愛すれどTigers


長期ロード、投打がかみ合わず失速

 今節は今季最後の東京ドームでのジャイアンツ3連戦。第1戦は西勇が好投するも打線が山崎伊の前に沈黙して惜敗。第2戦では才木がリードを守り切れず同点にされたがジャイアンツのリリーフ陣を打ちこんで勝利。第3戦は及川が浅野に満塁ホームランを打たれて敗れ、1勝2敗。続くバンテリンドームナゴヤのドラゴンズ戦。第1戦はビーズリーが好投するも、ドラゴンズの小刻みなリレーの前に打線が沈黙して破れる。第2戦は村上が審判の判定に泣かされ四球を連発し打たれたが、打線がつながりリードするも岩崎が打たれて同点とされ引き分け。第3戦は大竹と伊藤将が打ちこまれ、打線は大野を崩しきれず0勝2敗1分。今節は1勝4敗1分。今季通算54勝51敗6分の勝率.514で3位。首位のカープとは5.0差。2位のジャイアンツとは4.0差。今節は長期ロードで失速。ここまで踏ん張ってきた投手陣に陰りが見えてきた。

◎ジャイアンツ19回戦……0-1
 タイガース西勇、ジャイアンツ山崎伊の投手戦。1回表、2死から森下が四球で出るが、佐藤輝はショートゴロに倒れる。1回裏、丸にセンター前ヒットを打たれ、吉川のバントで二進。坂本勇はショートゴロに打ち取ったが、岡本和の三塁ゴロを佐藤輝が一塁に悪送球し、その間に丸が生還して先制点を許す。結局これが決勝点となった。4回表、1死から森下がショートの頭上を襲う強いライナーを放つも、門脇がジャンプしたグラブに収まりアウトに。佐藤輝は四球で出たが、大山は三塁ゴロに倒れる。5回表、1死から木浪がレフト前にこの試合、チーム初安打を放つも梅野は空振り三振、西勇はセンターフライに倒れ、進塁できず。6回表、1死から中野がレフト前ヒットを放つも森下は投手ゴロ併殺。7回表、佐藤輝と大山が凡退したところで山崎伊は交代。二番手高梨の前に前川は空振り三振。7回裏、1死から大城卓に二塁打を打たれ、代走に立岡。ここもオコエをショートゴロ、岸田を投手ゴロに打ち取り進塁を許さず。8回裏、代打渡邉に対し、三番手船迫が登板。渡邉は空振り三振。2死後、代打島田が右中間に二塁打を放つと、四番手バルドナードと交代。近本は空振り三振に倒れる。西勇は7回1失点で無念の降板。8回裏、二番手桐敷は三者凡退に抑える。9回裏、クローザーとしてケラーが登板。三者凡退に抑えられ逃げ切られた。山崎伊に対し球数を投げさせ早めの降板に追い込んだが、小刻みな継投に抑えられた。
◎ジャイアンツ20回戦……8-5
 佐藤輝がスタメンから外れ、森下がプロ入り初の四番打者とスタメンが変更された。ジャイアンツの先発はグリフィン。1回表、近本がレフト前ヒットで出ると、中野との間でヒットエンドラン。中野は二塁ゴロに倒れたが、近本は二進。2死後、森下がレフトスタンドにツーランホームランを放ち2点先制する。タイガースの先発は才木。1回裏、丸に先頭打者ホームランをライトスタンドに打たれて1点差に。吉川にもレフト前ヒットを打たれたが、二塁を狙う吉川を野口の好返球で刺す。阿部監督のリクエスト申請も判定は覆らず。3回裏、門脇のセンター前の当たりを近本がダイビングキャッチする美技。グリフィンには二塁打を打たれたが、丸はセンターフライ、吉川は一塁ゴロに打ち取る。4回表、渡邉が歩き、森下の二塁ゴロで二進。大山も四球、野口のセンター前ヒットで満塁とし、2死後、木浪がライト線に走者一掃の3点タイムリーヒットを放って4点差とする。グリフィンは4回5失点で降板。5回表は二番手今村から近本がセンター前ヒットを放つも後続は三者凡退。5回裏、才木が突如乱れる。長野のライト前ヒット、岸田への四球と門脇のバントで1死二三塁とされ、モンテスにレフトの頭上を越える2点タイムリー二塁打を打たれ2点差に。丸のライトへの大きなライトフライを森下が好捕したが、吉川のレフト線へのタイムリー二塁打で1点差とされると、坂本勇にもレフト前に同点となるタイムリーヒットを打たれる。6回表、三番手船迫の前に三者凡退。才木は5回5失点で降板。6回裏、二番手の石井は2死から門脇とモンテスの連打、丸への四球で満塁とされたが、吉川を二塁ゴロに打ち取り切り抜けた。7回表、四番手高梨に対し、1死から代打原口が歩き、近本のライト線への二塁打で二三塁とし、原口の代走に植田。