者凡退。7回表、三番手桐敷は矢野にライト前ヒットを打たれたが、後続を三者凡退。7回裏、四番手塹江から代打渡邉がヒットを放つも後続を断たれる。8回表、四番手ゲラは三者凡退に抑える。8回裏、五番手河野から大山がレフトポール際にソロホームランを放ち4点差とする。9回表、クローザーの岩崎は2死から矢野にヒットを打たれるも代打上本を二塁へのフライに打ち取って高橋遥にウィニングボールを渡した。ヒーローインタビューは1025日ぶりの勝利を飾った高橋遥。涙はなく、はにかむような笑顔は3年前と変わらなかった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……高橋遥人 3年間でトミー・ジョン手術を含む3度の手術を受け、育成契約にまで落ちた”地獄を見た男”が見事な復活劇。しばらくは間隔を置いての登板となるだろうが、特にカープとジャイアンツに対する秘密兵器としてシーズン終盤は切り札となるだろう。焦らず、間隔をあけて全盛時の投球を取り戻してもらいたい。復帰おめでとう。そして、この試合に負けたら一気にカープとの差をつけせられるところを勝ったのは大きい。
野手……前川右京 左投手からもホームランを放つなど、特に速球投手に強く、追いこまれてからの軽打もうまい。少なくとも左投手先発時にスタメンから外され、野口が起用されると「岡田監督は勝つのをあきらめたか」と思わせられるくらい、期待度に差がある。野口には申し訳ないが、一軍ではまだ使い物にならないので、前川を固定して起用してもらいたい。何かしてくれるという期待をさせるものを前川は持っているのだ。

 次節は移動日なしで東京ドームのジャイアンツ戦。ローテーションでは西勇、才木、及川かビーズリーとなろうまだ勝負をかける時ではないが、ジャイアンツキラーのビーズリーは投入したいところだ。1日置いてバンテリンドームナゴヤでドラゴンズ戦。村上と大竹がここのところ不調なだけに、広い球場で思い切った投球をしてもらえればと思う。2カード連続負け越しただけに、次節で挽回してほしい。また、リード面に不満があるとかで坂本がファームへ。梅野と長坂の2人体制では原口を代打に使いにくくなる。なぜ岡田監督は榮枝を一軍に上げたがらないのか。ビーズリーの好投などは二軍で榮枝と組んでいたからなので、リード面でも信頼できると思うのだが。岡田監督の選手に対する決めつけという悪い面がまた出てきたのではないかと心配している。少なくともスタメンで出ては凡打を繰り返す野口をファームで調整させ、第3の捕手として榮枝を一軍に置くほうが作戦の幅が広がると思うのだが。岡田監督はなぜ前川を外して起用するほど野口が大好きなのか、理解に苦しむ。

(2024年8月11日記)


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