愛すれどTigers


連覇を逃すが2位確定

 今節はマツダズームズームスタジアムでカープ最終戦。延長戦でリリーフに回った村上がサヨナラ安打を打たれ敗れる。翌日は神宮球場に移動してスワローズ最終戦。ビーズリーが太ももに打球を受けた影響で打ちこまれ大敗。ジャイアンツが勝って優勝を決め、連覇はならず。翌日は今季公式戦最後となる甲子園球場に戻りベイスターズ2連戦。初戦は才木が打たれるが佐藤輝の逆院三塁打などで先勝。この勝利で今季2位を確定した。第2戦では青柳、村上をポストシーズンのために試投させたり、佐藤蓮、川原のプロ入り初登板などで試しに起用したりし、村上が打たれ、8回までノーヒットリレーと抑えられていたが、9回に2安打してノーヒットノーランは免れ1勝1敗。今節は1勝3敗。今季通算73勝63敗6分の勝率.537で今季の2位が確定。優勝したジャイアンツとは3.5差。3位のベイスターズとは4.0差。
◎カープ25回戦……2-3
 カープの先発は大瀬良。1回表、2死から森下翔が歩き、大山のレフトフェンス直撃のヒットで一三塁に。佐藤輝はよく粘って四球で満塁としたが、前川は一塁ゴロに倒れ先制点はならず。タイガースの先発は大竹。1回裏、秋山翔にライト前ヒットを打たれるも中村奨は空振り三振。矢野の二塁ゴロで二封。小園にライト線へ二塁打を打たれて二三塁となり、坂倉のライト前2点タイムリーヒットで先制される。2回表、2死から大竹が左中間を破る二塁打を放つも、近本はレフトフライに倒れる。ここからは大瀬良も大竹も一歩譲らぬ投手戦となるが、7回表、佐藤輝がフォークボールを狙い撃ちして右中間スタンドへソロホームランを放ち1点差とする。ここで大瀬良は降板。二番手黒原の前に三者凡退。7回裏、センター前ヒットの菊池を代打堂林がバントで送り、會澤は死球で一二塁に。ここで大竹は降板。二番手桐敷は代打磯村を見逃し三振に取ると、秋山翔をライトフライに打ち取り切り抜ける。8回表、三番手ハーンに対し1死から近本がレフト前ヒットで出ると、中野のバントで二進。森下のレフト前タイムリーヒットで同点に追いつく。8回裏は三番手岩崎が三者凡退に抑え、9回表は四番手栗林から佐藤輝のライト前ヒットと、小野寺のバントは栗林の一塁送球がそれて坂倉が弾き無死一三塁に。小野寺の代走に島田。代打糸原は浅いライトフライで佐藤輝は動けず。木浪の打席で島田が二盗。木浪が歩き満塁に。しかし代打梅野は空振り三振。近本も空振り三振に倒れ、得点できず。9回裏は四番手石井が2死から大盛に内野安打を打たれるも會澤をレフトフライに打ち取り、試合は延長戦に。10回表、五番手森浦の前に三者凡退。10回裏、五番手ゲラも三者凡退に抑える。11回表、六番手島内から佐藤輝がライト前ヒットを放ち、島田との間でヒットエンドラン。島田はショートゴロに倒れるが、佐藤輝は二進。代打井上は空振り三振。木浪が歩いて一二塁に。しかしここも梅野は見逃し三振に倒れる。11回裏、六番手村上は三者凡退に抑える。12回表、続投の島内に対し2死から森下翔が歩き代走に植田。しかし大山は一塁ライナーに倒れる。12回裏、1死から代打の間は一塁ゴロ。しかし村上のベースカバーが遅れて大山の送球が悪送球となり野間は二進。代打末包のライトを越えるタイムリー二塁打でサヨナラ負け。村上は敗戦後、涙が止まらず。マツダスタジアムの最終戦でレフトスタンドにあいさつするが、村上は深く礼をしたまま動けず。ジャイアンツがドラゴンズに勝ちタイガースが敗れたため、マジックナンバーは1に。
◎スワローズ25回戦……2-7
 タイガースの先発はビーズリー。1回裏、西川の二塁打と村上宗への死球、オスナへの四球で2死満塁とされるが、山田哲をショートへのフライに打ち取って切り抜ける。スワローズの先発は山野2回表、佐藤輝がレフト線へ二塁打を放ち、井上のショートゴロで三進。しかし梅野はヒット性のショートライナーで、飛び出していた佐藤輝は戻れず長岡の三塁送球で併殺に。2回裏、丸山和の投手へのライナーがビーズリーの太ももを直撃。ビーズリーは痛みでしばらく立てず、やっとベンチに戻って治療を受け、マウンドに戻る。しかしその影響か球威が落ち、内山はショートライナーに打ち取るが、山野のバントで丸山和は二進。長岡のセンター前タイムリーヒットで先制される。西川を歩かせ一二塁とされ、サンタナのレフトスタンドへのスリーランホームランで4点差とされる。3回表、2死から近本が歩き、中野のライト前ヒットで一二塁に。森下のレフト前タイムリーヒットで2点差とした。ビーズリーは2回4失点で降板。3回裏、二番手富田は2死から丸山和にセンター前ヒットを打たれ、暴投で二進を許すが内山をレフトフライに打ち取る。4回表、佐藤輝はセンターフェンス直撃の三塁打を放つ。井上は浅いレフトフライに倒れたが、梅野のショートゴロの間に佐藤輝は生還して2点差に迫った。4回裏、続投の富田は2死から西川にライト前ヒットを打たれ、ボークで二進されるが、サンタナをライトフライに打ち取り切り抜けた。5回裏、三番手の岡留は村上宗にライト前ヒット、オスナには止めたバットに当たるレフト前ヒットで一二塁とされる。山田哲は空振り三振、丸山はショートゴロで二封し2死一三塁に。内山のセンター前タイムリーヒットで3点差に戻される。山野は5回2失点で降板。6回表、二番手丸山翔の前に、森下、大山、佐藤輝が三者三振。6回裏、続投の岡留は1死から西川を歩かせ、サンタナはショート内野安打で一二塁に。村上宗にはあわやホームランというセンターフライ、オスナにもあわやホームランというレフトフライで切り抜けた。7回表、三番手大西の前に三者凡退。7回裏、四番手浜地は山田哲にレフトスタンドにソロホームランを打たれ4点差とされ、丸山和を歩かせ暴投で二進。内山のレフト前ヒットで一三塁とされ、代打川端は一塁ライナーで飛び出していた内山は帰塁できず一塁でアウト。2死三塁となり、長岡にセンター前タイムリーヒットを打たれて5点差に。8回表は四番手ロドリゲスの前に、代打島田、近本、中野が三者空振り三振。8回裏、五番手島本は村上宗にヒットを打たれるも後続を断つ。9回表、クローザーの木澤に三者凡退で試合終了。その間にジャイアンツがカープに勝ってジャイアンツの優勝が決定。残る3試合で2位争いをすることになった。