中野が歩いて満塁とし、渡邉が左中間を破る走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち勝ち越す。高梨はここで降板し、五番手伊藤優に交代。森下の投手内野安打は阿部監督のリクエスト申請で判定が覆りアウトに。大山は二塁へのライナーに倒れて追加点はならず。7回裏、三番手ゲラは岡本和に二塁打を打たれるも後続を断つ。8回表、六番手平内に対し梅野がヒットを放ち木浪のバントで二進するも代打佐藤輝は二塁ゴロに倒れる。8回裏、四番手桐敷は2死からモンテスに二塁打を打たれたが、丸をセンターフライに打ち取る。9回裏、クローザーの岩崎は吉川を見逃し三振、坂本勇を空振り三振、岡本和をセンターフライに打ち取り逃げ切った。石井が4勝目。岩崎は18セーブ。ヒーローインタビューは決勝打を放った渡邉。
◎ジャイアンツ21回戦……0-4
 今季東京ドーム最後の試合。ジャイアンツの先発は戸郷。1回表、近本がレフト前ヒットで出ると、中野とのヒットエンドランで、中野のショートゴロで近本は二進。しかし森下は空振り三振。佐藤輝はセンターフライに倒れて先制機を逸した。タイガースの先発は及川。1回裏、丸にセンター前ヒットを打たれるも吉川のショートゴロで二封。坂本勇の打席で及川は暴投、吉川は二進。しかし坂本勇は見逃し三振、岡本和は空振り三振に打ち取った。3回表、1死から及川が一塁への内野安打を放つも、阿部監督が二度打ちではないかと抗議。審判団の協議で抗議は受け入れられず。しかし近本は空振り三振、中野は三塁ゴロとここも走者を生かせず。4回表、森下がレフト前ヒットで出るも佐藤輝は二塁ゴロ併殺、大山は空振り三振。4回裏、2死から大城卓を歩かせ、モンテスの二塁打と門脇への四球で満塁とされ、浅野にレフトスタンド最前列に入る満塁ホームランを打たれる。及川はこの回限りで降板。5回裏からは二番手富田が好投。6回裏に大城卓の四球と門脇の二塁打で2死二三塁とされるも浅野をセンターフライに打ち取る。7回表、1死から佐藤輝がライト前ヒットを放つも大山は二塁ゴロ併殺。7回裏、三番手伊藤将は三者凡退に抑える。8回表、2死から代打糸原がボールをたたきつける二塁内野安打で出ると、代打渡邉のセンター返しの打球は吉川に好捕されるも二塁送球の際門脇が触塁しておらず、判定はアウトだったが岡田監督のリクエスト申請で覆って内野安打となる。しかし近本は二塁ゴロに倒れてまたも走者を生かせず。8回裏、四番手岡留は2死から大城卓にヒットを打たれ、モンテスのレフトフェンス直撃の二塁打で大城卓は一気に本塁を突くが、前川が判断よくリバウンド球を木浪に送球し、榮枝へストライク返球し大城卓は本塁憤死。阿部監督のリクエスト申請も判定は覆らず。9回裏、中野がライト前ヒットで出るも、森下、佐藤輝、大山が凡退して戸郷に完封を許してしまった。走者を出しても併殺などで生かせなかったのが大きかった。
◎ドラゴンズ19回戦……1-2
 ドラゴンズの先発は小笠原。1回表、近本の打球は小笠原の左腕を直撃。投手強襲ヒットとなったが、小笠原はベンチに下がって治療。再びマウンドに戻る。中野のバントで近本は二進。2死後、佐藤輝は四球で一二塁とし、大山のセンター前タイムリーヒットで先制した。小笠原は1回限りで降板。2回表、二番手祖父江に抑えられる。タイガースの先発はビーズリー。2回裏、2死から高橋周にライト前ヒットを打たれるも田中は空振り三振。4回表からは三番手岩嵜の前に三者凡退。5回表には木浪、ビーズリー、近本が三者三振に倒れる。5回裏、高橋周にセンター前ヒットを打たれると、木下のバントで二進。2死後、代打大島のライト線へのタイムリー二塁打で同点に追いつかれる。6回表、四番手橋本から中野が内野安打を放つも、森下はショートゴロ併殺。佐藤輝は見逃し三振。6回裏、川越にライトスタンドにソロホームランを打たれ、1点リードを許す。7回表、1死から野口と梅野隆が歩き、野口の代走に島田。しかし代打渡邉諒は一塁ゴロ併殺に倒れる。ビーズリーは7回2失点で交代。8回裏は二番手伊藤将が三者凡退に抑える。9回表、クローザーのR・マルティネスのまえに森下、佐藤輝、大山は三者凡退で逃げ切られた。ドラゴンズのリリーフ陣の前に完全に抑えられてしまった。
◎ドラゴンズ20回戦……5-5
 ドラゴンズの先発はメヒア。1回表、近本がレフト線へ二塁打を放ち、1死後、森下が四球で一二塁に。佐藤輝のライト前タイムリーヒットで先制。タイガースの先発は村上。1回裏、岡林にレフト前ヒットを打たれ、山本のバントで二進。2死後、細川と石川昂を歩かせ満塁に。高橋周のレフト前2点タイムリーヒットで逆転を許す。2回表、木浪の四球と梅野隆のライト前ヒットで無死一二塁としたが、村上はスリーバント失敗。近本の二塁ゴロで二封。一三塁としたが、中野は二塁ゴロに倒れる。2回裏、岡林のヒットと山本への四球、川越のテキサス性のヒットで1死満塁とされたが、細川を空振り三振に取ると石川昂をレフトフライに打ち取り切り抜ける。3回表、森下の四球と佐藤輝と大山の連打で無死満塁とし、ここでメヒアは降板。二番手は福。前川が押し出し四球で同点としたが、木浪は空振り三振、梅野隆は二塁ゴロ併殺に倒れ、勝ち越しはならず。4回表、近本のヒットと森下の四球で2死一二塁としたが、佐藤輝は三塁ゴロに倒れる。5回表、三番手フェリスに対し大山の四球と前川のレフト前ヒットで無死一三塁とし、木浪のショートゴロ併殺の間に大山が生還して1点リード。5回裏、2死から宇佐見を歩かせ村松のセンター前ヒットで一二塁とされると、田中のライト前タイムリーヒットでまたも同点に。村上はここで降板。二番手富田は岡林を一塁ゴロに打ち取るが、ベースカバーが遅かったと判定され、内野安打で2点を取られるところだったが、岡田監督のリクエスト申請で判定が覆り、一塁ゴロ無失点で切り抜けた。6回表、1死から近本が歩き、中野の打席で二盗。さらにフェリスの暴投で三進。中野のライト前タイムリーヒットでまたもリード。森下の打席でまたもフェリスは暴投し、中野は二進。森下はレフトフライに倒れたが、佐藤輝のレフト前タイムリーヒットで2点差とする。大山もレフト前ヒットで続き、ここでフェリスは降板。四番手齋藤の前に前川は空振り三振。6回裏、三番手石井は三者凡退に抑える。7回表、五番手藤嶋から梅野隆がヒットで出るも盗塁死、代打原口は空振り三振。7回裏、四番手桐敷も三者凡退に抑える。8回裏は五番手ゲラが1死から田中に二塁打を打たれ、岡林の一塁ゴロで三進されるが代打大島は投手ゴロに打ち取り切り抜ける。9回表、六番手岩嵜の前に三者凡退。9回裏、クローザーの岩崎は1死から細川にライト前ヒットを打たれ、石川昂のセンターとショートの間に落ちるテキサスヒットで一二塁とされ、石川昂の代走に尾田。高橋周はショートへのフライに打ち取り2死としたが、代打ブライトを歩かせ、満塁に。代打福永の三遊間の当たりは木浪が好捕したが、二塁走者の小田がホームをついているの二三塁に送球してしまうというミスが出て同点に追いつかれる。試合は延長戦に。10回表、R・マルティネスに対し梅野隆のライト前ヒット、島田のバント、近本のライト前ヒットで1死一三塁としたが、中野は空振り三振。森下の打席で近本が二盗し二三塁に。しかし森下はレフトフライに倒れ、好機を逸する。10回裏、七番手の岡留は三者凡退に抑える。11回表、八番手清水の前に三者凡退。11回裏、続投の岡留は細川を歩かせ木下のバントで二進。高橋周は申告敬遠で一二塁に。代打味谷はセンターフライに打ち取ったが、福永には死球で満塁とされる。それでも田中を空振り三振に取りよく踏ん張った。12回表、九番手の松山に対し木浪と梅野隆は連続空振り三振。島田のレフト前ヒットと松山の暴投で2死二塁とし、近本は申告敬遠。中野はショートゴロに倒れる。12回裏、八番手の漆原は2死から川越を歩かせたが細川を三塁ゴロに打ち取り、なんとか引き分けに終わった。この試合は球審のストライクゾーンが狭く、村上のようなきわどいところでコントロールする投手は非常に不利になった。内外角をきっちり見分ける球審であれば試合展開はかなり違っていたと思われた。
◎ドラゴンズ21回戦……4-8