◎ベイスターズ23回戦……7-6
 タイガースの先発は才木。1回表、梶原にライト線に二塁打を打たれ、桑原のバントで三進。佐野のセンター前タイムリーヒットで先制される。ベイスターズの先発は東。1回裏、近本のセンター前ヒットを中野はバント失敗の後空振り三振で送れず。森下のショートゴロで二進するも大山はレフトフライに倒れる。3回表、東にライト前ヒットを打たれ、梶原は空振り三振に取ったが、桑原のレフト前ヒットで一二塁とされ、佐野のレフト前タイムリーヒットで2点差に。二塁を狙った佐野はタッチアウト。牧はライトフライで追加点は許さず。3回裏、2死から中野がセンター前ヒットで出ると、森下の左中間を破るタイムリー二塁打で1点差とする。5回裏、木浪がレフト前ヒットで出ると、才木のバントで二進。近本の一塁ゴロで三進。中野のレフト前に落ちるタイムリーヒットで同点とする。6回表、桑原にセンター前ヒットを打たれると、佐野の三塁強襲の内野安打と牧のセンターを越えるヒットで無死満塁に。宮崎に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれ勝ち越しを許す。筒香は二塁ゴロに打ち取るが、伊藤光のスクイズは空振りに。しかし梅野が後逸し、牧が本盗の形で生還して3点差とされる。伊藤光と森敬は空振り三振。東は5回2失点で交代。6回裏、二番手中川颯の前に三者凡退。才木は6回5失点で降板。7回表、二番手漆原は1死から梶原にライトの頭上を越す二塁打を打たれ、桑原の二塁ゴロで三進。佐野を歩かせ、牧にセンター前タイムリーヒットを打たれ4点差とされる。7回裏、続投の中川颯に対し、梅野が歩き木浪の二塁ゴロは牧が二塁に送球するか躊躇し、一塁に悪送球で内野安打となり二三塁に進塁。代打糸原のレフト前タイムリーヒットで3点差とすると、ここで中川颯は降板。三番手ディアスから近本がセンターへ犠牲フライを放ち2点差に。中野の一塁ゴロで市原は二進。ディアスが降板し、四番手は伊勢。森下が歩き一二塁とすると、大山のライト前タイムリーヒットで1点差に。佐藤輝のレフト線の当たりは筒香が飛びつくも捕れず2点タイムリー三塁打となってついに逆転した。8回表は桐敷が三者凡退に抑える。8回裏は五番手ウェンデルケンに対し1死から木浪が歩き、代打島田の空振り三振の間に二盗。しかし近本は三塁ゴロに倒れて追加点は取れず。9回表、クローザーのゲラは1死から梶原にセンター前ヒットを打たれ、桑原は初球を打って二塁へのフライに倒れるが、佐野のレフト前ヒットで一二塁とされる。佐野の代走に林。それでも牧のショートゴロで二封し逃げ切った。漆原が移籍初勝利。ゲラは14セーブ。ヒーローインタビューは代打でタイムリーヒットを放った糸原、今季70試合目の当番でホールドポイント単独トップの桐敷、逆転の三塁打を放った佐藤輝。この勝利で今季の2位が確定した。
◎ベイスターズ24回戦……0-2
 試合開始前、引退する秋山のファイナルピッチセレモニーが行われ、同期の原口が捕手、ベイスターズの筒香が打席に立つ。秋山は花束を贈られ、ファンに別れの挨拶をした。タイガースの先発は青柳。2回表、戸柱と京田のヒットで1死一二塁とされるも森敬を二塁ゴロ併殺に打ち取る。ベイスターズの先発は吉野。2回裏、1死から佐藤輝が四球で出るも後続を断たれる。3回表、1死から梶原と牧の連打で一二塁とされるも、ここも佐野をショートゴロ併殺に打ち取る。青柳は3回無失点で交代。4回表、二番手の村上はオースティンを歩かせるが戸柱の二塁ゴロで二封。一塁に転送したが判定はセーフ。岡田監督のリクエスト申請も判定は覆らず。上里は空振り三振に取るが京田にセンター前ヒットを打たれる。しかし戸柱が一気に三塁を狙い、近本の返球で憤死。4回裏、1死から森下が左肩に死球。大山の三塁ゴロは京田がトンネルをして一三塁に。しかし佐藤輝は空振り三振。前川はレフトフライに倒れる。5回表、レフト前ヒットの森敬を吉野がバントで送り、梶原は空振り三振に取ったが牧を歩かせ一二塁に。佐野を二塁へのゴロに打ち取り切り抜ける。6回表、1死から戸柱を歩かせ、代打宮崎にレフトポール左にあわやホームランというファールを打たれ、三浦監督のリクエスト申請も判定は覆らず。打ち直しとなって宮崎はレフトポール右に今度こそツーランホームランを放ち先制される。村上は3回2失点で降板。7回表、三番手佐藤蓮がプロ入り初登板。梶原を空振り三振に取るなど三者凡退に抑える。吉野は6回をノーヒットの無失点に抑えて交代。7回裏、二番手伊勢の前に三者凡退。8回表、四番手はこれもプロ入り初登板の川原。1死からオースティンを歩かせるが、戸柱を空振り三振に取り、宮崎のセンター前ヒットで一二塁とされるも桑原を見逃し三振に取って切り抜ける。8回裏、三番手佐々木から坂本誠が死球。しかし代打糸原はショートゴロ併殺。小幡は二塁ゴロでここまでノーヒットに抑えられる。9回表は今季60試合目の登板となった岩崎が三者凡退に抑える。9回裏、クローザーの森原から近本がついにレフト前ヒットでノーヒットノーランリレーを阻止。1死後、森下もレフト前ヒットで一二塁としたが、大山はライトフライ、佐藤輝は空振り三振で完封負け。今季甲子園球場の最終戦を勝利で飾ることはできず。試合終了後、選手、監督、コーチ一同がファンにあいさつをし、そのあと秋山を選手たちが胴上げ。秋山はグラウンドを一周してからマウンドで一礼してファンに別れを告げた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……桐敷拓馬 今季の登板数が70試合に達し、ホールドポイントもリーグ単独トップ。石井とゲラも30ホールドを記録し、3人がホールド30を記録したのはNPB初めての記録。今節は代表して゜桐敷にMVP。ここまで来たのだからぜひ最優秀中継ぎのタイトルを獲得してほしいものだ。
野手……佐藤輝明 三振も多いが、ここぞというところでの長打も目立った。2位を確定したベイスターズ戦の逆転三塁打はまさに殊勲甲。佐藤輝の打棒がポストシーズンを左右する。一発狙いで振り回すのではなく、ヒットの延長がホームランという気持ちで打ち続けてほしい。