 ドラゴンズの先発は大野。1回表、近本がレフト前ヒットを放ち、中野のバントで二進。しかし森下は一邪飛に倒れ、佐藤輝は見逃し三振。タイガースの先発は大竹。2回裏、細川と山本のヒットで1死一三塁とされるが木下をショートゴロ併殺に打ち取る。3回表、レフト前ヒットの木浪を大竹がバントで送り、近本のレフト線へのタイムリー二塁打で先制する。3回裏、村松にセンター前ヒットを打たれ、大野のバントで二進。2死後、岡林のセンター前タイムリーヒットで同点とされ、高橋周を歩かせて一二塁に。細川にライトの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれて2点のリードを許す。4回表、佐藤輝のライト前ヒットと大山のレフト線への二塁打、前川の死球で無死満塁とし、梅野のレフト犠牲フライで1点差とする。しかし木浪がレフトフライに倒れ、岡田監督は大竹に代打渡邉を送る勝負手を打つが渡邉はショートゴロに倒れてしまう。4回裏、二番手伊藤将は山本と木下の連打と村松への四球で無死満塁とされ、大野にレフト前にタイムリーヒットを打たれ2点差に。ブライトは空振り三振に取り岡林は浅いセンターフライに打ち取ったが高橋周にセンター前2点タイムリーヒット、細川にセンター前タイムリーヒットを打たれ、5点差とされる。5回裏、三番手の石黒は四球の走者を出すも後続を断つ。6回表、大山がレフトスタンドにソロホームランを放ち4点差と迫る。6回裏、続投の石黒は1死から岡林、高橋周、細川の三連打で1点を失いまたも5点差に。しかし石川昂をショートゴロ併殺に打ち取って最少失点にとどめた。7回裏、四番手漆原は山本のヒットと村松の二塁打で1死二三塁とされるも後続を断つ。大野は7回3失点で交代。8回表、二番手祖父江に対し2死から大山がレフト前ヒットを放つと、前川のライト線タイムリーヒットで4点差に。8回裏、五番手富田は高橋周にヒットを打たれるも、細川の二邪飛を中野が好捕するなどして切り抜ける。9回表、三番手橋本に対し1死から代打原口がレフト前ヒット、近本がレフト前ヒットを放つと、ここでクローザーのR・マルティネスに交代。中野はセンターフライ、森下は三塁ゴロに倒れ、このカードは1勝もできず。岡田監督の勝負手の失敗と二番手伊藤将の乱調が大きく響いた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……石井大智 疲れの見えてきた投手陣の中で、唯一無失点記録を伸ばし、9イニング以上ノーヒットという先発ならノーヒットノーラン並みの好投を続けた。桐敷とともに、勝ちゲームでは欠かせないピース。岩崎が不安定な今、思い切ってクローザーに起用する手もありかと思わせる。
野手……近本光司 打線がつながらない中、近本は先頭打者としてヒットを打ち続けている。外角球を見逃し三振というケースもあるが、好球必打で甘い球は間違いなくとらえている。ただ、中野が不調なため、打線がつながらないのでこの好調が生きてこないのがつらい。

 次節は京セラドームでスワローズ戦。前回の神宮で負け越してからチーム全体の調子がおかしくなってきた。ここでまた取りこぼすようだとAクラスも危うくなってくる。及川に代わり青柳をファームから引き上げるという事なので、ぜひここは意地を見せてほしいものだ。続いてはマツダスタジアムで首位カープ戦。大きく引き離されるか、何とか食らいつくか。高橋を再度あて、門別の起用も考えられているというので、疲れの見えてきた先発投手陣に代わるピースとしてなんとか失速を食い止めてもらわなければ。
 せっかく榮枝を昇格させて捕手3人制を取ったのにもかかわらず、梅野に代打を出すという事もなく3人制を生かしきれなかった。結局榮枝は1試合のみの起用で坂本と交代でまたファーム落ちという事になるだろう。これだけ負けがこんでいるのだから、長坂や榮枝に経験を積ませるということはできないものか。こと捕手となると前回の監督時代も矢野にばかり頼り切って野口を飼い殺しのようにしてしまったが、その轍をまた踏んでいるように思う。一軍メンバーに刺激を与えたり、若手に経験を積ませたりする意味では、結果の伴わない野口に代えて戸井や山田を一軍に上げたりしてもいいのではないかと思うが。結果がもし出なくても、一軍の試合を経験させるというところに価値がある。若手捕手の中川や藤田を一軍ベンチに入れながら1試合も起用しなかったこともあったが、選手起用に関しては岡田監督の良くない面が見えてきた。

(2024年8月19日記)


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