 次節は2日置いて横浜スタジアムでベイスターズ最終戦。3位はベイスターズとカープの争いとなっているが、ベイスターズとのCSでの対戦が濃厚になってきている。それだけにスカッと勝って相手に嫌な印象を残してシーズンを終えたい。そして次の週からはCS。まだ日本シリーズの2連覇という目標が残っている。分厚い先発投手陣とリリーフでベイスターズ打線を抑えきってもらいたいものだ。

 秋山投手の引退に続き、戦力外通告で加治屋投手、遠藤内野手、高濱外野手、片山捕手、岩田投手が戦力外通告を受けた。岩田、遠藤は一軍での出場機会がないままの戦力外で、一度でもよいから上で力を試してほしかった。高濱選手もファイターズから移籍して2年、一軍での起用はなし。昨年の高山選手といい、挑戦の機会のないままに戦力外通告を受けるのはさぞ無念だろう。また、ノイジー外野手、ミエセス外野手も戦力外に。一軍で再度起用するつもりがないのなら、7月くらいにマイナー落ちしている実力派の野手を獲得しておいてもよかったのでは。毎年のことだが、一軍での活躍の機会を再度与えてから、選手たちも納得できる形での戦力外通告というのはできなかったのだろうか。現役を続ける選手は、今季のドラゴンズ山本、板山のように移籍先でまだまだ戦力になるところを見せてほしいと心より願う。

(2024年10月1日記)


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